グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

雨、また雨・・・6月の天気がもたらしたもの。

2015-08-20 18:32:20 | Weblog
雨、また雨・・・6月の天気がもたらしたもの。

5月の晴天続きの気候とうって変わって、6月に入るや雨また雨 と
いう天候が続き、“直射日光がほとんど射さない”といってよいほどの
日照不足の状態に見舞われてしまった南九州地方。

その記録的な悪天候は[ちょうどその6月の時期に穂が出て花をつけ
]早期水稲のイネに多大な影響を及ぼしました。

不作です。 ののののののののののののののののコメ作況 1

作況指数で94以下という、収量不足と品質の低下を伝える新聞  。 
ちなみにここで使われている作況指数ですが、100点中の94点と
いうふうに考えるものではなく

  作柄が良 ・・・ 106以上
  やや良  ・・・ 102から105
  平年並み ・・・ 99から100
  やや不良 ・・・ 95から98
  不良   ・・・ 91から94

といった具合で “5段階あるうちの最低ランク”と考えるほうが適切
んです。

もちろんこういったイネの作況は個人差[資料・資料]があるもの
ですが、もっとも被害があった場合では[イモチ病がでたうえに倒伏
したなど]収量は4割減・等級は2等米以下といった状況 でもあっ
たようです。

そうですね、個人的な実感でいえば この不作のかんじは[長雨と台風
通過後の熱風被害がもたらした
]平成19年の不作に次ぐものではない
かと、そうみているところです。

・・・7月になってようやくお天気が回復し日照が戻ったいま、振り返
ってみても 本当にすごい天気でした。そして思うんです。

ただでさえ米価が低下しているおりなのですから、この収量減と品質低
下による収入減の影響は、農業経営上とてもきついことだな、と。
・・・あてにしていたほどのコメの販売代金が 得られなかったために、
いま・そしてこれから年末にかけての運転資金の調達に四苦八苦されて
いる経営者も多数おられることだろうな、と。

ということで今回は、観測史上初めてといってもよいほどの6月の日照
不足によっておこったイネの不作についてのおはなしでした。ちなみに
下の図は、あたかも大雨の降っている天気図のようにもおもわれるコメ
の作況を拡大したものです[宮崎・鹿児島両県に引かれた不作を意味
する斜線があたかも大雨にみえてしまうんです/苦笑
]。

イネ不作 2


◎  仮に平年の入金が 1俵/60キロが1万円として・100俵出荷し
  て100万円だとします。これが 悪天候のために等級が下がった
  ということで 1俵/60キロが7000円となったとし、しかも俵
  数が60袋しかでなかったとすると、今年の入金は42万円にしか
  なりませんものね。もちろん栽培面積がおおきいほど、その金額さ
  のダメージは おおきくなっていきます。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜