非常事態宣言というから てっきり。
新型コロナウイルスの蔓延に対抗する形で非常事態宣言が出される・・・
と耳にしたときに、ひょっとしてこんな形で!とついついおもわされてし
まう畜産県に住む者としての悲しい性[さが]・・・笑。
ということで、前回2月分の口蹄疫時の社会の自粛関連[こちら]のつづき
として、畜産県における人畜共通感染症がおこった場合の実際の非常事態
対策の例として2005年分ですがよろしかったらご参考に[当時の原文の
まま]。
↓
『映画アウトブレイク』の世界が現実に/2005-06-29 。』
国道に仮設トイレ・携帯電話が配備された非常線が張られました。検問と
消毒を兼ねたポイントが出現したんです。警察の誘導協力のもと、白い防
護服を着た係員の手により道行く車がつぎつぎと消毒されていきます。ま
るで映画アウトブレイクの世界が突然出現したかのような光景が日本国内
で発生しました。。
そう、これはここ宮崎県と北海道で平成12年に日本で92年ぶりに発生した
口蹄疫対策として実際に、現実におこった光景なんですよ。3戸22頭の
口蹄疫発生に対応して、宮崎県では当初、発生農場から二十キロの家畜の
移動制限・五十キロの搬出制限がとられました。
口蹄疫とは、牛・豚・羊等の偶蹄類の動物が感染するウイルスによる急性
の伝染病です。伝染力が非常に強いとされており、畜産業に与える影響が
強いために上記のような処置がとられたわけです。ただ、救われたのは口
蹄疫が人に感染することがないとされている点。
平成12年の口蹄疫発生ケースでは家畜の移動によって他地区の家畜にウイ
ルスがひろがることを防止することだけが課題だったわけです。『人に感
染することはなく、仮に感染した動物の乳肉を摂取しても人の健康に影響
はありません』という口蹄疫ですらこの大騒動。
もしこれが、人に感染するH5N1型ウイルスのひきおこす鳥インフルエ
ンザが発生したと仮定した場合は、口蹄疫発生時よりも厳しい防護対策が
とられるのは当然のこととなります[今回の茨城の鳥インフルエンザは毒性
や感染力が弱いとされる国内初のH5N2型という点で、その点不幸中の
幸いでしたね]。
ちなみに前回、京都・山口・大分で発生した鳥インフルエンザでは、家畜
伝染病予防法に基づいて以下のような対応策がとられましたよ。
■ 発生農場及び発生農場と同一飼養者が管理している農場の家禽はす
べて殺処分され、死体は焼却・埋却または消毒。
■ 農場全体は閉鎖・消毒され、人の出入りも禁止。
■ 発生農場を中心とした半径5~30Kmの区域では、21日間以上、生
きた家禽・卵や肉などの生産物・死体・排泄物の移動が原則禁止。
■ 発生農場を中心とした半径5~30Kmの区域内の全ての農場につい
て、異常鶏がいないか家畜防疫員が調査。
■ 最終発生の防疫措置が終了してから、21日間に続発がなければ、
基本的には移動禁止は解除。しかしその後も3ヶ月間は区域の監視
が継続される。
■ 全ての農場で、清浄確認検査によりウイルス感染が否定された場合
に、清浄宣言が出される。
と、いうものです。以上、ここまでが現実の世界。
以下は、今後おこるかもしれない「予想」の世界ですが・・・
もっとも怖いのは、上記の対策がとられたとしても、ウイルスの蔓延に対
する効果がなく、「ウイルスが環境に定着」したときです。
それは、【昨年の 京都・山口・大分で発生した人に感染する可能性が高
いH5N1型ウイルスのひきおこす鳥インフルエンザが発生。そして、非常
線を張ったとしても、鶏への感染がおさまらなくなったとき】 です。
今後 十万羽から百万羽を飼育する養鶏場〔メガファーム〕においてH5
N1型ウイルスによる鳥インフルエンザが発生したと仮定した場合、たと
えば発生養鶏場の5キロ以内に住居される方の移動は、なんらかの規制が
おこなわれるとみたほうがよいのではないでしょうか。
WHOなどの専門家が神経をとがらせるのは、感染が鳥から人へ、さらに
は人から人へと、拡大する懸念がぬぐい切れないため。鳥のインフルエン
ザウイルスは、人のウイルスと混じり合うことで、人同士にうつる新型ウ
イルスに生まれ変わる可能性があるとされているからです。実際に昨年京
都府の農場で発生した際には、処理に当たった従業員の感染が確認されて
もいるんですから。
そんな最悪の場合を想定した場、わたしたちの家や土地といった財産は、
いったいどうなるのでしょう・・・ウイルス病は、対岸の火事などではな
く、とても身近な問題になってきたことだけは確実なようですよ。
ちなみに ロイター:2005年02月16日 によれば・・・
ベトナム最大の都市、ホーチミン市が鳥インフルエンザウイルスを
根絶するため、全ての家きん類の処分を命じた。1000万人が暮
らす同市では、今回の命令に先立って、全てのアヒルを処分するよ
う命令が出ていた。アヒルの場合は、鳥インフルエンザに感染して
いても兆候が現れない可能性がある。さらに国営メディアによると、
市当局は処分の対象を全ての家きん類に拡大し、処分の開始時期も
18日に定めた。今回の措置は、ベトナムの鳥インフルエンザ対策
としては、最新の厳しい措置となる。ベトナムではここ数週間に、
鳥インフルエンザにより13人が死亡している〔02月16日時点〕。
「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」
新型コロナウイルスの蔓延に対抗する形で非常事態宣言が出される・・・
と耳にしたときに、ひょっとしてこんな形で!とついついおもわされてし
まう畜産県に住む者としての悲しい性[さが]・・・笑。
ということで、前回2月分の口蹄疫時の社会の自粛関連[こちら]のつづき
として、畜産県における人畜共通感染症がおこった場合の実際の非常事態
対策の例として2005年分ですがよろしかったらご参考に[当時の原文の
まま]。
↓
『映画アウトブレイク』の世界が現実に/2005-06-29 。』
国道に仮設トイレ・携帯電話が配備された非常線が張られました。検問と
消毒を兼ねたポイントが出現したんです。警察の誘導協力のもと、白い防
護服を着た係員の手により道行く車がつぎつぎと消毒されていきます。ま
るで映画アウトブレイクの世界が突然出現したかのような光景が日本国内
で発生しました。。
そう、これはここ宮崎県と北海道で平成12年に日本で92年ぶりに発生した
口蹄疫対策として実際に、現実におこった光景なんですよ。3戸22頭の
口蹄疫発生に対応して、宮崎県では当初、発生農場から二十キロの家畜の
移動制限・五十キロの搬出制限がとられました。
口蹄疫とは、牛・豚・羊等の偶蹄類の動物が感染するウイルスによる急性
の伝染病です。伝染力が非常に強いとされており、畜産業に与える影響が
強いために上記のような処置がとられたわけです。ただ、救われたのは口
蹄疫が人に感染することがないとされている点。
平成12年の口蹄疫発生ケースでは家畜の移動によって他地区の家畜にウイ
ルスがひろがることを防止することだけが課題だったわけです。『人に感
染することはなく、仮に感染した動物の乳肉を摂取しても人の健康に影響
はありません』という口蹄疫ですらこの大騒動。
もしこれが、人に感染するH5N1型ウイルスのひきおこす鳥インフルエ
ンザが発生したと仮定した場合は、口蹄疫発生時よりも厳しい防護対策が
とられるのは当然のこととなります[今回の茨城の鳥インフルエンザは毒性
や感染力が弱いとされる国内初のH5N2型という点で、その点不幸中の
幸いでしたね]。
ちなみに前回、京都・山口・大分で発生した鳥インフルエンザでは、家畜
伝染病予防法に基づいて以下のような対応策がとられましたよ。
■ 発生農場及び発生農場と同一飼養者が管理している農場の家禽はす
べて殺処分され、死体は焼却・埋却または消毒。
■ 農場全体は閉鎖・消毒され、人の出入りも禁止。
■ 発生農場を中心とした半径5~30Kmの区域では、21日間以上、生
きた家禽・卵や肉などの生産物・死体・排泄物の移動が原則禁止。
■ 発生農場を中心とした半径5~30Kmの区域内の全ての農場につい
て、異常鶏がいないか家畜防疫員が調査。
■ 最終発生の防疫措置が終了してから、21日間に続発がなければ、
基本的には移動禁止は解除。しかしその後も3ヶ月間は区域の監視
が継続される。
■ 全ての農場で、清浄確認検査によりウイルス感染が否定された場合
に、清浄宣言が出される。
と、いうものです。以上、ここまでが現実の世界。
以下は、今後おこるかもしれない「予想」の世界ですが・・・
もっとも怖いのは、上記の対策がとられたとしても、ウイルスの蔓延に対
する効果がなく、「ウイルスが環境に定着」したときです。
それは、【昨年の 京都・山口・大分で発生した人に感染する可能性が高
いH5N1型ウイルスのひきおこす鳥インフルエンザが発生。そして、非常
線を張ったとしても、鶏への感染がおさまらなくなったとき】 です。
今後 十万羽から百万羽を飼育する養鶏場〔メガファーム〕においてH5
N1型ウイルスによる鳥インフルエンザが発生したと仮定した場合、たと
えば発生養鶏場の5キロ以内に住居される方の移動は、なんらかの規制が
おこなわれるとみたほうがよいのではないでしょうか。
WHOなどの専門家が神経をとがらせるのは、感染が鳥から人へ、さらに
は人から人へと、拡大する懸念がぬぐい切れないため。鳥のインフルエン
ザウイルスは、人のウイルスと混じり合うことで、人同士にうつる新型ウ
イルスに生まれ変わる可能性があるとされているからです。実際に昨年京
都府の農場で発生した際には、処理に当たった従業員の感染が確認されて
もいるんですから。
そんな最悪の場合を想定した場、わたしたちの家や土地といった財産は、
いったいどうなるのでしょう・・・ウイルス病は、対岸の火事などではな
く、とても身近な問題になってきたことだけは確実なようですよ。

ベトナム最大の都市、ホーチミン市が鳥インフルエンザウイルスを
根絶するため、全ての家きん類の処分を命じた。1000万人が暮
らす同市では、今回の命令に先立って、全てのアヒルを処分するよ
う命令が出ていた。アヒルの場合は、鳥インフルエンザに感染して
いても兆候が現れない可能性がある。さらに国営メディアによると、
市当局は処分の対象を全ての家きん類に拡大し、処分の開始時期も
18日に定めた。今回の措置は、ベトナムの鳥インフルエンザ対策
としては、最新の厳しい措置となる。ベトナムではここ数週間に、
鳥インフルエンザにより13人が死亡している〔02月16日時点〕。
