グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

キュウリの曲がり具合から生育状態を知る。

2013-10-02 14:50:59 | Weblog
キュウリの曲がり具合から生育状態を知る。

終盤にはいった露地キュウリ栽培。そんな露地キュウリの生育状態
判断についてのご質問いただきましたので、当ブログの関連回を再
掲載してみました。よろしかったら。

 ↓

『キュウリの曲がり具合から生育状態を知る』

キュウリは曲がっているのがあたりまえ、いえ曲がっているほうが良い
・・・と、思われている消費者さんもおられます。
しかし、この考え方は、キュウリという植物の生育から見た場合には
疑問符がつく考え方だといえるでしょう。

キュウリの定植から収穫終わりまでの生育全体を見た場合に、キュウリ
果実の曲がりの発生が多くなるときは、キュウリの樹が疲れてきたとき
に多くなる
ことが統計上報告されています。

具体的には たとえば

 ● 葉が繁りすぎて、光が充分に葉にあたらないとき
 あるいは、
 ● 病気や虫などの影響で葉の機能が落ちたとき、
 ● 天候が悪いとき、
 ● 一度にたくさんの果実をならしすぎたあと、
 ● 肥料や水が不足して、樹にストレスがかかったとき

 
といった状況で、果実の曲がりが多くなることが判明しています。

せっかく読んでいただけているのですから、土壌栄養学的に特化して
曲がり果が起きるときの土の状態を説明
しますと、

 ● 実の上部が細いものは肩こけ果といわれますが、これは 石灰欠乏 
 ● 尻が太いものは、下葉が枯れてきたとき
 ● 2本つながっていたり、実に葉がつく奇形果は、ホウ素欠乏 
 ● 果実が縦に割れる裂果は、根が弱っているとき、
 ● 食べて苦い苦味果は、 乾燥が影響 している

ということがわかっているんですよ。このように、キュウリ果実は、

 なんらかのストレスが、作物にかかるときに曲がる

のです。

したがって対処法は・・・作物にかかっているストレスを取り除いて
やること。

その方法ですが、土壌栄養学的には 不足しているミネラル類を補
ってやる
ことで対処します。また、全体的には最初に述べた 作物管
理の適正化に努めることで、果実の“曲がり”に対処していきます。

すっとまっすぐに育ったキュウリの樹から取れる、素直なキュウリの
果実は、ミネラルのバランスとれているので、とてもおいしい
ですよ。


◎ 良品を継続的に出荷できることが、農業経営における
  一番の 経営安定策だ思います。

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