とてもカッコの悪い市長のことが読売新聞で報じられていた。
朝日新聞が、東京電力福島第一原発事故を巡る「吉田調書」の記事を取り消し謝罪したのを受け、「歴史に残る記事」などと評価してブログに載せていた静岡県湖西市の三上元市長は18日、ブログを更新し、「コメントを取り消す」と記した。
この三上市長は静岡県内の浜岡原発の廃炉を求める訴訟の原告団に名を連ねており、朝日の記事は彼にとってその主張を補強する有力な証拠と思えたのだろう。しかし、市長が称賛する「吉田調書」スクープ記事を朝日新聞社長が誤報であることを認め謝罪した。
それにしても市長の「歴史に残る記事」という物言いはいくら何でも言葉が過ぎた。しかし、それほどに朝日の記事は脱原発派にインパクトを与えたことは確かである。一度原発事故が発生すれば、その収拾は困難だ。所員も人の子、皆現場を放棄して逃亡する。朝日新聞の記事の背後には、そんな反原発を強く誘導する意図があったといえる。
ところでこの湖西市だが、ウィキペディアで覗いてみたらなんとトヨタグループの始祖である豊田佐吉の出身地であった。今は世界最大の自動車メーカーである企業の創業者も、同郷人の軽率な発言には泉下で苦笑しているかもしれない。
まあ、lこれは市長の無様な暴走で少しは笑って済まされるが、朝日の記事が世界的な厄難となる場合は決して座視できない。あのクマラスワミ国連報告書である。朝日が世界に拡散した吉田調書がその有力な論拠になっているからだ。
この報告書によって日本は性奴隷国家という極めて理不尽なレッテルを張られることになった。しかし報告者本人は、朝日の誤報謝罪後も自分の主張を取り下げていない。日本の市長のようにせめて自分のブログで謝罪して欲しいと思う。朝日の社長が次にすべきことは、スリランカに飛んでクマラスワミ女史に報告書の撤回を懇願することではないか。