赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

最新のアメリカ経済情勢 

2024-03-28 00:00:00 | 政治見解



最新のアメリカ経済情勢:240328情報
 
国際経済の専門家から最新のアメリカ経済情勢について、解説が寄せられましたのでお伝えします。なお、途中に追加情報として投資の神様・バフェット氏のアップル株売却と次のタ-ゲットについて衝撃スクープも掲載しています。


1、米株価は危険水域:バフェット指数は語る

アメリカの株価が危険水域に入ったということですが、これを裏付ける数字があります。通称「バフェット指数」というものですが、これは難しい指数ではなく、一国の上場株式の時価総額です。時価総額をその国のGDP(年間国内総生産)で割ったものになります。これがアメリカでは80%前後が、ノーマルと言われているのです。100%を超えて大きく上昇すると、そのあと大きな下落に見舞われています。

米株式時価総額とGDPの比率のグラフを見ると、2000年のときに140くらいまでいったのが大きく下がってきています。これがいわゆるITバブルの崩壊です。2007年に100を超えたあたりでも落ちてきています。これが翌年のリーマン・ショックに結びついて、株価が大きく下がりました。だけど前兆は既に2007年から起きていたのです。

今回はこれが2024年2月の時点で176.71というところで、一時的に200近くまで行きました。その後、落ちてきましたが、まだ四捨五入すると177という非常に高い数字です。この状況はかなり危ないということで、今後の株価の下方調整が避けられないのではないでしょうか。3月20日にFOMCが開かれて、これで金利の下げは年の後半にならないとやらないということを駄目押しすると思います。これがきっかけになるとは思いませんが、それもきっかけの一つになるかもしれません。いろんなことがあって五月雨式に下がるということではないかと思います。

マグニフィセント・セブンのような、ごく一部の株に関心が集中してそこだけが上がっていき他の株が下がっている、あるいは停滞している状況は株式市場が上がりすぎて下がっていくときの一つの兆候になるのです。かつてはITブームというのが幻想だったということがわかって崩壊したときが2000年からの株安でした。

今回はAI・半導体が上がりすぎていて、買いが買いを呼ぶという心理的なゲーム/カジノ化しているので、これはどこかで調整せざるを得ません。私がおすすめしているように、非常に価値ある株をアメリカで買ってアメリカ株の長期投資を考えている方は、慌てふためかないで我慢のときというふうに考えてください。それでも仕入れたときがよければ儲かっている方だと思います。しかし、これは短期的な取引であり、長期投資ではないと言っている人に申し上げておけばAI・半導体ブームの反動が来るということは絶対に来るので覚悟しておいた方が良いでしょう。

これは株価全体でダウ平均が2割〜3割下がっても驚いてはいけません。長期投資をしている方は大きく構えて、そういったことがあっても動揺しないようにしてください。優良株は必ずそのあと上がってきますから問題ありません。そして短期で勝負している方には、そろそろ利益確定して、次のチャンスを待つようにした方がよろしいのではないでしょうか。これが私のアドバイスです。


追加情報:バフェットがアップル株売却。代わりに買ったのは?

バフェットがついにアップル株を売却しました。アップルといえば、バフェット率いるバークシャー・ハサウェイにとって、最も比率が高い銘柄です。実際、ポートフォリオのおよそ半分を占めており、2021年には、アップルから毎年7億ドルもの配当収入を得ていると誇っていました。

しかし、そんな銘柄をついに売りました。しかも、今回株式を売却したのはアップルだけではありません。他にも、、、

など、多くの銘柄を売却し、現金へと変えているのです。

彼は、今になって株式に対して悲観的になってしまったのでしょうか?

一概にはそうではないかもしれません。なぜなら、彼はある業界の株だけは、多くの株式を売っている今でもしきりに買い増しているからです。その業界の正体、それは、石油業界です。

事実、シェブロン:14%増、オクシデンタル・ペトロリウム:9%増。とそれぞれポジションを大きく増やしてきました。結果、全資産のおよそ10%を石油企業に投資するまでその比率を高めているのです。(以下略)


2、米株急落→日本株も絶好の買い場

アメリカの株が急落しますと、おそらく日本の株もつられて下がると思います。アメリカの株を私は長期投資をおすすめしていますが、これはリーマン・ショックのようなショックが来るわけでも、世界的な大恐慌が来るわけでもありません。株の調整という話になりますので、これは長期的に見れば下がったところが絶好の買い場だと思います。

実はバフェットが今お知らせしたように、高いキャッシュポジションを持っているのです。今までの中で、一番多くキャッシュを貯め込んでいます。なぜなら次の買い場を求めて、下がったところで買おうというのがバフェット戦略だからです。そこは見習って良いのではないでしょうか。最も長期的に構えて5年〜10年の有望株を持っていくという方は気にする必要はありません。

「株価急落」投資家が今から取るべき行動とは?

アメリカの株価が急落すると言っても1日で下がるのではなく、五月雨式に下がるでしょう。それと同時に日本株も下がらざるを得ません。日本株の上がり方も急過ぎたので、これは確保しておいた方がいいと思います。利益が確定すると言うなら利益確定にしておくべきです。

または長期投資ということであれば、その上がり下がりには動揺しないで長期保有を心掛けてください。これは優良株で配当を目指している場合は、こういうときもきっちりと長期で安定保有していた方が得をします。それから、アメリカ株が急落した場合は、そこが絶好の買い場となるでしょう。それをウォーレン・バフェットが狙っているのです。

ここまで上がると今から買って、このラリーに入って儲かることはありません。以前のバークシャー・ハサウェイの『株主への手紙』において、ウォーレン・バフェットは「チャンスがあるとすれば、次のピンチのときだ」と言っています。2008年のときも彼はそれで株価が大きく下がったときに、買いに入って大儲けしたということです。今回もそれを狙っているのでしょう。

ウォーレン・バフェットは立派な方ですが、考え方によっては嫌な親父です。彼は株価が大きく下がるのを待っています。当然下がったら困る人や泣く人もいるでしょうけど、そこで買いに入るのです。今の株価が過大評価されすぎているので、そういう判断をしていて、おそらく彼の判断は正しいと思います。長期保有することを考えれば、ここに下がったときは絶好の買い場がやってくるのです。

1929年のような大恐慌が来るわけでもありません。2008年のリーマン・ショックのような恐慌が来るわけでもないです。2008年の1月末に私が出したレポートで、2008年中にアメリカの株式相場は崩壊して大きく下げ、その危機と不況が長く続くでしょうと予測しました。そのときに私が一つ言い忘れたことがあって、2008年に大きく株が下がったときが、株を仕入れる絶好のチャンスであるということまでは確信を持って言えなかったのです。当時、そのように思って実行したのがウォーレン・バフェットでした。


3、消費者物価指数(3/12)・卸売物価指数(3/14)ともに予想上回る

アメリカの消費者物価指数が3月12日に発表され、3月14日には卸売物価指数が発表されました。これらがともに予想を上回って高くなったのです。こういうものを受けてFOMCが3月20日に政策金利を下げるというのは、さらに遠のくことを確認すると思います。実際は年後半になるだろうというのは以前から申し上げている通りです。

「米物価指数」消費者物価指数・卸売物価指数ともに予想を上回る

FOMCでの決定の前提になることですが、復習しておきますと3月12日にアメリカの消費者物価指数が発表されて、これが3.2%だったのです。前年同月比・上昇率が3.2%であって、市場予測が3.1%だったので0.1%だけ予想より高く出ました。

14日にはアメリカで卸売物価指数が出て、これも予想を上回ったのです。ウォールストリートジャーナルが調べたところによると、平均が市場予想は0.3%だったのですが、現実に発表された数字は0.6%上昇でした。0.3という予想が0.6だったので、0.3多かったわけです。卸売物価指数の0.3というのは結構大きいですから、これは消費者物価指数にも大きな形で反映されてきます。

利下げは確実に年後半ということが確認されたと言っても良いでしょう。FOMCで意見が出てくると、タカ派の人が今年中は利下げをしない方がいいと言っている人もいます。これは去年の秋から私は申し上げてきましたが、市場予測というのがFRBの金利下げを非常に早く始めて、しかも年6回とか何回もやるでしょう。これは希望的観測に従って予測しているということですが、そのようにはなりません。

実際にFRBの金利差下げは、もっとゆっくり始めるし、回数も少ないです。このようなことを申し上げてきました。それがズバリ当たる形になると思いますので、年の後半に持ち越されるということです。




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