③では気になる症例数や術後の経過を書き込んでみます。
どうも経過の報告は学会はじめ各方面へ数ヶ月単位で発表されているんですが、なかなか患者の目にとまることはありません。もちろん受診していますから聞いてはみるんですが正確なデーターを受診中に聞きだすことは困難です。…特に教授は“数”は気にされてないような印象を受けますデス(笑) おまけに発表時点=現時点=雑誌や会誌への掲載時点など一致してないということが判明し、入手できた発表内容を並べてみても日付順に並べることが出来ませんでした(爆)
ということで、今まで入手できた情報の中できちんと数がでていた詳細なデーターが以下になります。
【骨髄単核細胞移植術】
骨壊死部への血管・骨再生を目的として、骨髄単核細胞(BMMNC)を骨形成の足場材料としてハイドロキシアパタイト(IP-CHA:IHA)を利用し2005年7月から臨床応用開始。
【手術の症例数(2005年7月~2007年2月まで)】
骨髄単核細胞とハイドロキシアパタイトを利用した
骨髄単核細胞移植術のみの単独手術 が
17例22関節。これは私のように両股関節に骨髄単核細胞移植術のみの単独手術を受けた症例があることを示します。1例(1人)で2関節(両股関節)ということです。1人=(最大)2関節ですからね。
大腿骨頭回転骨切り術と骨髄単核細胞移植術の併用手術が
11例11関節。これは例えば右に移植術・左に骨切りということではなく、1関節へ骨切り&移植を同時に行った症例ということです。
【術後6ヶ月以上経過した症例&短期報告】
※骨髄単核細胞移植術の単独手術:12例16関節
病因=ステロイド性6例10関節、アルコール性5例5関節、特発性1例1関節
病型(タイプ) =C-1:7関節、C-2:9関節
病期(ステージ) =2:12関節、3-A:4関節
手術時の平均年齢=43(18~64)歳
壊死体積率(Steinbergらの手法) =20.2(5~36)%
経過観察期間=平均11(6~19)ヵ月
そして両側発症者における反対側の股関節へは、血管柄付き腸骨移植術を1関節。大腿骨頭回転骨切り術と骨髄単核細胞移植術の併用手術を5関節。人工股関節置換術を1関節。これらの両側手術例のうち血管柄付き腸骨移植術の1関節以外は同時手術。
現在、これら骨髄単核細胞移植術16関節中1関節にて壊死部の陥没の進行あり。この1例は術前病期3-A・ステロイド性・術後3ヶ月で数ミリの陥没進行・術後8ヶ月の現在陥没進行なし・現在疼痛なし。
全例で術後3~6ヶ月頃より移植部および修復層の骨陰影が増強、造影MRIにて移植部周囲および骨壊死領域の一部に造影効果を認める。
※大腿骨頭回転骨切り術と骨髄単核細胞移植術の併用手術:11例11関節
病因=ステロイド性3例3関節、アルコール性7例7関節、特発性1例1関節
病型(タイプ) =C-1が4関節、C-2が7関節
病期(ステージ) =2:2関節、3-A:6関節、3-B:3関節
手術時の平均年齢=33(18~48)歳
壊死体積率(Steinbergらの手法)は23(8~40)%
経過観察期間=平均14(10~18)ヵ月
そして両側発症者における反対側の股関節へは、血管柄付き腸骨移植術を2関節。骨髄単核細胞移植術の単独手術を3関節。人工骨頭置換術を2関節。
現在これら大腿骨頭回転骨切り術と骨髄単核細胞移植術の併用手術をおこなった症例11関節中、移動した骨壊死領域に圧潰の進行あり2関節。5関節で術後3~5ヶ月頃より移植部での骨陰影増強を認めた。細胞移植を小範囲にしか行えない例が多く短期成績では明確な画像評価が困難な例が多い。
【結果&考察】
現在のところ軽度の疼痛を訴える例は大腿骨頭回転骨切り術と骨髄単核細胞移植術の併用手術例で圧潰の進行を認めた2関節。人工股関節置換術などの追加手術を必要とする症例はなし。術後の感染など合併症はなし。
評価方法としては、臨床評価の方法としてJOCスコアを、画像評価として単純X線・CT・造影MRIを用いて観察。
骨髄単核細胞には血管内皮前細胞や間葉系幹細胞が含まれており、血管新生因子の存在も報告され、骨壊死部分に移植することは血管・骨再生の観点から有用な細胞源であり今後、病型・病期および壊死体積率より手術適応を明確にする必要があるが、大腿骨頭壊死症に対する低侵襲な関節温存手術として確立できる可能性がある。
などとなっていました。ふむふむ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_grin_m.gif)
ニヤリ。
いくつかのデーターを比べてみても、おおむね半年もすれば骨陰影が増強され大なり小なり良い状態へ変化していることが確認できているようです。大なり小なりの個人差がなぜあらわれるのかは…不明。年齢だけの問題ではないのでは? とアタシは感じます。
例えば壊死の発生から発症にいたる期間にも大きく個人差があります。術後の経過にも個人差がある。そういうことなのでしょう。
とにかく可能性を信じて骨頭を潰さないよう免荷した生活を送りたいと思います。評価については各患者によって色々ありそうですね。実際アタシも造影したのなんて8ヶ月後だし
JOCスコアでの評価なんて受けてません。あわてずに
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kame.gif)
のんびり骨ができるのを待ちましょう♪
一応ご質問もコメントで受付けますが、今回の③への突っ込んだ質問には回答できませーん。壊死体積率については
コチラをご覧くださいね。
2007年 7月27日 ゆりりん拝