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農業の現場の おはなしなどなど。

宿主をコントロールする寄生虫のはなし。

2012-01-29 22:44:22 | Weblog
宿主をコントロールする寄生虫のはなし。すみ

1月3日に『アフリカの奇病/うなづき病』のニュースの関連として掲載し
た寄生虫のはなしの再録です。

 ↓

ある種の寄生虫は 宿主にたどりつくため、あるいは 生殖活動を完
結させるため
に、宿主の身体をコントロールする・・・といわれています。

たとえば ハリガネムシ

バッタやカマキリに寄生するハリガネムシは、成長して水に棲む段階に入
ると、宿主であるバッタやカマキリ水へと飛び込ませて溺死させる。そし
て宿主が死ぬと、繁殖するためのパートナーを探すために、ハリガネム
シは水のなかへ。

・・・と、このように、ハリガネムシには宿主の中枢神経の活動を妨害し
コントロールする能力があるもの
と考えられてもいます。

もちろん、ハリガネムシばかりではありません。
ほかにもいろいろなケースがあります。

なかでも特に有名なのが、ロイコクロリディウム (Leucochloridium)。

この寄生虫の幼生は オカモノアラガイ という陸産の貝類に寄生し、さら
に成虫になると鳥類に寄生しますが・・・その成長の過程で、貝から鳥に
乗り移るときに、宿主である貝に独特の次のような行動をとらせることが
知られています。

 貝の中で幼生が成熟すると、幼生 は貝の目に移動する。
  ↓
 目が異様に膨らむ
  ↓
 その目のなかで、幼生が動き、とにかく目立たせる。
 (目立つという言葉の語源はこれだったのかも)
  ↓
 さらに、普段は物陰に隠れているオカモノアラガイを、活動的にさせる
  ↓
 目立つ場所で目立つ動きをさせる
  ↓ 
 捕食者の鳥に見つかりやすくする
  ↓
 オカモノアラガイが鳥に捕食される
  ↓
 まんまと、ロイコクロリディウムが鳥の体内に侵入。


という具合なんです。

その後、まんまと鳥の体内に移動したロイコクロリディウムは、鳥の体内
で卵を産み、幼生は鳥のフンを通じて再びオカモノアラガイに寄生します。
一連の映像は こちら

ハリガネムシやロイコクロリディウム・・・。

これらの生き物に代表される“取り憑き具合”って、妖怪じみてますよね。


▼ 『アフリカの奇病/うなづき病』のニュース頷く/うなづくという
  行動をとらせるのも寄生虫だ
・・という説があるようですね。

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