ここへきて夏の衣替えのように、マスコミの話題は集団的自衛権行使容認問題から原発再稼働問題にシフトしている。昨日、原子力規制委員会によって、鹿児島の川内原発が新規制基準に達しているという評価が下されたが、その夜からメディアではその是非を巡り報道合戦が繰り広げられている。
本日の各新聞の社説を一通り読むと、予想通り二つにくっきり分かれる。規制委員会の決定に賛成すなわち原発再稼働への方向に進むことを是とする産経、読売、日経、これに対して決定を快く思わず再稼働には反対の朝日、東京(中日)、毎日だ。特に産経と朝日はそれぞれの主張の中でも先鋭的といえる。
朝日などはこうした事実や論説を報じるに留まらず、同紙お得意の「市民の声」を載せて景気を?煽っている。川内原発再稼働反対、東京で集会「怒りの直しませんか」という記事タイトルが奮っている。東京代々木で規制委員会の決定を受けて集会が行われた。
作家の落合恵子さんは「怒り直しませんか? 『もう身内の身内による身内のための原発推進なんてまっぴらさ』と大声で叫びましょう」と呼びかけた。
そんなに怒り直さなくても平常心でいいと思うが、どうしても落合さんたち参加者にとっては「怒り」はその原点ということなのだろうか。「まっぴらさ」なんて絵本作家の落合さんにしてはあまり上品とは思わないが。
記事では団体役員の女性の発言で締めくくられている。
「この夏も原発なしで乗り切れるし、福島第一原発事故の汚染水問題も賠償問題も片づいていない。市民の力で再稼働を止めれば世界に誇れる国になれると思う」
彼らは「世界に誇れる」という言葉が好きだ。たとえば世界に誇れる平和憲法、本当に諸外国はそれを賞賛しているのだろうか。そして原発ゼロも同様だ、世界は脱原発どころか建設ラッシュが続いている。
ところで、こうした記事によく登場する「団体役員」とはどんな人々なのだろうか。いつも気になる。市民団体とはいっても、どこかお里が知れそうな感じがする。会場が代々木公園というのも気になる。
おそらく、朝日新聞辺りは、こうした市民団体や再稼働反対の知識人を総動員させて3ヶ月後に現実となる川内原発の再稼働を照準にして「反原発キャンペーン」を繰り広げていくのだろう。同系列のテレビではあの賑やかや太鼓や鐘が鳴り響く映像が度々登場するはずだ。昨冬の秘密保護法、春の集団的自衛権。「太鼓の達人」の野外ゲームはこの夏そして秋も続く。
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