赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

愛する人や郷土を守るろうとする気持ちが国防論の基本です コラム(405)

2022-03-31 12:28:55 | 政治見解



コラム(405):
愛する人や郷土を守るろうとする気持ちが国防論の基本です


ウクライナ人の国防意識がプーチン氏を追い詰める

ネットを見ていたら「プーチン激怒」という言葉が目に飛び込んできました。激怒の理由は、「戦費試算『1日最大3兆円』、高価な長距離精密誘導弾使用」にあるようです。

ネットコメントには、「いくら何でも1日3兆円はないだろう」といった意見も見られましたが、これの元記事を求めたところ、NATO元最高司令官による「ロシアの戦争コストは1日あたり数十億ドルであり、このままではプーチンは国民の支持を失う前に資金を使い果たすことになる」との言及があり、あながち大げさではないようです。

また、この記事によらずとも、プーチン氏、高額兵器の消耗に加え、ウクライナの思いもよらぬ強い抵抗、西側諸国による最大級の金融制裁など、予測以上の深刻な事態に直面していて毎日を激怒しながら過ごしているように見えます。

もともとウクライナ侵略作戦はずさんな作戦立案だったことが明らかになっています。世界最強と言われるアメリカ海兵隊でさえ、キエフの10分の1のイラクの都市ファルージャを制圧するのに2カ月近くかかっています。キエフどころか「ウクライナ全土を数日で落とせる」とプーチン氏が聞きたい情報ばかりをあげていた連邦保安局(FSB)の対外諜報部門は、軍事作戦よりもプーチン氏のご機嫌取りに忙しかったのでしょう。

しかも、現状のロシア軍の兵力ではNATOに遠く及ばず、「ロシアは核兵器による威嚇でしかNATOに対抗できない」とまで指摘されるほど、ロシア軍の脆弱性が指摘されています。さらに、強力な金融制裁のおかげで戦闘機の補修やミサイルなど兵器の補給にも支障が生じて、作戦変更を余儀なくされるまでに追い込まれているようです。

これらは、ウクライナの人びとの祖国防衛の熱烈な思いがロシア軍への必死な抵抗を生み、その思いと行動が国際社会の共感を生み出してロシア制裁の機運を醸成した結果です。同時に、ロシアの一方的停戦案を押し戻す力となっています。国民一人一人の覚悟が国防には何よりも大切であるころを教えてくれました。

余談になりますが、ある星占いの方がプーチン氏の未来を「某大宗教教団の教祖と同じ脳梗塞を患い人前に出られなくなるのではないか」と予測するほど、プーチン氏は頭に血が上っているようです。


国防の要は国民の国防意識

さて、ここでプーチン氏をそこまで追い詰めたウクライナを見るたびに、国民の国防意識がいかに重要かということが、よくわかると思います。

現代の国防とは、平時の国家体制の中に、恒久的な戦時社会と戦時経済を構築することを意味します。それだけに、兵器も兵士も戦闘行為の始まる前に大量に用意しなければなりませんし、兵器も兵士も準備や訓練に長い時間を要します。

先日のニュースでウクライナのビール工場が急遽、火炎瓶製造に切り替えたと報じられましたが、第一次世界大戦前までの戦争では、平時の生産施設を可能な限り早く転用して生産された兵器をもって戦うということが普通でした。1861年からのアメリカ南北戦争では、大砲なども大急ぎで転用された平時の工場で、しかも戦闘が始まってから生産されています。また1870年からの普仏戦争は、戦闘に駆り出されるわずか数週間前に初めて軍服を着せられた民間人によって戦われました。

しかし、1890年代に入ると戦時経済と平時経済は別物となり、第一次世界大戦以降、この考えが今日まで定着しています。しかも、第二次世界大戦後、植民地から解放された新興国は直ちに新しい軍事政策をとり、有事に備えて最新兵器の調達に走っています。ただ、軍事力の維持のため経済的、社会的負担はあまりにも大きく国家財政を破綻させ、ソ連のような大国をも崩壊させています。同時に、軍拡競争が逆に近代史において最も長く大国間の戦争のない期間を生み出し、すでに70年が経過しています。

これから言えることは、理想論や感情論では平時に戦時を想定することは避けなければならないとされていますが、現実論として国際情勢を見ると他国が戦時体制を敷いている以上、感情論を押し殺してでも防衛のための軍事力を備えなくてはならないことは誰の目にも明らかです。

さらに、昔からプロパガンダの反戦平和を他国にばらまき、防衛力が弱まったのを見て侵略しようとする中国が存在する以上、憲法前文に「諸国民の公正と信義を信頼する」と書くことで平和が保障されていると考える日本には、日米安保体制を排除することができれば、たやすく侵略できることになります。

したがって、1960年代、70年代の安保反対闘争、集団的自衛権を明らかにした2015年の安保法制に対して、旧ソ連や現中国の手先となった人々が反対闘争を繰り広げていた意味をいま改めて考えるべきと思います。そして、国内に向けて軍備拡大反対の声をあげるのではなく、軍事力を増大し続ける中国や北朝鮮に向かって「軍拡反対」を叫ぶべきだと思います。それをしないで国内に反対を叫ぶのは別の意図があるからです。

実際、立憲民主党の枝野さんは緊急事態対応の改憲の動きに、「震災と原発事故の対応をした。憲法の縛りのせいでやれなかったことはたった一つたりともない」、「具体的に困ることある?」 と言っています。中国が日本を軍事的に制圧して支配したいとの意図に対して、これを手引きしようとする当人には口が裂けても言えるはずがありません。


繰り返しになりますが、ロシアの一方的な停戦条件をはねのけ、ウクライナ案をロシアに考えさえるようになったのは、ウクライナの人びとの国防への意識と抵抗の力です。それは平時からロシアの侵略を想定し防衛体制を整えていたから可能となったものです。

翻って日本の国防を見たとき、これで十分に国を守り切れるかと言えば不安になります。それは装備の問題よりも心の問題だと思います。祖国や愛する家族を守りたいと思う素朴な感情だと思います。

同時に、ウクライナ問題ではっきりしたのは保守や中道と見られた人の中に、ロシア派や中国派が存在し、彼らは侵略されるような事態になった場合、「命は大切だから早く降伏しよう」と呼びかけて人心を惑わす可能性が極めて高くなってきたと感じます。言うなれば、城に籠って守りを固めているときに、内側から城門を開いて敵を城の中にいれようとする人びとが意外に多くいるのです。

彼らは彼らの利益のために侵略を意図する国と手を組んで行動している人たちですから、いくら説得をしても改心するわけはありません。彼らの言動を無視し、彼らの言動に影響を受ける人を少しでも減らしていくほかに方法はありません。そして、彼らと逆のことをやることが日本人としての正しい生き方であることを伝えて、愛する人や郷土を守るために、防衛という考え方は現時点では絶対に必要な考え方であると言い続けることしか方法はありません。

私も機会あるごとに国防の重要性を訴えていきたいと思います。




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ウクライナ報道に見る日本メディアの愚 コラム(404)

2022-03-29 12:23:19 | 政治見解


コラム(404):
ウクライナ報道に見る日本メディアの愚


ロシアによるウクライナ侵略報道を見るたびに、日本メディアの見識のなさに戸惑いを禁じえません。


ロシアに言うべき反戦をウクライナに言う日本のメディアの愚かさ


日本のメディアがもっとも愚かなところは、ロシアの侵略という事実よりも「反戦平和」に主眼を置いて、「ウクライナの惨状を一刻も早く収めるべきだ」という論調を繰り返しているところです。この傾向は、NHKやテレビ朝日のアナウンサーに顕著で、戦火に逃げ惑うウクライナの人びとに思いを寄せるような風を装いながら、「これ以上犠牲者を出してはいけない」、「早く停戦してほしい」と訴えかけています。

ただ、その呼びかけはウクライナの人びとに向けてのものであり、ロシアには何も言っていないものは確かです。なぜなら、日本のメディアが本当にこの悲惨な状況や止め、停戦を本気で望むなら、侵略してきたロシアに「戦争をやめよ」と言えばすむことであり、被害者のウクライナにいうべきことではないからです。本末転倒です。これでは、日本のメデャイがロシアには何にも言えない事情があると勘繰られても仕方がありません。

しかも、ウクライナの人びとが砲弾を浴びながらも一致団結してロシアに抵抗しようとする祖国愛の姿を報ずることはありません。むしろ一致団結している姿は、悲惨なウクライナを演出したい日本のメディアには絵にならないもの、あるいは反戦のイメージにふさわしくない映像として画面から排除されているように見えます。

仮に日本のメディアが真実を伝える報道機関であると自覚するなら、この真実にこそメインに報道すべきです。

それにもかかわらず、日本のメディアは、ウクライナの人びとを案ずるような善人を装いながらウクライナに向かって反戦を説き、加害者のロシアには「侵略を止めよ」という一言も言うことができない言論機関に成り下がっています。この分でいけば、日本が侵略された場合日本国民に向かっていち早く「降伏せよ」と訴える姿が目に浮びます。「ペンは剣よりも強し」という諺は日本では適用されないようです。


肝心なことを何も伝えていない

日本のメディアは勉強不足です。もともと見識がない上に、ふだんからの勉強を怠っているため最も肝心な話を視聴者に伝えていません。

認識不足の第一は、この戦争を政治や外交面でしか見ておらず、最も基本ある経済面からのアプローチはしていないことにあります。これはプーチン氏にも言えることですが、戦時経済は平時経済の何倍もの金を必要とし、経済力の有無が戦況をも左右するという事実を日本のメディアは理解することができないのです。

結局、日本のメディアは、自分が見て理解できる範囲を報道しているだけで、極めて近視眼的な報道に終始していると言わざるを得ません。

一方のプーチン氏も誤算続きです。侵略を短期間で終わらせウクライナの属国化を果たせると思っていたのに、ウクライナのすさまじい抵抗と西側諸国による史上かつてない経済制裁によって、ロシアが窮地に立ってしまいました。なかでも、軍事強国であっても経済規模は中規模のロシアにとって、西側諸国の経済制裁は国家財政さえも圧迫し、デフォルトさえ招きかねないものです。そうなるとロシアは輸出入もできず国際社会から孤立せざるを得なくなっていく状況になりました。

すでにその影響は出始めており、砂糖の元となるてん菜(サトウダイコン)の種子を穀物メジャーから止められました。また、財源の一つである天然ガスについても採掘部品は輸入に頼っており故障した場合は修理ができなっていますし、軍事用のハイテク部品に使われるICチップも国際的制限が加えられて入手できないなど、様々な分野で制裁の影響が出ています。

こうした真実を日本のメディアは一切流せない、否、プーチン氏と同様、経済の動きが理解できないので報ずることもできない状況なのです。

また、戦局においてもウクライナがロシア軍から鹵獲した戦利品の中に、ロシア軍の最上級電子戦司令塔装置があって戦争の行方に大きな影響があるにもかかわらず、これらの真実を伝えることを怠り、プーチン氏はああだとか、ロシア軍はこうだとか、わかりきったことしか言うことができなくなっているわけです。

だから、報道番組を見れば見るほど、見る側の知性も劣化していきます。

結果的に、解説なしのニュースだけを見ている方が、メディアの悪しき影響を受けにくいと思います。まして、タレントの愚かな発言、弁護士などのコメンテーターによる特定の国家を利する発言などは遠ざけるのが適切だと思います。メディアにしてもコメンテーターにしても、彼らなりの意見を押し付け、洗脳しにかかってきているわけですから、無視するのが一番なわけです。


その意味で日本のメディアは、ロシアの崩壊とともに消えてなくなっても何の問題もないかもしれません。




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一旦緩急あれば――私の素朴な国防論③ コラム(403)

2022-03-27 09:51:29 | 政治見解



コラム(403):
一旦緩急あれば――私の素朴な国防論③


(「降伏という奴隷の道を勧める人へ――私の素朴な国防論②」のつづき)

侵略されて、降伏・奴隷の道を拒否しても、日本国家が防衛に無為無策であった場合、海で四方を囲まれた日本人に国外退避することはできません。そうなると、自らの命の尊厳を保つために自決の道を歩まなければなりません。

大東亜戦争末期、日本の委任統治領だったサイパンでは多数の日本兵や民間人が海に身を投じました。唯一の地上戦となった沖縄では、沖縄本島や慶良間諸島で集団自決が行われました。最も自決した人が多かった渡嘉敷島では、村長の号令のもと329人が命を落としたと言います。

こんな悲しい歴史を繰り返してはなりません。同時に、本来ならもっと心に刻まなければならない悲劇を戦後左翼が日本批判に利用し、自決された方々の尊厳性をはなはだしく冒涜していることに対しても深い憤りを覚えます。


話し合いで解決するという幻想は捨てよ

鳩山由紀夫元首相がウクライナのゼレンスキー大統領の演説前に「なぜ外交努力をしなかったのか」と疑問を投げかけるツイートがありました。日本維新の会の鈴木宗男氏も「ウクライナ問題は、制裁より話し合いが一番だ。岸田首相自らが両者に話し合うよう働きかけてほしい」と22日の参議院予算委員会で述べています。さらに時間が遡りますが、9日の同委員会で社民党の福島みずほ氏が林外務大臣から台湾有事に対して「対話により平和的に解決されるということを期待する」という答弁を引き出しています。

対話は勿論必要なのですが、対話しても解決しないから今回のウクライナの悲劇があるわけで、なぜか国会議員にはそれが理解できないようです。話を最初から聞こうとしない相手には対話の効果はないと知るべきだと思います。たとえば、学級会で対話が成立するのは一定の秩序が保たれているから成立するのですが、学級崩壊した時点で対話がなりたたなくなるのと一緒です。

私自身、小さいころから人の意見を聞かない大人を幾人もみてきました。私の育った環境は戦後の外地からの引揚者が闇市をひらき、それらの人びとが株式会社になってマーケットにしたところでしたので、よく言えば個性豊か、悪く言えば気の荒いハチャメチャな人が多く、「何をっ!」と叫んですぐけんか腰になる、字が違う「赤嶺」さんもいました。子供心に、わからずやの大人をよく観察することができました。

子ども時分に見た物わかりの悪い大が今でも世の中に沢山います。しかも「話し合い」を強く主張する人ほど、不思議なことにもっとも物わかりの悪い人びとです。前記の登場人物など国会には多数存在します。

実際、安保法制成立のときなど、いつも対話が大事と言っていた共産党や当時の民主党議員は、多数決という民主主義の原則に抵抗して「物理的力」をもってその成立を妨げようとしました。話し合いをしても最初から話を聞く気がなく、問答無用で自分の意思を貫こうとしていたのです。そんな聞く耳を持たない人たちが、対話、対話というのは矛盾撞着以外のなにものでもありません。

結局、対話をいつも要求する人とは、自分に都合のいい話は受けるけれど、都合の悪い話、利益にならない話は絶対に受けないといっているのと同じなのです。

これを国際政治にあてはめると、ロシアや中国、南北朝鮮のような国々には対話がなりたたないということがすぐにわかります。最初から、他国の意見を受け入れるつもりはないのですから、対話というものは所詮幻想にすぎない、善良なる心情の間でしか成り立たないものだと、子供でもわかることを、政治家はしっかりと認識していただきたいと思います。

要は、話し合いで解決するということは、対話する人の心がガラス貼りになってお互いの考えていることが手に取るようにわかって初めて成り立つものです。したがって、全人類の心がガラス貼りにならなければ話し合いなどは成立しない、駆け引きだけが存在すると考えた方がいいのです。


日本人としての生きるために

これまで、長々と国防論に至る前提のお話を書いてきました。結論はすでにお分かりのように、自分で自分の身を守らなければならないのと同様、国家は自らの存続のために身を守っていかなければならないということです。他国に侵略の意思が見える以上、侵略されないようにお金はかかっても予算を組まねばならないのです。

基本的には侵略を狙う国の戦意を喪失させるのが一番ですが、それができないなら一切隙を作らない、防衛的空白地帯をつくらないことが最も肝要だと思います。それに加えて、国民一人一人が国防意識をもって祖国を守ろうという気概を見せることも侵略者の気勢をそぐと思います。その前提に立って、国防をどうするか、具体策を考えていくべきだと思います。


私は、高齢の身であっても、年寄りの冷や水と言われようが、一旦緩急あれば義勇公に奉じたいと強く念願しています。それが日本人として生きる証だからです。

(了)



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降伏という奴隷の道を勧める人へ――私の素朴な国防論②  コラム(402)

2022-03-26 09:46:44 | 政治見解



コラム(402):
降伏という奴隷の道を勧める人へ――私の素朴な国防論②

(「私の素朴な国防論①」の続き)

「メディア報道に欠落する国防論」で、「海に四方を囲まれた日本人に国外退避する方策はなく、有事には、降伏して奴隷の道を選ぶのか、無為無策で玉砕に至るのか、防衛力を高めて国を守るのか、この三つの選択しかない」と述べました。

この中で、奴隷の道を選んだ場合はどうなるのかをもう少し考えてみたいと思います。

戦争犯罪ではナチス・ドイツのホロコーストがよく取り上げられるのですが、実は20世紀におけるジェノサイド(大量虐殺)は、ソ連のスターリンによる1000万人にもおよぶ粛清や中国の毛沢東に至っては数次にわたっての数えきれない人命が奪われている事象があります。

しかし、いずれも、ナチス・ドイツほどメディアではとりあげられませんでした。理由は、旧ソ連と中国が共産主義で、メディアの多くに共産主義の信奉者がいたために、彼らにとって共産主義のイメージを損なうこれらのジェノサイドは取り上げてはならないタブーだったからです。


中国人は同胞でさえ簡単に殺す

たしかに毛沢東のジェノサイドは中国という国に嫌悪を覚えるほどひどいものです。朝鮮戦争では人海戦術によって50万人の同胞である中国兵をしに至らしめました。人海戦術の犠牲となった兵士たちは毛沢東と戦ってきた旧中華民国の兵士たちで、共産党軍の毛沢東にとっては邪魔ものです。武器らしい武器も与えられず最前線に送り出された上、彼らの後ろに督戦隊がいて退却すら許されない、死ぬことしかしか許されませんでした。

次に毛沢東が行ったが、チベット侵略と虐殺です。人口600万人といわれていたチベットは、中国の侵略で120万人、 人口の20%が犠牲になりました。以降、チベットは中国の自治区になっています。

現在、これ以上のことが新彊ウイグル自治区で行われており、人権団体は「ものすごい人数が収容所で洗脳、拷問などの人格を破壊するような扱いを受け、何百万人もが強大な監視機関におびえながら暮らしており、人間の良心が問われている」と国連に報告しています。しかし、国連はいつものように無力で、しかも無為無策です。

また、集団虐殺ではありませんが、毛沢東はその愚かさで「大躍進政策」を提起し、結果的に2000万~3000万人が死亡する大飢饉を招来させたことがあります。さらに、文化大革命では、間接の被害者も含めて2000万人に及ぶ死者を出したと言われています。同じ中国人でも、共産党員以外の中国人の命は虫けら以下なのかもしれません。


旧ソ連の日本人に対する所業

1945年8月9日、ソ連軍は対日参戦し満州国に攻め入りました。敗戦の翌日の8月16日以降も日本兵を武装解除しながら、南樺太や千島列島に侵攻しました。

このとき捕らわれの身となった日本兵、満州開拓団の農民,満州の官吏,南満州鉄道株式会社など国策会社の職員,従軍看護婦など7万5000人がシベリアの収容所に抑留され、鉄道建設,炭坑・鉱山労働,土木建築,農作業などさまざまな労働に強制的に従事させられました。

粗末な食事と厳しい労働環境の中で5万5000人が死亡したと言われ、生還した人たちの多くは洗脳されており、日本共産党員となった人も多かったようです。ただ、抑留生活については、あまりにも過酷だったのか、帰還者の多くは何も語りませんでした。

同じような過酷な運命にあったのが27万人のぼる満蒙開拓団の人たちたちです。ソ連軍の侵攻で逃避行を余儀なくされた人々は、満州の広野でコーリャン畑に身を潜めながら歩き、寒さと栄養失調、疫病で8万人も命が奪われたと言います。死者に対してロシア人は弔うこともせず、金歯や腕時計を簒奪していったと言われています。日本中を涙に包んだ「中国残留孤児」もこのときの出来事でした。

あまりに壮絶な体験なのでご本人たちが何も語ろうとはしません。NHKなどがたまにこの問題を取り上げますが、日本批判目的で見るに堪えません。

実は、私の母も満州引き上げ者です。満州の高級官僚の後妻として戦時中に満州に行き、敗戦と同時に命からがら大分県に帰ったとのことです。そのとき、先妻の娘2人を連れて帰りましたので、私と血つながっていない姉たちは「おかあさんは命の恩人」と言っていたのを覚えています。ただ、私も満州からの帰還の話はいろいろ慮って詳しく聞いたことはありません。

余談になりますが、息子が小学5年のときに「戦争の話を家の人に聞いて感想文にまとめなさい」という宿題が課せられました。熱心な日本共産党員が担任の指示したようです。そこで、息子に母の実体験を書かせ、ソ連の非道ぶりを強調させたところ、「平和授業」はどうも不成立になったようです。ソ連が崩壊してから2年後のことです。共産党員もソ連崩壊で思想的な拠り所を失った時期だったようです。

それはさておき、日本が侵略されて多くの日本人が捕らわれの身になったらどうなるのでしょうか。仮に人権意識の高い欧米諸国で捕らわれても人間扱いしてくれるかどうか、本当のところわかりません。京都大学名誉教授の会田雄次先生の名著『アーロン収容所』には、欧米人にとって黄色人種は動物扱いだったことが実体験を通して書かれています。

まして、日本周辺の中国、ロシア、朝鮮半島の国々に私たちが捕らわれの身となった場合、まさに奴隷扱いになるのは必然です。最初から、奴隷扱いしようという気、満々であることは誰もが理解していることです。

現在、ウクライナではロシアに占領された南東部のマリウポリの住民、6千人が連れ去らさられました。住民らはいったんロシア国内の「選別キャンプ」に送られた後、最終的に極東のサハリンなど「経済的に貧しい地域に送られる」可能性があります。

したがって、現在のウクライナの悲劇を見ながら「戦うな」と言い放つ人がどれだけ罪深いことを言っているのか、そして日本が侵略された場合、「戦わず降伏せよ」ということがどれだけ犯罪的なのか、恥を知るべきだと思います。歴史を知らない観念論の戯言をいう人ほど危険人物、侵略者側の工作員とみるべきだと思います。

(明日につづく)




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私の素朴な国防論① コラム(401)

2022-03-25 10:17:56 | 政治見解



コラム(401):私の素朴な国防論①

米国まかせの国防でいいのか

ウクライナのゼレンスキー大統領の国会演説中、大あくびを連発する姿をNHKで全国中継された林芳正外務大臣、1年に何度も訪中を繰り返す媚中派と噂される人にとってウクライナの悲劇は他人事、まして日本の国防強化のことなどは論外と思っているのかもしれません。

事実、3月23日の衆議院外務委員会で、「日本の領土が侵略された場合は、日米同盟に基づき米国が日本を防衛すると繰り返し表明している」と発言していました。このお気楽発言の裏側には、米軍には思いやり予算等で優遇しているのだから傭兵、用心棒が真っ先に戦うのは当然と思っているようです。

しかし、米国は、ベトナム戦争以降、同盟国であっても自国民の血を流してまで戦う必要があるのかという考えに目覚めており、同じアングロ・サクソンのヨーロッパは守っても、異民族の日本のために本気で血を流してまで戦うのかどうか、本当のところわかりません。

まして、侵略国が米軍基地以外の地域、たとえば沖縄本島以外の島しょ部、あるいは米軍基地のない34の府県を攻撃すれば、米軍が攻撃されていないという理由で日本を助けないかもしれません。

このことに薄々気づいているのか、れいわ新選組ブレーンを自称する池戸万作氏は「ロシア軍には、まず大阪から上陸して欲しいな。自分が大阪人だったら、思わず『解放軍がやって来た!』と喜んでしまうわ」とツイートしています。

日本人の中にもさまざまな侵略者を手引きする人たちがいるわけですから、防衛問題は他人任せにせず自分で自分の身を守ることを最初に考える必要があると思います。


幕末の危機と現在の危機の類似性

1853年のペリー来航をきっかけに明治維新が成立したというのが歴史の定番になっていますが、実は、黒船来航の60年も前に林子平が著した書物【※1】と、1840年のアヘン戦争【※2】が幕末の思想家に衝撃を与え、それに学んだ志士たちが黒船来航という現実の危機に目覚めて明治維新の原動力となったと定義づけることも可能だと思います。

【※1】林子平は「三国通覧図説」で外国からの日本への侵略を防止するために、蝦夷、沖縄などの地域の重要性を説き、「海国兵談」で実効的な海防の在り方を提唱した先見の書をあらわした。これらは幕府批判が含まれているため禁書となり林子平は処罰されたが、その直後にロシア船が根室に来航し、幕府は海防の策定に追われることになった。

【※2】当時の日本では「聖賢の国」清国が夷狄イギリスに無残にも敗北したと驚きをもって受け止められた。しかし、深刻な対外的危機感を感じた幕府は洋式砲術の採用し、思想家で勝海舟の妹婿の佐久間象山は軍事的弱体をまねいた清朝の独善的優越意識を批判した。


いま、幕末の危機以上にあるのが現状の日本であると思います。極東アジアの地図を南北逆にひっくり返してみればよく分かる通り、極東ロシア、朝鮮半島、中国に蓋をかぶせているのが日本列島です。日本列島なかりせば自由に太平洋に出られる、それを日本が妨害しているわけで、ロシア、南北朝鮮、中国にとっては地政学的にも抹殺したい存在であることは確かです。

結局、かの国々にとって昔から日本は邪魔で、列島を消滅できないなら自分の領土にするしかないと思っているわけです。旧ソ連とその継承国であるロシアは北海道を、中国は沖縄に狙いを定めています。

事実、今般のロシアによるウクライナ侵略でロシアが自国の利益のためには手段を厭わないということがはっきりしました。日本の北方領土に対しても、日本から多額の資金を引き出すための餌として領土交渉のポーズをとっていることも明らかになりました。したたかなロシアにまた日本は寝首をかかれた格好です。

しかし、日本は、ロシアが共産主義から脱却したことをもって、対ソ戦に備えていた北海道戦力を移動させ、戦車数も半減させました。おかげで、物理的抑止力が手薄となっていると見たロシアにとって、抵抗しない日本はウクライナより簡単に取れると思い始めているようです。ロシアのウクライナ後は要注意です。

また、ロシアの侵略は中国を元気づけました。中国は、ロシアと同じ論理で台湾に攻め込めると考えています。ただし、台湾有事は日本の有事でもあるのです。台湾と沖縄は目と鼻の先ですから、中国の戦闘圏は沖縄にも及びます。

そして台湾の次は沖縄です。米軍のいる沖縄は直接の戦闘を回避して、内部工作で沖縄独立を宣言させ、沖縄保護を名目に攻め込む可能性もあります。そのとき日本はどうすべきなのか、国会議員のみなさんには結論が出ていないようです。

なお、ロシアも中国も、また朝鮮半島の両国も国際的な批判には一切耳を傾けません。厚顔無恥でやり過ごします。なぜなら、西欧基準の道徳観とは無関係な文化だからです。これまで国際法や戦時国際法を守ってこなかったことからもわかると思います。中国、ロシア、南北朝鮮に激しく非難しても、それは極悪犯罪者に向かって「お前に良心はないのか」と叫ぶのと同じ行為で、道徳観が全く違っていることも認識に加えた方がいいと思います。

(明日につづく)




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メディア報道に欠落する国防論 コラム(400)

2022-03-23 14:16:20 | 政治見解



コラム(400):メディア報道に欠落する国防論

ウクライナ報道をテレビで見るたびに違和感があります。それは、ウクライナの惨状をまるで楽しんでいるかのように報道しているように見えるからです。

ゲーム感覚で報道するテレビメディア

テレビメディアは、ウクライナの惨状をより深刻に報ずることが自分たちの使命であると思いこんでいるようです。そのために、最も絵になるシーンを抜き出して、これでもかと言わんばかりにセンセーショナルに報道しているわけですが、その裏にある心情には不純なものが含まれています。

ウクライナの惨状は、彼らにとっては他人事、対岸の火事にすぎません。まるでテレビゲームのような錯覚に陥ってウクライナの悲劇をみています。実際、ロシア軍の攻撃のありさまやウクライナ軍の防御について数値で表した時には、ゲームの得点を競い合っているような感覚になっているのがわかりますし、両軍の兵器を紹介するときなどは、オタクがゲームのアイテムを紹介しているのと同じにしか見えません。

彼らが熱心にウクライナの惨状を報道するのは、他人の不幸で視聴率が取れるからです。しかも、面白おかしくロシアの内情やプーチン氏の批判を繰り返すことで、「正義の士」としての快感を味わえますし、ジャーナリズムの真骨頂であるとうぬぼれることもできます。したがって、いまの彼らには、ウクライナの惨状がもっと長く、もっとエスカレートすることを期待して、戦争の拡大こそが彼らの最大の望みとなっていることは明らかです。


毎日新聞、TBSに見る悪意


いつものことながら毎日新聞とTBSの報道はひどいものがあります。ともに、ウクライナの悲劇を日本冒涜のために利用しているからです。

事実、毎日新聞は「ウクライナ侵攻 旧日本軍手法に重なるロシア」との記事で、TBSは現地取材を通して「権力者の暴力」が「市井の人たち」が苦しめていると報じる中で、「プーチン氏=日本の自民党政権」、「市井の人たち=日本国民」の図式を作り出し、ウクライナ問題を日本の体制批判にすり替えて報道しています。

これらの報道は、日本が憲法を変えたら、ロシアと同じ侵略戦争の道を歩むから「改憲はまかりならぬ」と言いたいわけです。しかし、この論理、「国民の命を守るための防衛論」を「他国を侵略するために使われる」との論点にをすり替えています。彼らにとって日本人が防衛を意識することは、よほど都合が悪いことのようです。

この延長線上にあるのが、いわゆる「あっち系」の人たちで、鳥越俊太郎氏のように侵略国のロシアと悲劇のウライナを同列に扱う人もいます。なかには、「市民の生活を脅かす戦争は反対する」ときれいごとを言い、最終的に「国家は権力を持つ、権力は悪い、∴国家は悪い」との三段論法を使って、改憲に反対するにとどまらず、国家解体を叫ぶ人もいます。しかし、彼らには、「市民の生活を守っているのはほかならぬ国家」であることは目に入らぬらしい。イデオロギーを通して世の中を眺めると真実が見えなくなる愚かな典型です。


海で囲まれた日本には逃げ場がない

上記のようなメディア報道の汚染から離れて、日本国民は、もっとウクライナの現実を自分のこととして捉えなければならない時期にきたと思います。

ウクライナでは人口の4分の1にあたる人びとが国外に退避しました。この問題、もし、日本が侵略された場合、1億3千万人の日本人はどこに退避したらいいのかという現実を突きつけます。この前提を無視して日本の平和と国民の生命を守ることを論ずることはできません。

ウクライナの人びとに降伏を強く勧めていた人は、日本が侵略された場合、日本国民にいち早く降伏を勧める人だと思いますが、降伏した人に待っているのは現代における「奴隷」です。

奴隷となった者の運命は、中によって侵略されたチベット、新疆ウイグルの人びとの悲惨な扱いを見ればすぐにわかることです。また、かつて、旧ソ連が日ソ不可侵条約を一方的に破棄して満州や樺太・千島に攻め込んで、日本兵をシベリアに抑留し、強制労働をさせただけでなく、共産主義を徹底洗脳した事実を思い起こすべきです。

今般、「人道回廊」に騙されてロシアに行くしかなくなったウクライナの人びとに待ち受ける運命も同様になると思います。専制国家では最初から人権という考え方は初めからないのです。

あっち系の人びとは、自分自身が侵略国に優遇されると思っているから積極的に降伏を勧めるわけですが、仮にそうなった場合、一番先に抹殺されるのが降伏を誘導した人びとであることに間違いありません。なぜなら、祖国を簡単に裏切る人は新たな支配者にも簡単に裏切ることができると判断されるからです。これは中国の歴史書を紐解けば簡単にわかることなのですが・・・。

さて、私たち日本国民の選択は、現状のままで侵略を許し奴隷の道を選ぶのか、それが嫌なら玉砕の道を選ぶのか、それとも、侵略されないようにしっかりと防御を固めるのかの三択しかありません。

かつて安倍政権時代、時間のかかる憲法改正よりも安保法制を優先させて、さらにQUAD(日米豪印戦略対話)を構想し集団的自衛権を駆使して、中国の侵略を押しとどめたことがありました。安倍元総理の英断がなければ日本という国は存在していなかったかもしれないのです。

しかし、習近平氏にとっては、台湾統一と沖縄奪取は太平洋を制し、世界に覇を唱えるための最低条件で絶対にあきらめることはありません。ロシアよりももっと近代化した最新兵器で台湾と沖縄に攻め込みたくてたまりません。

したがって、ウクライナの惨劇を日本人自身の問題として真剣にとらえるならば、日本の有事には逃げ場ないということを前提にして、奴隷としての降伏の道を選ぶのか、無為無策で玉砕の道を選ぶのか、それとも防衛力を高めて他国の侵略そのものを諦めさせるのか、国防のことを真剣に論じあうときがきたと思います。




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ロシアの未来 コラム(399)

2022-03-18 10:21:06 | 政治見解




コラム(399):ロシアの未来


情報戦に敗北したロシア

圧倒的に優位な軍事力でウクライナに攻め込んだロシアが、祖国防衛に燃えたぎるウクライナの人びとによって進撃を阻まれています。

一方、ロシア国内では西側諸国の経済制裁でプーチン政権に対する不満がくすぶり始めているようです。しかも、情報戦においてもロシアは後れを取っています。

事実、リアルタイムで映像が確認でき、SNSの発達で瞬時に情報が発せられるようになった現代において、ロシアのプロパガンダはその醜悪さを世界に知らしめる結果となっています。例えば、ラブロフ外相の「軍事作戦は非常に正確であり、軍事インフラをピンポイントで攻撃している」との発表は、逆効果でしかありません。

その上、ロシア国内では恐怖の情報統制を行っているのですが、真実を隠そうとすればするほどそのほころびが目立ち始めています。頭の固くなった高齢者は別として若い世代にはロシアの蛮行を批判する動きが見えてきました。

先日、私の大学時代の友人から「ロシア人にウクライナに関する西側情報を送るSquad303の人海プロジェクトから3月11日の段階で700万件にわたる情報がロシアに発信された」との情報が寄せられましたが、ロシアは情報戦でも敗北しつつあるようです。16日、プーチン氏が「くずどもと裏切り者をロシアから一掃する」と警告した発言の裏側に尋常ならざる焦りがあると感じられます。


それでも侵略をやめないプーチン氏の執念

メディア報道では、ロシアとウクライナの停戦交渉が今にもまとまるかのように伝えています。仮に停戦は実現しても、ロシアは伝統的に約束を守らない国ですから実効性は薄いと思った方がいいと思います。

また、実のところプーチン氏は、NATOを旧ソ連時代の「ワルシャワ条約機構の時代にまで戻せ」とまで言い続けて、ライナに攻め込んでいったわけで本音は一歩も引く気がありません。

その恐怖を感じているからこそ、15日には旧ワルシャワ条約機構からNATOに移行したチェコ、ポーランド、スロベニアの各首相がウクライナを訪問しゼレンスキー大統領と会談したのですから、プーチン氏の本気度がいかに凄まじいものであるかわかると思います。

したがって、ロシアがウクライナから撤退するときは、ウクライナの全面敗北か、ウクライナが西側諸国の応援を得てロシア軍を追い戻すか、それともロシア国内の事情、例えば、経済制裁もしくは新型コロナウイルスの感染爆発で戦争継続が困難に陥る場合の三通りしかありません。

しかし、プーチン氏はどのような局面であっても、蠍座特有の執念深さで、旧ソ連の版図を回復するとの思いが強く、今後、中欧はウクライナのような火薬庫になる可能性も考慮に入れておく必要がありそうです。


ロシアの未来


プーチン氏は失脚しそうにないほどの強い運気の持主だそうです。しかも、政敵はことごとく抹殺していますので恐怖の独裁体制が完成しています。したがって、プーチン氏の首に鈴をつける人は誰もいないようです。

ただし、ウクライナへの侵略戦争の行方次第ではプーチン氏の命運は変わると思います。とくに、この戦争が6か月以上の長期に及んだ場合、これはロシアへの中国などの支援があったからこそ可能となるものですが、これがかえって国際社会を二分する戦い(西欧的価値観と非西欧的価値観の衝突)を引き起こしそうです。「文明の衝突」事態です。(当ブログ『避けられない文明の衝突』ご参照) 

その中でロシアはどうなるのか。私は、西側諸国の一層厳しい経済制裁でロシア財政は破綻し、国内における新型コロナウイルスの蔓延がプーチン氏の思惑を上回り、戦争の継続は困難になると見ています。場合によってはロシア国内の怨嗟の声によってプーチン政権の存続さえ危ぶまれるのではないか、それでも、プーチン氏が政権の座にしがみつけば、ロシアはシリアのような入り乱れた内戦に移行するのではないか、と推測します。

その結果、ロシアは無秩序になり、ロシアおよび22の共和国からなるロシア連邦は解体する運命になると考えられます。これにより、ユーラシア大陸の広大なる土地をめざして、諸民族、諸国が入り乱れ混沌とした状況が繰り広げられると考えます。そこにはレアメタルとエネルギー資源が多量に埋蔵されているからです。

実際、政治的あるいは軍事的な空白地帯ができれば周辺から他民族が流れ込んでくるのは歴史が物語っています。現在のプーチン政権にあっても、5000km以上にも及ぶ中露国境をまたいで中国人が数多く侵入している事実をみても、ロシアという国家の機能が破綻すれば周辺の国々から大量の越境侵入者がでてくるのは明らかです。そのとき、中国という国が存続しているなら、国策としてエネルギー資源を奪いに大量の中国人を投入することは目に見えています。

そのとき、日本はどうするか。なにより敗戦後に旧ソ連に簒奪され、ロシアが当然の権利として居座っている北方領土に対し、奪還の動きに入るのか、それとも、北方領土に食指を伸ばす中国、韓国、北朝鮮の動きを黙ってみるのか、日本政府はどう判断するのでしょうか。



ただし、この考え方は、今日までの価値観の延長線上でのものです。ロシアの蛮行によって文明の衝突を引き起こし、それが新しい価値観を生み出す力となって、人類の意識を大きく変えるきっかけとなった可能性があります。国家、国土、国民といった国民国家という概念が大きく変わる可能性も感じます。

本ブログのテーマは「すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析すること」にあります。近い将来、価値観が激的に変わることは確実なのですが、その兆候はすでに表れているようです。その事実を今後とも注意深く観察していきたいと思います。



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共産党とメディアの欺瞞 コラム(398)

2022-03-15 14:13:00 | 政治見解



コラム(398):共産党とメディアの欺瞞


郵便局の帰り、久々に、自転車を押しながら日本共産党の主張を流し情宣する高齢の女性に会いました。


日本共産党の欺瞞

わが家は荒川区に隣接しているため、かつては毎日のように荒川区の共産党区議の情宣が聞こえていました。それが最近では、数日に1回しか聞こえなくなっていました。また、これまで二人一組だったのがいまは一人でやっているようで、今日会った私よりも高齢の女性も一人でうつむき加減に自転車を押して歩いていました。

日本共産党員のこの現実を見て、私は「あと十年すれば日本共産党は自然消滅するな」と思ってしまいました。

それはさておき、日本共産党のスピーカーから流れる主張には驚きを禁じえませんでした。「ロシアのウクライナ侵略に断固反対する」と言っているのは共産党らしい世間を取り込もうとするいつもの欺瞞そのもののセリフですので苦笑するだけでしたが、驚いたのは「話し合いで解決せよ」と繰り返し主張していたことでした。

そもそも話し合いで解決するならロシアがウクライナを侵略することはありません。前提が初めから間違っているのです。この詭弁の論理が日本共産党を独善主義に陥らせています。

日本共産党が「話し合いで解決できる」というなら、ロシア―ウクライナの和平交渉の仲介役として志位さんに白羽の矢を当てたらいいと思います。両国ともかつては日本共産党と同じ仲間だったのだから話はつけやすいのではないかと思います。岸田首相に志位さんを特命全権大使にでも任命してもらったらいかがですか。日本共産党の腕の見せ所だと思います。

それができないなら、最初からできそうもないことを、さも実現可能のように主張する欺瞞行為はやめるべきです。


メディアの戦争反対論の裏側

メディアの戦争反対論の中にも欺瞞行為があります。

悲惨な戦争をやめさせて大勢のウクライナの人びとの命を守らねばならないのは極めて当然のことなのですが、メディアの論調には、ロシアの侵略を非難するよりもウクライナに「早く妥協して戦争を終わらせよ」と主張することに重きを置いて報道しているように聞こえることがあります。

メディア関係者にはロシアがかつてのソ連の継承国であるため無意識にロシアを擁護したくなる意識が働いているのかもしれません。彼らは、ウクライナの悲惨な光景をテレビに映し出して、ウクライナが早く降伏することが「ウクライナの人びとの命を守るんだ」、「命あっての物種」と厭戦気分を日本中に振りまいているように思えます。

その上、メディアはウクライナの人びとの祖国を守る覚悟についてはあまりふれたがりません。祖国愛を日本人に目覚めさせると、また日本が戦争の道に突き進むと勝手に解釈して、「ウクライナの人びとの異常なほどの祖国愛が国民を悲惨な目に合わせている」との刷り込みを意識して流しているように見えるのです。

まして、ウクライナ同様の危機にある台湾の蔡総統が防弾装備で「国家守るには全国民の団結必要」との呼びかけている様子をニュースに流すはずもありません。日本を侵略したい国にとってメディアは実に頼もしい友軍であるわけです。

さらに、メディアのおかしなところは、ロシアに対する経済制裁から派生するエネルギー危機、食糧危機を取り上げながら、「今後日本では物価が相当に上がるから大変なことになる」、だから、「早く戦争などはやめてすべて元に戻してほしい」ということを強く訴えていることです。しかも、その原因は一方の当事者である「ウクライナが早く抵抗をやめればいいのだ」という論調を映像と音声の中に忍び込ませています。

メディアがロシアを断罪し、ウクライナの人びとの危機を救おうと本気で思っているのなら、第一にロシアのプロパガンダをはっきりと批判し、第二にウクライナの悲劇を自分のこととして報道する、そして第三に、国際社会が協調して行っているロシアへの経済制裁から波及する様々な問題に対しても「ウクライナの人びとと痛みを共有して日本人も頑張ろう」と主張しなければならないのです。

これを逃せば、メディアは、日本共産党と同じようにこの十年の間に高齢者がこの世を去り行くとともに、その存在に幕を引かなければならなくなるように思えてなりません。




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ウクライナの次はポーランド コラム(397) 

2022-03-11 08:22:47 | 政治見解


コラム(397):ウクライナの次はポーランド


ロシアによるウクライナ侵略、これを我がこととして深刻に受け止めているのがポーランドではないでしょうか。


ポーランド人はウクライナの悲劇をどう見ているのか

ウクライナからの避難民を手厚く保護するポーランド人がよく報道されていますが、彼らは一様に「明日は我が身」と述べています。その理由は、ポーランドが10世紀に国家として認知されて以来、幾度となく侵略され分割を余儀なくされた悲しい歴史を持った国家だからです。

近現代の歴史だけでもポーランドは、帝政ロシアの時代、ソ連の時代、ロシア人からずっと圧迫を受け隷属せしめられてきました。司馬遼太郎さんの日露戦争を描いた『坂の上の雲』のなかにも、ポーランド人がロシア軍の一員として組み込まれていた記述があったことを思い出す方もおられると思います。

なぜ、ポーランドはロシア人に圧迫されつづけるのか、それはポーランドがスラブ語圏の国家であることに由来するからだと思われます。

帝政ロシア時代に起源を持つ「汎スラブ主義」思想にかぶれたプーチン氏は、東スラヴ民族(ウクライナ人、ベラルーシ人、ロシア人)のみならず、西スラヴ民族(スロバキア人、チェコ人、ポーランド人)、南スラヴ民族(クロアチア人、セルビア人、ブルガリア人など)を糾合して、3億人規模の帝国を構築したいと思っているようなのです。

ただし、スラヴ民族といった概念は、ひとつの民族を指すのではなく、本来は言語学的な分類に過ぎないのですがプーチン氏は都合よく解釈しているようです。

したがって、プーチン氏にとってウクライナ侵略はスラブ民族統一の第一歩にすぎず、次の標的はウクライナの隣国・ポーランドに向かうのは必然となります。それだけに過去の経緯を心に刻み込んでいるポーランドの人びとには、ウクライナの悲劇は他人事ではないのです。

なお、ポーランドはNATOに加盟していますが、ロシアはポーランド国内の親ロシア勢力を通じて内部から空洞化させればいいとも考えていること明らかです。


プーチン氏を唆す人物



古臭い汎スラブ主義思想をプーチン氏に吹き込んだのは大統領補佐官のメジンスキー氏のようです。メジンスキー氏はウクライナとの停戦交渉におけるロシア側の代表になったので顔が知れ渡りました。同氏は国会議員を経て、42歳の若さで文化省の大臣に就任。ロシアの歴史を正当化する論文や本を多数書いて、プーチン氏の最側近にまで上り詰めた人物です。

同氏は、軍人の経験はないとされていますが、人相学的に見ると目の奥に激しいものがあり、残忍なここに対しても平然とやりとげる性格であるように見えます。これが、冷酷非情なプーチン氏と馬が合う理由かもしれません。二人の残忍な性格が共鳴し、互いに増幅させて民間人の大量虐殺さえも厭わない残酷な仕打ちをすることができるのだと思います。

しかも、ロシアはウクライナを同じ民族であると標榜しているにもかかわらず、歴史的・文化的に価値あるものさえも破壊することさえ厭いません。歴史的・文化的遺産を破壊する行為は自らのアイデンティティを破壊する行為なのですが、それでも平然とやってのけます。

既に博物館1カ所が攻撃を受け、貴重な絵画が焼失しました。また、ウクライナの「ヴェルサイユ宮殿」と言われているチェルニウツィ大学の建造物(1882年に完成)も破壊されてしまいました。この暴挙をたとえるなら、日本人自らが奈良や京都の歴史的文化的な遺産をミサイルで攻撃するのと同じです。

したがって、ロシアの暴挙をやめさせるためには、プーチン氏を唆すメジンスキー氏の人物解析を急ぎ、彼の弱点とそれに対する対策をたてることも、ウクライナの被害を食い止める一つの方法になると思います。


現在、プーチン氏は妄想の中にとらえられているように見えます。まるでピョートル大帝のツァーリズム、あるいは汎スラブ主義の幻想の中で生きているようで、過去の思想的残骸を現代に復活させようとする行為は、まさに胡散臭いカルト宗教の教祖と言っても過言ではありません。

しかもロシア人は絶対に約束を守りません。かつて日本も、ソ連による日ソ不可侵条約の一方的な破棄と参戦で、満州で多くの日本人が強奪・強姦の憂き目に、そして樺太・千島は簒奪され、捕虜はジュネーブ協定違反のシベリア抑留などさんざんな目にあわされました。

現在、ロシアはウクライナでも平気で約束を破って戦時国際法で禁じられている非戦闘員まで虐殺をはかっているくにですから、ロシアの言うことなどは一切信用してはいけないのです。これからもウクライナの悲劇はポーランド、その次はジョージア、そして西に、南にと広がっていくと思われます。



一刻も早くプーチン氏の暴走を止めてほしいと願わずにはいられません。




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ウクライナ人の祖国愛が日本人にもたらすもの コラム(396)

2022-03-09 13:29:17 | 政治見解


コラム(396):
ウクライナ人の祖国愛が日本人にもたらすもの


ウクライナの人たちが祖国を守るために銃をもって立ち上がる光景に胸打ち震えるのを覚え、涙を禁じえません。このなかには、花と銃を手にして「ともに戦いましょう」と呼びかける女性の姿もあります。ウクライナの人びとの祖国を守ろうとする姿は、「愛国心を持つことは悪」、「軍備をもって国を守ることも悪」と洗脳されていた私たち日本人には大きなショック療法になったのではないかと思います。


国民を思考停止にさせようとする日本のテレビ局

連日、ウクライナ情勢がニュースのトップをかざりますが、日本の報道番組ではロシアの非道さとウクライナの人びとの悲惨な状況が取り上げることを中心に番組を構成しています。これは昔からの手法で、「戦争は悪」であることを繰り返し訴えているのですが、悲惨な場面ばかりを流すことで視聴者を思考停止にさせ、なぜ戦争が起こったのか、ウクライナのように侵略戦争に直面した場合、私たちはどうすればいいのかという、もっとも大切なテーマは避けて通っています。

ひどい場合は、「平和の大切さ」や「平和を守れ」と叫ぶだけで番組を終えて自己満足している番組をよく見かけます。昨日(3月9日)、偶然見た日本テレビの午後11時のニュースでも終わり際、タレントのryuchellさんに「平和は守らなければならない」と語らせましたが、彼の頭の中には「守るべき平和が侵されている現実」については何も考えていない状態であることがすぐにわかりました。

ただ、これはryuchellさんが悪いのではなく、番組の中心にいる昔ながらの反体制左派の人が自分の反戦思想を沖縄出身のryuchellさんに語らせて、視聴者を憲法9条の平和観に誘導しようとしていただけです。これは日本の多くのテレビ局に見られる現象で、韓国臭のするフジテレビと経済情報中心のテレビ東京を除いて、夜のニュースの多くが反体制左派の色合いを濃く出しているからです。余談になりますが、私は経済との関連でニュースを見なければ物事の本質はつかめないと思い、夜はテレ東以外のニュースは見ません。


ウクライナの悲劇に対する反体制左派の本音

反体制左翼の人たちにとって、ロシアのウクライナ侵略はあまり触れてほしくないことだと思います。

なぜなら、彼らにとってロシアはかつて信奉していたソ連の継承国であり愛着のある国であったにもかかわらず侵略者となったことに対する失望、しかも、その侵略行為が彼ら理想としていた日本国憲法の平和主義を破綻させてしまったことに対する怒り、さらには、彼らにとっていま一番大事な中国がロシアと同様に見られ始めていることへの焦り、が複合的にからみあっているからです。

もはや彼らは、だんまりを決め込むか、何事もなかったかのようにロシア批判をするしか方法がなくています。日本共産党や立憲民主党がロシア批判に熱心な理由がここにあります。

これは勢いの衰えた日教組も同じです。これまでさんざん欺瞞の平和論を洗脳し続けてきましたが、彼らが必至で教え込んでいた日本国憲法の平和主義がものの見事に破綻してしまったからです。いま、どう言い訳をしようかと考え続けている最中だと思います。

しかも、彼らが徹底的に排除してきた祖国愛、国を守るためには立ち上がるという精神が、ウクライナの人びとの姿を通してよみがえろうとしているいま、彼らは苦虫をかみつぶして見ていると思います。これで、彼らの、かつてのソ連、いまの中国の侵略を手引きして日本革命を達成し、自分たちが新しい支配階級になるとの夢は打ち砕かれました。


若い世代な何を思うのか

日本国憲法の平和主義が素晴らしいものと信じ込む頭が固くなった世代の人びとを除いて、ロシアのウクライナ侵略は日本国憲法が何の役に立たないことをはっきりと知らしめました。「戦争放棄」「平和主義」を掲げても、侵略してくる国には何の効き目もありません。むしろ侵略を助長させるだけの代物です。

さらに、一番肝心な点は日本が島国で、侵略を受ければどこにも逃げるところはないというこです。したがって、侵略されたら、私たちは、降伏して奴隷の平和で生きるのか、徹底抗戦するとの二択しかありません。どうするかは各人の選択ですが、ウクライナの人びとが日本人につきつけた、祖国を守るという強烈な覚悟は、日本人を覚醒させるには十分でした。

とくに、若い世代の人たちにとって、国のために立ち上がることに抵抗感はないと思えるのです。この動き表面化していませんが、東アジアで中国や北朝鮮の暴走があれば一気に広がると思います。人間には誰もが大いなるものに対して一体化したいとの感情を本来的に持っているからです。そしてそのことが名誉であり、誇りとなるのです。愛国心とはそのようなもので、だれもそれを押しとどめることはできません。

今年7月の参議院選挙では、有権者の選択に変化が起きると思います。自分たちの利益しか考えない公明党、外国の出先機関である立憲民主党、偽善と欺瞞の日本共産党などにとっては厳しい審判が下されるのではないかと思います。それほど、ウクライナの悲劇は日本人に対して、国のあり方、平和の守り方、祖国を愛する心について衝撃をあたえたのではないでしょうか。


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人道回廊と平和憲法の類似点 コラム(395)

2022-03-08 14:11:05 | 政治見解



コラム(395):人道回廊と平和憲法の類似点


人道回廊(Humanitarian corridor)が設置されたので、少なくとも民間人の命は救われるみたいな報道をよく見かけるようになりました。「人道」という言葉が好きなメディアや日本共産党のような政党がすぐ飛びつきましたが、冷酷非情のプーチン氏には違う使用目的がありました。


「人道回廊」の真実

人道回廊を設置した表向きの理由は「避難のチャンスを与えた」ことにより、国際社会からの厳しい視線を逸らすためです。ロシアは、首都キエフなど4つの都市で民間人のための避難ルートを設置、これらの地域で一時的に停戦すると発表しました。仮にウクライナがこれに応じなければ「ウクライナに非がある」とのプロパガンダに利用することも考慮していたはずです。

しかし、この人道回廊、よく見れば、ゴメリからは航空機でロシアに、東部要衝のマリウポリからはウクライナのザポリージャとロシア南部のロストフ・ナ・ドヌーに、第2の都市ハリコフからはロシア西部のベルゴロドへ、そして、北東部のスムイからは、ロシアのベルゴロドとウクライナ中部のポルタワに、それぞれ移送するというもので、ロシア以外の選択肢はありません。

これでは、民間人をごっそりロシアの人質にしようという考え方にしか見えません。大量の民間人をロシアの人質にして、人間の盾にでもされたら、ウクライナ軍の抵抗はできなくなります。

その上に、人道回廊を利用して民間人を大量虐殺することは可能で、しかも、虐殺をしてもそれはウクライナがやったこととして言い逃れをしそうです。

実際、赤十字国際委員会によれば、ロシア軍が包囲したウクライナの都市マリウポリで人道回廊とされた道路に地雷が埋設されていたため人びとが避難できなかったことが明らかにされました。また、マリウポリ市長によると、「ロシア軍から人道回廊の設置により午前9時から砲撃を止めるので住民を避難させるためバスを用意せよと通告されたので、バスを集めたところ、そこが砲撃され半分吹き飛んだ」との証言があります。

ロシアが提案する人道回廊は、シリア内戦で頻繁に用いられたものです。ロシアは、戦線が膠着状態になると人道回廊を設定する交渉を行ないます。そしてその交渉中、誰が街の中に誰がいるかを探り出し、出てきたら殺害する一方、出てこない人たちはテロリスト戦闘員と断定して包囲網から出られないようにして兵糧攻めや化学兵器を用いて殲滅させようとします。まさに人道回廊は大量虐殺の手段と使われていると言わざるを得ません。

ウクライナはロシアのやり口をよく知っているから、これを受け入れるはずがないのです。


平和憲法は日本人の大量虐殺を招く

日本国憲法の論理と人道回廊の考え方な実によく似ています。ともに「平和主義」とか「人道」などのきれいな言葉で飾られていますが、その本質は「大量虐殺」を引き起こす危険性を内包しているのです。いくら言葉に理想主義を掲げても所詮は他国の良心の有無で決定づけられるため、プーチン氏のような冷酷非道な人物にかかれば、人道回廊も平和憲法も大量虐殺に至る体のいい口実に使われるだけです。

実際、ウクライナの悲劇を見れば、平和は瞬時にして奪われ、人道回廊を使って戦時国際法で禁止されている非戦闘員の命までも奪おうとしています。それを見れば、憲法9条論者がよくいう「平和は対話で守られる」、「腹をわって話し合えばわかる」といった理屈は、心が鬼になっている侵略者には全く通用しないことがわかります。

侵略とは国土と国民を蹂躙して支配することであり、被侵略国民は略奪されたうえ抹殺されるのが常で、それを誘導してくれる日本国憲法のあなた任せの平和主義ほど好都合なものはありません。

したがって、日本共産党のように「憲法は日本が戦争を起こさないように為政者を縛るもの」だから「憲法を守れ」と言う行為は、単に外国勢力の侵略を助長するだけでなく、奴隷としての平和を望む日本人は除いて、数多くの日本人に大虐殺をもたらすことになりかねません。

心優しい日本人にとって、ロシアや中国が日本に対してそこまではしないだろうと思っているのですが、そう思うのは日本人の感性ゆえで、それは間違いです。歴史的に中国人やロシア人がやってきたことをよく見てみれば、かれらの残虐さがわかるはずです。もうそろそろ、日本人は甘い考えは捨てねばなりません。

結局、日本国憲法の論理と人道回廊の論理はまさに同じで、非戦闘員である民間人を殲滅する、大量虐殺するためにあると言っても過言ではないのです。


振り返れば、ウクライナの悲劇は核を含めた抑止力を失ったこと、他国と協力して侵略を防ぐ集団的自衛権がなかったことが主な原因です。この機を逃さず、日本人が未来に向かって生き残るため、いまこそ憲法を改正して、侵略と大量虐殺の憂き目から身を守るようにしなければならないと思います。



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安倍発言を積極的に支持することが国を守る力になる コラム(394)

2022-03-04 08:24:22 | 政治見解



コラム(394):
安倍発言を積極的に支持することが国を守る力になる


偽善の平和主義では国民の命は守れない

安倍元首相がロシアのウクライナ侵略問題で、日本共産党志位和夫委員長の「仮にプーチン氏のようなリーダーが選ばれても、他国への侵略ができないようにするための条項が憲法9条だ」とのツイートに「空想にとどまっていて思考停止だ」と批判しました。全くその通りだと思います。

当ブログでも『ウクライナの悲劇から何を学ぶのか』において志位発言が詭弁にすぎないことを論及しましたが、憲法9条にこだわる人はカルト宗教信者と同じで、ロシアのウクライナ侵略を非難しながら、なぜロシアからウクライナが侵略されたのかの意味が理解できない思考に陥っています。それを指して、安倍元首相は「思考停止」と言ったわけです。


核の脅迫には核で対抗するしか方策はない

また、安倍元首相は、「ウクライナが核共有を実施しているNATOに加盟していれば、ロシアの侵攻はなかったのではないか」、「日本も議論を進める必要がある」と述べています。この認識も全く正しいと思います。

イギリス在住のめいろまさんのツィートを見ると、「イギリスのテレビも新聞も湾岸戦争や911の時状態です。普段バカげたネタばかりな昼間のトークショーですら真剣な議論やウクライナからのアップデートになってしまった。イギリスがこの状態で、状況を茶化してネタにしないのはかなり深刻ということです。」と書かれています。海を隔てたイギリスでさえロシアの動きにただならぬものを感じ取っているのです。

実際、ロシアのラブロフ外相はアルジャジーラのインタビューで、第3次世界大戦が起これば、「核戦争以外にない」と述べましたが、これは核兵器を持つ国特有の脅迫文言です。力まかせで何事も解決しようとする旧ソ連型の外交方針を継承しているロシアに、認知症とみられるプーチン氏の思考状態を考慮に入れれば、ラブロフ外相の脅迫は、人類にとってキューバ危機【※1】以来の大きな試練の時がきたと思わざるを得ません。
【※1】1962年10月,ソ連がキューバに中距離ミサイル基地を設けたことから起こった米ソ間の核戦争の危機。アメリカは海上封鎖を行ない、ソ連がミサイルを撤去したことで衝突は回避された。のちに首謀したフルシチョフ書記長は失脚した。

キューバ危機は、当時のケネディ米大統領がソ連の核の脅迫をはねのけたことで回避されたわけですが、当時、高名な外交評論家の文章を学生時代に読んだ際、そこには核戦争の恐怖がつづられていたことを今でもはっきり覚えています。

ケネディ氏の強い信念の裏にあったものはアメリカの核兵器でした。核の脅迫には、核をもって対抗すること以外には方策はなかったのです。核には抑止力としての作用があるのです。

したがって、安倍元首相の核共有をめぐる発言はまさに正論であると感じます。

しかし、これを聞いた立憲民主党の杉尾秀哉氏が国会で岸田総理に「非核三原則を守れ」と激しく詰め寄っていましたが、杉尾氏らの建前の平和主義の考えでは、核兵器を使って脅迫してくる中国、ロシア、北朝鮮には、痛くもかゆくもなく、むしろうれしい援護射撃になっているだけです。

要は、杉尾氏をはじめとする野党の国会議員たちは、ただ安倍憎し、自民党憎しの感情で動いているため、ことごとく安倍発言、自民党の政策を頭から否定しにかかるのですが、その発言や行為が結果的に外国を利していることに気づいておらず、最終的には外国の利益のために活動する国会議員になっているのです。

もともと、日本の反戦平和運動とか原水爆禁止運動というのはソ連製で、西側の自由主義世界に革命を持ち込む手段として提起された偽善運動です。そのため、彼らはソ連の戦争や核兵器には一切批判を加えず、アメリカの戦争や核兵器を攻撃していたものです。

この偽善で欺瞞な思想を今日まで引きずっている立憲民主党や共産党、ついでに社民党などは、当時ソ連からもらっていたお金、今では中国からのお金をあてにして言い続けているだけで、利益目的に過ぎません。そんな彼らのお金儲けに付き合う必要も義理もないことを国民は知るべきです。


いま、私たちがなすべきことは、安倍元首相の発言を積極的に肯定し、たとえ声は小さくても安倍発言を拡散していくことが重要だと思います。その行為の積み重ねが、国家と国民を守ることにつながり、日本を狙う中国、ロシア、北朝鮮の脅迫から自分の身を守ることになるのです。

したがって、核共有の問題、憲法9条の問題について言論を封じ込めようとする動きにひるんではなりません。封じ込めようとする人たちが激しく抵抗するのはそこが彼らの最大の弱点であること、そして利益の発生源であることを認識し、偽善で欺瞞的な日本破壊活動を阻止していくことこそ、日本人として生まれた証になると思うのです。



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ロシアの暴挙を煽った人物 コラム(393)

2022-03-03 10:20:47 | 政治見解



コラム(393):ロシアの暴挙を煽った人物

ロシアのウクライナ侵略は言語道断ですが、認知症になったと思われるプーチン氏にウクライナ問題を煽り続け、侵略に駆り立てた人物がいます。いまでは、まるでそんなことはなかったかのように振舞い、激しくプーチン批判を繰り返す人物、それが米国第46代大統領ジョ―・バイデン氏です。

バイデン氏とウクライナの蜜月関係

まず、全米を二分した2020年の米大統領選挙戦を思い出していただきたい。現職のトランプ大統領は民主党側から「ロシア疑惑【※1】」で激しく糾弾され、一方、バイデン氏はトランプ陣営から「ウクライナへの政治的圧力」を指摘され、稀に見る泥仕合になりました。
【※1】2016年の大統領選挙期間中にトランプ陣営とロシアが接触して何らかの連携があったのではないかと問題視された。ただ、最近になって民主党側の捏造工作だったことを示す捜査結果が明らかとなる。

ここで注目するのは、トランプ陣営が指摘したバイデン氏とウクライナの密接な関係です。バイデン氏の次男ハンター・バイデン氏がウクライナで捜査対象となっていたこと、そしてその問題を当時の副大統領であったバイデン氏がもみ消したことがありましたが、それほどバイデン氏とウクライナには深いつながりがあり、その関係性がウクライナの悲劇を招来させたのではないかと思われるからです。
【※1】バイデン氏の次男であるハンター・バイデン氏は、2014年から2019年まで、ウクライナの天然ガス会社であるブリスマ・ホールディングスの取締役を務めていた。同社は、2016年までに何らかの疑惑を抱えウクライナ検察当局の捜査対象となっていたが、父親のバイデン副大統領(当時)がウクライナを訪問した際に同国の検事総長を罷免するよう要求すると、まもなくウクライナ議会は検事総長を罷免。会社は、検察当局からの追及を免れた。

バイデン氏とウクライナの密接な関係を時系列でまとめてみますと

① バイデン氏はオバマ政権の副大統領に就任。2009年7月にウクライナを訪れ「ウクライナがNATO加盟を選択するなら、米国は強く支持する」と伝えた。

② 2014年に親欧米派デモ隊によって親露派・ヤヌコビッチ大統領が追放されると、ロシアのプーチン大統領はクリミアを併合。東部でも親露派が独立を宣言した。

③ このときバイデン副大統領は「モスクワに侵略の代償を血と金で支払わせる」と主張するも、オバマ大統領はその強硬論に与しなかった。

④ バイデン氏は2014年に3度ウクライナを訪問。この間、バイデン氏は「いかなる国も他国の領土を奪う権利はない。われわれはロシアの違法なクリミア占領を絶対に認めない」等演説を行う。

⑤ バイデン氏は当時のポロシェンコ・ウクライナ大統領に「NATO加盟」を努力義務とすることをウクライナ憲法に明記させた。その後ウクライナは「NATO加盟を優先事項にする」という法律を制定し、2019年には、同国憲法116条に「NATOとEUに加盟する努力目標を実施する義務がウクライナ首相にある」という条文が追加した。

⑥ なお、一連のウクライナ訪問には、次男のハンター・バイデン氏が必ず同行してきた。ハンター氏は、2014年4月、ウクライナのエネルギー最大手、ブリスマ社の取締役に就任した。ハンター氏は非常勤ながら月5万ドル(約500万円)の報酬を受けた。ウクライナの平均賃金の166倍以上の破格の待遇。

⑦ ブリスマ社には脱税や資金洗浄の疑いがあり、ウクライナ検察当局が捜査していた。在ウクライナ米大使館も徹底捜査を求めており、米政府内にはハンター氏が札付き企業の役員を務めることに批判の声があった。

⑧ しかし、バイデン副大統領は2015年、ポロシェンコ大統領に対し、同社を捜査していたショーキン検事総長の解任を要求した。解任しないなら、ウクライナへの10億ドルの融資を撤回すると警告していた。

⑨ これに応じる形で、ポロシェンコ大統領は検事総長の解任を決めた。議会も承認し、米国の融資は実行された。検事総長は解任後、バイデン副大統領が圧力をかけてきたとメディアで告発した。

⑩ バイデン氏はトランプ政権が誕生する4日前の2017年1月、6回目のウクライナ訪問を行い、キエフで政府高官らを前に、汚職・腐敗の一掃や民主化定着、ロシアへの抵抗を訴えた。


バイデン氏がプーチン氏に与えたお墨付き

ここまで見れば、バイデン氏にはウクライナと利権を伴う密接な関係性と反ロシアという共通の利益で結びついていることがよく見えてきます。しかし、2021年12月、バイデン氏が大統領としてプーチン氏との会談した直後に「ウクライナで戦いが起きても米軍派遣は行わない」というスピーチを全世界に向けて発信してしまいました。

この発言は、「ロシアのウクライナ侵略を黙認する」とのお墨付きをプーチン氏に与えたものにほかならず、ウクライナの悲劇のきっかけを作ってしまったと言っても過言ではありません。

では、なぜ、バイデン氏がこれまで密接な関係を築いてきたウクライナを見捨てる行動に出たのか。その理由は、第一にバイデン氏がウクライナから売るものが何もなくなったこと、第二に戦乱が起きることで次男の犯罪が話題から遠ざけることができること、第三に軍事的な危機はアメリカの武器売却の千載一遇のチャンスであること、第四に世界からロシアの天然ガスを排除することでアメリカ産のエネルギー源に依存させる体質をつくること、第五にその過程で再度アメリカ中心の世界支配構造を再構築する、などなど様々なことが考えられます。

国際政治を冷徹な目でみると、利益の有無、国策名目の損得勘定で国家も政治家も動きます。道義とか相互信頼といった人間が本来的に持つ良心の部分とはかけ離れたところで決断を下したわけです。

その視点に立てば、ロシアのウクライナ侵略で、最も損をしたのはファシスト呼ばわりされるプーチン氏、最も得したと考えられるのは正義の士に扮したバイデン氏ではないかと思います。結局、ウクライナの悲劇は、プーチン氏を煽り続けたバイデン氏の産物だったのです。


しかも、プーチン氏に認知症疑惑があると同様、バイデン氏にも認知症疑惑があります。この分でいくと、バイデン氏は中国が尖閣や沖縄に攻めてきた場合、都合よく約束を忘れて日本はウクライナのように自分で戦えと言ってきそうです。その時、米軍頼みの自民党政権はどうするつもりなのでしょうか。

利権のことしか頭の働かない、あるいは振る舞いがすべて偽善である一連の日本の政治家たちを早急に排除しなければならないときがきたのではないでしょうか。




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皇帝を夢見たプーチン氏の誤算 コラム(392)

2022-03-01 12:12:04 | 政治見解



コラム(392):皇帝を夢見たプーチン氏の誤算

これまで、ウクライナの危機を中心に論じてきましたが、今回は侵略者であるロシアのプーチン氏にとっても危機が迫っているということについて述べたいと思います。


ブーメランとなった「反戦平和」の思想

古い軍事思想プーチン氏の最大の失敗は、ロシアが軍事強国であっても経済規模はさほど大きくなく、欧米諸国が返り血を浴びる覚悟で本気の経済制裁を加えればロシアは破綻するということを認識できていなかったことにあります。

要は、クラウゼヴィッツの「戦争は外交の一手段である」という古臭い発想法と、KGB出身で経済音痴が合わさって、いうなれば昔のソ連時代の考えを引きずったまま、ロシアの新ツァーリになりたいという野望が判断を狂わした結果であると思います。

プーチン氏はウクライナ侵略がこれほど国際社会から反発を受けるとは予想していなかったのではないか。かつてソ連が戦車でチェコを蹂躙し「プラハの春」といわれたチェコの自由化を阻止した時代、その後のソ連によるアフガン侵攻など国際的な非難は浴びても、今回ほど全世界的な非難の嵐にはなりませんでした。

それが今回、世界的な反戦平和運動に発展してしまったことをプーチン氏はどう考えているのか。反戦平和運動は本来ソ連の専売特許でアメリカを封じ込めるためのプロパガンダであったはずなのに、今回イデオロギー抜きの反戦平和運動となってーチン氏に跳ね返ってるという皮肉な現象になっています。

しかも、歴史的に見てこれほど全世界的に戦争反対の声が巻き起こってくるのは今回が初めてではないかと思います。その主因は、「核兵器使用を命令した」とのプーチン発言が人類全体に強い危機感を与えたからだと思います。


経済音痴が招いたロシアの悲劇

もう一つの誤算は欧米諸国による強烈な経済制裁を予測していなかったことにあります。基本的に経済制裁は効果があった試しはなく、経済制裁を受けた国々、たとえば現在でも被制裁国であるイランとか北朝鮮などは生き延びています。どこかに抜け道があるからです。

しかし、今回のロシアに対する経済制裁は実に厳しい。その第一はロシアの唯一の資金源がたたれようとしています。 石油大手シェルが「主要な液化天然ガスプラントを含むロシアの全事業から撤退する」と発表し、「サハリン2」や「ノルドストリーム2」から手を引きます。

決定的な出来事は、欧米がロシアの複数銀行を国際決済システム「SWIFT」から切り離すことで合意したことです。これにより、制裁対象の銀行は国際金融システムから切り離され、世界的に活動する能力が損なわれることになります。

すでにその影響はあらわれ、ロシア最大手行ズベルバンク傘下のオーストリア子会社銀行が預金流出によって経営破綻すると言われ、さらに、ロシア国内では急激なインフレが起き始めた上、ルーブルの信用下落で人びとがATMに殺到し、取り付け騒ぎが起き始めています。

一説によるとプーチン氏はエリツィン政権と運命共同体だった新興財閥「オリガルヒ」と天然ガス利権をめぐり激しい権力闘争を繰り広げていて、経済制裁はオリガルヒつぶしに役立つという見方をする人がいますが、結局は、今回の経済制裁が両者に致命傷をあたえ、国家の財政破綻につながる可能性の方が大きいと思います。

ただし、制裁に若干の懸念材料があります。ロシアがSWIFTから切り離されたことで、中国の人民元の国際銀行間決済システム「CIPS」に逃げ込む可能性があることです。中国や欧米の大手金融機関のほか、日本は三菱UFJ銀行とみずほ銀行の中国法人が同システムに接続して人民元と決済できるようになっていますが、ロシアがここを抜け道に使うならば、金融制裁の効果が激減する可能性もあります。



今回のぷ^陳氏の暴挙、私はプーチン氏が様々な要因から判断ミスを犯したとしか思えません。ウクライナを国防上の緩衝地帯にしたいというソ連時代からの古い思想と国内の新興財閥との戦い、軍事大国でありながら経済は小さくかつてのソ連時代の栄光は地に落ちている現状などのさまざまな要因が、ロシア皇帝を目指すプーチンにとって手かせ足かせになっていたのは事実です。

しかし、それらを打開するためにウクライナ侵略を行ったことで、プーチン氏は全てを失いました。また、ロシアも国際社会からしばらくは拒絶される存在になったと思います。古い価値観にとらわれた政治家が国家の指導者となったとき、いかにその国家が危険であるかを物語る出来事だと思います。

同時に、今回のウクライナ侵略をけしかけたのは、実はバイデン米大統領ではないかと考えています。次回、それを述べたいと思います。



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