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●本田靖春と本田宗一郎: 「自動車をつくっている者が大げさな葬式を出して、交通渋滞を起こすような愚は避けたい。…何もやるな」

2023年04月29日 00時00分01秒 | Weblog

(2023年04月12日[水])
本田宗一郎は社員に向かって…「ホンダの社長は代々くだらんやつばっかりだったから、あんた方がしっかりしなきゃどうしようもない」》。本田宗一郎さん「―――仮に息子さんがホンダに入りたいといったら。「入れないね、わたしは。」…」。どこまでその〝社風〟が維持されているのかどうかは知らないが。

   『●『本田宗一郎との100時間 燃えるだけ燃えよ』読了
    「城山三郎著。講談社文庫。1988年2月刊
     (1993年12月第12刷)。」
    「本田宗一郎藤沢武夫トヨタとは明らかに違うその思想と文化。
     《…何よりもその私心私欲の無さである。…二人は公私混同も
     きびしく戒め、ついぞ、その会社を私物化することなく、
     同族化することもなかった。…二人とも金には潔癖だった…》
     《金もうけとは別のものを―――。それを思想というのか、
     文化というのか。…「トヨタが新しいものを生み出してるって、
     あんまり聞かねえな。お金持ってるとか、利益生みだしてるとか、
     たいへんなものらしいが、金融業ならいいけど、生産企業が…」》
    《「―――仮に息子さんがホンダに入りたいといったら。
     「入れないね、わたしは。」…」》

   『●『ニセ札はなぜ通用しないのか?』読了
    「企業が社員に押しつける「水行(みそぎ」」のあほらしさ。
     息子を入社させなかった本田宗一郎、松下幸之助との違い。」

   『●犬がワンと鳴き、飼い主が喝采する、というお話
   『●「特集「3・20」 地下鉄サリン事件から20年」
       『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号)
    「【井上久男の経済私考/F1復帰するも経営は落ち込むホンダ 
     失われた独自性と「ワイガヤ」の社風は戻るか】、
     《…ワイワイガヤガヤと議論しながらもの造りに励む明るい
     風通しの良い会社という意味だが、現状はその真逆状態にある。
     …斬新な商品を出せなくなった。…「トヨタがやっている
     TQM活動をホンダは真似しすぎたから」…トータル・
     クオリティ・マネジメント…社員自らが独自の斬新なアイデアを
     出せなくなった…ソニーと同様にホンダも「らしさを失って
     しまった》。復活してほしい
     (『本田宗一郎との100時間 燃えるだけ燃えよ』…》

   『●《本田宗一郎は社員に向かって…「ホンダの社長は代々くだらんやつ
     ばっかりだったから、あんた方がしっかりしなきゃどうしようもない」》

 日刊ゲンダイの追悼譜【佐高信「追悼譜」/本田宗一郎の声は豊田章一郎には届かなかったのだろう】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/319784)によると、《いま、私の評伝選を出してくれている旬報社から、およそ20年前に『本田靖春集』全5巻が出た。私よりひとまわり上の本田は、私が敬愛するジャーナリストである。この全集の推薦者が五木寛之、澤地久枝、そして筑紫哲也。その本田の『複眼で見よ』(河出書房新社)にこんな一節がある。「本田宗一郎のこと」と題して、靖春は損失補てん問題で日本の資本主義は腐臭を放っているとし、トヨ夕や松下電器産業(現パナソニック)と対照的に財テクに見向きもしなかった宗一郎を偲んで、「経済評論家の佐高信氏」の次の指摘を引く》。

   『●『続トヨタの正体』読了(1/2)
   『●『続トヨタの正体』読了(2/2)
    《「ハイブリッド」であれば、何でも環境に優しいという誤解…
     小池百合子…は環境大臣時代に「ハイブリッド戦闘機」と発言して
     顰蹙…単純でお粗末な発想が根底に…》

   『●『本田靖春/「戦後」を追い続けたジャーナリスト』読了
    「随所に黒田清さん…。筑紫哲也さん…。「黒田さんは2000年、
     本田さんは2004年に、そして筑紫哲也さんは2008年に、
     まるで五輪開催の年に合わせたように他界されてしまった」…。
     鎌田慧さん…。本多勝一さん…」
    「わけ知りふうにいうと、社会に各種のウソはつきものである。
     しかし、現実の泥沼にまでつかっても、が水面に出ているかぎり、
     たまにはホントもいえる。だが、までつかると、物をいえない。
     までつかると、何もきこえなくなる。までつかると、
     すべて真っ暗闇である」
    「斎藤貴男さんの、少し悲壮感漂うエッセイ「囚われだらけの時代に」…
     「…文春にはっきりと距離を置かれ始めた。靖国問題や中国脅威論で
     勢いづいていた時期の『諸君!』には、ネット右翼もかくやの罵言雑言を
     浴びせかけられた。組織も時代も恐ろしいものだと、つくづく思い知った」。
     「二〇一〇年五月下旬現在、日本のジャーナリズムはほとんど荒野と化した
     辛うじて生き長らえている雑誌も新聞も、反骨精神とは対極の世界を
     志向している」」

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/319784

佐高信 評論家
1945年山形県酒田市生まれ。「官房長官 菅義偉の陰謀」、「池田大作と宮本顕治 『創共協定』誕生の舞台裏」など著書多数。有料メルマガ「佐高信の筆刀両断」を配信中。

佐高信「追悼譜」
本田宗一郎の声は豊田章一郎には届かなかったのだろう
公開日:2023/03/13 06:00 更新日:2023/03/13 06:00


■豊田章一郎(2023年2月14日没 享年97)

     (豊田章一郎氏(2023年2月14日没 享年97歳)
      /(C)日刊ゲンダイ)

 いま、私の評伝選を出してくれている旬報社から、およそ20年前に『本田靖春集』全5巻が出た。私よりひとまわり上の本田は、私が敬愛するジャーナリストである。この全集の推薦者が五木寛之、澤地久枝、そして筑紫哲也。その本田の『複眼で見よ』(河出書房新社)にこんな一節がある。「本田宗一郎のこと」と題して、靖春は損失補てん問題で日本の資本主義は腐臭を放っているとし、トヨ夕や松下電器産業(現パナソニック)と対照的に財テクに見向きもしなかった宗一郎を偲んで、「経済評論家の佐高信氏」の次の指摘を引く。

「大体、トヨタにしても松下にしても、いまだに豊田家、松下家の人間が会長、社長等主要ポストにすわっている。企業を”家業”と考えているわけだが(略)、損失補てんも、日本企業のこうした封建的土壌の上に咲いた徒花なのである」

 宗一郎は実弟も早く本田技研を辞めさせ、子息は最初から入社させなかった。引退したのも67歳と早い。

 こうした説明を入れながら、「ふたたび佐高信氏の文からの引用になって恐縮だが、どうかお許しをいただきたい」として拙文を引いている。

「また、豊田家の企業のトヨタが、その本拠の挙母市の名を豊田市に変えたのに、本田は鈴鹿サーキットで知られる鈴鹿市が本田市に変えてはどうかと言ってきたのに、それを断っている。(略)問題の補てんリストに本田技研の名がないのは偶然ではない」

 『週刊現代』の1991年8月17日号の私のコラムからの引用だが、私はとても嬉しかった。しかし、その恐縮ぶりにはこちらが恐縮するしかない。

 豊田章一郎が経団連の会長をやったのは、日本の企業の負の側面の代表として、皮肉な意味で妥当なのだろう。豊田家の分家の英二から本家の章一郎への社長交代は”大政奉還”などと言われたが、豊田家の人間でなければ社長になりえたかどうか、私は疑問がある。

 その息子の章男に至っては論外である。私は章一郎の死を悼む人に梶山三郎の小説『トヨトミの野望』『トヨトミの逆襲』(いずれも小学館)を読むことをすすめたい。

 本田靖春によれば、死期の迫った本田宗一郎はこのように言い遺したという。

自動車をつくっている者が大げさな葬式を出して、交通渋滞を起こすような愚は避けたい。もうすぐお迎えがくるが、何もやるな

 かなり前から、宗一郎は自宅への年始のあいさつを断っていた。その理由を彼は靖春にこう語った。

自動車屋が駐車の列でご近所に迷惑をかけてはいけない

 道路を倉庫がわりに使う方式といわれたトヨタかんばん方式をやめることなど考えもしなかっただろう章一郎にこの発言は届くことはなかった。(文中敬称略)
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●《本田宗一郎は社員に向かって…「ホンダの社長は代々くだらんやつばっかりだったから、あんた方がしっかりしなきゃどうしようもない」》

2022年11月03日 00時00分37秒 | Weblog

 (2022年10月20日[木])
本田宗一郎さん「―――仮に息子さんがホンダに入りたいといったら。「入れないね、わたしは。」…」。どこまでその〝社風〟が維持されているのかどうかは知らないが。

   『●『本田宗一郎との100時間 燃えるだけ燃えよ』読了
    「城山三郎著。講談社文庫。1988年2月刊
     (1993年12月第12刷)。」
    「本田宗一郎藤沢武夫トヨタとは明らかに違うその思想と文化。
     《…何よりもその私心私欲の無さである。…二人は公私混同も
     きびしく戒め、ついぞ、その会社を私物化することなく、
     同族化することもなかった。…二人とも金には潔癖だった…》
     《金もうけとは別のものを―――。それを思想というのか、
     文化というのか。…「トヨタが新しいものを生み出してるって、
     あんまり聞かねえな。お金持ってるとか、利益生みだしてるとか、
     たいへんなものらしいが、金融業ならいいけど、生産企業が…」》
    《「―――仮に息子さんがホンダに入りたいといったら。
     「入れないね、わたしは。」…」》

   『●『ニセ札はなぜ通用しないのか?』読了
    「企業が社員に押しつける「水行(みそぎ」」のあほらしさ。
     息子を入社させなかった本田宗一郎、松下幸之助との違い。」

   『●犬がワンと鳴き、飼い主が喝采する、というお話
   『●「特集「3・20」 地下鉄サリン事件から20年」
       『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号)
    「【井上久男の経済私考/F1復帰するも経営は落ち込むホンダ 
     失われた独自性と「ワイガヤ」の社風は戻るか】、
     《…ワイワイガヤガヤと議論しながらもの造りに励む明るい
     風通しの良い会社という意味だが、現状はその真逆状態にある。
     …斬新な商品を出せなくなった。…「トヨタがやっている
     TQM活動をホンダは真似しすぎたから」…トータル・
     クオリティ・マネジメント…社員自らが独自の斬新なアイデアを
     出せなくなった…ソニーと同様にホンダも「らしさを失って
     しまった》。復活してほしい
     (『本田宗一郎との100時間 燃えるだけ燃えよ』…》

 日刊ゲンダイのコラム【佐高信「追悼譜」/創業者・本田宗一郎と久米是志元社長の大論争はホンダそのものだった】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/312782)によると、《本田技研で河島喜好から久米へ社長がバトンタッチされる時、創業者の本田宗一郎は社員に向かって、こう演説した。「ホンダの社長は代々くだらんやつばっかりだったから、あんた方がしっかりしなきゃどうしようもない。オレもくだらなければ、オレが後継者に選んだ河島もくだらなかった。くだらない河島だから、くだらない久米しか社長に選べなかった。したがって、みんなにしっかりやってもらわなきゃ困る。ホンダは社長が偉くて引っ張るんじゃなくて、みんなが引っ張っていくのだから、よろしく頼む」》。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/312782

佐高信 評論家
1945年山形県酒田市生まれ。「官房長官 菅義偉の陰謀」、「池田大作と宮本顕治 『創共協定』誕生の舞台裏」など著書多数。有料メルマガ「佐高信の筆刀両断」を配信中。


佐高信「追悼譜」
創業者・本田宗一郎と久米是志元社長の大論争はホンダそのものだった
公開日:2022/10/17 06:00 更新日:2022/10/17 06:00

■久米是志(2022年9月11日没)

     (久米是志氏(C)日刊ゲンダイ)

 本田技研で河島喜好から久米へ社長がバトンタッチされる時、創業者の本田宗一郎は社員に向かって、こう演説した。

「ホンダの社長は代々くだらんやつばっかりだったから、あんた方がしっかりしなきゃどうしようもない。オレもくだらなければ、オレが後継者に選んだ河島もくだらなかった。くだらない河島だから、くだらない久米しか社長に選べなかった。したがって、みんなにしっかりやってもらわなきゃ困る。ホンダは社長が偉くて引っ張るんじゃなくて、みんなが引っ張っていくのだから、よろしく頼む

 これには「いいぞーッ」と野次がとび、退任する河島は「おニイちゃん、ご苦労さん。こっちに来いよ」と言われて壇上から降ろされ、社員の手でワッショイワッショイと胴上げされたという。本田はオヤジ、本田のパートナーで副社長だった藤沢武夫はオジキ、河島はおニイさんと呼ばれていたが、そんな開放的雰囲気は「会社を1つの考え方でまとめてはいけない」という本田の持論から生まれた。それは自らをも否定するような激しいものだった

 本田が社長の時、エンジンを水冷にするか空冷にするかの大論争があった。本田は「砂漠の真ん中でエンストした時、水なんかあるか」と言って空冷を主張した。

 しかし、「それでは公害のないエンジンは開発できない」と、公害規制をクリアする面からも水冷でなければならないと考えたのが、当時の若手技術者の久米や川本信彦だった。

 血の気が多い本田は、手が早くて、よく久米や川本をスパナで殴ったといわれたが、それほどのワンマンだから、もちろん本田も自説を曲げない。

 わからず屋のオヤジ(本田)に頭にきた久米は辞表を出して四国巡礼に出かけたという話もある。

 この大論争は、藤沢が間に立ってまとめ、結局、エンジンは水冷にすることになった。この時、空冷にしていたら、いまの本田技研はなかっただろうとも言われる。

 それほどの大きな分岐点だったのだが、その後、本田とぶつかった久米、川本が社長になるのである。

 本田はこの一件で「自分には技術がわからなくなったのかもしれない」と思い、退任する会長にもならずにスパッと退いて、以後、出社しなかった。本当は会社に出たくてしょうがないけれども、行けば口を出してしまう。それで、東京の八重洲ブックセンターの近くに小さな事務所を構えて、ひたすら絵を描いていた。

 久米には一度インタビューしたことがある。当時、私は清瀬に住んでいて、定期券と一緒になった名刺入れから名刺を出したのだろう。

 何気なく久米はそれを見ていたのに違いない。「私も清瀬に住んでいたことがありますよ」と言われて、小さなことにもよく気がつく人だなと思った。(敬称略)
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●オウム死刑囚十三人を処刑…《死刑を忠実に実行しているのは日本だけ》という野蛮さぶりを世界に喧伝

2018年07月30日 00時00分40秒 | Weblog

[※ 安田好弘さん 《「死刑反対。死刑をおかしい」と言うこと自体が、異端者になってくる》 (2018年7月28日 報道特集)↑]



琉球新報のコラム【<金口木舌>「今宵今生の別れ。(西表島の)南風見田の浜に行きたかった」。…】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-769492.html)。
東京新聞の社説【オウムの死刑 制度の在り方の論議も】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018072702000157.html)。

 《▼犯した罪の残忍性や社会への影響などを考えると死刑は当然だという見方も理解できる。だが、国家が人間の生命を強制的に終わらせることへの違和感は拭えない…▼国連人権規約委員会は日本政府に対し死刑廃止について十分考慮するよう勧告している》。
 《七月だけでオウム事件の幹部ら十三人が処刑されたことに異様さを感じる人も多かろう。これほどの人数の死刑執行がなされたことがないからだ法務相によっては宗教観などから執行命令書に署名しない人もいた》。

   『●『A2』読了
   『●『A3(エー・スリー)』読了
   『●『死刑』読了
   『●死刑廃止集会
   『●「死刑制度 国民的な議論を活発に」・・・
      「死刑制度存置派驚異の8割の我国」では全くそんな気配なし

   『●「彼を赦したわけではない。
      しかし死刑にして問題が解決するわけではない」

   『●ビンラディン氏暗殺再び
   『●光市母子殺害事件最高裁判決: 森達也さんの〝目〟
   『●森達也さん『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」
                               と叫ぶ人に訊きたい』書評

   『●「殺すなかれ・・・」・・・「彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか」?
   『●2016年報道の自由度ランキング72位: 
       「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
   『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
        「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」
    《共謀罪を導入しても、テロが起きる可能性はある。そのときが怖い。
     社会がファナチック(狂信的)になり、メディアや社会も一緒になって
     「もっと捕まえろ」「もっと取り締まれ」と暴走するのではないか。
     オウム事件を取材していた時を思い出す。警察はあらゆる法令を
     駆使して信者を根こそぎ捕まえた。当時、幹部が「非常時だから、
     国民の皆様も納得してくれる」と話していた》

   『●「このまま死刑執行されてオウム事件は終わり、 
      ということにされていいの」? 真相・全貌は解明されたか?
   『●オウム死刑囚大量執行…アベ様や上川陽子法相は
        「前夜祭」を催し、死刑さへも「サーカス」に使う悪辣さ
    「TBSの「ニュースバード」によると、ドイツ政府はいち早く、
     この死刑執行およびニッポンの死刑存置に対して抗議の声明を出した」
    「アサヒコムの記事【死刑囚写真に次々「執行」シール 
     TV演出に疑問の声も】…によると、《中島岳志…は…
     「いま行われているのは、死刑のショー化・見世物化に他ならない。
     執行場面だけが不可視化された公開処刑」と書き込んだ。…フジは、
     事件に関わった死刑囚の顔写真が並んだパネルを示し、
     執行が済んだ死刑囚の写真の上に「執行」のシールを貼るなどして
     状況を説明》」

   『●「僕が裁判の傍聴で見た麻原は廃人…
      加害者に発言させることは事件を歴史の教訓にするために必要だった」

   『●「7人に死刑を執行する前日に乾杯する総理大臣と法務大臣…
                    これがこの国のグロテスクな現状なのだ」
   『●西日本大豪雨…「国民の生命と財産を守るって、
      口だけじゃないか」「博打の議論なんてやっている場合か」
   『●良心の呵責? 「ないわな、そんなもん。
       でなきゃ、過労死遺族の方々が傍聴する中、こんな法案、…」
   『●室井佑月さん「悪魔とはこういう顔か」!?
     ⇒ デンデン王国の国王御夫妻やウルトラ差別主義者らの御顔

 《七月だけでオウム事件の幹部ら十三人が処刑》…コレで何か問題は解決したのですか? アベ様や法相、法務省幹部らの自己満足ではないのですか? 《ある同省幹部が「平成の事件は平成のうちに」と語った》そうだが、一体どんな忖度なのか…。
 《もっと国際的な批判を真面目に受け止めた方がよかろう》…と言われても、アベ様や法相らは、聞く耳持たずだ。《赤坂自民亭》なる〝前夜祭〟様の酔いちくれぶりや、一部マスコミの異常なハシャギぶりも含めて、今回のコレもニッポンの異常さを世界に喧伝し、《死刑を忠実に実行しているのは日本だけ》という野蛮さぶりが、またしても、知れ渡ってしまった。

 松本智津夫元死刑囚の主任弁護人を務めた安田好弘弁護士は「死刑のレベル ステージを一気に引き上げてしまった。7名を一気に死刑にしてしまった訳です。…終身刑を今の状況で導入しよう、そうすることで死刑が一つでも減るんじゃないか」。一方、「「死刑反対。死刑をおかしい」と言うこと自体が、異端者になってくる」(報道特集 2018年7月28日)(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/3a85028ac13f9d5517b8c50e10eaaf06)。
 また、森達也さん「議論したいです。死刑制度が是か、非か。いろんな意見がある、いろんな見方がある、当たり前です。でも、この国では議論が出来ていない。議論するだけの材料がない」(報道特集 2018年7月28日)。

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-769492.html

<金口木舌>「今宵今生の別れ。(西表島の)南風見田の浜に行きたかった」。…
2018年7月27日 06:00
オウム真理教 林泰男 死刑 アムネスティ・インターナショナル 金口木舌

 「今宵今生の別れ。(西表島の)南風見田の浜に行きたかった」。林泰男死刑囚は1996年、石垣島からの護送中の機内でつぶやいた。オウム真理教による一連の事件で死刑囚の刑が全て執行された

▼追尾の際に気づかれないように、捜査員同士うちなーぐちで連絡を取り合った。「てーげーむるあたとんどー」。すぐ近くで特徴を確認し、職務質問した。抵抗することはなく、当時の捜査員は「死刑を覚悟している様子だった」と回想した

▼犯した罪の残忍性や社会への影響などを考えると死刑は当然だという見方も理解できる。だが、国家が人間の生命を強制的に終わらせることへの違和感は拭えない

死刑制度を維持する理由としてよく挙げられるのが「抑止力」。「死刑を廃止すれば凶悪犯罪が増える」という主張にうなずきそうになるが、根拠となる客観的な統計はないという

▼国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、人口10万人当たりの殺人発生率が最も低いのがオーストリアの0・56件、次いでノルウェーの0・68件で、いずれも死刑廃止国死刑を廃止しても、治安の悪化には直結しないことを示唆している

国連人権規約委員会は日本政府に対し死刑廃止について十分考慮するよう勧告している。遺族の立場に立つとためらいも感じるが、死刑制度の廃止についてもっと議論があっていい。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018072702000157.html

【社説】
オウムの死刑 制度の在り方の論議も
2018年7月27日

 オウム真理教事件の死刑囚六人の刑が執行され、事件の死刑執行はすべて終わった。だが、日弁連などは死刑制度の廃止を求める声明を出している。不透明な制度の在り方などの論議は必要である。

 七月だけでオウム事件の幹部ら十三人が処刑されたことに異様さを感じる人も多かろう。これほどの人数の死刑執行がなされたことがないからだ。法務相によっては宗教観などから執行命令書に署名しない人もいた。ある同省幹部が「平成の事件は平成のうちに」と語ったと伝えられる。

 来年の天皇陛下の退位を念頭に置いた発言だろうが、それにしてもなぜオウム死刑囚に限って一斉処刑なのかの答えにはならない。前回は元代表の麻原彰晃元死刑囚やサリン製造役が中心で、今回は林泰男死刑囚ら地下鉄サリン事件の散布役が中心だった。

 法務省は一連の執行順序についての理由をほとんど説明しないでいる。不透明だといわざるを得ない。「執行は当然」という遺族の方々の心情はもっともである。それでも心神喪失が疑われたり、再審申し立てやその準備の段階にある場合はどう判断しているのか、それを国民に説明しない姿勢には疑問を持つ。

 死刑は国家権力の最大の行使でもあるからだ。一〇年の千葉景子法相時代は報道機関に刑場の公開をしたこともあるが、それ以降はそんな雰囲気も消えてしまった。

 近代刑事法はあだ討ち否定し、犯罪への応報と更生をめざしている。かつ死刑囚の冤罪(えんざい)が明らかになった事例もある。

 世界百四十二カ国は死刑の廃止・停止であり、欧州連合(EU)に加盟するには、死刑廃止国であるのが条件になっている。OECD加盟国でも、死刑制度があるのは日本と韓国・米国だけだ。でも韓国はずっと執行がない事実上の廃止国である。米国も十九州が廃止、四州が停止を宣言している。つまり、死刑を忠実に実行しているのは日本だけなのだ

 誤った司法判断なら取り返しの付かない究極の刑罰であり、究極の人権を奪う刑罰でもある。内閣府の世論調査では死刑もやむを得ないが八割だが、うち四割は「状況が変われば将来的には死刑を廃止してもよい」終身刑の導入なら「死刑を廃止する方がよい」が四割である。

 国連からは死刑廃止の勧告を何度も受け続けているもっと国際的な批判を真面目に受け止めた方がよかろう
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●「僕が裁判の傍聴で見た麻原は廃人…加害者に発言させることは事件を歴史の教訓にするために必要だった」

2018年07月09日 00時00分08秒 | Weblog

[※ 森達也さん《事件の教訓 得られぬまま》 (2018年7月7日 朝日新聞)↑]



アサヒコムの記事【死刑執行、歴史は教訓を失った 映画「A」森達也さん】(https://www.asahi.com/articles/ASL764TPHL76ULZU004.html?iref=pc_ss_date)。

 《やつらを早く死刑にという世間の空気を感じていました…しかし放映してもらえませんでした。理由は「オウムを悪として描く努力が足りない」でした…》。

 【報道特集】(2018年7月7日)で、江川紹子氏は、種々の裁判を通して、オウム事件のほぼ全貌が明らかとなっており、この大量の死刑執行は当然、との意見を述べておられました。裁判も傍聴せずに、麻原氏に語らせるべきだったなどとし、批判派は全貌が明らかになっていないと言っている…として、この死刑執行への批判派を批判しました。
 でも、本当に全貌は明らかになったのでしょうか? ここ数年のアベ様政権に限ったとしても、この間のFanaticなやり方に無批判すぎるのではないでしょうか? 江川紹子氏の意見に、大きな違和感を感じました。

 《事件の教訓 得られぬまま》…。そして、またしても、暴走する《もはや真相の解明などに全く興味の無いマスコミ》。《オウム事件動機を含めた真相、全貌が解明されたと言えるだろうか》? これで、本当によかったの?


[※ 森達也さん《事件の教訓 得られぬまま》 (2018年7月7日 朝日新聞)↑]

 朝日新聞の元記事【事件の教訓 得られぬまま】では…《宗教についても、深く議論することはできませんでした。宗教には生と死をひっくり返す強い力があります。…過激派組織「イスラム国」を見ても、オウムという課題は過去のものではないはずです》。
 そして、《取材を通じ、僕自身は三つの要因があると考えます。教団が潰されるのではないかという麻原の危機意識と、殺すことが救うことと通じてしまう宗教の論理、そして麻原が喜ぶであろう言動をしようとした弟子と、弟子が期待するであろう方向にふるまった麻原との「相互忖度」です》。
 さらに、《僕が裁判の傍聴で見た麻原は廃人でした。事件を起こした理由を聞けずに終わったことが、残念でなりません。加害者に発言させることは事件を歴史の教訓にするために必要だったからです》。

 琉球新報の【<社説>オウム死刑執行 真相解明の手だて失った】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-755294.html)においても、《松本死刑囚は一審途中から沈黙し、事件の核心を語らなかった真相に迫る手だてを失ったことは残念と言わざるを得ない。…死刑執行を命令した上川陽子法相は「二度と起きてはならない」と強調したが、再発防止のためには、犯行の全貌を詳細に至るまで徹底的に解明する必要があったはずだ。一宗教団体が無差別殺人集団に変貌していった経緯、若者たちが犯罪に関与するようになった理由を含め、突き詰めて明らかにしないままで、類似の犯罪を防ぐことができるのか。松本死刑囚は95年に逮捕された後、96年の公判で弟子が不利な証言をしたときから、意味不明な言動をするようになった。…刑事訴訟法は確定死刑囚が心身喪失状態にあるときは法相の命令によって執行を停止する旨を定めている。松本死刑囚は刑を執行しても差し支えない精神状態にあったのだろうか。判決確定後の行動を見ると、疑問なしとしない。日弁連が指摘するように、独立した機関が心神喪失状態にあるかどうかを判定し、結果を公表する仕組みが求められる。もし、是非善悪をわきまえる能力を失っていなかったとすれば、執行を見合わせる選択肢もあった。いずれ動機や真相を聞く機会が得られたかもしれない》。

 また、日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/政府としての総括を述べるべきでは】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201807070000244.html)でも、《死刑確定というプロセスに被害者を含め、国民にはモヤモヤしたものが残る執行だったが、これで事件の全容解明は望めなくなった。…★それならば政府は法相会見に任せず、政府としての総括をここに述べるべきだったのではないか。決してすべてが解決したとは言えない事件の幕引きだけでは、次世代に教訓を残すことはできない》。

   『●『A2』読了
   『●『A3(エー・スリー)』読了
   『●『死刑』読了
   『●死刑廃止集会
   『●「死刑制度 国民的な議論を活発に」・・・
      「死刑制度存置派驚異の8割の我国」では全くそんな気配なし

   『●「彼を赦したわけではない。
      しかし死刑にして問題が解決するわけではない」

   『●ビンラディン氏暗殺再び
   『●光市母子殺害事件最高裁判決: 森達也さんの〝目〟
   『●森達也さん『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」
                               と叫ぶ人に訊きたい』書評

   『●「殺すなかれ・・・」・・・「彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか」?
   『●2016年報道の自由度ランキング72位: 
       「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
   『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
        「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」
    《共謀罪を導入しても、テロが起きる可能性はある。そのときが怖い。
     社会がファナチック(狂信的)になり、メディアや社会も一緒になって
     「もっと捕まえろ」「もっと取り締まれ」と暴走するのではないか。
     オウム事件を取材していた時を思い出す。警察はあらゆる法令を
     駆使して信者を根こそぎ捕まえた。当時、幹部が「非常時だから、
     国民の皆様も納得してくれる」と話していた》

   『●「このまま死刑執行されてオウム事件は終わり、 
      ということにされていいの」? 真相・全貌は解明されたか?
   『●オウム死刑囚大量執行…アベ様や上川陽子法相は「前夜祭」を催し、
                            死刑さへも「サーカス」に使う悪辣さ


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https://www.asahi.com/articles/ASL764TPHL76ULZU004.html?iref=pc_ss_date

死刑執行、歴史は教訓を失った 映画「A」森達也さん
聞き手 編集委員・塩倉裕 2018年7月7日03時15分


 地下鉄サリン事件が起きた1995年、僕はテレビ番組をつくる仕事をしていました。当時大量のオウム特番が放映されましたが、描き方は2種類だけでした。「凶暴凶悪な集団」か「麻原に洗脳された集団」です。

 ………

 やつらを早く死刑にという世間の空気を感じていました。恐怖に突き動かされた社会現象だったと思います。

 幹部逮捕後のオウムに取材を申し込み、施設にカメラを持ち込みました。信者の日常を撮影したのです。しかし放映してもらえませんでした。理由は「オウムを悪として描く努力が足りない」でした。

 無差別殺傷としての地下鉄サリン事件は、多くの人々に直接深刻な影響を与えましたが、社会のありようにも変容をもたらしました。「正義か悪か」「味方か敵かという二分論が強まり、悪や敵とみなされた者を社会から排除する動きが噴出したのです。

 僕が話を聞いた40歳ぐらいの男性信者は以前、重度障害者施設で勤務した人でした。入信の理由を「生活の支援はできても、魂の支援ができず悩んでいた」と語りました。

 オウム事件で、多くの人々は………。
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●オウム死刑囚大量執行…アベ様や上川陽子法相は「前夜祭」を催し、死刑さへも「サーカス」に使う悪辣さ

2018年07月08日 00時00分55秒 | Weblog


リテラの記事【オウム死刑囚大量執行は口封じか…検察に全面協力していた井上嘉浩死刑囚の変心、再審請求に怯えていた法務省】(http://lite-ra.com/2018/07/post-4109.html)。

 《法務省はこうした井上死刑囚の変化を察知して、井上死刑囚が真実を語る前に、刑の執行を急いだのではないか。そんな疑いが頭をもたげてきたのだ。そして、井上死刑囚だけがクローズアップされないように、複数のオウム死刑囚を一気に執行した…さまざまな謎を残したカルト事件は、事件首謀者たちの“異様な”死刑執行によって歴史の闇へと消え去ろうとしている。いや、国家権力が葬り去ろうとしているのだ》。

   『●『A2』読了
   『●『A3(エー・スリー)』読了
   『●『死刑』読了
   『●死刑廃止集会
   『●「死刑制度 国民的な議論を活発に」・・・
      「死刑制度存置派驚異の8割の我国」では全くそんな気配なし

   『●「彼を赦したわけではない。
      しかし死刑にして問題が解決するわけではない」

   『●ビンラディン氏暗殺再び
   『●光市母子殺害事件最高裁判決: 森達也さんの〝目〟
   『●森達也さん『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」
                               と叫ぶ人に訊きたい』書評

   『●「殺すなかれ・・・」・・・「彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか」?
   『●2016年報道の自由度ランキング72位: 
       「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
   『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
        「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」
    《共謀罪を導入しても、テロが起きる可能性はある。そのときが怖い。
     社会がファナチック(狂信的)になり、メディアや社会も一緒になって
     「もっと捕まえろ」「もっと取り締まれ」と暴走するのではないか。
     オウム事件を取材していた時を思い出す。警察はあらゆる法令を
     駆使して信者を根こそぎ捕まえた。当時、幹部が「非常時だから、
     国民の皆様も納得してくれる」と話していた》

   『●「このまま死刑執行されてオウム事件は終わり、
      ということにされていいの」? 真相・全貌は解明されたか?

 【麻原死刑囚の刑執行 地下鉄・松本サリン首謀 元幹部6人も】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018070602000282.html)によると、《幹部六人は、井上嘉浩(よしひろ)死刑囚(48)=大阪拘置所、新実智光死刑囚(54)=同、中川智正死刑囚(55)=広島拘置所、早川紀代秀死刑囚(68)=福岡拘置所、土谷正実死刑囚(53)=東京拘置所、遠藤誠一死刑囚(58)=同。上川陽子法相は同日午後、記者会見し、七人を死刑執行の対象とした理由について「答えを差し控える」と話した》。
 TBSの「ニュースバード」によると、ドイツ政府はいち早く、この死刑執行およびニッポンの死刑存置に対して抗議の声明を出した。

 かつて「死神」「死に神」と言われた法相が居た。〝素人裁判官〟に《死刑のスイッチ》を強制する制度導入のために、《最高検を頂点とする組織ぐるみで広報活動が行われ、検事正が法被を着たり、検察庁職員が幟を持って街頭キャンペーンをやったり、などというお祭り騒ぎが全国で展開され、挙句の果てには、「サイバンインコ」などという珍妙なキャラクターまで登場して、法務大臣がその着ぐるみを着てみせたりもしました。こうした関係者の滑稽とも思える努力》…。さらに、「『●「死に神」どころか』…ここまでノウテンキだったとは…。被害者・被害者家族への思いなど何もなく、死刑執行への懊悩もなく、単なる思いつき!!、とは恐れ入る」…そんな法相だった。
 もう一人、忘れられない法相。飯塚事件での冤罪死刑囚・久間三千年さんを死刑に…「『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」: 無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」』…冤罪者を死刑! 警察・検察・裁判所はどう責任をとるつもりだろうかか? 「死刑執行命令を下したのは、麻生内閣の森英介法務大臣(当時)」、飯塚は麻生太郎氏の「地元」だ。冤罪死刑に係わった者たちは、何の贖罪の気持ちもわかないのだろうか?」
 そして、上川陽子法相…何と表現すればいいのだろう。そして、アベ様…。ヒトデナシ。〝Fanatic〟。彼ら自身がカルト。《もはやこの国の総理はカルト教団の教祖のような絶対的存在となっているらしい》。このリテラの記事によると…《「…ある種の司法取引があった可能性が高い」…だが、今回、井上死刑囚もまた死刑を執行されてしまった。すべてのオウム裁判が終結したことで、もう用無しになったということなのか。もしそうならとんでもない話だが、実はもっとグロテスクな裏があるという指摘もある。それは、今回の死刑執行が法務・検察による口封じだった》。アベ様や上川陽子法相による《口封じ》って、唖然とします。

   『●《もはやカルトだ》…《もはやこの国の総理はカルト教団の教祖のような 
                               絶対的存在となっているらしい》
   『●斎藤美奈子さん「最低限の了解事項や整合性を放棄…液状化
                   …国ごと底なし沼に沈んでいくような気分。」

 東京新聞の記事【なぜ凶行、闇のまま 一審途中から沈黙 麻原死刑囚の刑執行】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018070602000272.html)によると、《「全く動かず、普通ではない感じがした」。民主党政権時代に法相を務めた平岡秀夫氏は、就任直後の二〇一一年秋ごろ、東京拘置所で、モニター越しに麻原彰晃死刑囚を見た時の様子を振り返った。この日の死刑執行については「私が見た印象や周囲の情報からすると、執行には違和感がある私だったら、執行しなかっただろうどのような経緯で執行されたのか検証すべきだ」と述べた…弁護団は六人の精神科医に鑑定を依頼し、重篤な拘禁反応などの疑いがある…》。
 真相・全貌は解明されていたのか?

 死刑執行で、何か問題が解決するのだろうか? 《数々の“真相”が永遠に封印》。
 東京新聞の記事【オウム事件の被害者・遺族 「過去にしないで」「もっと話してほしかった」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018070602000271.html)によると、《九四年の松本サリン事件で当初、容疑者扱いされた河野義行さん(68)は四月の本紙の取材に「麻原死刑囚は否認しているが、控訴審もしていない真実に迫るためには控訴審が必要だったのではないか。(起訴内容が)本当に事実かと疑問が出ても不思議ではない」と述べた。「命は大切なものだから死刑そのものには反対だ」とも話していた》。

 つぶやき(https://twitter.com/aritayoshifu/status/1015175418783993857)から:

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
有田芳生@aritayoshifu
死刑執行7人(はじめて)。教祖の精神鑑定さえ行わない執行は、事件史に特筆される異常事態です
首相と法相は前夜に宴会でした。壊れものとしての人間。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「前夜祭」を催し、死刑執行さへも「サーカス」に使う悪辣さ。台風や大雨で避難警報や警告は翌日に予想される中での「前夜祭」。その写真に写る面々のニヤケタ顔と酔い加減…。
 日刊ゲンダイの記事【地下鉄サリン事件から23年…オウム麻原彰晃ら7人死刑執行】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/232801)によると、《松本の死刑執行の時期については、かねて安倍政権による“政治利用”の懸念が指摘されてきた。延長国会も大詰めを迎え、「カジノ法案」や「参院定数増法案」などをめぐり与野党対決は必至。一方、サッカーW杯も日本代表の戦いが終わって、世間の耳目が国会に集まるタイミングでの死刑執行。まさか、法務省もモリカケ疑惑を蒸し返されたくない安倍首相の気持ちを忖度したのではないだろうな》…。
 正に、非法治国家…放置国家、アベ様独裁王国。取巻き連中や官僚がアベ様御夫妻のご機嫌伺いの過剰な忖度。よく分からないうちに、麻原氏の取巻き連中が過剰な忖度合戦をしていたと思われるオウム事件と構造としては同じではないのか。

 当時のマスコミの暴走、再び。2018年7月6日も、テレビが大暴走…「吊るせ」、「殺せ」という煽りにしか見えない。あまりに悍ましい。
 アサヒコムの記事【死刑囚写真に次々「執行」シール TV演出に疑問の声も】(https://www.asahi.com/articles/ASL7656K2L76UCVL01H.html?iref=comtop_8_04)によると、《中島岳志・東京工業大教授(日本思想史)は正午前、ツイッターに「いま行われているのは、死刑のショー化・見世物化に他ならない。執行場面だけが不可視化された公開処刑」と書き込んだ。番組内での演出にも注目が集まった。フジは、事件に関わった死刑囚の顔写真が並んだパネルを示し、執行が済んだ死刑囚の写真の上に「執行」のシールを貼るなどして状況を説明》。

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http://lite-ra.com/2018/07/post-4109.html

オウム死刑囚大量執行は口封じか…検察に全面協力していた井上嘉浩死刑囚の変心、再審請求に怯えていた法務省
2018.07.06

     (死刑を執行された麻原彰晃が87年に刊行した
       『超能力「秘密のカリキュラム」』 (健康編))

 衝撃のニュースが飛び込んできた。一連のオウム事件で首謀者として死刑が確定していたオウム真理教教祖・麻原彰晃松本智津夫)死刑囚に死刑が執行され、さらに新実智光、早川紀代秀、井上嘉浩、中川智正、遠藤誠一、土谷正実という計7人の死刑囚にも次々と刑が執行されたのだ。1日に7人もの死刑執行は戦後前例がない

 死刑の是非についてはあらためて別稿で論じたいが、それ以前に問題なのは、一連のオウム真理教事件にはいまだ数々の謎が残っており、それが解明されないまま麻原死刑囚らの刑が執行されてしまったことだ。

 これについては、被害者遺族からも疑問や謎をもっと解明してほしかったという声が上がっているほどだ。

 たしかに、政権にとって今年の死刑の執行は最良のタイミングだった。来年には天皇の退位、新天皇の即位と祝賀行事が続く。再来年は東京オリンピックがあり、国際社会の注目も高まるなか死刑を執行すれば国際的に強く批判されることになる。だから“今年中に”ということは既定路線だったはずだ。

 しかし、それでも、こんなにすぐに、オウム事件の死刑囚13人中7人を一気に執行するというのは異常としか言いようがない。

 しかも、13人の死刑囚のうちなぜこの7人が選ばれたのかもまったく不明だ。たとえば初期の坂本弁護士一家殺害事件の死刑確定囚からはじめたというわけでもなければ、全員が日本最悪のテロ事件である地下鉄サリン事件の確定死刑囚ということでもない。また死刑の確定順かといえば、そうではない。これについて本日午後行われた上川陽子法務大臣の会見でも説明さえなかった

 オウム事件に詳しい複数のジャーナリストや司法記者に訊いても、何が基準かについては、首をひねるばかりだ。「なんとなく知名度の高い受刑者を選んだだけではないのか。国民栄誉賞の人選じゃあるまいし」と語る記者もいたほどだ。

 しかし、もしかしたらこうした疑問を解く鍵になるかもしれない事実がひとつだけある。それは、7人のなかに井上死刑囚が含まれていたことだ。

 井上死刑囚といえばこれまでの一連のオウム裁判で、検察のシナリオに沿って、検察の都合のいい証言を続けてきた“最重要人物”だ

 たとえば、17年間の逃亡の末逮捕された高橋克也受刑者は地下鉄サリン事件や目黒公証役場事務長拉致監禁致死事件の関与に関して、「サリンとは知らなかった」「被害者の仮谷清志さんに注射を打つことも知らなかった」と主張したのに対し、井上死刑囚は「サリンを撒くから運転手をするように」「仮谷さんが暴れないようにクスリを打って眠らせることを高橋被告に確認した」と有罪の根拠になる重要な証言をしている。だが一方で井上死刑囚は逮捕当時「(仮谷さんの注射について)高橋は知らなかった」とまったく逆の供述をしていたのだ。

 さらにこの際、麻酔薬を投与した中川死刑囚から「ポア(殺害)できる薬物を試したら死んだと聞いた」とも証言しているが、中川死刑囚はこれを否定。さらにその場にいた元医師の林郁夫受刑者も「井上証言はあり得ない」と証言している。それだけでなく殺害された仮谷さんの長男でさえ、中川死刑囚の殺害示唆を「信じがたい」と井上証言に疑問を呈したほどだ。

 また井上死刑囚は、宗教学者のマンション爆破などが問われた平田信受刑者の裁判においても、事件前に平田受刑者に「これから『やらせ』で爆弾をしかけると言った記憶がある」と事前共謀、計画があったことを証言し、「何も知らなかった」と主張する平田受刑者と対立している。

 平田受刑者はともかく、すでに死刑が確定していた中川死刑囚が、殺意を否定するという嘘をつく理由はない。一方の井上死刑囚は、数々のオウム裁判において「これまで誰も知らなかった」新証言を不自然なまでに繰り出し、多くのオウム被告たちを“より重罪”へと導いていったのだ。


検察のストーリーに乗った証言でオウム信者を重罪に導いてきた井上嘉浩

 
井上証言のなかでもとくに大きかったのが、地下鉄サリン事件における麻原死刑囚の関与の証拠とされた、いわゆる「リムジン謀議」についての証言だった。

 地下鉄サリン事件の2日前の1995年3月18日、麻原死刑囚は都内の飲食店で会食後、井上死刑囚、村井秀夫、遠藤死刑囚ら幹部を乗せたリムジン内で、公証役場事務長拉致をめぐるオウムへの警察の強制捜査を阻止するために地下鉄にサリンを撒くことが提案され、麻原死刑囚もそれに同意したとされる。これが麻原死刑囚の地下鉄サリン事件関与の証拠となったが、しかし、それを証言したのは井上死刑囚だけだった。

 逆に、この井上証言がなければ、麻原死刑囚を有罪とする法的根拠はなかったとの見方もある

 数々のオウム裁判で「これまで誰も知らなかった」新証言を不自然なまでに繰り出し、多くのオウム事件の被告たちを“より重罪”へと導いてきた、井上死刑囚。だが、他のオウム被告たちの証言はことごとく食い違っており、検察が公判を維持するために描いたストーリーに無理やり沿っているとしか思えないものだった。

 そのため、井上死刑囚と検察との関係をめぐっては、さまざまな疑惑がささやかれてきた。長年オウムの取材を続けてきた公安担当記者の多くもこんな見方を述べていた。

 「井上死刑囚の取り調べの過程で、検察はオウムへの帰依や洗脳を捨てさせる一方で、逆に検察への逆洗脳を誘導したとみられています。その後、井上死刑囚は、まるで“検察真理教”となったがごとく、検察にとって有利な証言を繰り返し、“有罪請負人”の役割を果たしてきた。オウム事件は多くの信者が関わり、その役割は物証ではなく彼らの証言に依存せざるを得なかった。そしてその見返りとして、ある種の司法取引があった可能性が高い

 実際、井上死刑囚は、一審ではオウム事件で死刑を求刑された者のなかで唯一、無期懲役の判決を受けている。結局、二審では死刑判決に変わるが、それでも、執行を遅らせる、すぐには執行しないなどというような暗黙の取引があったのではといわれていた。

 だが、今回、井上死刑囚もまた死刑を執行されてしまった。すべてのオウム裁判が終結したことで、もう用無しになったということなのか

 もしそうならとんでもない話だが、実はもっとグロテスクな裏があるという指摘もある。それは、今回の死刑執行が法務・検察による口封じだったというものだ。


■井上が再審請求をした日に7人の死刑囚を執行準備のため移送

 前述したように、検察のストーリーに沿って、多くのオウム被告たちを“より重罪”へと導いてきた井上証言だが、その証言内容については、根本から再検証すべきではないかという声があがっていた。

 とくに大きかったのは、3年前、当の司法からも井上証言に疑問符がつけられたことだ。2015年11月、17年間の逃亡の後逮捕された菊地直子氏は、一審では実刑判決だったものが一転、高裁で無罪となる。その際、一審有罪の根拠となった井上死刑囚の証言の信用性についても、高裁は「(井上証言は)不自然に詳細かつ具体的で、信用できないとして認めなかったのだ。

 数々のオウム裁判の方向性を決定づけてきた井上証言の信用性に疑問符がついたことで、司法界やジャーナリストのあいだでも、その他のオウム事件についても再検証が必要ではないか、という声が高まっていた。

 そして、井上自身にも大きな姿勢の変化が現れていた。今年3月14日、まるでそういった動きに呼応するように、自らの事件について再審請求をしていたのだ。弁護人によると「死刑を免れたいわけではなく、事実は違うことを明らかにしたい」と語っていたという。

 そのため、一部では井上死刑囚が再審で、検察のストーリーに沿って虚偽の証言をしていたことを自ら認め、真実を語るのではないかという声があがっていた。

 もちろん、井上死刑囚が再審でこれまでの証言を翻しても判決は変わらない。しかし、もし本当にそんなことになったら、それこそ、麻原死刑囚はじめ、他の死刑判決の信用性が根底からひっくり返り検察と裁判所はメディアから大きな批判を浴びることになる。また、再審は阻止しても、もし井上死刑囚が本当にそう考えているなら、メディアにそのことを語る可能性もあった。

 法務省はこうした井上死刑囚の変化を察知して、井上死刑囚が真実を語る前に、刑の執行を急いだのではないか。そんな疑いが頭をもたげてきたのだ。そして、井上死刑囚だけがクローズアップされないように、複数のオウム死刑囚を一気に執行した。

 麻原死刑囚以外の6人の死刑囚が執行準備のために一斉に東京拘置所から各地の拘置所に移送されたのは、井上が再審請求をした3月14日のことだったこれはたんなる偶然だろうか

 もちろん、これらの見方は推測の域を出ない。しかし、タイミングは偶然だったとしても、今回の死刑執行によって、一連のオウム裁判の鍵を握っていた井上が真実を語る機会がつぶされ、井上死刑囚と検察の取引疑惑や、地下鉄サリン事件での「リムジン謀議」をはじめとする数々の“真相”が永遠に封印されてしまったことには変わりはない。

 さまざまな謎を残したカルト事件は、事件首謀者たちの“異様な”死刑執行によって歴史の闇へと消え去ろうとしている。いや、国家権力が葬り去ろうとしているのだ

(編集部)
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●「このまま死刑執行されてオウム事件は終わり、ということにされていいの」? 真相・全貌は解明されたか?

2018年07月07日 00時00分18秒 | Weblog


マガジン9のコラム【雨宮処凛がゆく!/第448回:オウム事件真相究明の会、立ち上げ。の巻】(http://maga9.jp/180606-2/)。

 《死刑囚らの死刑執行は、カウントダウンに入ったと言われている。いつ死刑が執行されてもおかしくない状況だ。…が、ここで問いたいのは、すべての裁判が終結した現在、オウム事件動機を含めた真相、全貌が解明されたと言えるだろうか、ということだ》。

 【オウム松本死刑囚らの刑執行 逮捕後23年、教団で初】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018070601001306.html)/《上川陽子法相が命令した…事件の詳細を語ることがないままの執行》。
 ブログを出すタイミングを逸している間に、死刑執行がなされました。本当にこれで良かったのでしょうか? 問題は解決したのでしょうか?

 森達也『A3』(エ―・スリー)…「『A』・『A2』に続く今回の「A」は、麻原彰晃氏の「A」。「吊るせ」、「殺せ」、というマスコミの作り上げたものではなく、麻原彰晃氏を別の視点から見たルポルタージュ。「詐病」と喧伝し、もはや真相の解明などに全く興味の無いマスコミ、騙されていることに気づかない、気づこうとしない人々」…。

 《オウム事件動機を含めた真相、全貌が解明されたと言えるだろうか》? 何も解明されないまま…「蓋」をするつもりだ。《このまま死刑執行されてオウム事件は終わり、ということにされていいのか?》

   『●『A2』読了
   『●『A3(エー・スリー)』読了
   『●『死刑』読了
   『●死刑廃止集会
   『●「死刑制度 国民的な議論を活発に」・・・
      「死刑制度存置派驚異の8割の我国」では全くそんな気配なし

   『●「彼を赦したわけではない。
      しかし死刑にして問題が解決するわけではない」

   『●ビンラディン氏暗殺再び
   『●光市母子殺害事件最高裁判決: 森達也さんの〝目〟
   『●森達也さん『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」
                               と叫ぶ人に訊きたい』書評

   『●「殺すなかれ・・・」・・・「彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか」?
   『●2016年報道の自由度ランキング72位:
       「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
   『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
        「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」
    《共謀罪を導入しても、テロが起きる可能性はある。そのときが怖い。
     社会がファナチック(狂信的)になり、メディアや社会も一緒になって
     「もっと捕まえろ」「もっと取り締まれ」と暴走するのではないか。
     オウム事件を取材していた時を思い出す。警察はあらゆる法令を
     駆使して信者を根こそぎ捕まえた。当時、幹部が「非常時だから、
     国民の皆様も納得してくれる」と話していた》

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http://maga9.jp/180606-2/

雨宮処凛がゆく!
第448回: オウム事件真相究明の会、立ち上げ。の巻雨宮処凛
By 雨宮処凛  2018年6月6日

 6月4日、「オウム事件真相究明の会」を立ち上げた。

 その名の通り、オウム真理教による地下鉄サリン事件など一連の事件の真相を究明する会である。

 1995年、朝のラッシュ時の地下鉄にサリンが撒かれるという未曾有のテロ事件では、13名が死亡、負傷者は5800人にも上る。その前年に起きた松本サリン事件の死者は8名、負傷者は140名。オウムが起こした事件はこれだけではない。坂本弁護士一家殺害事件や信者やその家族の殺害など、多くの事件を起こしている。

 そんな一連のオウム裁判だが、今年1月、すべてが終了し、3月には死刑が確定した13人のうち、7人が東京拘置所から別の5カ所の拘置所に移送された。死刑囚らの死刑執行は、カウントダウンに入ったと言われているいつ死刑が執行されてもおかしくない状況だ

 「あれだけの凶悪事件を起こした奴らなのだから一刻も早く死刑にしなければ」という意見の人もいるだろう。が、ここで問いたいのは、すべての裁判が終結した現在、オウム事件の動機を含めた真相、全貌が解明されたと言えるだろうか、ということだ。

 、地下鉄にサリンが撒かれたのか。なぜ、あれだけ多くの人の命が奪われ、多くの人が人生をメチャクチャにされなければならなかったのか。なぜ、一介の宗教団体があのような事件を起こすに至ったのか。

 これらの問いに裁判が答えたのかと問えば答えは明らかにNOである

 なぜか。教祖である麻原が、事件についてほぼ語らないままに裁判が一審のみで終了したからである語らなかったのは、精神に変調をきたしたから。治療をして裁判を続ければいいものの、正式な精神鑑定がなされないまま訴訟能力ありとされ、死刑は確定。日本には三審制があるにも関わらず、戦後最大の刑事事件の首謀者とされる麻原の裁判は、三審まで審理が尽くされないままに終わってしまったのだ

 「でも、麻原って詐病なんでしょ?」 

 そんな声もあるだろう。実際、オウム裁判集結を伝えるテレビ番組などでも必ずと言っていいほど登場するのがこの言葉だ。しかし、06年、控訴審弁護団の依頼によって面会した精神科医の意見書では、麻原は詐病ではなく、突然の大きな物音にも無反応なほど重度の意識障害ということだ。専門用語で「昏迷」と言い、「昏睡」の一歩手前の状態なのだという。

 「でも、06年なんてもう12年前じゃん、古い情報だし…」という人もいるはずだ。なぜ、古い情報しか出せないのか。それは麻原がこの10年、外部の誰とも面会していないからである娘とも10年以上、会っていない弁護士ともだ

 麻原三女の麗華さんは、「オウム事件真相究明の会」のサイト「三女松本麗華氏から見た、父松本智津夫の現状」で、以下のように書いている。04年、麻原逮捕以来、初めて父と面会した時のことだ。

 「父はこの時点で対話不能、意思表示もできない状態になっており、父自身が面会を拒否していたことは考えられません」

 以来、彼女は面会を繰り返す。が、

 「わたしたちは述べ70回以上、父と面会しましたが、一度も会話が成立したことはありません。刑務官がびっくりするほどの大声を出したこともありますが、ピクリとも反応しませんでした」

 「東京拘置所は、父に精神に障害が生じていないという見解をとっています。しかし、実際は第一審当時から、おむつを着け、自分で排泄をコントロールできていません」

 「おむつを着けていることは拘置所も認めています。また、刑務官が服を着替えさせ、入浴に関しては刑務官が介助して、身体を洗っています」

 「父の様子を見たことがある、元衛生夫の方は、2000〜2003年頃の父の様子を次のように話しています。『入浴の際もその二人の刑務官が彼の体を洗ってやります。トイレ掃除に使うような、棒タワシを使って彼の体を擦るのです。(中略)その入浴後、浴室の始末をするのが我々の仕事です。その浴室の様子は本当にすごいですよ。タイルは糞だらけだし、棒タワシにもついています。そのタワシについた汚物を洗い流し、床に落ちた糞は靴で踏んで細かくして、そのまま水で流してしまいます。官の支給品である歯磨き粉を撒いて床をタワシで磨き、そのあとクレゾールで消毒する』また、布団や毛布もおむつからはみ出た糞尿まみれの状態で、それを使っていると、衛生夫の方は述べています。衛生夫の方の話も、父が昏迷状態であるという診断を根拠づけていると思います」

 このような「証言」から浮かび上がるのは、麻原に重篤な精神障害がある可能性だ

 麻原と面会した精神科医は、適切な治療によって精神状態の改善及び、訴訟能力の回復が見込まれると述べている。

 このまま死刑が執行されてしまえば、真実は永遠に闇の中だ。真相究明を求めるからこそ、「オウム事件真相究明の会」を立ち上げた。司法がちゃんと機能しているかどうか、そんな問題提起も込めている。

 6月4日、議員会館でこの会の立ち上げ記者会見をした。

 登壇したのは、森達也氏、宮台真司氏、田原総一朗氏、想田和弘氏、香山リカ氏、山中幸男氏、鈴木邦男氏、高橋裕樹氏、そして私。4月頃から、さまざまな集まりの場で「麻原死刑カウントダウン」の話になり、「このまま死刑執行されてオウム事件は終わり、ということにされていいのか?」という疑問を多くの人が持っていることを知り、急遽会を立ち上げ、この日を迎えた。私としては、「記者会見の前に死刑が執行されるかもしれない」という焦りの中で準備を進めてきた。

 そんなふうにバタバタの中で進め、記者会見当日も人手が足りず、登壇する著名人たちが椅子を並べたりと会場の設営からするような状況だった。

 この日、麻原の一審判決公判を傍聴した森達也氏は、その時のことを振り返って言った。

 「一言で言って、仰天しました。ほぼ歩けない状況です。被告席に座りました。ずっと同じ動作を循環してます。具体的にいうとこの辺に手をおいてこの辺をかいて、顔をくしゃっと歪めて。これずっと循環してるんですよ。動物園の動物、たまにいますよね。同じ動作を繰り返す、典型的な拘禁障害、初期症状だと思いました」

 「昼休み、顔なじみの記者何人かと会いました。『どうなの麻原』って聞いたら、『もうダメでしょう。おむつしてるのわかりましたか』。腰回りが確かに異様に膨らんでました。『もう大小便垂れ流しですよ』と記者の人たちはいうんですね。でもそれが記事になることはない。当然、判決は死刑です。その日の夜のテレビのニュース、翌日の新聞、だいたいみんな使うのは法廷画家が描いたイラスト。全部どこを使ったか。顔歪めたところです。キャプションでなんと書くか。『遺族を嘲笑とか、『高笑い。あれ、発作ですよ。でも記者たちの『あれだめでしょ』って言葉は紙面に乗らない、電波にも乗らない。僕はその傍聴したことを共同通信、朝日に書きました。黙殺でしたね。ほぼ。どれほどの反発がくるかと思ったらほぼ黙殺。多少あった反響は、詐病だってこと、なんでこのバカは見抜けないんだとかね」

 「こだわる理由ふたつです。ひとつは動機がわからない。どのようにサリンをまいたのか、サリンをまいたあとどのように信者たちは逃走したのか。ほぼ克明にわかってます。ただ、彼らはなぜそもそもサリンをまいたのか。指示をされたからです。指示したのは麻原です。じゃあ麻原はなぜあの時に。オウム絶頂期です。信者どんどん増えてました。メディアの人とたくさん対談したり、教団の中に愛人もいました。ハーレムですよ。その絶頂期になぜ彼はサリンをまけという指示をしたのか。どのような指示をしたのか。したかどうかも実のところはっきりわかってません。裁判ではリムジン謀議、井上死刑囚が証言したこれが唯一の証拠なんですよ。ところが井上は自身がそのリムジン謀議をのちに自ら否定しています。ということは、麻原を地下鉄サリン事件において共同共謀正犯にする根拠は崩れてるんです。動機がわかんないんですよ。動機が語れるのは麻原だけです。でも彼は一審途中から完全に精神的に崩壊したと僕は思ってます。本来精神鑑定やるべきでした。でも誰もそれを言い出せなかった」

 「もうひとつのこだわる理由です。結局のところ二審の弁護団が控訴趣意書を出さなかった。これで二審以降行われなくなったわけですけど、二審弁護団は裁判所と約束しました。控訴趣意書を出す日程を。その前日に裁判所は棄却を決定してる明らかに恣意的に棄却してます。理由はよくわからない。もしかしたら弁護団が控訴趣意書出す日程を記者発表しちゃったのでルール違反だと怒っての意趣返しかもしれない。でもそんな子どもレベルの意趣返しで戦後最大の犯罪と言われてるオウム事件の一番のキーパーソンの裁判を打ち切ってしまうありえないことですね。あるいは裁判を続けたくなかったのかもしれない。理由はわかりません。どちらにせよ、司法が機能してないとんでもない失態。これをしっかりと共有した上で先に進まなければいけない。そう思ってます」

 この会の立ち上げに対して、「オウムを利する」「あいつらの味方なのか」という声も届いている。が、このまま麻原に死刑が執行されたら。「弾圧の果てに殺された殉教者」というストーリーが作られていく可能性だってあるあのような事件を二度と起こさない。再発防止のためにこそ、真相究明は必要なのだ

 麻原の死刑執行がカウントダウンと言われる中、私たちは問題提起をした。

 これから何ができるのか。みんなで考えていきたいと思っている。



●「オウム事件真相究明の会」のサイトはこちら
   http://www.aum-shinsokyumei.com/

     (「オウム事件真相究明の会」の森達也さん(中央)、
                   宮台真司さん(左)と記者会見で)
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●自民党亜種キトは辺野古破壊推進…「民意を無視し、新基地建設を強行する安倍政権と何が違うのか」!

2017年10月12日 00時00分25秒 | Weblog

[※サンデーモーニング(2017年10月1日)三「ト」物語)↑]



沖縄タイムスの西江昭吾氏のコラム【[大弦小弦]本土への米軍基地引き取りに「道理」は立つのか…】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/152629)と、
磯野直氏のコラム【[大弦小弦]2人の政治家の対照的な振る舞いが忘れられない…】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/151179)。

 《高橋哲哉東大大学院教授が都内であったシンポジウムで、一部で論議になっている批判や異論に答えていた》。
 《集まった女子学生らが「普天間飛行場を返して」「辺野古移設はやめて」と口々に叫んだ…聞こえているはずなのに小池氏は完全に無視し、映像を見続けた。それでもやまない訴えに、目も向けず一言。「(音声が)聞こえないなー」…全国メディアが論じるのは「安倍か小池かばかりだ…「希望の党」の公約発表はまだだが「辺野古推進」は揺るがないだろう。民意を無視し、新基地建設を強行する安倍政権と何が違うのか》?

   『●「特集「3・20」 地下鉄サリン事件から20年」
        『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号)
   『●遺族の願いとはほど遠く、より悪くなる一方の沖縄の現実
             …《再び事件を起こさせない社会》にはほど遠い
   『●目を逸らす本土…「米国側からみた
     心温まるヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…
   『●12年経っても「米軍機は沖国大墜落など
     「なかったこと」のように、今も県民の頭上をかすめ飛んでいる」
   『●沖縄出身脚本家上原正三さん、「民意を顧みず、
      基地を押し付け…沖縄を植民地としてしか見ていない証拠」
   『●「私を選んだのは普通の国民だ。私を怪物と呼ぶならば、
             選んだ選挙民が悪い」…「権力集中」なニッポン
   『●「沖縄戦20万余の犠牲者、焼き場に立つ長崎の少年」や
              アジアでの慰霊につなげる意思が感じられない…
   『●「平成の治安維持法」…「先輩たちが歌うことすら制限する
               米軍に抗い、勝ち取った自由が危機にある」


 沖縄で基地を恒久化し、永遠の基地負担を沖縄に強いているアベ様ら。

   『●「〈辺野古でよかった〉と言っているのと同じじゃないのか」?
                    …沖縄差別には沈黙な「本土」マスコミ

 本コラムに出てくる質問や疑問…引き取り論は日米安保容認になる。沖縄の負担解消は安保解消で行うべきでは》《本土に基地被害を移すことになる。責任を取れるのか》《根本的解決にならない》《反対運動を分断する…これらは「本土」の沖縄差別沖縄ヘイトの裏返しのように見える。

 自民党亜種トファ・キトの党首「裸の女王様」小池百合子氏は辺野古破壊推進論者である。「基地負担軽減」反対論者。《民意を無視し、新基地建設を強行する安倍政権と何が違うのか》!?

   『●高江破壊: 「沖縄・地域住民弾圧隊」による
      「市民に対する暴虐としか言いようのない異常な光景」
    《リテラ…『酷すぎる安倍政権の沖縄いじめ…米軍属事件対策の
     防衛省パトロール隊が基地反対派を監視!
     小池百合子も沖縄ヘイト』…小池百合子・東京都知事候補も、
     沖縄バッシングに加担してきた人物だ。沖縄担当相だった
     2006年には、「沖縄とアラブのマスコミは似ている。超理想主義で
     明確な反米と反イスラエルだ。それ以外は出てこない」などと、
     百田氏と同様に沖縄メディアを批判。13年3月に開かれた自民党
     国防部会でも、「沖縄のメディアが言ってることが県民すべてを
     代表しているわけではない」と述べている。…沖縄はとやかく言うな
     黙って犠牲となれ。政府も、安倍首相や小池百合子氏といった
     極右議員も、ネット右翼も、結局は沖縄を戦中と変わらない「捨て石」だ
     と見ている。それは「国に、権力に楯突くな」という全体主義の空気と
     密接につながっている問題だ…小池百合子氏の「思いやり予算よ
     という暴言

 沖縄ヘイトな自公お維キトを支持してはいけない。
 沖縄タイムスの記事【枝野幸男氏「辺野古新基地はゼロベースで」オスプレイは安全性・必要性を検証】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/152516)では、《安倍政権の辺野古新基地建設の進め方について「強引なやり方では沖縄の理解は得られず、結果として日米同盟に悪影響を与える。いったん立ち止まるべきだ」と指摘》。
 躊躇いも無く「森」や「山」を殺し、沖縄を破壊し続ける与党自公や癒党お維キト…。真の野党が言っていることの方がマトモだと思いますが?

 《全国メディアが論じるのは「安倍か小池かばかりだ》が、全く対立軸になっていない。当初から、マスコミはミスリードしている。

   〔与党自公癒党お維キト〕 対 〔真の野党〕 

…こそが真の構図。構図を見誤ってはいけない。「反アベ様」「反自公」のつもりでキトに投票することは、逆に、アベノサギに騙されることと等価。2017年10月衆院選、ユリノサギ、それに手を貸すつもりですか? 《県民の声を聞かず、基地問題を放置するような政治に希望は見えない》。沖縄までもが自公お維キト派に占領されれば、絶望。今以上のさらなる独裁下、専制主義下の絶望へと坂道を転がっていく…そのような投票行為で本当にいいのかどうか?、「本土」もよく考えるべきだ。当然、「眠り猫」ではいけない、選挙に行こう

   『●壊憲・専制政治・独裁反対、立憲政治を!  
      「頭の乏しい…こんな人たち」呼ばわりされた皆さん、結集を!

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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/152629

[大弦小弦]本土への米軍基地引き取りに「道理」は立つのか…
2017年10月6日 07:52 西江昭吾 基地引き取り運動 本土と沖縄

 本土への米軍基地引き取りに「道理」は立つのか。高橋哲哉東大大学院教授が都内であったシンポジウムで、一部で論議になっている批判や異論に答えていた

▼まず「引き取り論は日米安保容認になる。沖縄の負担解消は安保解消で行うべきでは」という疑問。これには、安保解消まで沖縄を待たせられないとし「現実に安保がある中で基地反対行動をすることと、安保を認めることは違う。そうでないと、どんな行動も否定されてしまう

▼次に「本土に基地被害を移すことになる。責任を取れるのか」という批判。これには、沖縄への米軍占領継続を望んだ終戦直後の昭和天皇メッセージや、本土から来た海兵隊の歴史を挙げ「本土が負うべきものを沖縄に押し付けてきた日米地位協定を改定して被害が出ない体制をつくればいい

▼「根本的解決にならない」との指摘は、「まずは基地を減らす。米軍解体論こそ非現実的で、沖縄に基地を固定化する」と切り返した

▼「反対運動を分断する」という批判もあるそうだが、「本土側が拒むことを前提にしている。引き取りに協力すれば沖縄との連帯が生まれる」と説く

▼学者らしい明快で分かりやすい説明だ。〈道理に向かう刃(やいば)なし〉。ことわざにあるように、基地を巡る誤解、無理解がはびこる昨今、筋の通った理(ことわり)は胸に響く。(西江昭吾
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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/151179

[大弦小弦]2人の政治家の対照的な振る舞いが忘れられない・・・
2017年10月3日 07:20 磯野直 小池百合子 希望の党

 2人の政治家の対照的な振る舞いが忘れられない。2004年8月13日に起きた沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落後、現場を視察した当時の稲嶺恵一知事と小池百合子沖縄担当相のことだ

▼ボリビア出張を途中で切り上げ、稲嶺知事が来たのは墜落から8日後。黒焦げの壁を見上げて「かーっ」と発し、その後は終始無言だった。新基地の軍民共用化などを条件に「辺野古移設」推進の立場だったが、奥歯をかみしめているようにも見えた

▼一方、小池氏の訪問は約2カ月後。壁の前で、大学が準備した墜落時の映像を見ていると、集まった女子学生らが「普天間飛行場を返して」「辺野古移設はやめて」と口々に叫んだ

▼距離はわずか数メートル。聞こえているはずなのに小池氏は完全に無視し、映像を見続けた。それでもやまない訴えに、目も向けず一言。「(音声が)聞こえないなー

▼それから13年。大義名分のない衆院解散で行われる総選挙に向け、小池氏は脚光を浴びる。全国メディアが論じるのは「安倍か小池かばかり

▼小池氏率いる「希望の党」の公約発表はまだだが辺野古推進揺るがないだろう民意を無視し、新基地建設を強行する安倍政権と何が違うのか。「政権選択選挙」といくら言われても、県民の声を聞かず、基地問題を放置するような政治に希望は見えない。(磯野直
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●「人生の歯車は狂ったまま」: 東京新聞・桐山桂一さん「冤罪とは犯罪よりも罪深い刑罰」

2016年08月20日 19時11分47秒 | Weblog


東京新聞の桐山桂一氏によるコラム【【私説・論説室から】氷見事件を思い出す】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2016080302000144.html)。

 《「二〇〇二年の氷見事件(富山)が思い出された。…いくら否認しても無駄だったという。「何を言ってもだめだ。信じてくれない。あきらめた」とAさんは語っていた。…冤罪(えんざい)とは犯罪よりも罪深い刑罰に思われた」》。

   『●刑事訴訟法の「改正」どころか、
      警察・検察に、司法取引と盗聴拡大という「追いゼニ」
     《国会で審議中の刑事訴訟法の改正案は、取り調べの
      録音・録画とともに、司法取引を導入する。通信傍受も大幅に
      拡大する内容だ。冤罪(えんざい)防止という目的から逸脱する
      刑事司法の改革ではないか》

 「冤罪とは犯罪よりも罪深い刑罰」を受けてしまった氷見事件氷見冤罪事件)の冤罪被害者は、「人生の歯車は狂ったまま」だと仰っています…。あまりに残酷、そして、誰も責任をとらないデタラメさ具合。警察や検察は、さらには、ドロナワ泥棒に縄をなわせるようなことまでやっている。国賠をやっても、家族との関係が元に戻る訳でもなく、まさに「人生の歯車は狂ったまま」。

   『●氷見事件(富山冤罪事件)の冤罪被害者のいま
                 ・・・「人生の歯車は狂ったまま」
     ■『週刊金曜日』(2013年3月29日、937号) / 
       山口正紀さん【冤罪の責任を問う裁判報道を 映画『約束』から】、
        氷見事件無実の人を有罪にした中牟田博章裁判長が
        「再審請求を審理する資格があるのか」? ・・・

   『●「アベノミクスに騙されないための政治経済学」
          『週刊金曜日』(2013年3月29日、937号)
   『●「きみ、もっと驚きたまえよ」
     『週刊金曜日』(2013年6月14日、947号)についてのつぶやき
     ■『週刊金曜日』(2013年6月14日、947号) / 
        氷見事件山口正紀さん【強かん犯を野放しにした警察 
        氷見事件国賠訴訟】。せめてもの国賠
        (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/25cfbe2a14b41322994f35c3c15a5364

   『●「日本の英語教育は間違っている」
      『週刊金曜日』(11月8日、967号)についてのつぶやき
     ■⑪『週刊金曜日』(2013年11月8日、967号) / 
       山口正紀さん【やっぱり全面可視化が必要だ 氷見事件国賠訴訟】、
        「痛ましくて、傍聴席で証言をメモしているのが辛くなった」。

   『●「特集「3・20」 地下鉄サリン事件から20年」
        『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号)
     ■⑦『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号) / 
      山口正紀さん【警察の違法性は認められたが 氷見事件国賠訴訟】、
       「・・・逮捕され、約2年間服役させられた後で真犯人が出現
        再審無罪に・・・。警察の捜査の違法性を認め、県に・・・
        支払を命じたが、国と個人被告2人(長能善揚・元富山県警
        警部補、松井英嗣・元富山地検副検事)に対する請求は棄却した
        ・・・原告の訴えは届いたのか。・・・判決が検察の冤罪責任を不問
        した報道は、・・・見当たらなかった」。「人生の歯車は狂ったまま
        (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a1e91fff854b1ea814fb65ad43715a89

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2016080302000144.html

【私説・論説室から】
氷見事件を思い出す
2016年8月3日

 傷害罪で起訴した男性二人が犯人でないとして、東京地検が公訴を取り消すという異例の出来事が先月、あった。写真で容疑者を特定する「面割り」に頼り切って、捜査側は誤ってしまったのだ。

 二〇〇二年の氷見事件(富山)が思い出された。少女への暴行事件、暴行未遂事件が起こり、タクシー運転手の男性Aさんが犯人とされた。「やっていない」と否認しても、取調官は取り合わず、やがて「自白」した。懲役三年の判決を受け、服役した

 ところが、真犯人が現れた。鳥取県警に逮捕された真犯人は、氷見での二事件を詳細に自供した。裏付ける客観証拠もあった。〇七年にAさんのぬれぎぬは晴れたものの既に服役を終えた後だった

 どうして犯人に仕立て上げられたのか、当時、私はAさんにも会って取材した。被害者の目撃供述が重要な証拠だった。だから、捜査段階では、似顔絵が作られた。私も見たが、Aさんに似ているといえば、似ている。面割り写真台帳がつくられ、十五人の顔写真から被害者に犯人と思われる人物を選ばせた。それがAさんだった。

 いくら否認しても無駄だったという。「何を言ってもだめだ。信じてくれない。あきらめた」とAさんは語っていた。絶望して、法廷では何と罪を認めた。冤罪(えんざい)とは犯罪よりも罪深い刑罰に思われた。

桐山桂一
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●2016年報道の自由度ランキング72位: 「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪

2016年06月11日 00時00分28秒 | Weblog


LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の編集部による森達也さんのロングインタビュー『映画『FAKE』公開直前、森達也監督インタビュー/佐村河内の意外な「素顔」に迫った森達也監督が社会の二元化に警鐘!「安倍政権もメディアも途上国以下のレベル」』(http://lite-ra.com/2016/06/post-2302.html)。

   『●『王様は裸だと言った子供はその後どうなったか』読了
   『●『世界が完全に思考停止する前に』読了
   『●『悪役レスラーは笑う ―「卑劣なジャップ」グレート東郷―』読了
   『●『A2』読了
   『●『A3(エー・スリー)』読了
   『●『死刑』読了
   『●『ご臨終メディア ~質問しないマスコミと一人で考えない日本人~』読了 (1/3)
   『●『こころをさなき世界のために』読了
   『●『視点をずらす思考術』読了(1/2)
   『●『視点をずらす思考術』読了(2/2)
   『●『ドキュメント・森達也の「ドキュメンタリーは嘘をつく」』読了
   『●『それでもドキュメンタリーは嘘をつく』読了(1/2)
   『●『それでもドキュメンタリーは嘘をつく』読了(2/2)
   『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(1/2)
   『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(2/2)
   『●『下山事件〈シモヤマ・ケース〉』読了(1/6)
   『●『メメント』読了
   『●『東京番外地』読了
   『●蓮池透×森達也ロング対談
   『●『戦争の世紀を超えて』読了
   『●ビンラディン氏暗殺再び
   『●光市母子殺害事件最高裁判決: 森達也さんの〝目〟
   『●森達也さんのフェイク・ドキュメンタリー新刊、そして水俣病・・・
   『●森達也さん『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」
                               と叫ぶ人に訊きたい』書評

   『●「不安と闘いながら世界に理念を示し続けたこの国に生まれたことを
                                 僕は何よりも誇りに思う」
   『●原発推進のおバカ映画を見て、一体何の教訓を得ろと??
   『●森達也さん「組織全体の病理と民意の後押し」
   『●森達也さん『国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要』
   『●秘密隠蔽法: 「もっと絶望した方がいい」・・・
        「絶望」させられたのは自公・翼賛野党非支持者ばかり

   『●戦争法案・壊憲法案に「対案」? 
      答えは「No!」、対案なんてクソくらえだ!
   『●森達也さん、「僕はもうあきらめた」「これから4年間で
          この国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」
   『森達也さん、新刊『「テロに屈するな!」に屈するな』:
             アベ様らによる、そんな未来を子や孫に?


 《政治が一流だけど、メディアは三流なんて国はありませんメディアは二流ならば社会も二流なんです。相互作用ですから。「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」でも、上位に位置するノルウェーデンマークスウェーデンは、僕から見れば確かに政治も一流だし、社会も成熟していると感じます。2010年に自由度11だった日本のメディアが、2016年には72にまで下落しました。ならばメディアだけではなくて政治も国民も、同じように下落したということです。今のこの国のレベルは途上国以下》。

 ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って報じなければならないときがある》。この国の報道機関は「闘って」いるでしょうか? 権力と「闘う」どころか、『読売』や『産経』、『アベ様のNHK』などはアベ様と同調し、社会を破壊していないか? 
 2016年「報道の自由度ランキング」、ニッポンは72位。「メディアは二流ならば社会も二流」、では、アベ政治も二流?、三流?、…最低流、最下流、粗悪? 自公お維大地支持者の皆さんの気が知れない。

   『●スガ殿曰く「報道が萎縮するような実態は全く生じていない」
                …「日本は今や世界の笑い者」、恥ずかしい…
   『●アホらしき税収不足! 日本の「報道の自由度」72位で、
              「パナマ文書を調査しない国は…と日本くらい」
   『●斎藤貴男さん、大新聞社は「自分たちだけは例外。
        権力にオネダリして、そうしていただいたのである」

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http://lite-ra.com/2016/06/post-2302.html

映画『FAKE』公開直前、森達也監督インタビュー
佐村河内の意外な「素顔」に迫った森達也監督が社会の二元化に警鐘!「安倍政権もメディアも途上国以下のレベル」
【この記事のキーワード】インタビュー, 編集部 2016.06.03

     (15年ぶりの単独監督作『FAKE』を
          6月4日に公開する森達也氏)

 “「現代のベートーベン」全聾の作曲家佐村河内守はペテン師だった!”──2014年2月の「週刊文春」(文藝春秋)のスクープを皮切りに、メディアを巻き込んだ大スキャンダルに発展した佐村河内守氏の“ゴースト騒動”。会見後、佐村河内氏は表舞台から姿を消したが、その佐村河内氏の「素顔」に迫ったドキュメンタリー映画が、6月4日より劇場公開される(公式サイト)。

 タイトルは『FAKE』。監督は、オウム真理教信者たちの日常を描いたドキュメンタリー『A』で物議を醸した森達也氏だ。

 騒動後、自宅に引きこもり状態となった佐村河内氏の日常を通して、“ゴースト騒動とは一体何だったのか、誰が誰を騙していたのか、真実とは虚偽とは何かをあぶり出そうとする『FAKE』は、現在の日本社会を投影する“問題作”でもある。

 佐村河内氏と二人だけの対話を試みる森監督。バラエティ番組の出演交渉に訪れるテレビ局関係者。容赦なく佐村河内氏に質問をぶつける海外メディア記者。騒動後も夫を支える続ける妻。そして、これまでの“佐村河内像”をひっくり返すであろう、衝撃的ラストシーン──。

 森氏の単独監督作としては『A2』以来15年ぶりとなる本作。なぜいま、佐村河内氏なのか。そこから浮かび上がる社会、メディアの病理とは何か。森監督に話を聞いた。

……………………………………

──なぜ、佐村河内氏を撮ろうと思ったのですか。

 もともと興味があったわけじゃない。2014年8月に書籍の企画を持ち込まれて、あまりその気はなかったのだけど彼と会って、2時間くらい話をしました。そのときに彼や、彼を取り巻く環境がフォトジェニックだなと強く感じたんです。特に美男というわけではないけれど、画になるなって。それは彼だけじゃなくて、傍に奥さんがいて、猫がいて。リビングはとても薄暗くて、窓を開けたらすぐ近くを電車が走っている。そういったものを全部含めて画になるなと。それで帰り際に、「あなたを映画に撮りたい」と伝えていました。……まあ無理やりに言葉にしたけれど、ほとんど直感です。


──ほとんどのシーンが佐村河内氏の自宅での撮影ですね。カメラを回しているときに「耳が聴こえているのでは」と感じたことは?

 アレ?って思ったことは何度もありました。でも、その次の瞬間、「ああ、やっぱり聴こえてないんだ」って思ったこともある。佐村河内さんの症状である感音性難聴は、聴こえる音と聴こえない音があり、「聴こえている音も曲がって聴こえる」と本人は言っています。これは体調によっても変わる。考えたら当たり前ですよね。あと、口話(口の形)を読んでいるときもある。佐村河内さんは奥さんの口話はかなりわかるんだけれども、初めて会った人の場合はほとんどわからない。人によって癖がありますから。つまりすべてグラデーションなんです。聴こえるか聴こえないかの二項対立じゃない。多くの聴覚障碍者はこの領域にいます。ところがメディアは、この端数をわかりやすく四捨五入して単純化してしまう。

──佐村河内氏を撮りながら、森監督自身の気持ちが変わっていったということは? あるいは佐村河内氏がメディアを使うことに長けているな、とは感じなかったですか。

 僕自身の気持ちですか? ……変化しなかったと思います。もうこの歳になると、ちょっとやそっとじゃ変わりません。佐村河内さん自身から「こう撮ってくれ」などの注文は、ほとんどなかったな。決してメディアに対して戦略的なタイプではないように思う。たしかに彼にはプロデューサー的な才覚はあったのかもしれないけれど、障害というある意味でエアポケットに入り込んでしまったこととか、偶然による部分も大きかったんじゃないかな。


──『FAKE』のパンフレットには「誰にも言わないでください。衝撃のラスト12分間」という文言がありますね。たしかに観劇後、思わず誰かに言いたくなる圧巻のラストでした。

 映画のラストに関わるシーンも含め、受け取り方は人それぞれです。そもそも人間の感覚なんて、第三者が共有できるものではない。僕にとっての緑は、あなたにとって黄色かもしれない。結局は脳内で感覚器が受けた刺激を神経信号に変換して再現しているわけですから、絶対という言葉は誰も使えない。でもメディアは、これもやっぱり安易に断言してしまう。そして二極化です。騒動前は「全聾の作曲家」と持ち上げて、騒動後は「実は聞こえていたペテン師」と叩く。狭間が見事に消えている。それは非常につまらないし、何よりももったいないです。

──「もったいない」とは?

 たとえば風景画を描こうと思って絵の具を買ってきたとします。でも葉っぱを描くときに、緑の絵の具だけを使う人はあまりいないでしょう。じっと景色を見つめながら、黄色や茶色や、いろいろと混ぜるはずです。地面の色もそうだし、人の肌もそう。白と黒の間にも様々な領域があるはずで、それが僕たちの世界です。だから豊かなんです。でもいまのメディアは、それらをあっさり単純化して、原色にしてしまっている。そのほうが分かり易いし、視聴率や部数もあがるから。

 メディアから受け取る情報で、僕たちは身の回り以外の世界観をつくっています。ところがメディアのこの作業によって、世界はとても単純で扁平でつまらないものに加工されてしまう。本当はもっと様々な要素があるのに、吐息や呻きやつぶやきが消えてしまい、残るのは大きな声と対極の沈黙だけ。それはあまりにもったいない。そんな平面的な世界観のまま、僕は人生を終えたくない。


──たしかに「全聾の天才作曲家」も「ペテン師」も両方ともメディアがつくり出した“佐村河内像”ですね。今回、森監督が佐村河内氏にカメラを向けたのも、この閉塞した社会とメディア状況のなかで一方的にバッシングされた人として、なにか琴線に触れるものがあったではと思ったのですが。

 まあ、後付けでそういうことを言ってはいますが(笑)。もともと日本は「世界一ベストセラーが生まれやすい国」なんです。みんなが買うから自分も同じものを買うという一極集中、付和雷同が極めて強い国。つまり集団として動くことが得意なんです。その傾向が急激に加速している。集団とは群れでもある。イワシでもカモでも、群れはひとつの生きもののように動きます。要するに同調圧力が強くなる。でも人の場合は、イワシやカモのように感覚は鋭くないから、言葉による短い指示を求めます。こうして二元化を進行させながら、集団は共通の敵を探し、その敵を撃退する強いリーダーを求め始める敵がいなければ強引に作り出して、これを攻撃する。歴史にはそんな過ちがいくらでもある。911後のアメリカはその典型です。

 こうした状況に対しての苛立ちは、確かにあります。その意思表明のメタファーとなる回路を見つけたいと思っているとき、たまたま佐村河内さんに出会った。要はそういうことですね。だからといって、その苛立ちや意思表明が作品と関係があるとは思いません。それはあくまでも、撮影を始めたころの僕の心象風景です。


──二元化と集団化というキーワードが出ましたが、日本社会のどのあたりから、あるいは何が原因で、これが深まっていったのでしょう。

 日本人はそもそも集団と相性が良い。でも1995年、オウム真理教による地下鉄サリン事件は不安と恐怖を強く刺激して、人々の集団化をさらにエスカレートさせる大きなトリガーになったと思います。しかもその動きが加速し続けた。『A2』を撮影していた2000年前後は、オウムに対する社会の憎悪が、『A』のときよりもさらに強く大きくなっていることを実感しました。例えば、行政が信者の住民票を不受理にするなど、明確な憲法違反なのに、誰も異議を唱えない悪に対しての徹底した制裁異物の排除高揚するセキュリティ意識。そして足並みそろえる同調圧力。こうしたことが一気に進みます。


──アレフ信者の子どもの就学を拒否するような住民運動も起こりました。

 地下鉄サリン事件は無差別テロと呼ばれている。ならば標的は、自分自身や自分の愛する者だったかもしれない。だからこそ被害者意識が一気に共有されました。日本社会に初めて誕生したパブリック・エネミーによって善悪二元化が激しく促進され、不安と恐怖はさらに連鎖して、集団化のギアがトップに入り続けた。


──集団化によって異論を唱える人たちを排除するような同調圧力が働き、同時に強く分かり易いリーダーを求めるようになった。では、その流れを食い止めるようなものはなかったのでしょうか。

 2011年の東日本大震災のとき、もしかしたらこの集団化の流れにブレーキがかかるのではないかと、少しだけ期待しました。震災、特に原発事故は、多くの日本人の「後ろめたさ」を覚醒したからです。正確に言えばサバイバーズ・ギルト。この後ろめたさは個の感情です。ならば集団の動きや同調圧力に水を差すかもしれない。しかし結果はそうはならなかった。という言葉がシンボリックに示すように、集団化はむしろ反動で加速し、被災地や原発の問題に関する報道も急激に減少した。たしかに後ろめたさを持続し続けることはつらい。みんなでまとまってひとつの方向に動いたほうが心強いし、ラクだということなんでしょうね。


──その「絆」あるいは「善意」のような言葉は、メディアが扇動した部分があると思います。メディアも震災当初は「原発だ!放射能だ!」と声を大にしていたのが、現在はそれがなかなか言えない状況がつくられている。これについてはどう考えていますか。

 最終的にメディアを動かすのは市場原理です。メディアも営利企業ですから視聴率や売り上げは重要だし、だからこそ数字に結びつく素材を求めていく。朝日新聞も産経新聞も、日本テレビもTBSも、リテラもそうじゃないですか。これを批判するつもりはありません。組織を存続させるために営利追及は当たり前のことです。

 部数や視聴率が取れないから原発問題を取り上げない。それだけです。それをよく「政権のバイアスがかかっているから」と見なす傾向があるけれど、僕はそうではないと思う。メディアは、そこまで考えていない。ならばなぜ、産経と朝日はこれほどに論調が違うのか。マーケットが違うからです。しかも日本の新聞は世界でも珍しい宅配制度でマーケットが固定されているから、市場原理がより剥きだしになります。

 ただし普通の企業なら、営利追及だけでいいかもしれない。でもメディア企業の場合は、ジャーナリズムというもうひとつの柱がある。これは市場原理と馴染まない。社会や大衆が望まなくとも、ときには火中の栗を拾って報じなければならないときがある。けれども日本のメディアは、特にオウム以降、組織のなかのコンプライアンスやリスクヘッジなどが前面に出て、現場の感覚が消えかけている。個が弱いからです。企業としては進化したとの見方もできるけれど、ジャーナリズムとしては衰退です。欧米メディアの場合は、組織は組織として、個は個として、いい意味での摩擦が存在します。『FAKE』では、日本とアメリカのメディアが、それぞれ佐村河内さんに取材するシーンがありますが、その報道に対する姿勢の違いを観て、いろいろ感じてもらえればいいなと思いますね。


──テレビや新聞だけでなく、雑誌メディアはどうでしょうか。

 うーん、雑誌ジャーナリズムって「あえて逆をいく」ところがありますよね。2004年のイラクで、武装勢力に高遠菜穂子さんら3人が人質として拘束されたとき、世に「自己責任」という言葉が溢れました。あれを最初に書いたのは「週刊新潮」だった。その後「新潮」の記者に会う機会があって、「あれはひどいよ」と言ったら、「自分たちは『世間と逆をいけ』と教えられてきた。あのときも、世間は拘束された人たち救え!と人道的なことを言うと予想して、逆張りの主張をした。ところが社会が追随してきたので面食らった。そしたら、みんなが『自己責任だ』となっちゃった」と説明してくれました。


──「新潮」が読み間違えたのか(笑)。

 座標の軸が明らかに動いています。それも一極集中、付和雷同がどんどん進行する形で。だからジャーナリズムも本当に立ちづらい状況になっている。さらにインターネットの出現もあった。エポックとなった1995年は、一連のオウム事件や阪神淡路大震災という日本を揺るがす大事件が続発しましたが、同時にWindows 95が発売された“ネット元年”でもあるんです。ネット社会がスタートし、一般の人々が簡単に情報を発信できるような社会となっていく。こうしたネット社会に対し、既成メディアは当然危機感を持っています。競争原理もより煽られて、さらに刺激的・扇情的になっていった。

──ただ、ここ数年は、逆にスキャンダラスな傾向を強めているのは「週刊文春」ぐらいで、他誌はスキャンダルもスクープも減っていると思います。

 そういえばそうですね。「週刊文春」の一人勝ち。「週刊朝日」や「サンデー毎日」はともかくとして、「週刊新潮」の元気がない。まあでも、ある意味で「文春あっぱれ」とは思います。ベッキーやショーンKもやるけれど、政権スキャンダルもやってしまうという見境のなさ。右も左も関係ない。雑誌ジャーナリズムの王道です。映画『エイリアン』(第1作)で、怯える乗組員が「あいつは強い。なぜならば善悪を超越して、見境やためらいがないからだ」というようなセリフを言っていたけれど、まさしくエイリアン的になっている(笑)。それはそれでいいんです。でもそれが世間の中道になるならば、やはり社会の傾斜がおかしいと言いたくなる。


──安倍政権はいまマスメディアに対して、「公平中立」にやれ!とプレッシャーをかけてきていますよね。

 もしも「公平中立」を本気で具現化するのであれば、絶対的な座標軸が必要になります。でもそんなものは存在しない。座標軸は時代や国によって変わります。情報は“解釈”です。つまり記者やディレクターやカメラの視点。絶対的な真実など存在しない。どこから見るかで情報は変わります。多様な視点や様々な主張が集積された公共的な言論空間を届けることが、本来のメディアの機能です。公正中立や客観などは幻想です。高市早苗総務相のいわゆる「電波停止」発言は、政治家が政治的公平性を判断するとのレトリックの段階ですでにアウトだけど、そもそも放送法の解釈を間違っているのに、メディアは反論できなくなっている。「公平中立」を自分たちのエクスキューズとしてきたからです。「両論併記」も同じです。両端の位置を誰かが決めなくてはならない。つまり主観です絶対的な中立などわからない。それは神の視点です。


──「公平中立」や「両論併記」などと言っているのは日本だけでは。

 アメリカだったら、例えば大統領選が近づくと、FOXは共和党を応援するし、ニューヨーク・タイムズは民主党支持とはっきり主張するでしょうね。読者もそれを認識した上でメディアを選びます。だからリテラシーも身につく。


──この傾向は、安倍政権になってから決定的になったと感じるのですが。

 加速している面はあるとは思います。社会とメディアと政治は、三位一体ですから。政治が一流だけど、メディアは三流なんて国はありませんメディアは二流ならば社会も二流なんです。相互作用ですから。「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」でも、上位に位置するノルウェーデンマークスウェーデンは、僕から見れば確かに政治も一流だし、社会も成熟していると感じます。

 2010年に自由度11だった日本のメディアが、2016年には72にまで下落しました。ならばメディアだけではなくて政治も国民も、同じように下落したということです。今のこの国のレベルは途上国以下。そう考えたほうがいいと思います。

……………………………………

 15年ぶりの森達也単独監督作品である『FAKE』は、大きな話題をさらうだろう。それは、これまでメディアが撮ることができなかった佐村河内守氏の「素顔」がスクリーンに映し出されるから、だけではない。この作品には、『A』から森監督が紡いできた「世界」の生々しい“歪さ”が潜んでいる。

『FAKE』に合わせて、代表作『A2』が、2002年の公開時にカットされたシーンを含む「完全版」として公開される。この15年で加速した日本社会の亀裂を、ぜひ劇場で確認してもらいたい。
(編集部)

■『FAKE』 監督・森達也
6月4日(土)より、渋谷・ユーロスペース、横浜シネマジャック&ベティにてロードショー、ほか全国順次公開。詳しくは公式ホームページ(http://www.fakemovie.jp/)にて。

■『A2 完全版』 監督・森達也
6月18日(土)〜24日(金)連日21:00、7月9日(土)〜15日(金)連日21:00より渋谷ユーロスペースにてレイトショー
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●森達也さん『「テロに屈するな!」に屈するな』: アベ様らによる、そんな未来を子や孫に?

2016年06月10日 00時00分34秒 | Weblog


岩波書店のWeb頁に出ている書籍紹介【森達也/『「テロに屈するな!」に屈するな』】(https://www.iwanami.co.jp/moreinfo/2709330/top.html)。

   『●「不安と闘いながら世界に理念を示し続けた
      この国に生まれたことを僕は何よりも誇りに思う」

 《そして読者一人一人に語りかけます.「対テロ」などを名目に,この国独自の大切なものを失いつつあるのではないか,と》。

   『●アベ様がコピー(?)した「積極的平和主義」は、
            ある平和学者の原義を跡形も無く破壊
    「真の平和主義学者とアベ様という積極的戦争主義者
     アベ様がコピー(?)した「積極的平和主義」は、
     「ノルウェーの平和学者、ヨハン・ガルトゥング博士」の原義を
     跡形も無く破壊している。博士が夢見てやまないこと、それらを
     叶えることなく壊憲していいのか? 原義を知ったうえで、
     アベ様がコピー(?)したとするならば、相当に悪質な改悪

 アベ様ら自公による「積極的平和主義」の未来。「対テロ」「テロ対策」の名の下に、市民を監視し、お互いに疑心暗鬼にさせ、対立させ…。戦争法で、戦争の泥沼に「人殺し」「殺人」に向かわせる狂気。2016年7月参院選、人の親として、子や孫にそんな未来を渡していいのか? 

   『●「水俣を歩いた原田正純さんの世界」/
       『週刊金曜日』(2013年2月8日、930号)について
     「田中優子さん「風速計 新しい芽を育てる役割」、
      「グローバル化が何をもたらしたか・・。新しい社会の芽を支え、
      助けるのはメディアの重要な役割・・」。「大藤理子の政治時評
      「対テロ」を自衛隊法の改正に使う意図が見える安倍ちゃん「美談」に
      騙されちゃダメです・・」」

   『●「僕らは「戦争」を知らない?」
     『週刊金曜日』(2014年4月25日・5月2日合併号、989号)
     「【戦争をしている国の若者から→戦争をしようとする国の若者へ 
      米国「対テロ戦争」帰還兵は今】、
      「兵器は市民にも無差別に使われる」
      「消し去ることができない戦場の記憶」
      「軍事は平和を生み出さない」「戦争に栄光など存在しなかった」。
      「歌ってみろ。それでも、歌えるものなら」
      (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/65d9f2fed4e589e98deef3f0cb66e941)」

   『●「若者に広がる〝新しい宿命観〟」
      『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号)について
     「森達也さん【憎悪が連鎖しないことを祈る】、「表現の自由とは
      そもそもが、これを規制したり弾圧したりする国家(や政治システム
      に対して行使されるべき概念だ。その表現に傷つく人がいるのなら、
      決して無制限に許される概念ではない。…」」
     「森達也さん【憎悪が連鎖しないことを祈る】、「…僕たち日本人は
      今、その悪しき実例を、自国内で体験しているはずだ。…ただし
      表現の自由が絶対の正義になるのなら、やはりそれは少し違う。
      もっとデリケートな概念であるはずだ。…」。
      (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/55a79986ce2ffe9d1ece5a7158626260)」
     「森達也さん【憎悪が連鎖しないことを祈る】、「…9・11後の
      アメリカと同様に、「対テロ」を大義にしてフランス国内の集団化は、
      今後されに加速するだろう。ならば仮想敵を見つけたくなる
      憎悪が連鎖しないことを祈るばかりだ」」

   『●亡国の大政翼賛報道・・・いつか来た道: 
      アベ様は「現地を取材されて困ることでもあるのか」?
    《■ミス挽回のパフォーマンス …金子勝氏(憲法)が言う。》
     「安倍首相は、解釈改憲で集団的自衛権を認め、自衛隊を
      海外に派遣しようと、今後の憲法改正に意欲を燃やしています。
      イスラム国による殺害事件は、その地ならしにうってつけです。
      だから、2人の拘束を事前に把握していたことを隠し、中東を歴訪。
      イスラム国対策に2億ドルの支援を打ち出し、米国を
      中心とする対テロの有志連合に加わりました。ところが、
      2人の殺害でシナリオが狂い、政権への風当たりが強まった。
      そこで、ミスを挽回するためのパフォーマンスが、旅券返納です。
      イスラム国の残虐性が再認識された今なら、渡航制限は
      国民に受けます。憲法22条を無視しても、失地回復を優先したのです」

   『●自己責任であり、「公共の迷惑」なのか?:
      青木理さん「「知る権利」を保障し、「公共の利益」である」
   『●歓喜する人々の神経、敬意を表する政府の神経
     《ひとを殺して歓喜する国民にはなりたくない 
      …今朝の新聞をみた。朝日新聞に最上敏樹が「拘束・裁判が
      世界の潮流」と主張し、今回の国家の明確な意志による「暗殺」を
      容認しない意見も紹介している程度で、他紙にはほとんどそのような
      主張はみられなかった。わずかに毎日新聞が「人々が一人の死を
      喜ぶ姿に少しうろたえている」というコネティカット州の9・11遺族の
      談話を載せていたくらい。日本政府は「テロ対策の顕著な前進を歓迎し、
      関係者の努力に敬意を表する」との談話を発表した。
       世界はもっともっと危険な方向に漂流しだしている

   『●石原慎太郎〝ト〟知事のお金は石原氏のモノ、そして都民の血税も氏のモノ
     《石原都知事 スカイツリー開業前に超ド派手テロ訓練の悪ノリ 
      …スペクタクル映画さながらの血税デモンストレーション
       尖閣買収で息巻く石原慎太郎都知事(79)が、今度は東京の新名所を
      政治利用だ。来月22日に開業が迫る東京スカイツリーを舞台に、
      都主催のド派手なテロ対策訓練を行うのである》

   『●憎悪の連鎖を怖れる: イラク侵略と人質事件と自己責任バッシングと
   『●「積極的平和主義」の未来:
      「後藤さん・・・が伝えようとした多くの民衆の死を想像してほしい」
   『●外(害)「遊」でカネをばらまく「死の商人」外交や
       自衛隊の「派兵」では絶対に平和にはならない
   『●防犯カメラと云う監視カメラ: 「監視カメラを覗くのは誰か」?
     「テロが減る? ホント? なんか怖い「世界」なんですが??
      「防犯カメラと云う監視カメラ」」

   『●保坂展人さん、あの小泉純一郎氏でさえが
      「『平成の治安維持法』をつくった総理」と呼ばれることを嫌った
     《「共謀罪」再び浮上 テロ対策で谷垣氏言及 過去3度廃案
      …自民党の谷垣禎一幹事長は十七日の記者会見で、来年五月に
      三重県で開催される主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に向けた
      国内テロ対策強化の一環で、犯罪を実行しなくても計画を話し合う
      だけで処罰対象にする「共謀罪」の新設を含む組織犯罪処罰法の
      改正の必要性に言及した。
       谷垣氏は、パリ同時多発テロ事件を受け「来年、日本はサミットがある。
      テロ対策には相当、意を用いなければならない状況になった。
      いろいろ考えていかなければいけないことが出てくる」と指摘》

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https://www.iwanami.co.jp/moreinfo/2709330/top.html

「テロに屈するな!」に屈するな

編集者からのメッセージ

 オウム真理教をテーマとしたドキュメンタリー映画『A』 『A2』などで,日本社会の深層に鋭く切り込んできた森達也さんによる岩波ブックレットです.

 1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件,あるいは2011年のアメリカ同時テロなどを契機に,「テロ」対策が日本社会に広まりました.町中のいたるところに「テロ警戒中」の看板,電車内では「不審物はないか」とのアナウンス,そして監視カメラの増大…….はたして,こうした事態は,本当に対テロとして有効なのでしょうか.「対テロ」という「正義」を無自覚に受け入れることで,むしろ社会は何か大切なものを失っていないでしょうか

 今年(2015年)1月,IS(「イスラム国」)により日本人二人の人質が殺害される痛ましい事件が起きました.人質として拘束されていることが明らかになって以降の政府の対応は,はたして適切なものだったのか.人命を救うことはできなかったのか.そんな疑問の声や政府の対応への批判は,「テロリストに協力するのか」という声で封じられました.「テロに屈するな!」というかけ声のもと,マスメディアも政治も思考停止する状況が続きました.

 そしていま,「テロ」の脅威の増大や,日本をめぐる安全保障環境の変容などを名目に,日本の安保政策が大きく変えられようとしています.「テロに屈するな!」という「正義」のかけ声のもとに安易に思考停止するのではなく,「テロ」とは何か,「テロに屈しない」とは何かということに,いま私たちは冷静に向き合うべきではないでしょうか.安保法制の本質とは何か.何のためのものなのか――.

 森さんは呼びかけます.「テロに屈するな!」のかけ声に屈してはいけない,と.そして読者一人一人に語りかけます.「対テロ」などを名目に,この国独自の大切なものを失いつつあるのではないか,と.この国の政治,社会,メディアはどこへ向かうのか.森さんならではの鋭い視点で,迫ります.

(田中宏幸)



     (オバマ米大統領の来日の際,封鎖された駅構内の
      ゴミ箱(東京・新宿区,2014年4月))

     (駅の掲示板に貼られた「この街をテロから守れ」の
      ポスター(東京・千代田区,2015年7月))



著者プロフィール

森 達也(もり・たつや)
映画監督,作家.1956年,広島県呉市生まれ.テレビ番組製作会社を経て独立.98年,オウム真理教を描いたドキュメンタリー映画『A』を公開.2001年,続編『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞.
著書に『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫),『「A」マスコミが報道しなかったオウムの素顔』『職業欄はエスパー』(以上,角川文庫),『A2』(現代書館),『A3』(上・下,集英社文庫,講談社ノンフィクション賞),『死刑』(朝日出版,JCJ賞),『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい』『すべての戦争は自衛意識から始まる』(以上,ダイヤモンド社),『悪役レスラーは笑う』(岩波新書),『311を撮る』(共著,岩波書店)など多数.



目次

はじめに――不条理な「安保法制」国会審議

第1章 「テロに屈するな!」の声が奪うもの

第2章 イギリスでテロについて考える

第3章 「報復の連鎖」を断ち切れるか
      ――ノルウェー元法相に聞く

第4章 想像し,葛藤し続ける意味
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●青木理さん「冤罪」「マイナンバー」「監視・管理されたがり社会」、金子勝さん「もんじゅ「廃炉」?」

2015年11月09日 00時00分28秒 | Weblog


大竹まこと ゴールデンラジオ 金曜日 ゲスト:青木理 【2015.11.06】】(https://www.youtube.com/watch?v=fvWDTqsPkNU)。

 久しぶりの青木理さんの登場。室井佑月さんとの爆笑ものの会話からスタート。室井さん「ケチケチすんなよっ」……。関連した”つぶやき”は以下の通り。冤罪事件の繰り返し、マイナンバー制度の本質について。ついでに、後半の金子勝さんの「もんじゅ「廃炉」ニュース」関連も。

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■青木理さんに向かって、子種って……爆笑しました 『大竹まこと ゴールデンラジオ 金曜日 ゲスト:青木理 【2015.11.06】』(https://www.youtube.com/watch?v=fvWDTqsPkNU)/「金曜パートナー:室井佑月」

■青木理さんの冤罪への怒りの発言…以前も「前川さんの身になってほしい!」、「福井事件」という明々白な冤罪(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/ca83f2704bc78a7bb761bce9ac5e4877) 『大竹まこと ゴールデンラジオ 金曜日 ゲスト:青木理 【2015.11.06】』(https://www.youtube.com/watch?v=fvWDTqsPkNU)/「金曜パートナー:室井佑月」
   …『●「前川さんの身になってほしい!」:
            「福井事件」という明々白な冤罪
       《被告は一貫して無罪の主張を貫くという、
        自白の無い非常にまれな冤罪ケース


■青木理さん、「冤罪被害者が声をそろえて「全面可視化を」と訴える」、その実態…3%(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/099de6cd07cab11e25a573a9911d6a1d) 『大竹まこと ゴールデンラジオ 金曜日 ゲスト:青木理 【2015.11.06】』(https://www.youtube.com/watch?v=fvWDTqsPkNU)/「金曜パートナー:室井佑月」
   …『●「戦後70年 統一地方選/その無関心が戦争を招く」 
              『週刊金曜日』(2015年4月3日、1034号)
       「山口正紀さん【「可視化」口実の盗聴法大改悪 
        「刑事司法改革」法案】、「志布志事件の川畑幸夫さん
        ・・・足利事件菅家利和さん・・・布川事件桜井昌司さん
        ・・・冤罪被害者が声をそろえて「全面可視化を」と訴えた。
        ・・・日弁連執行部の賛成で批判記事を書きにくいのかも
        しれないが、メディアは「冤罪をなくし、人権を守る」視点から、
        法案の危険性を是非伝えてほしい」。青木理さん「刑事司法改革
        ・・・端緒は郵便不正事件・・・法務省に都合よく集約・・・
        日本の司法は中世なみ
        (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/b10639d941800e71bd52f8fb2bf4ce9a)」

■青木理さん、マイナンバーの実態は国民総背番号。市民の側には何のメリットも無し(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a538a4aa7808472b5c0d53b0c0fec356) 『大竹まこと ゴールデンラジオ 金曜日 ゲスト:青木理 【2015.11.06】』(https://www.youtube.com/watch?v=fvWDTqsPkNU)/「金曜パートナー:室井佑月」
   …『●所詮、国民総背番号制の焼き直し:
        腐臭を放つ「バラ」には強烈な猛毒付きの「刺」がある
       「所詮、国民総背番号制の焼き直しである点に気付くべき。
        芳醇な香りどころか、腐臭を放つ「バラ」には強烈な「刺」が
        あり、しかも、猛毒付き」

Nシステム顔認証監視カメラと紐付、嫌な社会だ…(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/c362ff6427514a2dc228312e0d5b8809) 『大竹まこと ゴールデンラジオ 金曜日 ゲスト:青木理 【2015.11.06】』(https://www.youtube.com/watch?v=fvWDTqsPkNU)/「金曜パートナー:室井佑月」
   …『●「超・監視管理社会」: 自公支持者の皆さんの大好きな、
                  アベ様の思うがままに恣意的に操れる社会
       《管理する側が国民のあらゆる情報を握れば、
        罰すべき対象さえ恣意的に選べるから恐ろしい
        常に99%が1%の機嫌をうかがい、お目こぼしを請う。
        必然的に権力に都合の良い社会となるのです
        ……斎藤貴男氏》

体感治安…治安をよくするためには家庭内に監視カメラ…不気味さに気付くはず(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/5e6abd0d5b21ef7d6d1f894069c32f8b)  『大竹まこと ゴールデンラジオ 金曜日 ゲスト:青木理 【2015.11.06】』(https://www.youtube.com/watch?v=fvWDTqsPkNU)/「金曜パートナー:室井佑月」
   …『●防犯カメラと云う監視カメラ: 「監視カメラを覗くのは誰か」?
       《テロが減る? ホント? なんか怖い「世界」なんですが??
        「防犯カメラと云う監視カメラ」》


管理されたがるニッポン人…『プライベートクライシス』(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/c362ff6427514a2dc228312e0d5b8809) 『大竹まこと ゴールデンラジオ 金曜日 ゲスト:青木理 【2015.11.06】』(https://www.youtube.com/watch?v=fvWDTqsPkNU)/「金曜パートナー:室井佑月」
   …『●「超・監視管理社会」: 自公支持者の皆さんの大好きな、
                  アベ様の思うがままに恣意的に操れる社会
       「『プライベートクライシス』。待っているのは
        「超・監視管理社会」……自公支持者の皆さんの大好きな、
        王様・神様=アベ様の思うがままに恣意的に操れる社会。
        自公支持者の皆さんは、本当にそれでいいの? 
        ブログ主は、そんな社会は真っ平御免だ」

森達也さん「放送禁止歌」…ヨイトマケの歌…放送局の自主規制http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/37eaebb60c63ed7fd1e175004de9b514) 『大竹まこと ゴールデンラジオ 金曜日 ゲスト:青木理 【2015.11.06】』(https://www.youtube.com/watch?v=fvWDTqsPkNU)/「金曜パートナー:室井佑月」
   …『●「政権批判」だったら歌うなとでも? 
        「アベ様のNHK」は「放送禁止歌」にでもしますか?
       「そして、「アベ様のNHK」は「放送禁止歌」にでもする心算かな?」

■「忖度」する社会が民主主義を破壊する…《メディアに蔓延する「忖度」の積み重ね》(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/9bfde1fb302ddc024f10ffc756ebf7f5) 『大竹まこと ゴールデンラジオ 金曜日 ゲスト:青木理 【2015.11.06】』(https://www.youtube.com/watch?v=fvWDTqsPkNU)/「金曜パートナー:室井佑月」
   …『●「特集「3・20」 地下鉄サリン事件から20年」
         『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号)
       「中村文則氏×森達也さん【対談 世界の反面教師に
        なれる日本】、「日本には「絶望」が決定的に足りない・・・
        「絆」という言葉に潜む同調圧力と排除の意識・・・
        メディアに蔓延する「忖度」の積み重ね」。
        「もっと絶望した方がいい
        (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8577741e2a47d510acf5109607e69e21)」

■金子勝さん、もんじゅ廃炉のニュース?、冗談じゃない!!…運営主体の切り替え。即時廃炉と言えばニュース。寄生委インチキブリhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/874c96b53f94226695837f0279a37f8f) 『大竹まこと ゴールデンラジオ 金曜日 ゲスト:青木理 【2015.11.06】』(https://www.youtube.com/watch?v=fvWDTqsPkNU)/「金曜パートナー:室井佑月」
   …『●「もんじゅ」の知恵ではなく、
        「絵に描いた餅」に「一日当たり五千五百万円」!
       「「絵に描いた餅」に「一日当たり五千五百万円」!、
        果たしてこれは「「もんじゅの知恵」といえるのか? 
        こういうのは「ドブガネ」というのではないだろうか!」

■金子勝さん、六ヶ所村を含めて巨大なブラックホール(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/4c74ca3c48abb13b5d741801771f82af) 『大竹まこと ゴールデンラジオ 金曜日 ゲスト:青木理 【2015.11.06】』(https://www.youtube.com/watch?v=fvWDTqsPkNU)/「金曜パートナー:室井佑月」
   …『●原発再稼働と「軍産複合体国家・米国の商売」と
        「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」
       《金子勝さんから、「最低でも4年間停止した原発の
        運転が再開されたのは、世界で14基。
        そのすべてが運転再開後にトラブルに遭っている
」》
       「この数字に慄いた!! 大竹まこと ゴールデンラジオ
        大竹さんと室井佑月さんと金子勝さんとの会話で、この話を
        聞いていた」

■金子勝さん、もんじゅ担当課長が二度も自殺なんて目も当てられない…東電原発人災でも止められない。群がる原子力ムラ住人(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/874c96b53f94226695837f0279a37f8f) 『大竹まこと ゴールデンラジオ 金曜日 ゲスト:青木理 【2015.11.06】』(https://www.youtube.com/watch?v=fvWDTqsPkNU)/「金曜パートナー:室井佑月」
   …『●「もんじゅ」の知恵ではなく、
        「絵に描いた餅」に「一日当たり五千五百万円」!

■金子勝さん、30年後に廃炉なんて責任の放棄…一方で、補償は3年後に打ち切り…フザケ過ぎている(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/c463c1ddabdbadd6c0ec9343afdd5158) 『大竹まこと ゴールデンラジオ 金曜日 ゲスト:青木理 【2015.11.06】』(https://www.youtube.com/watch?v=fvWDTqsPkNU)/「金曜パートナー:室井佑月」
   …『●「怒」、九州電力川内原発再稼働というパンドラの箱:  
        国破れて、山河も無し・・・となってもいいのか?
       《九州電力の川内原発1号機がきょう午前、再稼働する。
        日本は再び、危険な原発稼働という「鉄火場」に足を
        踏み入れ、天に運を任せる▼政府の口を借りれば、
        電力の安定確保であり、経済成長に資する再稼働である。
        だが、あくまでも安全が守られた場合であり、
        この博打は事故が一度起これば、取り返しのつか負け
        となる》
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●「殺すなかれ・・・」・・・「彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか」?

2015年08月15日 00時00分17秒 | Weblog


レイバーネット日本http://www.labornetjp.org/)の記事【オウムと死刑を考える~因果と応報?(東京・水道橋)】(http://www.labornetjp.org/EventItem/1438323457598staff01)。

 安田好弘さんや河野義行さんらが出演。

 「彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか」? 「殺すなかれ・・・・」。 日本人の8割の死刑存置派が信ずる「社会正義」を達成して、何か問題が解決するのだろうか?

   『●『死刑』読了
   『●死刑廃止集会
   『●「死刑制度 国民的な議論を活発に」・・・
      「死刑制度存置派驚異の8割の我国」では全くそんな気配なし

   『●「彼を赦したわけではない。
      しかし死刑にして問題が解決するわけではない」


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http://www.labornetjp.org/EventItem/1438323457598staff01

2015/08/22 オウムと死刑を考える~因果と応報?(東京・水道橋)

日時:2015年8月22日(土)14:00~(開場13:30) 
会場:貸会議室 内海(うつみ)本館3F教室(水道橋駅西口下車1分)
参加費:1000円
出演: 松本麗華(麻原彰晃三女)
     河野義行松本サリン事件被害者)
     有田芳生(参議院議員・ジャーナリスト)
     安田好弘(弁護士・フォーラム90)

殺すなかれ・・・・
宗教の教えというのは、そんなものだと思っていた
殺すことが救いになる・・・・
そんな教えがなぜ多くの若者に信じられたのか

地下鉄サリン事件から20年
オウム真理教が関係した事件では
「教祖」を始め13人に死刑宣告がなされた
彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか
彼らは「彼らの正義」の殉教者になるのだろうか

地下鉄サリン事件から20年
時間や空間を隔てるほど、見えてくることもある
その距離でこそ伝えあえることもある
法廷では語られることのなかった言葉に耳を傾け
今だから考えられることを、共に考えたい

主催: 死刑廃止国際条約の批准を求める FORUM90
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●「特集「3・20」 地下鉄サリン事件から20年」 『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号)

2015年03月23日 00時00分02秒 | Weblog


週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、青木理さん【司法を正す 第12回/高知白バイ事件再審請求中の元スクールバス運転手、片岡晴彦さん 警察権力による極悪な組織犯罪が疑われる】と山口正紀さん【警察の違法性は認められたが 氷見事件国賠訴訟】

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■①『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号) / 「特集「3・20」 地下鉄サリン事件から20年」。表紙は森達也さん。西江昭吾氏+篠原知恵氏・「沖縄タイムス」記者【沖縄防衛局、「辺野古新基地」資料を改ざんして公表 埋め立て「承認」正当性揺らぐ】。バチアタリな人たちhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/7b9d3cfcd73bbbeb41cee2815f434d0d

■②『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号) / 板倉由美氏【米国、国連本部で女性の地位委員会が開催 NGOは「慰安婦」企画展も】。小山エミさん【日本の〝右派〟団体にニューヨークで抗議デモ 『産経もデマを垂れ流しか】。薄っぺらで反知性的なタカ派(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e9afcbe0d6285ceb353040f880c9a5da

■③『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号) / 伊田浩之氏【3・11から4年経って悪化する東電の傲慢体質 廣瀬社長アンダーコントロールと強弁】、「アンダーコントロールだという意味です。安倍総理のおっしゃった外洋への影響はコントロールされているという理解です・・・」。屁理屈にもなっていない(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8288fd9e3a47f99b046301fb307004cf

■④『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号) / 中村文則氏×森達也さん【対談 世界の反面教師になれる日本】、「日本には「絶望」が決定的に足りない・・・「絆」という言葉に潜む同調圧力と排除の意識・・・メディアに蔓延する「忖度」の積み重ね」。「もっと絶望した方がいい」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8577741e2a47d510acf5109607e69e21

■⑤『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号) / 梶山天氏【警察の「DNA型検査」独占の危険 冤罪発見が妨害され、権力犯罪が野放しに】、「足利事件袴田事件などで、冤罪実証の決め手となったのが、大学の法医学教室などが実施したDNA型検査だった。ところが警察は、自分の付属機関のみにこの検査を独占させようと計画している」

■⑥『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号) / 青木理さん【司法を正す 第12回/高知白バイ事件再審請求中の元スクールバス運転手、片岡晴彦さん 警察権力による極悪な組織犯罪が疑われる】、「ブレーキ痕は捏造か・・・高速訓練の疑いも・・・子どもたちへの影響」。これまた冤罪(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/386f0f082eea55bebe40ea8e94187a55

■⑦『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号) / 山口正紀さん【警察の違法性は認められたが 氷見事件国賠訴訟】、「・・・逮捕され、約2年間服役させられた後で真犯人が出現再審無罪に・・・。警察の捜査の違法性を認め、県に・・・支払を命じたが、国と個人被告2人(長能善揚・元富山県警警部補、松井英嗣・元富山地検副検事)に対する請求は棄却した・・・原告の訴えは届いたのか。・・・判決が検察の冤罪責任を不問にした報道は、・・・見当たらなかった」。「人生の歯車は狂ったまま」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a1e91fff854b1ea814fb65ad43715a89

■⑧『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号) / 平田剛士さん【環境を破壊する原発震災復興工事(下) 仙台湾「海岸エコトーン」を防潮堤・防災林が脅かす】、「多様な生態系が回復中・・・海岸エコトーンが分断・・・「国土強靭化」の欺瞞性」。(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/ba81cad971a91108269e4a1ba8870cf7

■⑨『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号) / 【井上久男の経済私考/F1復帰するも経営は落ち込むホンダ 失われた独自性と「ワイガヤ」の社風は戻るか】、「・・・ワイワイガヤガヤと議論しながらもの造りに励む明るい風通しの良い会社という意味だが、現状はその真逆状態にある。・・・斬新な商品を出せなくなった。・・・「トヨタがやっているTQM活動をホンダは真似しすぎたから」・・・トータル・クオリティ・マネジメント・・・社員自らが独自の斬新なアイデアを出せなくなった・・・ソニーと同様にホンダもらしさを失ってしまった」。復活してほしい(『本田宗一郎との100時間 燃えるだけ燃えよ』http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/16c8392d6e9d82bdaaac3eadf745f2f0

■⑩『週刊金曜日』(2015年3月20日、1032号) / 粟野仁雄さんの書評【安倍首相の「愛国」の化けの皮を剥ぐ快著/『安倍首相から「日本」を取り戻せ!!』 泥憲和=著、かもがわ出版】、「イスラエル国旗を背に首相が無防備にぶった演説が二人の日本人の命を奪ったことは記憶に新しい。・・著者は15才で陸上自衛隊に入隊。・・・真の愛国者かどうか、この本を読んで安倍首相を観察しよう」。「積極的平和主義」の未来、「後藤さん・・・が伝えようとした多くの民衆の死を想像してほしい」http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a9848ad871bd41a2f5bf738868ab877d
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●秘密隠蔽法: 「もっと絶望した方がいい」・・・「絶望」させられたのは自公・翼賛野党非支持者ばかり

2013年12月11日 00時00分10秒 | Weblog


NPJで知りました『知る×つながる=動き出す カナロコ 神奈川発コミュニティーサイト』に出ていた記事【特定秘密保護法案を問う(13):映画監督・作家の森達也さん、集団化加速する日本、もっと絶望した方がいい】(http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1312060007/)。

 森達也さんは特定秘密保護法案が可決されなくても、既に「国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要」とのご意見だ。もう十分に騙され、(非)特定秘密隠蔽法案が成立するかどうかに関係なく、市民やマスコミ、ジャーナリズムが十分に飼いならされてしまっているといったところか?

   『●森達也さん『国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要』
   
     「でもアメリカは復元する。ジャーナリズムと国民の知る権利への意識
      あるからだ。日本は復元しない。行ったら行きっぱなしなのだ。
       そんな国で秘密保護法がもうすぐ成立する。どんな状態になるのだろう。
      機密を理由にやりたい放題とてもとても楽しみだ

 このインタビュー記事も同様な趣旨だと思う。「もっと絶望した方がいい」、と。
 でも、先週末の衆院通過を受けて、(読売系や産経系を除く)マスコミやブロック紙・地方紙が大騒ぎするほど、「自公の政治家や翼賛野党の議員」に投票した人達は「騙され(つづけ)ることの責任」については反省するどころか、その自覚すら無いようである。昨日、以下をつぶやいた: 

   「■サンデーモーニング『風を読む』で、「秘密保護法が必要」
    「参院を通過して良かった」等街の声に唖然。自公や翼賛野党議員に
    投票している有権者には「騙された」といった感覚は無く「投票して良かった」
    といったところのようだ。救い難いお目出度さ
    (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/28f2776c14d6c2da79a0c4220d510a79 …)」

 どうやら、「自公の政治家や翼賛野党の議員」非投票者・非支持者だけが「絶望し」ているらしい・・・。とほほ、な状況である。

   『●「『平成の治安維持法』をつくった総理」の
                  非常に危険な思い入れ、それに手を貸す責任

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http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1312060007/

特定秘密保護法案を問う(13):映画監督・作家の森達也さん、集団化加速する日本、もっと絶望した方がいい
2013年12月6日

 国民の知る権利を侵す特定秘密保護法案。この法案はどこから来て、われわれをどこへ連れていこうとしているのか。1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件を時代の転換点と見定め、不安や恐怖にあおられて結束を強める社会、「集団の熱狂」の危険性を唱え続ける映画監督・作家の森達也さんに聞いた。


 -法案反対を訴えてきたのに、自身のホームページで「実のところ意識のどこかで、もう通しちゃえば? 半ば本気でそう思っている自分がいる」と書いた。

 「シニカルすぎるかなと思うけれど、2割くらいは本音です」


 -その真意は。

 「絶対に通してはいけないと思っています。でも、日本人はもっと絶望した方がいい。ドイツは改憲の際に国民投票を必要としない。理由をドイツ人に聞くと、『自分たちを信頼していないからだ』と。かつて世界でもっとも民主的といわれたワイマール憲法を掲げながら、ナチスを選択してしまった。彼らは自分たちに絶望し、その力量を見限ったわけです


 -集団の熱狂が判断を誤らせた。それは日本も同じだったはずです。

 「でも、僕らは戦後一度も絶望していない。その背景には優越思想がある。アジアではナンバーワン、中国や朝鮮とは違う。そういう意識があったからこそ、戦後復興も高度経済成長もあった。しかし、いまやGDP(国内総生産)は中国に抜かれ、抜き返すことはないでしょう。国土も資源の豊富さも全然違うんだから当然。でもいまも差別意識が残っているから認めることができない。その軋(きし)みが、在日コリアンの排斥を主張するヘイトスピーチ(憎悪表現)などに表れていると思います」


 -優越意識をほとんどの人が自覚していない。
 
 「そうですね。そしてそれは、米国の仲間になりたい気持ちの裏返しでもある。なぜ安倍首相がここまでして秘密保護法や国家安全保障会議(日本版NSC)をつくり、改憲を目指すか。米側の意向だからです」

 「もちろん米国には秘密保護法のような法律がありますが、常に情報を隠そうとする政府と情報開示を求める国民とのせめぎ合いがある。第3代大統領のジェファーソンは『新聞のない政府と、政府のない新聞のどちらかを選べと言われたら、私は迷わず後者を選ぶ』と言った。つまり、権力の腐敗や暴走を阻止するにはメディアが必要なんだと。合衆国憲法の修正条項には第1条に信教・言論、出版、集会の自由が定められている。知る権利は米国にとってもっとも大事なことなんです。米国並みの情報管理をと言うが、日米では前提がまったく違う」


 -日本では法案の危険性にピンときていない人が多いように感じる。

 「学生を見てもそうですが、関心が低い。よく耳にするのは『メディアが騒ぐのは、既得権益が脅かされるからだ』という意見。確かに既得権益です。だけど、メディアがどういう存在か。単なる株式会社じゃない。国民の生活、営みを守る存在でもある。そういう意識がないのだと実感しました」

 「さらに日本人はルールを作ってもらい、規制された方が楽だという意識をもともと持っていると思う。同調圧力が働き、集団の意見に従おうとする。持論ですが、オウム真理教による一連の事件以降、日本の『集団化』は加速した。当然、はみ出すものは異端として激しくバッシングされる。弱みを見つけた瞬間に群がって『炎上』する」


 -危機感があおられ、「集団化」が加速する。

 「イラク戦争のときに日本が米国を支持したのは北朝鮮の存在が怖かったから。中国も含め、常に“外敵”がいる、と。東日本大震災も不安をもたらし、集団化を強めることになった。人々は強いリーダーが欲しくなり、それを自民党に期待した」


 -メディアが果たした役割も大きかった。

 「責任はメディアにもある。テレビを見たり新聞を読んだりして市民は考えるので、メディアがどう反応し、主張するかは重要です。いまになって秘密保護法の反対キャンペーンをしているが、じゃあ『ねじれ解消』は何だったの。『ねじれ解消』という言葉を使う時点で安倍政権の政策を支持したということ。アベノミクスも持ち上げた。こうなることは分かっていたはずです。疑問を持っていた記者はたくさんいたかもしれない。だけど読者や視聴者に受けるかという客商売の論理で判断され、あらがいも見えない。社会全体の流れに合わせてしまう」


 -ヒステリックになり、判断を間違える集団の危険性をずっと訴えてきた。

 「正直疲れた。同じことを何度も言って、自分でも飽きてきた。ただここで『一抜けた』は言えないし、言いたくない。いまが正念場だから。この法案が通ったら国が大きく変わるでしょう。大きな一歩を踏み出す。集団的自衛権の行使の容認、改憲へのカウントダウンが始まる。今回法案の成立を回避できたとしても、メディアを含め国民がこのままでは、すぐ同じことになる」


 -どん底まで落ちなければ分からないでしょうか。

 「落ちても分からないかもしれない。落ちるところまで落ち、気付いたとしてももう、はい上がれない。それも十分あり得る。危険な意見だと自分でも分かっています。でもね、ここで僕が秘密の範囲が不明瞭とか第三者機関が必要とか言ったところで、ほとんど意味をなさないからね。正論過ぎて」

 「『通しちゃえば』なんて言いたくないけど、言いたくもなりますよ





 インタビューから2日後の5日、特定秘密保護法案は参院特別委員会で強行採決され、成立にまた一歩近づいた。




 もり・たつや 映画監督、作家。1956年、広島県生まれ。代表作にオウム真理教信者を追ったドキュメンタリー映画「A」(98年)、「A2」(2001年)。近著に「『自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか』と叫ぶ人に訊きたい」。明治大学特任教授。57歳。
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●森達也さんのフェイク・ドキュメンタリー新刊、そして水俣病・・・

2013年01月16日 00時00分18秒 | Weblog


紀伊國屋書店からのメールを頂きました。森達也さんの新刊について。

   『●『A3(エー・スリー)』読了
   『●『死刑』読了

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・・・・・・様

紀伊國屋書店出版部より新刊のご案内です。

逡巡し、葛藤し、煩悶する日々を私小説風に描き、虚実のあわいから読む者に揺さぶりをかける、フェイク・ドキュメンタリー


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『虚実亭日乗』 森 達也 著

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/9784314011006.html

2013年1月11日刊行
定価1,785円(本体1,700円+税) 46判並製・376頁
紀伊國屋書店出版部

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活字と映像で独自の世界を構築する森達也が、異文化の境界で、憎悪の連鎖する世界で、異国の女子トイレで、妄想と現実の狭間で、生死の淵で、連載打ち切りに……逡巡し、葛藤し、煩悶する日々を私小説風に描き、フェイク・ドキュメンタリーを活字で試みる意欲作。


-- 著者紹介 --------------------------------------------------

森 達也 
1956年広島県生まれ。テレビ番組制作会社を経て独立。98年ドキュメンタリー映画『A』を公開、ベルリン映画祭などに正式招待され、海外でも高い評価を受ける。2001年映画『A2』を公開し、山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞する。2011年、単行本『A3』(集英社インターナショナル)で講談社ノンフィクション賞を受賞。2012年、共同監督作品『311』を公開。著書は『放送禁止歌』(知恵の森文庫)、『王様は裸だと言った子供はその後どうなったか』(集英社新書)、『ぼくの歌、みんなの歌』(講談社文庫)、『死刑』(朝日出版社)、『オカルト』(角川書店)など多数。


-- 目次--------------------------------------------------

虚実皮膜に悶える南京
禁煙に悶える南京
善悪の狭間で悶える南京
異文化の境界で悶える南京
業界の片隅で悶える南京
罪と罰の狭間で悶える南京
ホンオフェに悶える南京
生死の淵で悶える南京
主観と客観の隙間で悶える南京
夢と現実の境界で悶える南京
異国の女子トイレで悶える南京
厳罰と寛容の狭間で悶える南京
憎悪の連鎖する世界で悶える南京
アフマディネジャドの謎に悶える南京
正義と悪のパラドックスに悶える南京
連載打ち切りに悶える南京
ハブとイラブーとアフリカマイマイに悶える南京


-- 本文より --------------------------------------------------
人は弱い。欲望に負ける。衝動に負ける。誘惑に負ける。黒星ばかり。
白星が先行する人などまずいない。負け越して当たり前だ。ひとつだけ
言えること。少なくとも自分は、勝って当たり前のような顔をしている
人よりも、負けつづけている人のほうが好きだ。


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【関連書】
『A3(上)』森達也
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4087450155.html

『A3(下)』森達也
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4087450163.html

『オカルト:現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ』森達也
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4041101964.html

・・・・・・・・・。
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 一方、森さんの『A3』を読んだときに全く思いつきもしなかったけれども、水俣病との関係(水銀管理に関する条約・水俣条約でなく、水銀条約という主張があることを朝日新聞で知った・・・もっともなことだ)が、山岡俊介さんのアクセスジャーナルhttp://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、1月15日)に出ていた・・・・・・。ちょっと刺激的すぎるのですが・・・・・・。

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http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、1月15日】

2013/01/15
<書評>『オウム事件17年目の告白』(上祐史浩)
執筆者: Yamaoka (12:43 am)

 あの地下鉄サリン事件から17年ーーオウムの幹部で、麻原彰晃死刑囚の側近だった上祐史浩が初めて綴ったなかには、「天皇ポア計画」まであった。
 内容が内容だけに、そのことだけが強調される向きもあるが、その動機になったかも知れないと上祐も述べている事実の方がもっと衝撃的だ。
 麻原がほとんど視力がなかったことはご存じの通りだが、実はその原因は水俣病だったというのだ
 麻原は水俣病の被害地域である熊本県八代市の出身。水俣病が視覚障害をもたらすことは知られており、麻原の兄は全盲。2人は水俣病の被害者認定を申請したが認められなかったという。
 その水俣病の原因である水銀を垂れ流したのは「チッソ」であり、まだ垂れ流していた時期の社長の親族が天皇家に嫁いでいるのはご存じの通り
 上祐は天皇ポア計画は、「もしかしたら、それが影響したのかも知れない」と綴っているのだ。

・・・・・・。
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