最近のインスタントラーメンは本当に味の追求が半端ではなくおいしいと思う。別に宣伝するつもりはないが、「頂(いただき)」というラーメンを食べて実感した。サッポロ一番でお馴染みのサンヨー食品の新商品で社の自信作のようでホームページで盛んに宣伝されている。
個人的に最近臨時収入があったので、インスタントラーメンもちょっと奮発して少し高めのラーメンである「頂」(醤油味)を買ってみた。5袋入りで390円(スーパー価格)、普通のサッサッポロ一番より30円ほど高い。しかし、それは30円をはるかに超える(1袋では6円)おいしさだった。
最近のインスタントラーメンは麺が生麺風に改良されているが、このラーメンはさらに進んでいてほとんど外食店の麺と遜色がないほどだ。いや自分にはそれ以上だとさえ感じられた。
そして、スープも本格的だ。中華あんが程よく入っていて上品なまろやかさがあり、絶品といえる味であった。まるで人気ラーメン店で食べたような至福の気分になった。
こんな手放しの感想を書き綴っていると、自分がサンヨー食品の回し者のよう思われそうだ。何の宣伝費は貰っていないので悪しからず。ただわざわざ自分のブログに書いてしまうくらいだから、おいしいものを食べた思いは伊達ではない。
この「頂」に限らず、日本食品メーカーの味への追求は素晴らしいと思う。おそらく、メーカーの開発者が消費者にこんな至福感を味わってもらおうと日々涙ぐましい努力を重ねているものと思う。多くの試作を繰り返しその度に失敗を経験する。何十回もの失敗後の傑作といえるだろう。そんな匠の味へのたゆまぬ探求に敬意を表さずにはいられない。
おそらくかくも消費者を大事にして、それに向けてメーカーが切磋琢磨することは日本の場合人一倍際立っているのではないだろうか。それこそ日本が誇る匠の技術の結晶であって、早々他国が太刀打ちできないものだと思う。さらにその根底にはお客さんに奉仕する「おもてなし」の心がある。これまた日本が他国を凌駕するものではないか。
自分自身、このラーメンをさらにおいしく食べるために、焼豚も少し高めのものを奮発し、ふだんはいれない「なると」を買い、わかめも国産の良品にした。こういうのを「プチ贅沢」というのだろう。ラーメンを含めて原価では一食分200円もしないだろう。しかし、自分にはこの上ない贅沢気分を味わった。
贅沢するとは何も街の高級店で出費を惜しまないだけではないと思う。もちろん、お店のシェフの腕やおもてなしも素晴らしいに違いないが、こんな食卓の贅沢こそ身の丈にあったものとして大事にしたいと感じる。そしてメーカーの名もない開発者の努力に感謝し思いを馳せることも大切ではないか。