粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

石原新党と今後の政界

2012-01-28 06:41:24 | 国内政治

朝日新聞によれば、石原慎太郎都知事と国民新党亀井静香代表との会談で、石原都知事を党首とした新党を3月中に結成することで合意したという。会談には「たち上がれ日本」の平沼赳夫氏も同席しており同氏も結党に参加する。ところでこれら三氏の年齢だが石原氏79歳、亀井氏75歳、平沼氏72歳だ。日本男性の平均寿命は79.64歳だから普通ならそろそろ失礼ながら「鬼籍」にはいる年頃だ。3人とも元気であと10年は現役でやれそうな人たちだが、ちょっと新党というにはどうも…。

特に人気が高く影響力がありそうな石原氏は、都知事で3年以上任期を残している。とても「党務」に専念できる立場にない。新聞によると亀井氏の国民新党、平沼氏の立ち上がれ日本の国会議員がそれぞれ全てこの新党構想に賛成ではないらしい。弱小政党全体の意思統一もできないのに、どうしたものだろうか。公明党や共産党のように党内対立が全くない政党も異常だが。

亀井氏によれば、大阪の橋下市長や愛知県の大村知事とも連携をはかりたいとしているが、当の橋下市長はあまり乗り気ではない様子だ。橋下氏も大阪市長になったばかり、これまた党務中心で国政に打って出る余裕はなさどうだ。ただ自身の大阪維新の会が党員養成に意欲的で、橋下氏に賛同する人たちを通して国政進出を窺う機会を狙っているようだ。年内にも予想される総選挙に大阪維新の会の新党が、関西を中心に総勢立候補すれば相当な国会議席を獲得することが予想される。しかし彼らは当面橋下氏の子飼に過ぎず、どれだけ橋下氏の意思が彼らに浸透していくのかはなはだ疑問だ。

かくして石原新党も橋下新党も表層的な注目を浴びたとしても本当に政治的な本領を発揮出来るのか未知数だ。既成政党はどうだろう。今の自民党の力ではひょっとして党勢回復どころか逆に議席を減らすのではないかと思う。谷垣総裁の指導力のなさと政策不在の党利党略が目立つ。それはなかなか上がらない政党支持率が証明している。

谷垣総裁は「衆議院解散に持ち込んで国民の真意を問う」と威勢の良いことを言っているが、解散を宣言出来るのは野田首相である。きっと首相に都合の良い時期を見計らって解散をするだろう。結局今の情勢では、現役の野田首相が依然政治のリーダーシップを取る可能性が大きい(わるくいえば牛のよだれのようにだらだらと)が、果たしてどうだろう。


コメントを投稿