粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

飯館村の明日に向けて

2012-07-18 09:08:56 | 福島への思い

福島県飯館村が新たな線引きで昨日からスタートを切った。しかし1年以上に及ぶ住民の避難生活は人々の心に亀裂をつくっていった。最初帰村を望んでいた人の中にも、賠償金を頼りに飯館村から離れようとする住民も増えてきた。

しかし菅野典雄村長はあくまでも帰村による村の再生を望んでいる。NHKのインタビューで「村のことを忘れないでほしいと願うなら、村自身が前向きに捉えている姿勢を示すことが大事だ」という趣旨の発言をしていた。後ろ向きの考え方では支援が得られない、と。

「放射能の影響についても人によっていろいろな見方がある」とも村長は語っている。しかし彼自身は、除染を進めれば充分に村の再生は可能という期待感が強い。

自分自身、菅野村長の方針を全面的に支持したい。村長がテレビで強調していたが、戸外では少し線量は高くても、屋内ならば仕事をし生活するのが充分安全という地域は少なくない。今後そうした地域を中心に除染を進めれば、村再生が現実のものとなっていくと信じたい。

菅野村長の姿勢で好感を持つのは政府の復興行政の不備を指摘しつつ、「村も自立に向け努力するから、支援をお願いしたい」と政府との信頼関係の必要性を強調している点だ。確かにテレビで村長が指摘していたが、除染がなかなか進まず政府の対応にもどかしさを感じている面もある。しかし政府の支援なしに復興はあり得ないことは村長自身痛感している。自治体の首長によっては、国の対応ばかりを非難して先が進まないケースもある。菅野村長の今後の前向きな取り組みに期待したい。

テレビの映像は人の往来はないものの、青々とした美しい自然を映し出していた。目にしみるほどの緑、これは原発事故後も全く変わっていない。ただ田んぼに雑草が生え放題なのは悲しい。里山も村民の手入れがあってこそ生かされる。人間と自然の共生が必要である。かけがえのない自然に人々が優しく包まれるためにも、一刻も早い村の再生が望まれる。



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