『A2』、7月に読了。森達也・安岡卓治著。現代書館。2005年5月第1版第2刷(2002年4月第1刷)。
「はしがき」・「あとがき」以外に、「撮った理由、及び「A2」本篇から落としたエピソード・・・・・・森達也」、「採録シナリオ「A2」」、「森達也と二人三脚で「A」「A2」づくり・・・・・・安岡卓治」の3章。
フィル・スペクター(p.30)。
浅野健一さん、「人権と報道・連絡会」(p.68、71)。河野義行さん(p.130)。
『創』の篠田さん、『アエラ』の烏賀陽さん。「烏賀陽 ・・・オウムに好意的なニュース番組なんか作っていいのかと、うちはスポンサー降ろさせてもらうぞと、・・・抵抗するというのはなんか、濁中の黄河に向かって裸一つで飛び込んでいくような、そういう恐怖感を僕は感じているし。いつもいつも叩き潰されて、自分の書きたいことが結局最終的には100%は出せないという歯がゆさも持ってるし・・・」(p.157)。
下山事件(p.186)の撮影。
「テレビ界・・・ベテランディレクターの多くがテレビの世界を離れている。映像消費文化の象徴のような存在だ。/森も、・・・企画では傑出した独自性を持っているものの、処世術はうとい。/・・・ポリシーを持ち、様々な場で発言する「フリー・ディレクター」は、森以外に何人いるだろうか?/批判的な精神を持続することは難しい」(p.188)。
『放送禁止歌』(p.189)。岡林信康。「・・・全共闘・・・。/「お祭り騒ぎ」をテレビで見ながら、「若者たちの時代」が到来することを夢想したわれわれが直面したものは、紛争処理後の徹底した管理強化教育と、それによって押し殺された・・・無気力な同世代の群れであった。政治的な関心を示すだけで教師からにらまれ、反抗には隠微な制裁が加えられた。/・・・「勇者たち」の多くは、彼らが憎み、破壊しようとしたはずの制度の中にしっかりと組み込まれ、歯車として生き続けていた。/当時の武勇伝を得々と語るものたちと出会うことがある。が、命がけで闘おうとした本物の闘士たちは、けして語らないのだと思う。自らの敗北がもたらした荒廃を、歯ぎしりしながら見つめているのではないだろうか。/岡林信康自身も「手紙」を封印し、もう歌うことはないという」(p.190)。高田渡、なぎら健壱、「イムジン河」(p.191)。
『職業欄はエスパー』、『一九九四年よだかの星』(p.194)。「他の生き物を犠牲にして生きてゆくしかない人間の矛盾」(p.196)。
「森は、「A」によって、自分が本来作るべきものを再認識したのだと思う。自らの主観を貫くことで、作品のオリジナリティーを発揮することの大切さに気づいたのだ」(p.196)。
「・・・戦後の日本でこれほど明瞭な「社会の敵」は存在しなかったのではないだろうか。・・・だが、社会に渦巻くその「憎悪」に身を任せ、煽りたてるだけでは、事件の根幹にある問題にたどり着くことは出来ない。・・・、「なぜ、彼らが?」の解答は得られていない。犯罪の核心は「動機」にある。その「動機」をすべて「信仰」に収斂させてしまうことは乱暴すぎないだろうか?」(p.198)。「・・・世論の「憎悪」が高まり、メディアの理性をゆがめていることを感じた。テレビは、・・・横並びで・・・犯罪の凶悪さを叫ぶ声の大きさで視聴率を争っている。/誰か、冷静に見すえようとするものはいないのか?/・・・/森と出会ったのは、そんなときだった。/・・・ふたつ返事で、プロデュースを引き受けた」(pp.208-209)。
原一男さん(p.215)。
転び公妨(p.222)。
山形国際ドキュメンタリー映画祭「市民賞」受賞(p.235)。
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