11月28日は原発事故報道の記念日になるかもしれない。というのも煽り週刊誌の最後の砦アエラで今週号にて放射能記事が消えたからだ。サンデー毎日が先週から「平常記事」に戻りアエラの帰趨?が注目されていた。思えば放射能の煽りの先駆は3月19日発売のアエラ「放射能がやってくる」の特集記事だった。当初防毒マスクの表紙がどぎつく「風評被害」を煽ると世間から批判された。当時アエラの編集長がラジオのレギュラー番組で「風評被害を煽ることは真意ではないが、そのような誤解を与えたとしたらお詫びします」と答えつつ「記事の内容には自信がある」との強気なところも示していた。確かに原発事故での放射能物質の放出は東日本の広域に及びある面ではアエラの主張は正しかった点もあるだろう。それで気を強くしたのかその後は放射能の「驚くべき」「とんでもない」あるいは「無視できない」数値を報道し続けた。一時週刊現代などの、より過激な煽り週刊誌が現れた関係でアエラの「露出」も相対的に薄くは見えた。しかし週刊現代が7月に通常記事に戻ったのを皮切りに次々煽り記事は消えサンデー毎日とアエラを残すのみとなった。テレビ情報番組でもそれに比例するかのように放射能報道が激減していった。
そしてここへきてアエラの「撤退」だ。偶然にも福島第一原発の吉田所長が病気を理由に原発現場を去ることになったことを報じていた。まさかアエラの記事を見て辞任したわけでもないだろうが。
自分自身原発事故以来煽り週刊誌に疑念を持っていて毎週週刊誌の新聞広告をチェックしてきた。たぶん新聞広告だけを見ると見出し記事が過激なものが多い。これだけだと一般の読者特に小さい子供を持つ主婦は必要以上に放射能の恐怖を意識するのではないかと心配してしまう。アエラなど実際読んでみると見出しほど深刻でないものが多くその「羊頭狗肉」ぶりにはうんざりする。しかし多くの人は広告だけで判断してしまうのではないか。そんな煽りの記事が消えたことは大いに歓迎したい。
もちろん原発事故の傷跡はこれで消えたわけではなく依然深刻な点があることは事実である。しかしいまこそ煽りから離れて冷静に現実を直視すべきだろう。ちなみに最近の福島県内の放射線情報を見てみる。原発20km圏内の数値は場所によってかなりばらつきがある。一番高いところで毎時68.7マイクロシーベルト(双葉郡大熊町夫沢、3.0km西南西)一方で毎時0.5マイクロシーベルト(双葉郡浪江町北畿世橋、8km北、他)と相当低いところもある。反面20km圏外でも毎時33マイクロシーベルト(双葉郡浪江町赤宇木手七郎、24km北西)や毎時10.8マイクロシーベルト(相馬郡飯館村長泥、33km北西)と原発の北西方面で依然高い数値になっている。
したがって今後除染活動が本格化するであろうが、こういった細かなモニタリングをもとに実施されるはずだ。自分はいずれ福島県ほぼ全域で時期の差はあれ除染によって間違いなく通常の生活に戻れると信じている。まして首都圏のホットスポットなどさほど問題にすることはないと考える。この際煽り週刊誌は改心して罪滅ぼしに?避難民早期帰還のためのキャンペーンをはるくらいして欲しいものだ。いまだ「30km圏内は住めない」などとうわ言をいっている妄想好きなY.T君などがいるくらいだから。
お詫び:原発20km圏内の線量の数字(低い地域)に誤りがありました。お詫びして訂正します。(本文中訂正)