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農業の現場の おはなしなどなど。

寝いっている家々をおこしてまわるお祭り。。

2019-08-28 19:28:36 | Weblog
​​​​​寝いっている家々をおこしてまわるお祭り。。

神武天皇が東征のおりに船出されたという伝説がある宮崎県日向市
美々津町。

古くからの湊/みなとであったこの地では、その神武天皇がお船出を
されたと旧暦の八朔である8月1日の早朝に、町の子どもらが笹を手
に美々津の家々の戸を「起きよ、起きよ」と叩いて回る祭りがあり
ます。

この早朝という時間、それが だいたい午前3時くらい。

なぜにこの時間になったのかといえば、天皇がお船出に予定されて
いた時刻が急に繰り上がったがためだ・・と、いわれています。ま
あ当時の船にはエンジンなどの動力はついていないのですから、ま
た天気予報のレーダーなどもないわけですから、
急に船が出港するのに適した潮のかげんや帆に受ける風ぐあいとな
ったら、それは “いまだーっ、出港するぞー” と、なるのでしょ
うね。
ちなみにこの時代には、風の方向や強さなどといった気象条件を、
空にあげる凧で測っていたらしく、現在では当時その凧をあげてい
たといわれる場所も伝わっております。

↓ 明治の終わりくらいの千石船で溢れる活気に満ちた美々津港。

 

またこの出港にちなんだ食べ物も伝わっていて、それが つきいれ
団子。名前の由来は

 出港する船団にもたせるはずの団子を用意していたが、急の出立
 で作る時間が足りず、ええいままよと団子の中に入れるはずの小
 豆をいっしょにつきまぜて、とにもかくにも作って持たせた

ということになってますから、なかなかにライブ感があるというか、
臨場感のある団子であるし、伝説でもあるんんですよ、これが。

じつは、わたくしも子供のころにこの行事に参加して、笹を片手に
家々の戸口や壁など、 そこらじゅうを叩いて回ってたのですが、
当時は子供の数もいまとはちがって百名以上はいたでしょうから、
寝ているひとをおこすというよりも、むしろしょうじきいって家を
叩き壊すくらいの勢いで叩いて回ってましたよ。こんなに夜中に
騒いで、これがお祭りっていうのかなぁって 思っておりました。

まあこの行事を知らない方が、薄暗がりのなかで唐突にこの行事に
参加している集団とその行動にでくわしたなら、よくいえばスペイ
ンの牛追いとか、日本の一揆とか、打ちこわしの類だとおもったは
ずです/笑[いまはずっとおとなしめで上品です]。

まあまあそんな、出港されるから起きてください・お見送りします
よ という、日向市美々津に伝わる おきよ祭り。今年は 8月の
30日くらいなのかな[最近の祭りのライブは こちら]。それにし
ても、世の中にはいろいろな謂れやお祭り・行事があるものですよ
ねー。


晴れ  出港のおり貴人の衣が綻び/ほころびていて、その綻び
   た衣を脱いで縫う時間さえも惜しまれ、とりあえずの
   応急処置でとして衣を脱がないまま立ったままで繕っ
   たという故事にちなんで、この美々津の港のちかくは、
   立ち縫いの里・・ともいわれています。
  
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




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