グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

生き物にもやさしい『溝切り』という技術。

2013-06-07 23:34:07 | Weblog
生き物にもやさしい『溝切り』という技術。

タズリさまにて草をとられ、土中のメタンガスや硫化ガスをだされた田
は 大きく育ってきます。そして充分に育ったところで 「中干し 」で、
イネに気合を入れたその後の管理です。

そんな田んぼに関する作業で、最後の仕上げの作業があります。
それが 「溝切り」 です。

これは 田の中に

 5~10m間隔に深さ約10~15センチ・幅約20センチの

を掘ること 、なんですよ。

タズリさまと同じで、いまはエンジン付きがありとても楽。 そうです
ね、今年もやってみたのですが、田の中の周囲と、田の中に3本の溝を
掘って、10アール当たりで、だいたい30分というところ。

なあにやってみれば 早いものです。

 機械は こんなかんじ  です。
 最近は トンネルを掘る ようなものもあるんです。

そんな溝を、田の中に掘ることで、なにが変わるのだろう・・・なんて
おもいますでしょう?けれど、これがもうまったく・たいしたものなん
です。

中干しで水を抜きたいときには、この溝を使ってササッと排水できます
し、逆に田が乾いて水を入れたいときは、この溝を伝ってスムーズに水
がはいる。

 それはもう感激もの。すばらしい技術なんです。

そしてこの技術には、もうひとつ、とても感心するところがあるんです。

 なんだとおもわれます?

それは、田の水が干されるときに威力を発揮します。
水の出し入れのために掘ったはずの、その溝が、メダカやオタマジャク
シなどなどの田に生きる水棲生物のための〔用水路への〕避難路に
なる
ことなんです。

昔から伝えられた農法は、生き物に対するやさしさを持っている』と、
かんじる瞬間ですね。


◎ 生のコメヌカを田に散布し、水中の酸素を奪うことで除草する
  農法があります。しかしあれって、水中の生きものにたいして、
  かわいそすぎる気がするんですよね。
  
 51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜