粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

孤立する中国

2013-09-18 13:41:18 | 厄介な隣国

日本の一部メディアが、よく日本が今アジアで孤立しているとして、安部政権の「右傾化」を批判する。しかし、実際はその「アジア」が中国と朝鮮半島だけだということがわかってきた。したがって、最近になって朝日新聞などはアジアを「近隣諸国」と「下方修正」する書き方をしている。

日本は決してアジアから孤立していない。むしろ、孤立しているのは中国であるといえる。中国のなりふり構わない軍事的な挑発行為は、東南アジア諸国に強い警戒心を呼び起こしている。以前米軍基地を撤収させたフィリッピンでは、その結果南沙諸島の領土を中国に略奪された。これを悔いて、再び米軍に軍事的プレゼンスを求めてアメリカと交渉を始めているようだ。

東南アジアでこれまで唯一中国と友好関係を維持してきたミャンマーも、最近では自由化の波とともに、中国との大型プロジェクトを中止し、日本や欧米との関係を深めようとしている。アジア諸国が中国による国益優先の膨張姿勢に嫌気をさしてきているのだろう。

そして、準アジアともいうべきオーストラリアでもこれまでの中国への偏重政策が変わろうとしている。すなわち最近の下院選挙で保守連合が与党だった労働党に勝利し6年ぶりに政権についたのだ。労働党政権は、日本でいえば民主党政権のようのものだろう。中国に経済力を当て込んで中国との関係強化を推進していったが、結局国民の支持を失った。

中国はオーストラリアとの関係を通じて南太平洋の軍事的プレゼンスを高めて、アメリカを牽制しようとしたが、豪保守新政権の誕生でその戦略にも修正が加えられることになりそうだ。

考えてみれば、安部政権の誕生も、中国の最近の露骨な軍事拡張主義による日本国民の反発が影響しているとも考えられる。オーストラリアしかり、東南アジアしかりだ。自国の横暴がブーメラン効果として自分のところに振りかかってくる。そしてその結果孤立感を深めることになる。

そのきっかけは最近の中国経済失速といえるだろう。欧米を中心に中国への投資が急速に冷え込んできている。それが潮の変わり目となっているわけだ。現在親中国というべき国が思い当たらない。強いて挙げればパキスタンだろうか。しかし、これも隣国インドとの長期的対立によるもので、敵の敵として中国がパキスタンの味方に思われているのに過ぎないのではないか。

そんななか韓国が反日の立場から、中国に接近を試みているのは異常というしかない。嫌われ中国に敢えて擦り寄る反日国、その将来に一体いかばかりだろう。