グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

">山中を「ホイホイ」と鳴いてまわる もののけ もいて。

2014-10-23 18:36:44 | Weblog
山中を「ホイホイ」と鳴いてまわる もののけ もいて。H

こちらも次回関連です。

 ↓

倉庫のなかで感じる なにものかの気配を探るうちに、この地方に伝えら
れている 物の怪 を思い出しました。 冬は、“山”におられたのだな、
と、おもいつつのおはなしとなります〔倉庫での作業は昨日中に
終えて無事に里に帰還しました
〕。

 ↓

九州・宮崎の山中で「ホイホイ」と鳴いてまわるというもののけ。。

それが カリコボウズです。

地元で山仕事をするときには、このカリコボウズに 塩や米・焼酎を供
えて山仕事の成就を祈る習慣
があります。うっかりとして、これを怠る
と怒ったカリコボウズが、人を驚かせたり、家をガタガタと揺すったりす
とされています。
また、山中でいきなり聞こえる人の話し声や、山での大きな物音〔たとえ
ば大木が倒れるような音〕をたてることなども知られています。

そして山仕事をしていない方でも、気をつけねばならない時期がある。

それはお彼岸。カリコボウズが春の彼岸になると川へ、秋の彼岸になる
と山へ移動するとされる、その時期です。

この移動中に、カリコボウズを見にいった者は病気になってしまったり、
さらにはこれを遮る者は死んでしまったりしたものもあるという言い伝
えもあるのですから穏かではありません。また、そのお彼岸の、通り道
に、うっかり家を建てとしまった場合などは、建てた家に穴を開けられ
るとも、いわれていますよ。

「カリコボウズ」・・・

その正体は、新種の動物や、その動物から生まれた幻想・あるいは妖怪
または古代の忘れ去られた神等と諸説あります。けれど、

  お彼岸に移動すること。
  古来よりの山仕事にまつわる祭事にかかわっていること。
  山の自然を破壊するものに、いたずらを仕掛けること。

といった行動上の特徴から考えるに、その正体は 案外「人の魂」なの
かもしれない
なとも思います。古来より、その地区の山や自然を守ってき
た・山に生きてきた人々の魂です。

なんといっても、国土の7割がじつは山林だというわが国、日本。古代
より、国土保全には山林整備が不可欠でした。
そんな大切な 〔山林整備という〕事業に携わってきた人々の思い が、
「かりこぼうず」というかたちになるのかもしれないな・・・と、山で
おもうことたびたびです。

というわけで、今回は、九州・宮崎の山中に伝わる カリコボウズ の
おはなしでした。


◎ 宮崎には ヒョウスペとかヒョウスンボとよばれる 河童系の
  方々も おられるんですよね。
 
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染