赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

米株高に警戒感

2024-03-09 00:00:00 | 政治見解



米株高に警戒感:240309情報


国際経済の専門家からのお話です。


ウォーレン・バフェットがアメリカの株高に警戒感を持っているという話をいたします。待機資金=キャッシュが過去最高になっており、バークシャー・ハサウェイの総資産の16%を現在キャッシュで持っているようです。

バークシャー・ハサウェイの株主への手紙が公開されており、これが毎年話題を呼んでいます。長期投資の名人であるウォーレン・バフェットの意見を聞いてみようということです。

彼は率直に「今のアメリカの株価はカジノ的である」と言っています。これがタイプ第1のポイントです。2番目に「今の話題の株の購入を進んでするような人はバークシャーの株主にふさわしくない」と言っています。これはNVIDIAの株が上がった、半導体の株が上がった、AIブームといった、このようなブームに乗って投資するのはバークシャー・ハサウェイの行き方ではないということです。

渋い長期投資をやって値段が落ちたところで優良株を買い集めていくというのが、ウォーレン・バフェットの行き方です。半導体株やAIブームの株の値段が上がりすぎだし、今から買っても多くの利益が取れないし、値上がり率が低いという判断と言って良いでしょう。

それから、今のアメリカ市場を見ると、有望な投資先は僅かであり、アメリカの外部を見ると投資機会はさらに少ないと言っています。バークシャーが目を見張るような投資収益を上げる可能性は、今はないと言っているくらいです。

4番目として2023年の通年で241億ドルの売り越しであったということになっています。これは日本円で言うと3兆6,200億円の売り越しでありました。すなわち、キャッシュが積み上げられているということで、総資産の16%が現在キャッシュにしているのです。2023年末で1,676億4,100万ドル(約25兆円)の投資待機資金をキャッシュでバフェットが持っています。これはチャンスがあったら投資するという過去最高のキャッシュの積み上げをしているものです。

5番目には2008年のリーマンのような危機が来れば株がドンと一気に下がるから、そのときに優良株を買うということが書かれていました。2008年のリーマン・ショックの後はゴールドマンサックスの株を大きく買って、この後の大儲けに繋がったということです。

6番目のポイントは日本の商社にバークシャー・ハサウェイが投資している点を挙げています。これが非常に順調であり、伊藤忠、三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅といった5大商社の株式を9%ずつ、現在バフェットが保有しているのですが、累計投資額が1兆6,000億円です。2023年末の時点で1兆3,000億円の含み益が出ています。これを非常に安く円建て社債で資金調達してやりましたので、ドル換算すると負債額が縮みました。これが2020年から2023年だけで19億ドル(2,900億円)の為替差益も出たということで、大変うまくいっているようです。日本商社に対する投資としては、日本の商社は高度に分散された方法で事業を展開していることを高く評価していると言っているのです。また、事業が新規の事業投資や自社株買いに投入し、新株発行に慎重な点も良いと言っており、株が薄くならないということになります。そういう方法がバークシャー自身の経営手法と若干似ていると評価されました。

これはバフェットが言っていたわけではないですが、日本の商社は日本国内より世界に展開していて、利益の出る事業を広範に展開しています。特に第3世界と言われる成長の伸び代が大きい発展途上国はリスクも大きいところですが、そういうところにもいっぱい事業を展開しているのです。長年の経験がありますから、第3世界で伸び代の大きい事業に投資しながらもリスク管理が上手いといった辺りが評価されたのではないでしょうか。分散された事業という言葉の背後には、そういう意味があると思います。

1兆6,000億円の投資で1兆3,000億円の含み益が出ているということですが、これ以上は9.99%を上回る株式投資はしないと確約しているということです。バフェットより年上のパートナーで有名だったチャーリー・マンガーが99歳で昨年の11月にお亡くなりになっていました。実に見事な人生と言いますか、これだけ有名で評判の良い会社を作って投資家として多額の資産を残されていると思います。99歳で天寿を全うされたということでした。90代でも現役で働いていたということは実に立派であるので、見習いたいところです。



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