グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

問題は天井裏のネズミだけだと思っていたら。

2014-10-25 18:58:18 | Weblog
問題は天井裏のネズミだけだと思っていたら。

夜。普段はひと気がなくなる築50年以上の事務所[昔は田園地帯。が、
いまや住宅地となってます
]で、急ぎの仕事をしているときのこと。いわ
ゆる丑三つ時を過ぎる刻限になると毎晩ではないが

   ツととととととと ・ とととととと ・ ととととととッ

という、とぎれとぎれのリズミカルな足音が天井裏から聞こえてくることが
ある。こんな時は

 ぁ、またネズミか。むかし、この事務所に併設された倉庫にヒメネズミの
 群れが住み着いて困ったことがあったけれど、この足音からするとヒメネ
 ズミよりもすこし身体のおおきなクマネズミの足音なのかもしれないな。

と思いつつ、対策として

 ミャーゴ・ミャャャゴ などと、映画で見た化けネコの鳴き声
 などをマネながら、
 天井板のあちこちをモップの柄で突いて大きな音をだしてみる。


このときに偶然、事務所の廻りの道を通行している方がいたら、ドンドンと
いうモップ音と・うなり声のほうにびっくりされるとおもう/笑が、さいわ
いにも事務所の廻りは4辺とも道までは10メートル以上も離れている。も
ちろんこちらも興に乗ったとはいえ、一晩中つづけるわけもなし。というこ
とで、天井裏からの足音がきこえるたびに、しばらくのあいだこの儀式を繰
り返すのだ。

夜間の事務所は普段ひと気がな場所だけに、これくらいの脅かしで屋根裏
のネズミは、意外にしおらしく逃げ出していくことがおおい。

が、しかし本年。
屋根裏の ツととととと が、やけに毎晩続きだした。

 うーむ。これはいかん。さすがに猫マネはでは通じなくなったか。
 電気の線でも齧られて、火でも出した日には大ごとでし。
 こうなったら事務所の縁の下も、ちゃんとふさいでみましょうか。


と思い立って昼間の作業にとりかかり、事務所の2か所ある通気口の金網
の目を細かくし、さらに見晴らしもよくなるように通気口付近の樹もなど
もさっぱりと取り払った。

結果、運動会状態となりつつあった屋根裏は、その夜から平穏になった。
めでたし・めでたし。

・・・という展開を迎えたはずだったのだか・・・数日たって、試しに事
務所に泊まってみた私の耳に窓の外から聞こえてきたのは、侵入対策を施
した通気口付近から発せられる奇妙な気配であった。

そう、怒った時に出すような興奮した息づかいや呼吸のたたづまい。

その気配の主は、屋内に侵入できなくなった元凶である金網に怒りの感情
をぶつけている様子なのだ。そしてその音から想像するに、壁の向こうに
いるそいつは[ネズミなどではない]もっと大きな獣であるように思えた。

 なにものかな。ひょっとするとイタチか、もしかして野良猫?

と、その息づかいの主にこちらの好奇心が募る。なんといってもそんな獣
事務所に居つきでもしたら、ネズミがもたらす被害どころの被害ではす
まなくなります
からね。

そこで確かめてみることにした。

通気口と反対側にある倉庫側から屋外にそっとぬけだして、気配のする通
気口側の壁に通じる犬走りを音を立てないように忍び足で近づき、建物の
曲がり角の壁から頭だけを出して5メートルほど先の通気口付近をそっと
覗いた。

 一瞬、[予想したとうりに通気口の前にいた]その獣の影を見た。

と同時に、こちらに気づいたのであろうその影の主は、こちらを ぐっと
睨みつけながら、建物と反対側に植え込まれている6メートルほどのイチ
イガシの大木のつくる闇のなかに吸い込まれるように姿を消した。

 大人のネコよりも若干小さい。
 イタチよりも大きいが、もっとふっくらとしていたな。


と、こちらは その姿を脳裏に焼き付けつつ、姿を消したイチイガシの樹
に近寄り、樹上を見上げる。剪定してある見通しのよい樹の根元を確かめ
ると同時に壁にたてかけてあったプラスティック製の熊手を、柄のほうを
先にして[槍投げよろしく]樹の上部に向かって投げつけてみた。

 タバダタタタタタタっ

すると、けっこう大きな音をたてながら、枝でぐっすりねむっていたにち
がいないドバトが2羽ほど闇のなかに飛びさっていった。

 ドバトには手を出さない動物のようだが、
 今回は逃がしたけれど、次は正体をあばいてやるからな


と、なんだか獣くさくなっている周辺の空気を嗅ぎつつ・カシの樹のほう
に向かって呟きながら、その夜は事務所をあとにした。

つづく。


◎ いまや宮崎県には、北からはアライグマ。南からはマングース
  なども侵入してきていると言わている状況もあります。

 
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">山中を「ホイホイ」と鳴いてまわる もののけ もいて。

2014-10-23 18:36:44 | Weblog
山中を「ホイホイ」と鳴いてまわる もののけ もいて。H

こちらも次回関連です。

 ↓

倉庫のなかで感じる なにものかの気配を探るうちに、この地方に伝えら
れている 物の怪 を思い出しました。 冬は、“山”におられたのだな、
と、おもいつつのおはなしとなります〔倉庫での作業は昨日中に
終えて無事に里に帰還しました
〕。

 ↓

九州・宮崎の山中で「ホイホイ」と鳴いてまわるというもののけ。。

それが カリコボウズです。

地元で山仕事をするときには、このカリコボウズに 塩や米・焼酎を供
えて山仕事の成就を祈る習慣
があります。うっかりとして、これを怠る
と怒ったカリコボウズが、人を驚かせたり、家をガタガタと揺すったりす
とされています。
また、山中でいきなり聞こえる人の話し声や、山での大きな物音〔たとえ
ば大木が倒れるような音〕をたてることなども知られています。

そして山仕事をしていない方でも、気をつけねばならない時期がある。

それはお彼岸。カリコボウズが春の彼岸になると川へ、秋の彼岸になる
と山へ移動するとされる、その時期です。

この移動中に、カリコボウズを見にいった者は病気になってしまったり、
さらにはこれを遮る者は死んでしまったりしたものもあるという言い伝
えもあるのですから穏かではありません。また、そのお彼岸の、通り道
に、うっかり家を建てとしまった場合などは、建てた家に穴を開けられ
るとも、いわれていますよ。

「カリコボウズ」・・・

その正体は、新種の動物や、その動物から生まれた幻想・あるいは妖怪
または古代の忘れ去られた神等と諸説あります。けれど、

  お彼岸に移動すること。
  古来よりの山仕事にまつわる祭事にかかわっていること。
  山の自然を破壊するものに、いたずらを仕掛けること。

といった行動上の特徴から考えるに、その正体は 案外「人の魂」なの
かもしれない
なとも思います。古来より、その地区の山や自然を守ってき
た・山に生きてきた人々の魂です。

なんといっても、国土の7割がじつは山林だというわが国、日本。古代
より、国土保全には山林整備が不可欠でした。
そんな大切な 〔山林整備という〕事業に携わってきた人々の思い が、
「かりこぼうず」というかたちになるのかもしれないな・・・と、山で
おもうことたびたびです。

というわけで、今回は、九州・宮崎の山中に伝わる カリコボウズ の
おはなしでした。


◎ 宮崎には ヒョウスペとかヒョウスンボとよばれる 河童系の
  方々も おられるんですよね。
 
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こんな農業参入のかたちもあるかな。

2014-10-22 15:15:07 | Weblog
こんな農業参入のかたちもあるかな。


たとえば こちら です。


 売れるものなら文化でも.jpg


これは しめ縄と、神楽には欠かせない“えりもの” なのですが、
今後は これらの伝統品が売れる時代になっていくだろうと思える
のです。

とくに しめ縄です。

なにせ、これまで氏子として地元の神社のしめ縄作りを荷ってきた

 農家さんの数が、日本各地で激減している

という事情があります。そうなると、その地方に伝わるしめ縄作り
の技術はもとより、ワラの確保さえままならないという時代になる。
そうなれば当然

 神社のしめ縄は、購入する

ことになりますからね。そこに需要が生じるわけです。

こういった傾向が高まっていけば、供給する側のしめ縄作りにも熱
がはいります。たとえばしめ縄用の茎の長いワラや、色のついたワ
ラを取る品種の栽培が始まったり
。と、次第に一大産業になってい
く可能性がある。

じっさいのところ、こういった、ある意味美術品としてのワラ製品
の販売は、昔の農村では当たり前のことで、たとえば東京近郊で
いえば、江戸時代中頃から大森で作られ、東海道を行き交う旅人に
親しまれた

 大田区の麦わら細工である「大森細工」

などが、その代表として挙げられます。馬込の郷土博物館に当時の
実物が展示してありますが、動物やおもちゃを表現した「編み細工」
と、小箱に色染めした麦わらを張り込んだ「張り細工」は、非常に
見ごたえのある作品だと思いましたよ〔ある意味昔の農業のほうが
いまの農業よりもずっと六次産業化していたわけです
〕。

ページは こちら 。いちばん下に、ワラ細工の写真がありますよ。

こういったワラ製品に加えて、もともと美術品として人気の高い 
楽のえりもの
 などをセットにして販売したりという試みなども、こ
れからの面白い試みになるのではないでしょうか。

ということで、今回は、その土地土地に伝わってきた歴史や文化の
喧伝にもなる
という点から、食品以外の六次産業化の可能性につい
てかんがえてみました。


◎ 旅行社や、神社とタイアップして、夜神楽見学としめ縄
  つくりツアーなんて企画〔●●のワラ人形作り&参りの裏企画
  なんかもやっちゃったり/笑
〕は、いかがなものでしょうかね。

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不思議なちからを感じた切り絵のはなし。

2014-10-22 15:07:51 | Weblog
不思議なちからを感じた切り絵のはなし。GB

とある場所で、ケースに入って飾られた4枚の魅力的な切り絵に出会い
ました。


 切り絵アート.jpg


習字の半紙くらいの大きさの、白い紙を切り抜いた作品です。


 作品.jpg


キルトのような幾何学的な模様みたいなもの、文字がデザイン化された
ものあり、さらには写実的な動物の模様や、太陽や月といった天体のも
ようがはいったものもあります。


 作品詳細.jpg


左の作品には太陽と馬、そして右の作品には 漢字文字と昇り竜・・・
こうなると、 洋風な部屋に月替わりで飾ってみるのも一興かな なんて
も、おもったものでした。

そして・・・これらの切り絵には、 あるお役目 が あったのです。 
そのお役目とは、こちら。


 使用法.jpg


そう、四方にはりめぐらされた縄に飾られるというお役目です。

そうなんです、 これらの切り絵は「えりもの/彫り物」 とよばれ、太陽や月、
十二支や四季の風景・鳥居 などを 和紙にデザインした切り紙・・・
東西南北の方向や、その図柄によっても 飾りつける場所が決まっており、
神楽が舞われる場所である神庭(こうにわ〕には、かかせない大切なもの
であったのです。


 神楽舞台.jpg


神事に使うものであったのですから、“ある種のちから”をもっていたと
しても不思議はないなと思った次第です。


◎ そして思うんですよ。このような山の神楽のあれこれをみる
  につけ、照葉樹林文化ってじつに豊かだったんだなって。
  日本の照葉樹が、スギやヒノキ主体の人工林に置き換わって
  しまったことは、〔いまとなっては〕じつに残念なことであったと
  思わずにはおられません。

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生育不良なら、作物の状況をみてとる対策を考えよう。

2014-10-21 10:50:57 | Weblog
生育不良なら、作物の状況をみてとる対策を考えよう。K消す

本年の天候が日照不足の傾向であるために、なんとなく勢いのない
生育をしているハウス作物が多いようです。ということで 今回は
そんな場合に取り組む対策についての回となります。

 ↓

まずは土づくり。肥やしなさい・肥やしなさい。」といった 農業に
対する考えがあります。いっぽう、「土を肥えさせるのは悪。土を肥
やすのはもってのほか
」という考えもあります。

迷いますよね。どうすればよいのでしょう。

答えは簡単。

土の原則論に頼るのではなく 植物に訊けばよいのです。たとえば
トマトでは作物の生育状況からこんな健康診断ができるんですよ。


 トマトの状態のののののののののののののののののの診断

 葉色淡い。花小さく、着果不良。果実肥大不良。→ 栄養不足
 葉が厚く・葉色が良い。葉が立ち、受光態勢が良。→ 健全
 葉色濃く葉面凸凹。鬼花増加・奇形果多。ののの→ 栄養過多


このような作物の状態をみて、つぎのような対策をとります。

 栄養不足生長を促す対策をとる。たとえば不足した成分の追肥。
 栄養過多生育を抑える対策をとる。たとえば水分を押さえる。

という具合です。

このように一般的な農業の現場では〔土に対する原則論ではなく
それぞれの植物生育の状況や状態をみながら、その生育に応じた
対策がとられているんですよ。

いじょう、植物の生育がいまひとつである場合は、植物の状態をみて、
とる対策を考えてみよう
というおはなしでした。


◎ 人間であっても、そうですよね、まずはそれぞれの患者さんの
  様子・容態が、診察診断の主題となる。医療行為もなしのいきなり
  のカロリー摂取や、カロリー制限のはなしなどにはならない。
  まずは個別の患者に対するお医者さまの診察・触診があり、体温
  や脈・血圧などの基本的な機器をつかっての検査、そしてそのうえ
  での診断があります。農業やガーデニングだって同じことだとおも
  うのです。土壌診断をつかった生育診断の実例は こちら とこちら 。

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