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●オウム死刑囚大量執行…アベ様や上川陽子法相は「前夜祭」を催し、死刑さへも「サーカス」に使う悪辣さ

2018年07月08日 00時00分55秒 | Weblog


リテラの記事【オウム死刑囚大量執行は口封じか…検察に全面協力していた井上嘉浩死刑囚の変心、再審請求に怯えていた法務省】(http://lite-ra.com/2018/07/post-4109.html)。

 《法務省はこうした井上死刑囚の変化を察知して、井上死刑囚が真実を語る前に、刑の執行を急いだのではないか。そんな疑いが頭をもたげてきたのだ。そして、井上死刑囚だけがクローズアップされないように、複数のオウム死刑囚を一気に執行した…さまざまな謎を残したカルト事件は、事件首謀者たちの“異様な”死刑執行によって歴史の闇へと消え去ろうとしている。いや、国家権力が葬り去ろうとしているのだ》。

   『●『A2』読了
   『●『A3(エー・スリー)』読了
   『●『死刑』読了
   『●死刑廃止集会
   『●「死刑制度 国民的な議論を活発に」・・・
      「死刑制度存置派驚異の8割の我国」では全くそんな気配なし

   『●「彼を赦したわけではない。
      しかし死刑にして問題が解決するわけではない」

   『●ビンラディン氏暗殺再び
   『●光市母子殺害事件最高裁判決: 森達也さんの〝目〟
   『●森達也さん『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」
                               と叫ぶ人に訊きたい』書評

   『●「殺すなかれ・・・」・・・「彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか」?
   『●2016年報道の自由度ランキング72位: 
       「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
   『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
        「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」
    《共謀罪を導入しても、テロが起きる可能性はある。そのときが怖い。
     社会がファナチック(狂信的)になり、メディアや社会も一緒になって
     「もっと捕まえろ」「もっと取り締まれ」と暴走するのではないか。
     オウム事件を取材していた時を思い出す。警察はあらゆる法令を
     駆使して信者を根こそぎ捕まえた。当時、幹部が「非常時だから、
     国民の皆様も納得してくれる」と話していた》

   『●「このまま死刑執行されてオウム事件は終わり、
      ということにされていいの」? 真相・全貌は解明されたか?

 【麻原死刑囚の刑執行 地下鉄・松本サリン首謀 元幹部6人も】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018070602000282.html)によると、《幹部六人は、井上嘉浩(よしひろ)死刑囚(48)=大阪拘置所、新実智光死刑囚(54)=同、中川智正死刑囚(55)=広島拘置所、早川紀代秀死刑囚(68)=福岡拘置所、土谷正実死刑囚(53)=東京拘置所、遠藤誠一死刑囚(58)=同。上川陽子法相は同日午後、記者会見し、七人を死刑執行の対象とした理由について「答えを差し控える」と話した》。
 TBSの「ニュースバード」によると、ドイツ政府はいち早く、この死刑執行およびニッポンの死刑存置に対して抗議の声明を出した。

 かつて「死神」「死に神」と言われた法相が居た。〝素人裁判官〟に《死刑のスイッチ》を強制する制度導入のために、《最高検を頂点とする組織ぐるみで広報活動が行われ、検事正が法被を着たり、検察庁職員が幟を持って街頭キャンペーンをやったり、などというお祭り騒ぎが全国で展開され、挙句の果てには、「サイバンインコ」などという珍妙なキャラクターまで登場して、法務大臣がその着ぐるみを着てみせたりもしました。こうした関係者の滑稽とも思える努力》…。さらに、「『●「死に神」どころか』…ここまでノウテンキだったとは…。被害者・被害者家族への思いなど何もなく、死刑執行への懊悩もなく、単なる思いつき!!、とは恐れ入る」…そんな法相だった。
 もう一人、忘れられない法相。飯塚事件での冤罪死刑囚・久間三千年さんを死刑に…「『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」: 無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」』…冤罪者を死刑! 警察・検察・裁判所はどう責任をとるつもりだろうかか? 「死刑執行命令を下したのは、麻生内閣の森英介法務大臣(当時)」、飯塚は麻生太郎氏の「地元」だ。冤罪死刑に係わった者たちは、何の贖罪の気持ちもわかないのだろうか?」
 そして、上川陽子法相…何と表現すればいいのだろう。そして、アベ様…。ヒトデナシ。〝Fanatic〟。彼ら自身がカルト。《もはやこの国の総理はカルト教団の教祖のような絶対的存在となっているらしい》。このリテラの記事によると…《「…ある種の司法取引があった可能性が高い」…だが、今回、井上死刑囚もまた死刑を執行されてしまった。すべてのオウム裁判が終結したことで、もう用無しになったということなのか。もしそうならとんでもない話だが、実はもっとグロテスクな裏があるという指摘もある。それは、今回の死刑執行が法務・検察による口封じだった》。アベ様や上川陽子法相による《口封じ》って、唖然とします。

   『●《もはやカルトだ》…《もはやこの国の総理はカルト教団の教祖のような 
                               絶対的存在となっているらしい》
   『●斎藤美奈子さん「最低限の了解事項や整合性を放棄…液状化
                   …国ごと底なし沼に沈んでいくような気分。」

 東京新聞の記事【なぜ凶行、闇のまま 一審途中から沈黙 麻原死刑囚の刑執行】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018070602000272.html)によると、《「全く動かず、普通ではない感じがした」。民主党政権時代に法相を務めた平岡秀夫氏は、就任直後の二〇一一年秋ごろ、東京拘置所で、モニター越しに麻原彰晃死刑囚を見た時の様子を振り返った。この日の死刑執行については「私が見た印象や周囲の情報からすると、執行には違和感がある私だったら、執行しなかっただろうどのような経緯で執行されたのか検証すべきだ」と述べた…弁護団は六人の精神科医に鑑定を依頼し、重篤な拘禁反応などの疑いがある…》。
 真相・全貌は解明されていたのか?

 死刑執行で、何か問題が解決するのだろうか? 《数々の“真相”が永遠に封印》。
 東京新聞の記事【オウム事件の被害者・遺族 「過去にしないで」「もっと話してほしかった」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018070602000271.html)によると、《九四年の松本サリン事件で当初、容疑者扱いされた河野義行さん(68)は四月の本紙の取材に「麻原死刑囚は否認しているが、控訴審もしていない真実に迫るためには控訴審が必要だったのではないか。(起訴内容が)本当に事実かと疑問が出ても不思議ではない」と述べた。「命は大切なものだから死刑そのものには反対だ」とも話していた》。

 つぶやき(https://twitter.com/aritayoshifu/status/1015175418783993857)から:

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
有田芳生@aritayoshifu
死刑執行7人(はじめて)。教祖の精神鑑定さえ行わない執行は、事件史に特筆される異常事態です
首相と法相は前夜に宴会でした。壊れものとしての人間。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「前夜祭」を催し、死刑執行さへも「サーカス」に使う悪辣さ。台風や大雨で避難警報や警告は翌日に予想される中での「前夜祭」。その写真に写る面々のニヤケタ顔と酔い加減…。
 日刊ゲンダイの記事【地下鉄サリン事件から23年…オウム麻原彰晃ら7人死刑執行】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/232801)によると、《松本の死刑執行の時期については、かねて安倍政権による“政治利用”の懸念が指摘されてきた。延長国会も大詰めを迎え、「カジノ法案」や「参院定数増法案」などをめぐり与野党対決は必至。一方、サッカーW杯も日本代表の戦いが終わって、世間の耳目が国会に集まるタイミングでの死刑執行。まさか、法務省もモリカケ疑惑を蒸し返されたくない安倍首相の気持ちを忖度したのではないだろうな》…。
 正に、非法治国家…放置国家、アベ様独裁王国。取巻き連中や官僚がアベ様御夫妻のご機嫌伺いの過剰な忖度。よく分からないうちに、麻原氏の取巻き連中が過剰な忖度合戦をしていたと思われるオウム事件と構造としては同じではないのか。

 当時のマスコミの暴走、再び。2018年7月6日も、テレビが大暴走…「吊るせ」、「殺せ」という煽りにしか見えない。あまりに悍ましい。
 アサヒコムの記事【死刑囚写真に次々「執行」シール TV演出に疑問の声も】(https://www.asahi.com/articles/ASL7656K2L76UCVL01H.html?iref=comtop_8_04)によると、《中島岳志・東京工業大教授(日本思想史)は正午前、ツイッターに「いま行われているのは、死刑のショー化・見世物化に他ならない。執行場面だけが不可視化された公開処刑」と書き込んだ。番組内での演出にも注目が集まった。フジは、事件に関わった死刑囚の顔写真が並んだパネルを示し、執行が済んだ死刑囚の写真の上に「執行」のシールを貼るなどして状況を説明》。

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http://lite-ra.com/2018/07/post-4109.html

オウム死刑囚大量執行は口封じか…検察に全面協力していた井上嘉浩死刑囚の変心、再審請求に怯えていた法務省
2018.07.06

     (死刑を執行された麻原彰晃が87年に刊行した
       『超能力「秘密のカリキュラム」』 (健康編))

 衝撃のニュースが飛び込んできた。一連のオウム事件で首謀者として死刑が確定していたオウム真理教教祖・麻原彰晃松本智津夫)死刑囚に死刑が執行され、さらに新実智光、早川紀代秀、井上嘉浩、中川智正、遠藤誠一、土谷正実という計7人の死刑囚にも次々と刑が執行されたのだ。1日に7人もの死刑執行は戦後前例がない

 死刑の是非についてはあらためて別稿で論じたいが、それ以前に問題なのは、一連のオウム真理教事件にはいまだ数々の謎が残っており、それが解明されないまま麻原死刑囚らの刑が執行されてしまったことだ。

 これについては、被害者遺族からも疑問や謎をもっと解明してほしかったという声が上がっているほどだ。

 たしかに、政権にとって今年の死刑の執行は最良のタイミングだった。来年には天皇の退位、新天皇の即位と祝賀行事が続く。再来年は東京オリンピックがあり、国際社会の注目も高まるなか死刑を執行すれば国際的に強く批判されることになる。だから“今年中に”ということは既定路線だったはずだ。

 しかし、それでも、こんなにすぐに、オウム事件の死刑囚13人中7人を一気に執行するというのは異常としか言いようがない。

 しかも、13人の死刑囚のうちなぜこの7人が選ばれたのかもまったく不明だ。たとえば初期の坂本弁護士一家殺害事件の死刑確定囚からはじめたというわけでもなければ、全員が日本最悪のテロ事件である地下鉄サリン事件の確定死刑囚ということでもない。また死刑の確定順かといえば、そうではない。これについて本日午後行われた上川陽子法務大臣の会見でも説明さえなかった

 オウム事件に詳しい複数のジャーナリストや司法記者に訊いても、何が基準かについては、首をひねるばかりだ。「なんとなく知名度の高い受刑者を選んだだけではないのか。国民栄誉賞の人選じゃあるまいし」と語る記者もいたほどだ。

 しかし、もしかしたらこうした疑問を解く鍵になるかもしれない事実がひとつだけある。それは、7人のなかに井上死刑囚が含まれていたことだ。

 井上死刑囚といえばこれまでの一連のオウム裁判で、検察のシナリオに沿って、検察の都合のいい証言を続けてきた“最重要人物”だ

 たとえば、17年間の逃亡の末逮捕された高橋克也受刑者は地下鉄サリン事件や目黒公証役場事務長拉致監禁致死事件の関与に関して、「サリンとは知らなかった」「被害者の仮谷清志さんに注射を打つことも知らなかった」と主張したのに対し、井上死刑囚は「サリンを撒くから運転手をするように」「仮谷さんが暴れないようにクスリを打って眠らせることを高橋被告に確認した」と有罪の根拠になる重要な証言をしている。だが一方で井上死刑囚は逮捕当時「(仮谷さんの注射について)高橋は知らなかった」とまったく逆の供述をしていたのだ。

 さらにこの際、麻酔薬を投与した中川死刑囚から「ポア(殺害)できる薬物を試したら死んだと聞いた」とも証言しているが、中川死刑囚はこれを否定。さらにその場にいた元医師の林郁夫受刑者も「井上証言はあり得ない」と証言している。それだけでなく殺害された仮谷さんの長男でさえ、中川死刑囚の殺害示唆を「信じがたい」と井上証言に疑問を呈したほどだ。

 また井上死刑囚は、宗教学者のマンション爆破などが問われた平田信受刑者の裁判においても、事件前に平田受刑者に「これから『やらせ』で爆弾をしかけると言った記憶がある」と事前共謀、計画があったことを証言し、「何も知らなかった」と主張する平田受刑者と対立している。

 平田受刑者はともかく、すでに死刑が確定していた中川死刑囚が、殺意を否定するという嘘をつく理由はない。一方の井上死刑囚は、数々のオウム裁判において「これまで誰も知らなかった」新証言を不自然なまでに繰り出し、多くのオウム被告たちを“より重罪”へと導いていったのだ。


検察のストーリーに乗った証言でオウム信者を重罪に導いてきた井上嘉浩

 
井上証言のなかでもとくに大きかったのが、地下鉄サリン事件における麻原死刑囚の関与の証拠とされた、いわゆる「リムジン謀議」についての証言だった。

 地下鉄サリン事件の2日前の1995年3月18日、麻原死刑囚は都内の飲食店で会食後、井上死刑囚、村井秀夫、遠藤死刑囚ら幹部を乗せたリムジン内で、公証役場事務長拉致をめぐるオウムへの警察の強制捜査を阻止するために地下鉄にサリンを撒くことが提案され、麻原死刑囚もそれに同意したとされる。これが麻原死刑囚の地下鉄サリン事件関与の証拠となったが、しかし、それを証言したのは井上死刑囚だけだった。

 逆に、この井上証言がなければ、麻原死刑囚を有罪とする法的根拠はなかったとの見方もある

 数々のオウム裁判で「これまで誰も知らなかった」新証言を不自然なまでに繰り出し、多くのオウム事件の被告たちを“より重罪”へと導いてきた、井上死刑囚。だが、他のオウム被告たちの証言はことごとく食い違っており、検察が公判を維持するために描いたストーリーに無理やり沿っているとしか思えないものだった。

 そのため、井上死刑囚と検察との関係をめぐっては、さまざまな疑惑がささやかれてきた。長年オウムの取材を続けてきた公安担当記者の多くもこんな見方を述べていた。

 「井上死刑囚の取り調べの過程で、検察はオウムへの帰依や洗脳を捨てさせる一方で、逆に検察への逆洗脳を誘導したとみられています。その後、井上死刑囚は、まるで“検察真理教”となったがごとく、検察にとって有利な証言を繰り返し、“有罪請負人”の役割を果たしてきた。オウム事件は多くの信者が関わり、その役割は物証ではなく彼らの証言に依存せざるを得なかった。そしてその見返りとして、ある種の司法取引があった可能性が高い

 実際、井上死刑囚は、一審ではオウム事件で死刑を求刑された者のなかで唯一、無期懲役の判決を受けている。結局、二審では死刑判決に変わるが、それでも、執行を遅らせる、すぐには執行しないなどというような暗黙の取引があったのではといわれていた。

 だが、今回、井上死刑囚もまた死刑を執行されてしまった。すべてのオウム裁判が終結したことで、もう用無しになったということなのか

 もしそうならとんでもない話だが、実はもっとグロテスクな裏があるという指摘もある。それは、今回の死刑執行が法務・検察による口封じだったというものだ。


■井上が再審請求をした日に7人の死刑囚を執行準備のため移送

 前述したように、検察のストーリーに沿って、多くのオウム被告たちを“より重罪”へと導いてきた井上証言だが、その証言内容については、根本から再検証すべきではないかという声があがっていた。

 とくに大きかったのは、3年前、当の司法からも井上証言に疑問符がつけられたことだ。2015年11月、17年間の逃亡の後逮捕された菊地直子氏は、一審では実刑判決だったものが一転、高裁で無罪となる。その際、一審有罪の根拠となった井上死刑囚の証言の信用性についても、高裁は「(井上証言は)不自然に詳細かつ具体的で、信用できないとして認めなかったのだ。

 数々のオウム裁判の方向性を決定づけてきた井上証言の信用性に疑問符がついたことで、司法界やジャーナリストのあいだでも、その他のオウム事件についても再検証が必要ではないか、という声が高まっていた。

 そして、井上自身にも大きな姿勢の変化が現れていた。今年3月14日、まるでそういった動きに呼応するように、自らの事件について再審請求をしていたのだ。弁護人によると「死刑を免れたいわけではなく、事実は違うことを明らかにしたい」と語っていたという。

 そのため、一部では井上死刑囚が再審で、検察のストーリーに沿って虚偽の証言をしていたことを自ら認め、真実を語るのではないかという声があがっていた。

 もちろん、井上死刑囚が再審でこれまでの証言を翻しても判決は変わらない。しかし、もし本当にそんなことになったら、それこそ、麻原死刑囚はじめ、他の死刑判決の信用性が根底からひっくり返り検察と裁判所はメディアから大きな批判を浴びることになる。また、再審は阻止しても、もし井上死刑囚が本当にそう考えているなら、メディアにそのことを語る可能性もあった。

 法務省はこうした井上死刑囚の変化を察知して、井上死刑囚が真実を語る前に、刑の執行を急いだのではないか。そんな疑いが頭をもたげてきたのだ。そして、井上死刑囚だけがクローズアップされないように、複数のオウム死刑囚を一気に執行した。

 麻原死刑囚以外の6人の死刑囚が執行準備のために一斉に東京拘置所から各地の拘置所に移送されたのは、井上が再審請求をした3月14日のことだったこれはたんなる偶然だろうか

 もちろん、これらの見方は推測の域を出ない。しかし、タイミングは偶然だったとしても、今回の死刑執行によって、一連のオウム裁判の鍵を握っていた井上が真実を語る機会がつぶされ、井上死刑囚と検察の取引疑惑や、地下鉄サリン事件での「リムジン謀議」をはじめとする数々の“真相”が永遠に封印されてしまったことには変わりはない。

 さまざまな謎を残したカルト事件は、事件首謀者たちの“異様な”死刑執行によって歴史の闇へと消え去ろうとしている。いや、国家権力が葬り去ろうとしているのだ

(編集部)
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●「殺すなかれ・・・」・・・「彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか」?

2015年08月15日 00時00分17秒 | Weblog


レイバーネット日本http://www.labornetjp.org/)の記事【オウムと死刑を考える~因果と応報?(東京・水道橋)】(http://www.labornetjp.org/EventItem/1438323457598staff01)。

 安田好弘さんや河野義行さんらが出演。

 「彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか」? 「殺すなかれ・・・・」。 日本人の8割の死刑存置派が信ずる「社会正義」を達成して、何か問題が解決するのだろうか?

   『●『死刑』読了
   『●死刑廃止集会
   『●「死刑制度 国民的な議論を活発に」・・・
      「死刑制度存置派驚異の8割の我国」では全くそんな気配なし

   『●「彼を赦したわけではない。
      しかし死刑にして問題が解決するわけではない」


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http://www.labornetjp.org/EventItem/1438323457598staff01

2015/08/22 オウムと死刑を考える~因果と応報?(東京・水道橋)

日時:2015年8月22日(土)14:00~(開場13:30) 
会場:貸会議室 内海(うつみ)本館3F教室(水道橋駅西口下車1分)
参加費:1000円
出演: 松本麗華(麻原彰晃三女)
     河野義行松本サリン事件被害者)
     有田芳生(参議院議員・ジャーナリスト)
     安田好弘(弁護士・フォーラム90)

殺すなかれ・・・・
宗教の教えというのは、そんなものだと思っていた
殺すことが救いになる・・・・
そんな教えがなぜ多くの若者に信じられたのか

地下鉄サリン事件から20年
オウム真理教が関係した事件では
「教祖」を始め13人に死刑宣告がなされた
彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか
彼らは「彼らの正義」の殉教者になるのだろうか

地下鉄サリン事件から20年
時間や空間を隔てるほど、見えてくることもある
その距離でこそ伝えあえることもある
法廷では語られることのなかった言葉に耳を傾け
今だから考えられることを、共に考えたい

主催: 死刑廃止国際条約の批准を求める FORUM90
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●「災害に便乗する「巨大復興」」 『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号)について

2014年03月17日 00時00分32秒 | Weblog


週刊金曜日』(2014年3月14日、983号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、平井康嗣氏【編集長後記】、「「ショックドクトリン」とは、・・「惨事便乗型資本主義」と呼ばれ、・・惨事に便乗して進められる市場原理主義的な構造改革のこと」。

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■①『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号) / 「災害に便乗する「巨大復興」 東北ショックドクトリン」。武本泰・粟野仁雄氏ら【「3・11」から3年、各地で反原発集会 安倍政権の再稼働に「NO!」】。アベ自公政権の暴走を止めよう(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/beae3d2a65e99412fcb0e1b5d9e939a9

■②『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号) / 丸山昇(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2f8a9767110f10e6864820abb7d2ed16)さん【国家総動員体制を想起させる異常さ 『琉球新報』に防衛省が訂正要求】、「日本新聞協会にまで〝防衛省事務次官名〟での申し入れ文書を送りつけ、波紋を呼んでいる」

■③『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号) / 三宅勝久さん【元法大生5人の無罪確定 看板破壊の嫌疑払拭】、「東京高裁・・井上弘道裁判長は「・・損壊行為に及んだとするには立証が不十分」として一審に続き無罪を言い渡した。検察側は上告せず、無罪は確定」

■④『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号) / まさのあつこ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2c91c3d8a53b5096a4a000c27c0e8683)氏【清流・最上小国川に〝環境にやさしいダム〟!? 山形県の宣伝文句にアユも漁協も騙されない】、京大防災研「竹門康弘准教授が、アユの産卵に好ましい環境は、年1回程度の洪水で・・」

■⑤『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号) / まさのあつこ氏【清流・最上小国川に〝環境にやさしいダム〟!? 山形県の宣伝文句にアユも漁協も騙されない】、「・・河床がかき回されることであり、穴あきダムで洪水が抑制されると、河床に有機物や細かい粒子がたまって、環境が劣化すると警告

■⑥『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号) / 浅野健一さん【被逮捕者に肖像権はないのか 柏連続殺傷事件】、「メディアは行き帰りで、男性の顔を撮影し報道した。引き回し写真は〝晒し刑〟にあたる・・河野義行さんは・・「メディアは今も、警察が被疑者を逮捕したら・・」」

■⑦『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号) / 浅野健一さん【被逮捕者に肖像権はないのか 柏連続殺傷事件】、「河野義行さんは・・「・・犯人で決まりだ。テレビ報道では、人相が悪い写真を選んで伝え、怪しい人という情報しか報じない。・・速報性の競争をやめるべきだ」と提言」

■⑧『週刊金曜日』(2014年3月14日、983号) / 平井康嗣氏【編集長後記】、「「ショックドクトリン」とは、・・「惨事便乗型資本主義」と呼ばれ、・・惨事に便乗して進められる市場原理主義的な構造改革のこと」。災害につけ込んでの浅ましさhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2f873e632a47253114fa5adffa3bda69
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●河野義行さん、死刑制度廃止を

2011年11月29日 00時00分57秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011112202000016.html)。

 「事件前に戻ることはできない。ならば死刑囚らを恨み続けるような人生の無駄はせず、残された者として平穏に生きる」、「個人的には、どの命もかけがえがなく、冤罪防止のためにも廃止すべきだと考えている」、「社会的に罪もつぐない、反省もしている。友人になりたいと思った相手」、「いかに心地よく死ぬかがテーマ」。あの河野義行さんだからこその重い言葉。酷い冤罪被害者として、また、奥様を殺された河野義行さんの重い言葉である。被害者であるにもかかわらず、おどろおどろしくプライベートを暴きたてた当時のあのマスコミのバカ騒ぎ、あれを経験されても、こういう言葉が出てくるのだから、すごい人だと思う。
 もちろん私は被害者ではない。だからこそ、被害者感情を過剰に忖度しての死刑制度存置を支持する方々にも噛みしめてもらいたい、と思った。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011112202000016.html

再発防止策 見いだせない 松本サリン被害 河野義行さん
20111122 朝刊

 「事件前に戻ることはできない。ならば死刑囚らを恨み続けるような人生の無駄はせず、残された者として平穏に生きる」。一九九四年の松本サリン事件の被害者でありながら当初、警察の家宅捜索を受けるなど二重三重の苦しみを味わった河野義行さん(61)は、十七年の思いをかみしめた。日本を恐怖に陥れたオウム真理教の一連の事件の公判は終結したが、真相はいまだ見えないままだ。 

 「私にとってのオウム事件は、妻が亡くなった二〇〇八年八月に終わっています」。河野さんの妻澄子さんは、サリンの後遺症で寝たきりになり、六十歳で亡くなった。河野さんにとって、事件が起きた最初の一年は、犯人視する警察の捜査とマスコミの報道被害との戦いだった。「冤罪(えんざい)」が晴れてからは、三人の子どもへの親としての責任を果たし、妻の回復を願い続けて生きてきた。

 ただ、首謀者とされる麻原彰晃 死刑囚(56)=本名・松本智津夫=の二審で実質審理がなかったことには「なぜ国家転覆を狙ったテロが起きたのか、本当に首謀者だったのかなど真相が分からず消化不良。再発防止策が見いだせない」と残念そうな表情を見せた。

 一方で、「裁判が終わったことで口を開く人が出てくるかもしれない。テーマを持ったジャーナリストに真相究明を期待したい」と望んでいる。

 今後は麻原死刑囚ら死刑確定者の執行に世間の関心が移る死刑制度については「現行法では合法で正義だが、個人的には、どの命もかけがえがなく、冤罪防止のためにも廃止すべきだと考えている」と話す。

 松本サリン事件で使われたサリン噴霧車の製造にかかわり懲役十年の刑を受け、出所後に自宅を訪れた元信者とは友人になった。刑務所で覚えた技術を生かし、自宅の庭木の手入れを任せ、今でも温泉や釣りを共にする。「社会的に罪もつぐない、反省もしている。友人になりたいと思った相手だから」

 一昨年と昨年には東京拘置所で、二十一日に上告棄却となった遠藤誠一被告(51)=一、二審死刑=ら教団元幹部四人とも面会。死生観や入信の動機などを聞く中で、「ごく普通の人。むしろ他の人より真面目」という印象を持ったという。

 自身が受けた報道被害については「事件報道で、マスコミが警察からの非公式情報を基に危うい橋を渡るシステムは、いまも当時と変わっていないようにみえる」と話す。

 澄子さんの三回忌と還暦を迎えた昨年、人生をリセットしようと鹿児島に移住した。講演活動も減らす予定でスローな生活を送る。「今後は隠居生活。いかに心地よく死ぬかがテーマです」。穏やかに語った。
 (山内悠記子)

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●『A3(エー・スリー)』読了

2011年01月16日 01時24分48秒 | Weblog

森達也『A3』(エ―・スリー)を、1月に読了。冬休みの〝休み時間〟にせっせと読学。集英社インターナショナル、2010年11月第1刷発行。

 本の帯の表、「なぜ「あの事件から」目をそむけるのか?/歴史は上書きされ、改ざんされる。無自覚に。誰も気づかないままに・・・・・・。ドキュメンタリー 『A』 『A2』の作者が放つ第3弾。新しい視座で「オウム」と「麻原彰晃」、そして「日本人」の本質に迫る!」。
 裏は、「何か変だよな。おそらく誰もがそう思っている。でも抗えない。多くの謎と副作用ばかりをこの社会に残しながら、急激に風化されつつある一連の「オウム事件」。何も解明されないまま、教祖と幹部信者たちの死刑は確定した―――。麻原彰晃の足跡を、新しい視点からもう一度迫る。浮かび上がるのは現代日本の深層」。

 『A』・『A2』に続く今回の「A」は、麻原彰晃氏の「A」。「吊るせ」、「殺せ」、というマスコミの作り上げたものではなく、麻原彰晃氏を別の視点から見たルポルタージュ。「詐病」と喧伝し、もはや真相の解明などに全く興味の無いマスコミ騙されていることに気づかない、気づこうとしない人々。

 プロローグ、「1 傍聴」、「2 封印」、「3 面会」、・・・「16 父親」、「17 詐病」、・・・「24 死刑」、「25 視力」、・・・「31 受容」、「32 特異」、エピローグ。

 誰がどう見ても被告席の麻原氏は「壊れていた」はずなのに、誰ひとりマスコミは報じようとしない。マスコミが煽る「民意」に引きづられ、裁判官の目も「フシアナ」。「・・・精神鑑定はただの一度も為されていない。/・・・一切の接見や面会を、麻原は一九九七年から拒絶している。・・・家族とは・・・、会話は一切交わしていない。・・・七年間、彼はだれとも口をきいていないのだ。もしもこれが演技でできるのなら、その精神力の強靭さは並ではない。まさしく怪物としか思えない」(p.15)。
 「・・・裁判官たちは本気で考えたのだろうか。・・・。/何かの冗談を聞いているかのようだ。・・・。/・・・ちゃんと仕事をしてほしい。大小便は垂れ流しで会話どころか意思の疎通すらできなくなっている男を被告席に座らせて、一体何を裁こうとするつもりなのか。どんな事実を明らかにするつもりなのか。そもそも刑事裁判の存在意義を、あなたたちはどのように考えているのだろうか」(p.56)。
 安田好弘弁護士が逮捕されるという嫌がらせ、異常事態。その後、わずか二人の弁護態勢。そのうちの一人は、「まさしく壮年です。それがいきなり車椅子で、しかもオムツをしていて、その理由は分からないって、これは普通のことですか。これを異常と感じないならば、いったい何が異常なんですか」(p.189)。

 都市伝説・陰謀論と放置していいのか? 「・・・岡崎の見解は、・・・拘置所内で投与された向精神薬が、麻原の人格破壊の原因ではないかと・・・。/拘置所内で看守たちが薬物を頻繁に使うとの噂は、確かによく耳にする。・・・常識をはるかに超えた量が投与されたということらしい」(p.63)。

 死刑存置国中の稀有な存置国。「・・・絞首刑・・・死刑囚に余計な苦しみを与えないということらし。・・・。実際に絞首刑がどの程度の苦痛を与えているのか、それは誰にも分からない。なぜならこれを体験してから語った人はまだいない。/ちなみに二〇〇八年に絞首刑を実施した国は、イランとイラク、パキスタンとバングラデシュ、エジプトにマレーシアとスーダン、ボツワナとセントクリストファー・ネーヴィスと日本だけだ。他にはない。そもそも死刑存置国は少数だけど、最後の最後に死刑囚に耐え難い苦痛を与えているとの見方が強い絞首刑を採用する国はさらに少ない」(pp.66-67)。

 腐ったジャーナリズムの典型。「「現在の麻原は訴訟能力を失っている可能性がある」との僕の主張を、ジャーナリストの青沼陽一郎が、『諸君!』(文藝春秋社)二〇〇五年三月号で「思考停止しているのは世界ではなくあなたの方だ」とのタイトルで、四頁にわたって批判している。/・・・いわばオウムを包囲する世論形成に大きな役割を果たしたジャーナリストのひとりだ。・・・。/ただし論争ならば論理的であることが前提だ」(p.67)。それは無理な相談でしょうね、この雑誌、この出版社、かつ、これらが御贔屓の作家センセでは。

 公安調査庁生き残りのための破防法。佐高信さん、浅野健一さん(p.76)。「オウム新法・・・。つまり多重に憲法を逸脱している。破防法とほぼ同様に(あるいは破防法以上に)問題点が多くある法律だ。/でも団体規制法は成立した。・・・住民票不受理や、オウムの子供たちの就学拒否などが、当たり前のように行われるようになった。つまり「オウムを排除するためなら何でもあり」的な意識が、事件直後の1995年より明らかに強くなっている」(p.77)。青木理さん、「・・・「組織の生き残り」に向け、なり振り構わぬ数々の試みに取り組んでいた。・・・次のような公安庁の内部文章を入手して唖然とさせられたことがある。/・・・公安庁にとってはオウムは、やはり〝天佑〟だったのだ」(p.67)。
 「・・・力強い何ものかにしっかりと管理や統治をしてもらいたいとの社会の思いが、強く反映されているということだ。つまりオウムによる後遺症が顕在化した。/・・・ほとんどの日本人はメディアによって、「オウムの信者は普通ではない」と刷り込まれていたということになる」(p.80)。

 安田好弘弁護士(p.87、188、358)の嫌がらせ逮捕のもう一つの背景。「・・・麻原彰晃の主任弁護人として一審弁護団を牽引していた安田好弘を逮捕した。・・・。多くのメディアは「麻原主任弁護人を逮捕」と大きく報じ、「人権弁護士にもうひとつの仮面」と見出しをつけた週刊誌もある。・・・。/・・・特に麻原法廷の主任弁護人として、また死刑廃止運動のリーダーとして、そして弁護士は在野にあるべきとして公権力への接近に明確な疑義を示していた安田の存在は、公権力と足並みを揃えつつあった中坊にとって、極めて目障りであったことは容易に想像がつく」(pp.87-88)。
 麻原氏に検察が死刑を求刑した同年、安田さんは「一審で無罪判決を勝ち取った」(p.89)。判決言い渡しの経緯は、安田さんの『死刑弁護人 ~生きるという権利~』の解説に詳しい。しかしながら、〝犬〟の裁判官により、控訴審判決では逆転有罪が言い渡され、現在は上告中。
 近代司法の破壊。民意だから仕方ない、で良いのか? 「・・・安田は低くつぶやいた。/「近代司法の重要な原理である無罪推定や検察の立証責任などの概念は、今やもうお題目に等しい。・・・」/・・・「・・・つまり弁護人が知らないうちに裁判官が被告に会っていた。・・・」/・・・。/「人権派って?」/「いろいろ。例えば市民団体とか」/「あの人たちはね、基本的には、良い人とかわいそうな人の人権じゃないとダメなの」/「・・・・・・悪くて憎らしい人の人権はダメなのかな」/「ダメだねえ」」(pp.90-91)。
 思い込み。思い込まされ過ぎ。「被害者や起訴された事件の数を考えれば、長いどころか異例なほどに短い」死刑判決までの道のり(p.91)。

 不合理、不正義。「・・・彼の子供たちは教育を受ける権利を、この社会から現在進行形で奪われ続けている」(p.142)。入学拒否した、とある大学教員の言葉、「・・・「良心的」な教員集団がした決定がこれだ、という点である。こんな近代の原則にも徹しきれない人々が考えている「平和」や「学問」とは何だろう? むしろここに恐怖を感じる」(p.151)。住民票の不受理など、「明確な憲法違反」(p.152)。
 棒タワシを使っての体の「洗浄」など、「とにかく彼は被告が本来持つべき権利をほとんど有していないのです」(p.262)。
 「・・・中学の措置に対して、問題視する世論はほとんどない。そして教育機関に義務教育すら拒絶される彼らの父親である男は、精神が崩壊したまま、門外漢の僕にすら不備や破綻をいくらでも指摘できる鑑定書を根拠に、今まさに死刑が確定しようとしている」(p.263)。

 鈴木邦男さん(p.161)、大泉実成さん(p.164)。河野義行さん(p.229)。大西巨人さん(p.230)。
 浅見定雄さんにはちょっと落胆(p.231)。
 本件では、どうも変な江川昭子氏(p.270)。

 サイキックハンター。「・・・多くの知識人や科学者たちがオカルト超能力に興味を持ち、降霊術なども頻繁に行われていた。これらのトリックを精力的に暴き続けたのは、奇術師ハリー・フーディーニだった。ところが・・・、亡き母親との交信を望み続け、さらには霊界空の交信を試みるとの遺言を妻に残して死んでいる。/でもその死後、ついに一度たりとも、妻に霊界からの交信はなかったという」(p.166)。妻との交信の経緯については興味深い話があり、ぜひ、本城達也さんのWP超常現象の謎解き』(http://www.nazotoki.com/)を参照(「フーディニの暗号」、http://www.nazotoki.com/houdini_code.html)して下さい。

 囃したて嘲笑する外野。その気味悪さに気づかない不気味さ。「転び公妨」、実際は「転ばせ公妨」(pp.227-228)。「ところがこのとき、警察官のこの違法行為に抗議の声をあげる人はいなかった。それどころか群衆は、警察官が信者を道路に押し倒したとき、歓声を上げながら拍手した。カメラを回す僕のすぐ後ろにいた初老の男性は、「・・・本望だよな」と大声で言い、多くの人が笑いながら「そうだそうだ」と同意した」(p.228)。

 読まねば。『安部英医師「薬害エイズ」事件の真実』(現代人文社)(p.417)。
 光市母子殺害事件(p.417)。
 メディアの暴走。麻原氏とその取り巻きの関係と、メディアと民意との関係の相似形。「・・・麻原がほとんど盲目で、・・・側近たちは張りきった。危機を訴えれば訴えるほど麻原に重用されるのだ。要するにオウム以降のメディアと民意の関係だ。危機を訴えれば訴えるほど、視聴率や部数は上昇する」(p.472)。

 途中から、宗教用語とその難解な論理についていけず。考えてみると、事件と同時進行では、メディアの情報で洗脳されていないためもあるのか?

 ゴタゴタ言うな、とにかく死刑にしてしまえ!、という民意。それも今や誰も思い出しもしなくなるほどに風化か? 「・・・朝日新聞社界面に降幡賢一・・・。/・・・。/戦後最大級といわれる事件なのに、「犯行計画の詳細を一体誰が決めたのか」すら、いまだに明らかにされていないことを、降幡は指摘している。あらためて考えれば、いやあらためて考えるまでもなく、とても異常な事態だ。でもおそらく多くの人は降幡のこの重要な指摘を読みながら、とても異常だとは思わない。さっさと読み飛ばしてしまうのだろう」(p.504)。
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●『A2』読了

2010年10月04日 05時03分37秒 | Weblog


『A2』、7月に読了。森達也安岡卓治著。現代書館。2005年5月第1版第2刷(2002年4月第1刷)。

 「はしがき」・「あとがき」以外に、「撮った理由、及び「A2」本篇から落としたエピソード・・・・・・森達也」、「採録シナリオ「A2」」、「森達也と二人三脚で「A」「A2」づくり・・・・・・安岡卓治」の3章。

 フィル・スペクター(p.30)。

 浅野健一さん、「人権と報道・連絡会」(p.68、71)。河野義行さん(p.130)。
 『創』の篠田さん、『アエラ』の烏賀陽さん。「烏賀陽 ・・・オウムに好意的なニュース番組なんか作っていいのかと、うちはスポンサー降ろさせてもらうぞと、・・・抵抗するというのはなんか、濁中の黄河に向かって裸一つで飛び込んでいくような、そういう恐怖感を僕は感じているし。いつもいつも叩き潰されて、自分の書きたいことが結局最終的には100%は出せないという歯がゆさも持ってるし・・・」(p.157)。

 下山事件(p.186)の撮影

 「テレビ界・・・ベテランディレクターの多くがテレビの世界を離れている。映像消費文化の象徴のような存在だ。/森も、・・・企画では傑出した独自性を持っているものの、処世術はうとい。/・・・ポリシーを持ち、様々な場で発言する「フリー・ディレクター」は、森以外に何人いるだろうか?/批判的な精神を持続することは難しい」(p.188)。

 『放送禁止歌』(p.189)。岡林信康。「・・・全共闘・・・。/「お祭り騒ぎ」をテレビで見ながら、「若者たちの時代」が到来することを夢想したわれわれが直面したものは、紛争処理後の徹底した管理強化教と、それによって押し殺された・・・無気力な同世代の群れであった。政治的な関心を示すだけで教師からにらまれ、反抗には隠微な制裁が加えられた。/・・・「勇者たち」の多くは、彼らが憎み、破壊しようとしたはずの制度の中にしっかりと組み込まれ、歯車として生き続けていた。/当時の武勇伝を得々と語るものたちと出会うことがある。が、命がけで闘おうとした本物の闘士たちは、けして語らないのだと思う。自らの敗北がもたらした荒廃を、歯ぎしりしながら見つめているのではないだろうか。/岡林信康自身も「手紙」を封印し、もう歌うことはないという」(p.190)。高田渡、なぎら健壱、「イムジン河」(p.191)。
 『職業欄はエスパー』、『一九九四年よだかの星』(p.194)。「他の生き物を犠牲にして生きてゆくしかない人間の矛盾」(p.196)。

 「森は、「A」によって、自分が本来作るべきものを
再認識したのだと思う。自らの主観を貫くことで、作品のオリジナリティーを発揮することの大切さに気づいたのだ」(p.196)。

 「・・・戦後の日本でこれほど明瞭な「社会の敵」は存在しなかったのではないだろうか。・・・だが、社会に渦巻くその「憎悪」に身を任せ、煽りたてるだけでは、事件の根幹にある問題にたどり着くことは出来ない。・・・、「なぜ、彼らが?」の解答は得られていない。犯罪の核心は「動機」にある。その「動機」をすべて「信仰」に収斂させてしまうことは乱暴すぎないだろうか?」(p.198)。「・・・世論の「憎悪」が高まり、メディアの理性をゆがめていることを感じた。テレビは、・・・横並びで・・・犯罪の凶悪さを叫ぶ声の大きさで視聴率を争っている。/誰か、冷静に見すえようとするものはいないのか?/・・・/森と出会ったのは、そんなときだった。/・・・ふたつ返事で、プロデュースを引き受けた」(pp.208-209)。

 原一男さん(p.215)。

 転び公妨(p.222)。

 山形国際ドキュメンタリー映画祭「市民賞」受賞(p.235)。

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●『官僚とメディア』読了(2/3)

2010年04月04日 07時07分14秒 | Weblog

魚住昭著、官僚とメディア

 耐震強度偽装事件(p.56)。小嶋進や篠塚明らに「ぬれぎぬを着せていることになる」(p.58)。姉歯氏の設計について、「今回の事件は、勉強不足のあほな建築士がきちんと検討されている合理的な設計の結果を真似しただけです。何故そうなるのかの技術的な裏付けをせずに形だけ真似をした(所謂偽造ですが)だけのことです。・・・。構造的なセンスが悪すぎます。・・・鉄筋が多ければいいという訳ではないのです」(p.80)。「ヒューザーと木村建設のマンションづくりが回を重ねるにつれ「経済設計のできる有能な構造設計者」として姉歯の評価を高めていった。実際には彼は荷重や地震力の入力値を減らして「熟練」を装ったにすぎなかったのだが、誰もそのからくりに気付かなかったらしい。ブラックボックス化した計算プログラムと、形骸化した建築確認システムが偽装を覆い隠してしまったからである」(pp.83-84)。
 「構造の専門家たちからの不信の声が上がった。・・・国交省に対する厳しい批判が相次いだ。・・・「国交省が『震度五で倒壊のおそれ』と発表したが、なぜそんなことが言えるのか? もし間違っていたら、国交省がやったことは計算書偽造よりもはるかに大きな犯罪になる」/「・・・まったく根拠がない。・・・耐震補強で対応できるものがたくさんあるはずだ」」(p.87)。オーバー、センセーショナルに走り過ぎ。マスコミバカ騒ぎ思考停止。「・・・自ら煽った偽装パニックの沈静化を図ろうということだろう。これではまるでマッチポンプである」(p.94)。
 「国策捜査」。「・・・なぜ、姉歯だけでなく、小嶋や木村建設の幹部たち、それにイーホームズ社長の藤田らが逮捕されなければならなかったのか・・・。/そう、彼らは事件の被害者であって、姉歯の犯行にはまったく荷担していない。あれほど大胆な耐震データ偽装が行われているとは夢にも知らなかったのである。もちろん・・・社会的あるいは道義的責任がある。だが、それは刑事責任とは別の位相のものだ。/・・・当初の見込みが大幅に外れ、大上段に振りかぶった太刀の降ろしどころが分からなくなった捜査員達・・・。ある意味では彼らもマスコミ報道の被害者だったのである。・・・/つまり事件関係者の身柄を拘束して、見せしめにするためのあからさまな別件逮捕である。言い方を換えれば、彼らが事件に関係して世間を騒がせたこと、あるいはマスコミ世論の指弾を受けたこと自体をけしからんとする「ケシカラン罪逮捕」である」(pp.97-100、101)。
 誤り、ウソ、ヌレギヌ、イメージによる当局の罪人作り(p.106)。「生贄として差し出されたのが小嶋であり、木村、篠塚であり、藤田たちだったというわけだ」(p.107)が、では「誰がトクをしたのか」。国交省の官僚たちの情報操作。「・・・流された情報の大半は国交省を発信源としている。国交省の担当記者たちはそれと気づかぬまま、(たぶんいまだにそうだろう)官僚たちの生き残り戦略に加担させられたのである」(p.108)。

 先日時効を迎えた國松孝次警察庁長官狙撃事件オウム元幹部が関与という〝特ダネ〟を放ったのは産経新聞(p.110)。警視庁公安部の捜査、東京地検の処分保留による釈放、「つまりこの事件の捜査は惨憺たる失敗に終わった・・・」(p.113)。「反省の弁はひと言もなし。過去にこれほど惨めな敗北」を「勝利」と言いくるめることができたのは戦時中の軍部だけだろう。もっとひどかったのは東京地検次席検事・・・被疑者の人権を尊重しなければならないという意識のかけらもないオウム信者は人間じゃないんだから煮て食おうが焼いて食おうが当局の勝手なんだと言わんばかりである。/警察検察にもまして惨めだったのは、公安当局のリークに踊らされた新聞テレビだった。素人でもデタラメだと分かる「・・・実行犯・・・・指揮官」説をさも真実であるかのように実名で報じてしまったのだから」(p.113)。大谷昭宏さんは「・・・なんて珍妙な捜査があるか」(p.114)。
 「客観報道主義は無責任主義の別名・・・。・・・河野義行さんのケース・・・」(p.118)。「地下鉄サリン事件和歌山カレー事件など重大事件が起きるたびにメディア・スクラム集団過熱取材)が繰り返される・・・」(p.119)。「・・・記者クラブ制度・・・。/・・・記者たちはいつのまにか権力との距離感を見失い、最も大事な批判精神をなくしてしまう」(p.120)。
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●『貧困なる精神U集』読了(2/2)

2009年06月08日 07時51分31秒 | Weblog

本多勝一著、『貧困なる精神U集 NHK受信料を拒否して四〇年
                                 
 ~メダカ社会とジャーナリズム~』

 魚住昭さん、北海道のおじさんのやくざ的振る舞い (p.60)

 「・・・当然ながら、問題の核心はそんな「どこの国にも一定のパーセント」いる馬鹿馬鹿しい男にあるのではなく、そんな男を首長に選んだ側にある。つまりこの場合は東京都民の「民度」にある・・・」
(p.88)。「・・・この男の正体は、・・・前から分かりきっていること、いま改めて騒ぐほどのことではないし、・・・」(p.99)

 
インタビュー「加害報道 河野義行さんをめぐる松本サリン事件の誤認捜査と誤報」(pp.129-154)。「許せぬ『週刊新潮』」(p.151)

 「ジャーナリストとして生きる 熊谷伸一郎氏との対話」(pp.177-186)。本多さんの持論、新にすぐれたルポルタージュをモノにするためには、お金をかけるか、時間をかけるか、命を賭けるか (p.165p.186)

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●『月刊誌3冊』読了(4/4)

2009年04月14日 07時18分21秒 | Weblog


【『紙の爆弾』(20091月号)・『冤罪ファイル No.04(200812月号)
                                      
・『創』(20093月号)
 森達也さんの「極私的メディア論/第40 死刑制度について」(pp.88-91)。「・・・僕の感覚では、HEROの呼称に値するのは、強大な国家権力に対峙する在野の弁護士だ。ところが近年、オウムや光市母子殺害事件などを例にあげるまでもなく、・・・バッシングが強まっている」。ヨーロッパでは、ベラルーシ以外はすべて、既に死刑を廃止。当初は6割が死刑存置を主張していても、廃止後は、およそ6割が死刑復活に反対するようになるらしく、「死刑を廃止しても凶悪犯罪が増えないことが、その理由のようだ」。「・・・死刑を存置すべき確固たる理由があるのなら、国際社会からの批判や抗議など無視して、胸を張って執行を続ければよい。/でも死刑を存置すべき確固たる理由は、いくら探してもどうしても見つからなかった。これは僕の結論。いかなる場合であろうと人は人を殺してはいけない。殺させてはいけない。だから廃止を主張する」。テレビのドキュメンタリー (NNNドキュメント2008だったかな??) でも見たが、松本サリン事件の河野義行さんについて、服役を終えて出所したある信者は庭木の剪定など河野さんの家を訪れており、親しく両者は接している。「ありえない想像だけど、もしも麻原死刑囚が家を訪ねてきたとしても、河野さんはきっと、よくいらっしゃいましたと迎え入れるに違いない」。
 浅野健一さん「広島拘置所面会室で元少年に直撃/光市母子殺害事件元少年は報道をどう見たか」(pp.124-129)

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●『創 (11月号)』読了(2/2)

2008年11月27日 07時59分59秒 | Weblog
『創 (2008年11月号)
浅野健一さんの「松本サリン事件から
14年、河野義行さんの妻、澄子さん逝く」。犠牲者であり入院し、ずっと意識不明でありながら、「家族を支えた」澄子さん。

及川健二さんの「死刑廃止議連会長として発言する! 亀井静香がぶちあげる「死刑廃止論」」。リード文、「・・・かつての自民党の重鎮。毀誉褒貶激しい政治家だ。しかし、こと死刑問題に関しては、死刑廃止議連の会長で、筋金入りの廃止論者 (※3) である」。

篠田博之編集長の「「月刊現代」休刊をめぐる講談社の社内事情と見通し」。表現の場が、自由の場が次々に失われて行っている。「論座」につづき・・・。

元木昌彦元代表による「私が1年半関わった「オーマイニュース」の試行錯誤」。2年前鳴り物入りでスタートしたにもかかわらず、根付かず。
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●『野中広務 差別と権力』読了(2/3)

2008年11月07日 08時02分52秒 | Weblog
【魚住昭著、『野中広務 差別と権力』】
「永田町ほど差別意識の強い世界」(2) はなく、「総裁選の最中にある有力代議士は・・・「・・・総理になれるような種類の人間じゃないんだ」 (p.385) と言ったそう。さらに、最近、ネット上で話題になっていた部分。当時、「総裁選に立候補した元経企庁長官」 (であり現総理) の「麻生太郎は・・・「あんな・・・を日本の総理にはできないわなあ」と言い放った」(p.385) そうである。20039月、野中は、最後の自民党総務会に臨み、当時の小泉総裁や麻生政調会長を前に発言を求めた。「・・・私の最後の発言と肝に銘じて申し上げます・・・政調会長。あなたは『野中のような・・・を総理にはできないわなあ』とおっしゃった。君のような人間がわが党の政策をやり、これから大臣ポストについていく。こんなことで人権啓発なんてできようはずがないんだ。私は絶対に許さん!」、野中の激しい言葉に総務会の空気は凍りついた。麻生は何も答えず、顔を真っ赤にしてうつむいたままだった」(pp.391-392)。

「手柄は小泉にとられた形になってしまったが、ハンセン病訴訟の元患者や弁護団が最も頼りにしたのが野中だった」し、「松本サリン事件で警察とマスコミに犯人扱いされた河野義行に、国家公安委員長として率直に謝罪したのも野中だった」(p.427)(先日、とうとう、河野さんの奥さんが亡くなられた・・・。今、安田好弘さんの視線で見たオウム事件の真相について読書中。)
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