粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

グチャグチャな野党

2014-11-19 19:26:44 | 国内政治

遂に衆議院が今週中解散され、この年末まで総選挙に向けて騒がしくなってきた。しかし、どうにも盛り上がりに欠く選挙になりそうだ。安部首相の「国民に信を問う」という解散表明も、「何の信」なのかよくわからない。憲法改正などの国家の仕組み、安全保障、外交、教育などの国家観に付いての言及がほとんどといってよいほど、安部首相の口から聞こえてこない。

与党間でもファジーだが、それ以上に野党がグチャグチャだ。その象徴がみんなの党の解党である。その名前に反して党員たちが自我を張り合って結局雲散霧消していくのは皮肉というほかない。一足早く党を離れた江田憲司議員たちが結いの党をつくったものの、結局橋下徹大阪市長の維新の会に吸収合併されて存在感を全く示せていない。

ただ、合併した維新の党もいまだに橋下市長の私党の性格が強い。橋下市長は今度の衆議院選挙に出馬の意欲がありありだ。おそらく、今回橋下市長が出ないと維新の党は全く選挙戦で力を発揮することはできないだろう。維新の党では橋下市長の存在感は今も圧倒的であり、彼以外はその他大勢というに過ぎない。橋下市長自身そのことを十分自覚しているはずだ。

橋下市長はよくも悪くも自己顕示欲が強く、同時に好き嫌いも激しい。一時、仲がよかった公明党だったが、大阪都構想で同党に裏切られたという怨念が強く公明党打倒に異常な執念を燃やしている。さらに、以前から橋下市政を批判してきた辻本清美民主党議員に対しても敵意を露にして、こんな議員がいる民主党とは選挙協力できないと喧嘩を売っている。

そして、肝心の民主党だが、全く海江田代表が指導力を発揮できない。衆議院の比例区ではそこそこの議席はとれるかもしれないが、小選挙区は他の野党特に維新の党の強力がない限り、なかなか現有議席を上積することは難しい。しかし、橋下市長がこんな具合だから致し方ない。

民主党には橋下市長のような選挙区を引っ掻き舞わずパワーをもった人物が見当たらない。ただ、橋下市長とてかつてほどの力はなく、関西の選挙区では盛り上がっても全国でいかほどの威力を示すかどうか疑問だ。

その点、野党でも独自の政治理念を持つ次世代の党は議員の多くは人材的には評価できるが、彼らを束ねて選挙戦を引っ張るリーダー的存在がいないのは残念である。すでに石原慎太郎議員は名誉顧問という立場であって、カリスマ性で党を引っ張る力はもはやない。

実際のところ、安部首相が進めている「戦後レジームから脱却」に対して、もっと理解し擁護していうのが次世代の党である。しかし、自民党内にはこの次世代の党に嫌悪感を持っている議員が少なくない。

いわゆる保守党のなかのリブラル派の存在である。こうした勢力が安部首相の足を引っ張り、むしろ戦後レジームの既得権にしがみつこうとしている。彼らは河野談話の見直しに反対し、秘密保護法や集団的自衛権行使容認に対しても露骨な抵抗を見せている。

したがって自民党と次世代の党との連携など計られることもない。メディアも次世代の党には無視を決め込んでいて、なかなかこの党は浮上してこないしこの衆議院選挙でも存続に危機に直面している。小世代の党のような国家観を明確にする政党には伸びて欲しいが、現状では厳しい。

ということで、野党勢力はどこも精彩を欠いていて、選挙戦は盛り上がりそうもない。そして相変わらず、公明党、共産党といった組織政党が世情に関係なく議席を維持をする結果になる。この両党は勝利もない代わりに敗北もない。日本の選挙の現実であり、ある種戦後レジームの一面でもある。

 

与那国島の憂鬱

2014-11-18 19:06:21 | 沖縄の虚像と実像

沖縄知事選で辺野古移設反対の翁長前那覇市長の当選が決まった翌日、またも日本の安全保障に暗い影を落とす報道が伝えられた。既に自衛隊とレーダー基地配備で沖縄八重山諸島の与那国島とで合意がなされていたが、ここへきて町議会が配備の是非に付いて住民投票にかける決議をしたという。

その結果は配備の進捗に直接に拘束力を持つものではないが、もし反対が多数になれば、それこそ普天間基地の二の舞いになる。辺野古移設反対の運動のように「島民の意思」が一人歩きしてこじれたものになりかねない。既に町長は設置には賛成しているので、町長権限で住民投票阻止に向けて工作するものと思われるが予断は許さない。

与那国島はいうもでもなく、尖閣諸島を含む八重山諸島に属し、そこでの自衛隊のレーダー基地配備は国防上非常に重要な意味を持つ。その配備を島民だけの意思だけで決めてよいものか。聞くところによると、与那国島には沖縄本島や本土から反基地派市民団体と思しき人々が政治的意図をもって移住してきているという。彼らは、自衛隊の基地ができると島が敵対国の攻撃に晒されると地元住民を煽っているという。これなど、辺野古のなる名護市と同じ構図である。

もちろん、地元住民の意思は尊重されなければならない。しかし、国防という視点を全く欠いた「民意」は有害でしかない。沖縄県知事選ではその危うさが結果として出てしまった。1億2千万の国の将来が一部ある意図をもった勢力によって左右されることはまさに日本の危機だと思う。そして沖縄は日本の国防を重視する安部政権とこれを削ごうとする勢力の主戦場になっている。


沖縄知事選の結果

2014-11-17 19:50:50 | 沖縄の虚像と実像

16日の沖縄県知事選は残念な結果に終わった。辺野古移設反対を訴える翁長雄志前那覇市長が現職の仲井真知事に10万票の大差をつけて圧勝した。反基地一辺倒で沖縄の世論を牛耳っている県紙2紙の強い支援は今回もその威力を発揮したしたといえる。まさに反基地派の厚い牙城を突き崩せなかった。

芽生えてきたとはいえ、ネット世代の新しい波は今回の選挙ではまだまだ有効に機能しなかった。というより、反翁長陣営がそれを使いこなせなかった。アピール不足は否めない。特に喜納昌吉候補にはある種の旋風を期待したが、全く存在感を示せなかったのは如何ともしがたい。

朝日新聞などは早速、「(沖縄)県民が差別に憤った」と主張している

沖縄に押しつけ、沖縄を切り捨て、沖縄を忘れる。私たちの政府、そして本土が、敗れたのである。

確かにそうした側面はあるかもしれないし、本土の人間は充分その点は認識しなければいけないと思う。ただ、沖縄県に対しては復帰後はまるで腫れ物に触るように特別な配慮をとり続けたことも事実だ。復帰後から40年間約10兆円の振興予算が投じられている。野田政権以降は振興予算のうちでも約半分が一括交付金として、県が自由に使えるものなっている。その規模において本土自治体を圧倒して非常に優遇されていることも確かだ。

これも沖縄の基地負担の大きさを考慮したものだ。特に現在東シナ海の緊張状態では沖縄の基地の存在は不可欠である。そういう点で沖縄は特別な存在であり、一面では沖縄差別になるが、反面沖縄優遇=逆差別という相反する性格を有している。だから、朝日新聞が単純に沖縄差別を唱えるのは極めて皮相的といわざるを得ない。

翁長氏が辺野古は移設ではなく新基地だとして、これに反対し県外移設を訴えていた。しかし、現実問題とし、県外移設は考えられない。これでは普天間基地固定化を結果的に容認してしまうことになりかねない。基地問題の解決どころか混迷を生み出すだけだ。

昨年仲井真知事が辺野古埋立承認によって政府より2021まで3000億円以上の振興予算を引き出した。翁長新知事はこうした予算は御破算にするつもりはあるのか。これまでは翁長氏も基地反対のふわっとしたムードに乗って知事の座を獲得したが、今後は現実のシビアな難関に直面することは間違いない。


5,700円のタブレット

2014-11-15 20:09:35 | 厄介な隣国

秋葉原というと今やAKB48やメイド喫茶が注目を浴びているが、もちろん今でも日本ばかりか世界を代表する「電気の街」であることに変わりがない。自分がパソコンでデザインの仕事を始めるようになって10年ちょっとになるが、自分の懐具合の関係で少し型落ちのものを買うことが多かった。そのため、秋葉原でも裏通りの小さな電気店で掘り出し物を探すのが一種の趣味になった。

自分はパソコンが中心で最近までスマホやタブレットを使用することがなかった。ぎりぎりiPhoneの電話機能ががないiPodタッチをWIFIで接続して多少なりともスマホ気分を楽しんでいた。ところが、最近このiPodタッチが故障して使えなくなり、外で音楽を聴いたりネットを利用したりすることができなくなった。

そんな折、久しぶりに秋葉原の裏通りを歩いていたら、なんと「タブレット3,500円」と店頭で盛んに呼び込みしている店があった。その店は中国系商品を専門に販売しているが、以前からその安さには注目していて時々パソコンの周辺機器などを購入していた。

現在は中国製品でも粗悪品ということはなく、最低限は消費者の要求を満たしている。ただ、タブレットが3,500円というのは如何にも安過ぎる。最高機能のiPadと比較するのはおこがましいことであるが、この10分の1以下の激安価格である。安物買いの銭失いの感覚でその場はスルーしてとりあえず帰宅した。

しかし、翌日長時間歩くことがあって、こんな時急にあのタブレットのことを思い出し欲しくなった。次の日になって再度その店を訪れたのだが、既に売切れていた。店員の説明によればこれは新品ではなく一つ型落ちの中古品であったという。それと同類の新品は店にあるが、価格は5,700円(税別)であった。

結局2,000以上のオーバーだが、それでも安いことに変わりはないので購入した。「恵安」という中国系と思しき会社が販売している7インチのKPD702Rという型落ちの製品のようだ。ただ最新のAndroid OSを搭載しており、一通りの機能は揃っている。ただし、ディスプレイは解像度800×600でどうしても画面の鮮明度には難があるが、一応動画は普通に映る。操作性も特に機敏とは言いがたいが、ストレスが溜まらない程度に操作できる。

気になるのは少しバッテリーの持ち時間が短い感じがする。一番の難点はカメラ機能がなんと30万画素しかないという点だ。タブレットで写真や動画をとりたい人にはアウとだ。

とりあえず使いたい音楽だが、容量が8ギガしかなないものの、Micro SDの差し込み口があるのでそこにパソコンの音楽をコピーすれば問題ない。自分はマックを使っているのだが、ウラッシュメモリーを利用し専門のアプリを使えば簡単に同期ができた。まあ、こんな価格だから、贅沢を言えた義理ではないがタブレット初級用としてはまずは及第点をつけてもいい。

それにしても、最近はスマホなどでも中国製品が台頭してきている。昨年までスマホの王者に君臨していたサムソンは中国やインドの発展途上国市場では中国製品の攻勢の前に苦戦を強いいられ、急激にシェアーを失いつつある。来年はさらにこの傾向が強まり、サムソンは王者の地位を失うかもしれない。

先進技術の面ではいまだに中国電機製品は後塵を拝しているが、低額の普及品もはや先進諸国のものと遜色がない印象をもった。今その台頭に一番危機感を持っているのは韓国だろうが、日本とて「土俵が違う」といって安心はしていられない。

 


日本テレビと風俗産業

2014-11-13 11:52:21 | 事件・事故・時事

ミス東洋英和の女子大生が来年4月に日本テレビのアナウンサーに就職内定していたのだが、彼女が一時的に銀座のクラブホステスのアルバイトをしていたことがわかり内定取り消しになったことが話題になっている。。よく週刊誌などが入社後に過去を暴露して発覚するケースがあるが、彼女自身がその経歴を自己申告して採用の是非を打診しているのは珍しい。

日本テレビの人事部長は取り消しの理由として「傷がついたアナウンサーを使える番組はない」と説明しているが酷い話だと思う。日本テレビの社員全員がこうしたクラブへ遊びにいったことがないといえるのか。自分が楽しい思いをしていながら、いざ女子アナに対してそんなクラブ経験者は駄目だといえた義理もないだろう。

このことで思い出すのが、45年前に日本テレビ系で一世を風靡した番組である。当時人気絶頂のコント55号が司会を務めた番組「裏番組をぶっ飛ばせ」である。日曜夜8時のゴールデンタイムの放送時間だが、同じ時間帯で放映されていたNHKの看板番組ともいえる大河ドラマ「天と地と」を意識したものであった。

この番組の売りはなんといっても後半のコーナーで行なわれる「野球拳」である。コント55号の坂上二郎とゲストの女性タレントがじゃん拳をして負けた方が次々と服を脱いでいくという刺激的な内容だった。子どもを含めて家族全員が集う時間帯であり、当時お茶の間の話題をさらった。当然世の男たちは女性タレントの脱ぎっぷりを毎週楽しみに見ていたが、女性たちにとっても人気芸人の娯楽番組として捉えていたので番組の注目度は圧倒的であった。視聴率も大河の牙城を突き崩すほどの勢いであった。

女性タレントの脱いだ服は観客がオークションで買い取られ売り上げは福祉関係に回された。中には女性の下着を堂々と申し出る男性もいたことを記憶している。こんな風景を今考えると、それこそ現在のブルセラ店の原型ではないかと思ったりする。野球券そのものが風俗的遊びだといえるし、脱いだ服を観客に分け与えることに至っては何をか言わんやだ。

人事部長が「傷ついたアナウンサー」などと女子大生をいう前に自分の会社が過去に放映した番組を思い出すべきだ。それでなくとも今日ドラマでは風俗をテーマにしたものは珍しくないし結構視聴率を稼いでいる。日本テレビが例外だとは全くいえない。また紅白などの歌番組でも演歌歌手の歌には盛り場のクラブをテーマにしたものが少なくないし、夜のゴールデンタイムに堂々と流れている。

こんなこと書くと熱狂的なファンには怒られそうだが、AKB48の握手会など、体によい「JKお散歩」だと思っている。好きなメンバーと直に握手をしたい欲求を満たすためにCDに握手券を同封するなど商魂逞しいといえるが、それこそ「JKお散歩」のシステムとさほど変わらないのではないか。

もはやテレビ業界は「風俗」が横溢しているといえる。もちろん、違法性がない限り風俗という職業群に対して差別すべき対象にはなり得ないし、してはいけない。むしろ、東洋英和の女子大生がこうした経験を積んだことが一層アナウンサーとしての糧になるのでないか。

東洋英和の女子大生など、自分自身ほとんど縁がないほど箱入りのお嬢さんに見える。しかし、教育的には巷間いわれているのは非常に左派的傾向が強いといわれる。そんなガチガチの教育だけで卒業した女子大生よりも少しでも社会を経験した女性の方がよほど魅力的だと思う。元祖風俗番組の日本テレビは惜しい人材を失いそうだ。