赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

金新時代の到来——1オンス2000ドルが大底になる?

2024-03-03 00:00:00 | 政治見解



金新時代の到来——1オンス2000ドルが大底になる? :240303情報


「有事の金」という言葉は、1970年代に生まれたとされます。アメリカとソビエト連邦(現ロシア)の冷戦期に、戦争による株価暴落などを恐れ、価値がゼロになる心配のない「金」へ投資する動きが加速したのが始まりだと言われています。それ以降、その結果、有事の際は「資産の逃避先として金(現物資産)を買う」という意識が広まり、「有事の金」という言葉が定着していきました。今回は金についての解説を国際政治学者にお願いしました。


ゴールドの大底が2000ドル時代になってきたということを言うエコノミストも増えてきました。日本で言うと1万円/1gくらいの時代になってくるでしょう。去年も各国の中央銀行が金を大量に買っています。特に反米国家のロシアやチャイナが買っていて、その他にもトルコも沢山の金を買っています。

流れとしては外貨準備でアメリカの国債を減らして、どんどん金を買っていくということです。これは中央銀行のものですが世界の公的な金保有量として、現在32.4tまで減っています。

一番減ったときは2008年から2009年で、2万6000tしかなかったのです。世界中の中央銀行が持っている金を集めても2万6000tしかなかったのですが、2023年の暮れには3万2400tまで増えています。2009年からの中央銀行の公的機能保有量がものすごく増えているのです。

この間、一貫して減っているのはアメリカの国債に占める外国投資家の占有率であります。アメリカの国債発行に占める外国投資家の保有割合が2008年くらいのときには64.3%までいっていたのですが、現在は半分以下の31.8%まで減っています。お金の流れとしては特に反米国家やアメリカの影響をあまり受けたくないと思っている国は、アメリカの国債を売って外貨準備で金を買っているという動きがあるのです。

その中でも特に反米の動きがはっきりしているチャイナやロシアは金保有量をものすごく増やしています。インドやトルコも徐々に増やしているような状況です。2023年は世界の中央銀行による純購入量(売った量と買った量)の部分は1037tとなっていて巨額でした。2022年にはもっと多くて1082tの金を世界の中央銀行が買い越しをしていたのです。

これは金購入量の年間の最高記録となっています。それと同じくらいの量を、去年も中央銀行が買いました。金購入が目立ったのはチャイナで225t、ポーランド130t、リビア30tとなっています。アメリカの米国債の保有を減らして、その外貨準備で金を購入しているという動きがありました。金相場は1トロイオンスが12月には、ニューヨークの金先物市場で史上最高の2152ドルをつけています。それ以来2000ドル以上の相場ということが続いているほどです。今後も、この傾向は続くと思います。

これは中央銀行の動きですが、一般の投資家として通貨の不安定な時代が来ていても、世界中で一番信用できる通貨はドルでしょう。ドルに次いで、それ以上に確かなものとしての価値がある金という方向に向いてくるのは当然だと思います。そういう不安な時代であるということが金を買う動きになるのです。

チャイナでは民間人の金保有も増えていますが、彼らはドル預金を勝手に持つことはできません。だけど金を持っていると、いざとなれば金はドル建てで値段が決まってくるので、外国に持ち出せばドルで売ることができます。いつでも金はドルに転換できるのです。チャイナの中央銀行はドル離れしていますけど、庶民たちはドルが欲しいと思っています。

しかし、ドルは直接買えないので仕方なくドルに替えられる金を買っているという側面があるのです。今年もドル相場の着実な上昇は続くと私は考えています




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