昨年の2月にもあった北海道での大規模食中毒。
北海道での集団食中毒の被害拡大に、岩井食品の漬物を店頭に並べ
ていたスーパーや道内の漬物業者に客離れの懸念波紋が広がっている
とのニュースがあります。
こちら 。
そういった事態を受けて北海道と札幌市は、国が給食施設に対して消毒
液濃度などを定める「大量調理施設衛生管理マニュアル」や市が独自に
定める「食品等の自主管理基準」などの指針に基づき、関連の漬物製
造施設の立ち入り調査を実施して再発防止を図るということです。
こちら 。
しかし、それにしても です。
昨年2011年の2月には、北海道岩見沢市でおこった発症者が1500
人以上にのぼったという大規模な食中毒もあったというのに〔
О157では
なくサルモネラ菌が原因でしたけれど〕、その記憶も薄れぬうちに今回再び
大規模な食中毒事件が発生したのですから・・・〔問題を起こした漬物会
社を監督すべき立場にあったはずの〕道や市の指導体制にも、改善すべき
問題があると見たほうが良いのかもしれませんね。
それはさておき、当ブログの昨年2月の記事の再掲載です。О157もまた
サルモネラ菌同様に家畜由来の食中毒原因菌となりますので、よろしかっ
たら、ご参考に。
↓
『北海道岩見沢市でおこった食中毒の原因は。』
発生から2週間、北海道岩見沢市でおこった、
発症者が1500人以上
にのぼったという大規模な食中毒は、市の共同調理所で調理した給食の
ブロッコリーサラダが原因の
サルモネラ菌による集団食中毒と断定さ
れたようですね。
これらのニュースにおける、サルモネラ菌に関する記述はつぎのとうり。
『
ブロッコリーサラダを保存していたサンプルからサルモネラ菌が検出
されたと発表した。 サラダを混ぜるために使った釜のシャフト部分か
らも、サルモネラ菌が検出され、同保健所は「洗浄不足で菌が残って
いた可能性が高い」とみている。』
『
混ぜる際に使った「シャフト」と呼ばれる自動調理器具の軸の部分か
らも菌が検出された。文部科学省は、学校給食施設の調理器具をアル
コールか塩素、煮沸のいずれかで消毒するよう指示している。サルモ
ネラ菌は63度以上の加熱で死滅するとされるが、同調理所では52
~53度の湯をかけていただけだったという。』
ということです。 さて、そこで
サルモネラ菌 です。
通常、
サルモネラ菌は、鳥や動物の消化管に住んでいます。そのために
ヒトは、動物の糞に汚染された食物を食べることにより、サルモネラ菌
に感染するといわれてきました。
したがって食中毒の原因となる可能性の高いと考えられる食物は、最近
までは牛肉・鶏肉・牛乳や卵といった
動物由来のものが多いものと考え
られる傾向にあったのです。
しかし今回の食中毒のケースでみられるように、
いまや動物由来の食品
に限らず、野菜を含めたあらゆる食物が汚染される可能性があると考え
るべきだと考えられます。
そのために、食中毒防止対策としては、すべての食品や調理機具に対す
る、マニュアルに基づいた適正そして適切な“
洗浄”が大切だ・・とい
うことですね。もちろん、調理者についても、同様に。。
そういった最近のサルモネラ菌の事情にくわしいサイトは、
こちら 。
横浜市関連のサイトです。
サルモネラ耐性菌や、その
耐性菌発生のメカニズムまで解説してある
充実したサイトでおすすめです。ちなみに
『
家畜の病気を防ぐために、家畜に抗生物質を与えていた場合があり、
その結果、家畜の腸内のサルモネラは、抗生物質が効きにくい耐性菌
が増えているとされています。もともとは家畜の腸内にいたサルモネ
ラで汚染された食物を食べたりして人が感染している場合もあります。
抗生物質による治療の際は、耐性菌に注意する必要があります。 』
といった解説もありますよ。
▼ 最後になりましたが、進学や受験シーズンというこの大事な時期に
被害に遭われた生徒さんや関係者のみなさま、 いまだ食中毒症
状に苦しむ方々には、謹んで御見舞いもうしあげとともに、1日でも
早いご回復をお祈りいたしております。

「
夢で終らせない農業起業」「
本当は危ない有機野菜」