[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑] (2021年08月21日[土])
【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/かくなる上はと、子供向けに自分を貫く童話を書いた タイトルは「いちばんたいせつなもの」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/293120)。
《美濃部都政の時に多くの健康学園ができたと聞く。高度成長の恩恵もあるのだろうが、石原都政になると、こうした健康学園は「無駄だ」と判断され次々に潰されていく。竹岡学園ももちろん今はない。その頃から、この国における教育は様変わりしていったように思うのだ》
《2001年に「機会不平等」という本を書き、教育格差を取り上げた時にインタビューした江崎玲於奈氏は「これからの教育には遺伝子検査による選別すらありうる」と言った。余りに無邪気に語るのに衝撃を受けたが、いまや、これが暗黙の「スタンダード」なのだろう》。
江崎玲於奈氏の悍ましき発想。
《ここまで教育格差があからさまになっているのに、何が平等なのか。コロナ禍で露呈した「格差」はどんどん広がる一方だ。貧困家庭の子はまともな教育すら受けられない。スタートラインに立てないではないか》。
まさに『機会不平等』。
『●『機会不平等』読了』
「不平等社会の推進者と優生学、遺伝子差別。社会ダーウィニズム。
御用学者による小泉「機会不平等」促進社会の完成」
『●『人はなぜ学歴にこだわるのか。』読了』
「小田嶋隆著。《…旧弊な身分制度社会の桎梏から近代の人間を
解放する役割を果たしてきたはずの学歴システムが、いつの間にやら
階級固定の道具になっている現実…》。《…子供の学力は、低年齢で
あればあるほど、親の教育水準および経済状態をストレートに反映…》。
《…学歴における機会均等なんてものは、もはや建前でさえない…》。
斎藤貴男さんの『機会不平等』(※1) と同じ指摘。」
『●アベ様参院選公約「子育て…」: 「3歳児、おなかすいて盗んだ」
…アベ様のニッポン、病んでいないか?』
『●どちらの国に生まれた子どもが幸せだろうか?』
『●子どもたちが「キチンとした教育」を受けることができ、
平和に暮らせる世の中に』
『●「生まれた環境に縛られる、子どもたちの夢」
(『カナエール福岡応援ページ』)』
「番組を見て、そして、そのWPの一つのフレーズ
「生まれた環境に縛られる、子どもたちの夢」を見て、
小田嶋隆さんの本の言葉を思い出しました……
「子供の学力は、低年齢であればあるほど、
親の教育水準および経済状態をストレートに反映…
学歴における機会均等なんてものは、もはや建前でさえない…」
(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2a1cb2eb9e660199cf4fcdc12a4a8d1f)」
『●石坂啓さん「道徳心とか愛国心とかが
コドモたちにとって安全かどうか、なぜ疑ってかからない」』
『●「道徳」を説く文科相がソレってOKなの?
「道徳心とか愛国心とかがコドモたちにとって安全」??』
『●「子供たちの未来が家庭の経済事情によって
左右されることのないよう」な社会を目指すその先に…』
『●萩生田光一文科相「身の丈入試」…《権力に近くない家庭の
子どもは、みんなあの連中の奴隷か私兵にされてしまう》』
『●《むしろ「自民、単独過半数割れ 安倍一強に赤信号」
でしょーよ。》と報じられない…ズルズル消費増税か?』
《【私説・論説室から】老後に貯蓄がいらない国
…日本の生活とどちらが安心できるのか。結論は「もちろんフィンランド」。
即答した。「親の経済力にかかわらずすべての子どもたちが大学まで
行けることは素晴らしい。老後もお金は残らないが、年金で生活できる」…
負担は安心につながる。遠回りに見えて実は確実な道と思うのだが…。
(鈴木穣)》
『●《フィンランド…親の経済力にかかわらずすべての子どもたちが
大学まで行ける…。老後も…》(鈴木穣記者)』
『●同様に、「この28年間の変化は法人税が6兆円…
所得税が6兆円減り、消費税が13兆円増えたことだけなのだ」』
『●前川喜平さん《社会全体が子どもたちを支えられるように、子どもたちに
税金を使う仕組みを作らなければいけない》…逆行するアベ様政権』
『●【NNNドキュメント カネのない宇宙人 信州 閉鎖危機に揺れる
天文台】…《「経済的利益」を重視する国の政策によって…資金》大幅減』
「2005年から運営費交付金を年1%削減し続ける文科省。人件費が
どんどんと削られ、研究者が減らされていく。文系どころか、理系に
対しても未来に投資しない国。一方、巨額の軍事研究費で研究者の
良心を釣る。おカネ儲けのことしか考えていない独裁者・アベ様ら。
この国ニッポンの科学の未来はトンデモなく暗い…。」
『●毎日新聞【「軍事研究せぬなら、行政機関から外れるべき」 自民・
下村博文氏、学術会議巡り】…人殺しの研究なんてまっぴら御免だね』
『●「「愛人」だと報じられた女性がいるバーで1回約180万円の
支出を政治活動費で賄っている」財務相』
《「人の税金で大学に」麻生太郎は自分の娘も東大卒だった! 教育への
公的支出を否定する財務相を許していいのか …つまり、教育への
公的支出が少なく家計負担を強いているこの状況が、親の所得格差が
子どもの教育格差につながるという「貧困の連鎖」を
生み出しているのだ》
『●《将来への投資》しないカースーオジサン…児童《手当(公助)を
減らし、自助に頼る。これが菅首相の「自助・共助・公助」の実態だ》』
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/293120】
斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。
二極化・格差社会の真相
かくなる上はと、子供向けに自分を貫く童話を書いた タイトルは「いちばんたいせつなもの」
公開日:2021/08/11 06:00 更新日:2021/08/11 06:00
(「いちばんたいせつなもの」)
その理念の偽善性がこれでもかと暴露された東京五輪がようやく終わったが、案の定、コロナは猛威を振るい、東京では自宅療養が「基本」となった。政府は「重症者を入院させるため」と言うが詭弁だ。東京五輪開催のために、すべてのコロナ対応をおろそかにした揚げ句、「医療崩壊」を招いたのである。
それでも「菅辞めろ」デモすら起こらない。政治的に声を上げると組織内で異端視される息苦しさがますますエスカレートしているからだろう。こうして、世の中は、どんどん、狂乱の深みにはまっていく。
かくなる上は、とつい最近、子供向けの童話を書いた。「いちばんたいせつなもの」というタイトルで、「一番大切なもの」とは何かというと、自分の価値観である。当たり前じゃないかと言われそうだが、昨今はこれがいとも簡単にねじ曲げられてしまう。忖度、圧力、暴力、威嚇、ゴマすり、おべっか、口先の美辞麗句、虚言が横行し、自分の価値観を貫くことがある意味、“命がけ”の時代である。だから、未来を担う子供たちに「貫く大切さ」を伝えたかったのだが、中身は私の実体験がほとんどだ。
体が弱かった私は小学校3年生のときに、千葉県富津市にある豊島区立竹岡養護学園というところで寄宿生活をした経験がある。おかげで、体は丈夫になったし、仲間と濃密に触れ合い、葛藤し、生きること、自然と触れ合う喜びなどを知った。そんな生活の中で「自分がたいせつなもの」を見つけたのだが、こういう学園生活を送れた私は運が良かったかもしれない。こうした学校に入れるのは、東京都23区民の恩恵だったからである。美濃部都政の時に多くの健康学園ができたと聞く。高度成長の恩恵もあるのだろうが、石原都政になると、こうした健康学園は「無駄だ」と判断され次々に潰されていく。竹岡学園ももちろん今はない。その頃から、この国における教育は様変わりしていったように思うのだ。
私は何も日本全国の学校を「健康学園」にしろと言っているのではない。むしろ、教育は画一的だと批判されるくらいがよいのではないか。ただし、たっぷりの“遊び”を伴えば、の話だが。一定の制約があるからこそ、その中で多様性=個性が磨かれるのだ。
ところが、今の教育は効率よく、社会のなかで役立つ「戦力」を育てることだけを主眼としている。この「戦力」とは経済活動における生産性である。だから、利益にすぐには直結しないリベラルアーツは軽視され、文学や芸術は虐げられ、エリートだけを選別し、英才教育を施すという「優生思想」的なものが大手を振って歩いている。
2001年に「機会不平等」という本を書き、教育格差を取り上げた時にインタビューした江崎玲於奈氏は「これからの教育には遺伝子検査による選別すらありうる」と言った。余りに無邪気に語るのに衝撃を受けたが、いまや、これが暗黙の「スタンダード」なのだろう。
ここまで教育格差があからさまになっているのに、何が平等なのか。コロナ禍で露呈した「格差」はどんどん広がる一方だ。貧困家庭の子はまともな教育すら受けられない。スタートラインに立てないではないか。私だったら暴れている。しかし、今はそれすら許されない。子供たちよ、それでいいのか。拙著を手に取って、「たいせつなもの」に気づいてくれればいいのだが。
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[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]
東京新聞の【社説 検証「安倍政治」 教育改革 競争疲れに目を向けて】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/54130?rct=editorial)。
《安倍晋三首相は、第一次、二次政権ともに「教育再生」を掲げる諮問機関をつくるなどして、官邸発の教育改革を推し進めてきた。そこには二つの流れが存在した。一つの流れは復古的、保守的な方向に向かった。二〇〇六年には教育基本法を改正。教育の目標に「愛国心」を盛り込んだ。いじめ対策などを理由に、それまで教科外の活動だった道徳も教科となった。戦前の軍国主義教育の反省から、戦後教育では国の基準に沿って作られた教科書に基づき、心を評価することになる教科化を避けてきた。第一次政権では見送られたが、二次政権下で実現に至った》。
『●さようならアベ総理、そして、こんにちはアベ様…数々のアベ様案件
について真相を解明し、真の「責任」を果たしていただきましょう』
「2020年8月28日(金)午後、漸くこの日を迎えました。
アベ様が首相辞任を表明しました」
『●前川喜平さん《数々の政策の失敗…行政の私物化について、納得できる
説明をし、ちゃんと謝罪し、その責任をとってから、辞めてほしい》』
『●浜矩子さん《日本をこの狂った道から正しい道に戻さなくては
ならない。安倍政権はそれほど激しい歪みを日本経済に遺したのです》』
『●アベ様や財務相は、赤木さんが《残したファイルとか、いま黒塗りに
なっている夫がうつ病になった経緯であるとか、出すのは簡単なことだ》』
『●《権力をほしいままにし、国家を私物化してきた安倍首相も官邸を
出てしまえば“ただの人”…司直の手に落ちることになるのか》?』
《「密室談合」による菅官房長官の次期総理就任を許していいのか!
GoTo、沖縄いじめ、公文書改ざん、メディア圧力の最大の戦犯
…まさに、菅官房長官が陰に陽に繰り広げてきたメディア工作により
忖度が広がり、スキャンダルや疑惑が持ち上がっても批判的な報道が
徹底してなされず、安倍政権は約8年もの長期政権となったわけだが、
当然、菅官房長官が次期総理となれば、メディア圧力はさらに激しさを
増し、安倍政権以上に批判が封じ込められることは必至だ》
『●アベ様広報紙・産経《むしろ記者たちの質問する権利を奪おうとする、
目を疑うような記事が出た》…《メディアコントロール》の成果』
『●《「安倍総裁をしっかりと継承する」「安倍政権が進めてきた改革の
歩みをけっして止めるわけにはなりません」》…より陰湿・悪質・強権①』
『●《「安倍総裁をしっかりと継承する」「安倍政権が進めてきた改革の
歩みをけっして止めるわけにはなりません」》…より陰湿・悪質・強権②』
『●《悪夢…民主党》総裁選では「全国で遊説することなく、国民に広く
考えを示さず、政策論争を深めなかった」と当て擦っておきながら…』
『●アベ様案件…(武田砂鉄さん)《近場から放たれる「病人なんだから」
という、勝手に設けられた除外規定を素直に受け止め過ぎでは》?』
『●縁故主義の塊のようなアベ様と昭恵夫人…《「モリ・カケ・サクラ」
…いずれも「身内」の優遇で、国政の私物化が疑われた案件だ》』
「教育再生」「教育改革」という名の教育破壊。
「子育て支援など社会保障の充実を据える「1億総活躍社会」の推進」・「子育ての党」を詐称する与党・自公。癒着党・お維もハタやウタの推進が大好きだ。「教育再生」という名の下で、教育破壊してきた皆さんに投票し、支持している「1/4」の皆さんや、投票にか行かないことで間接的に自公お維を支持しておられる「2/4」の皆さんの気が知れません。
この教育破壊までも、次の無《責任政党》総裁、次期首相も《継承》するつもりでしょうかね? …そして、2020年9月16日、元・最低の官房長官が首相となりました。大惨事アベ様政権です。
『●『機会不平等』読了』
「不平等社会の推進者と優生学、遺伝子差別。社会ダーウィニズム。
御用学者による小泉「機会不平等」促進社会の完成」
『●『人はなぜ学歴にこだわるのか。』読了』
「小田嶋隆著。」
《…旧弊な身分制度社会の桎梏から近代の人間を解放する
役割を果たしてきたはずの学歴システムが、いつの間にやら
階級固定の道具になっている現実…。…子供の学力は、
低年齢であればあるほど、親の教育水準および経済状態を
ストレートに反映…。…学歴における機会均等なんてものは、
もはや建前でさえない…》
「斎藤貴男さんの『機会不平等』…と同じ指摘」
「《学歴問題は、環境問題にも似ている》…。[学歴社会反対・
環境破壊反対に] 《誰もが賛成しているが、具体的な場面に
おいて人々が何をやっているのか…》」
『●「日本を守ってくれる人」って、アベ様は
「破壊している人」なんですが! 一体何を「記念」した小学校?』
『●コラム『筆洗』「さて、この学校はどんな「愛国心」を、
子どもたちに伝えたいのか」? グロテスクな洗脳』
『●裸の王様「記念」小学校・女王様「名誉」校長…
証拠隠滅=「文書を存在しないことにする手法」炸裂か?』
『●アベ様王国「同じ穴のムジナ夫婦」(鈴木耕さん)、
そして、「大新聞も同じ穴のムジナ」(日刊ゲンダイ)』
『●保育所・幼稚園の幼児「教育」の破壊:
ハタやウタで「将来の国民としての情操や意識の芽生えを培う」?』
『●「日本教育再生機構大阪」という「教育破壊」つながり…
「安倍首相を中心とする異様な翼賛と癒着の構造」』
『●どちらの国に生まれた子どもが幸せだろうか?』
『●《人材の宝庫》…《安倍政権史上、過去最高の“お友だち=
極右”内閣…背筋が凍るような極右議員が勢揃い》(リテラ)』
『●萩生田光一文科相《テロ予告や脅迫で「表現の不自由展」を
中止させた勢力に加担する行為…表現の自由を圧殺する暴挙》』
『●萩生田光一文科相「身の丈入試」…《権力に近くない家庭の
子どもは、みんなあの連中の奴隷か私兵にされてしまう》』
『●前川喜平さん《社会全体が子どもたちを支えられるように、子どもたちに
税金を使う仕組みを作らなければいけない》…逆行するアベ様政権』
教科書検定や「ト」な歴史教科書の採択強要 ハタやウタの強制、道徳の教科化(文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』)、教育勅語の復活、古くは忠魂碑訴訟…現代の教育破壊は着実に進む…。大変に憂慮すべき現状なニッポンの教育環境。
『●『反忠 ~神坂哲の72万字~』読了(1/4)』
『●『反忠 ~神坂哲の72万字~』読了(2/4)』
『●『反忠 ~神坂哲の72万字~』読了(3/4)』
『●『反忠 ~神坂哲の72万字~』読了(4/4)』
『●教育壊革!? ~忠魂碑と教育塔~』
『●「敗戦特集」 『週刊金曜日』
(2014年8月8日・15日合併号、1003号)についてのつぶやき』
『●「道徳」を説く文科相がソレってOKなの?
「道徳心とか愛国心とかがコドモたちにとって安全」??』
『●「不正文科相が子どもに「道徳心」を説き得る」
「大臣を辞めながら反省どころか、威張る」・・・「珍芸」』
『●文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』・・・
コドモタチの道徳教育のための好例として記載を可能か?』
『●あぁ~あ、また言っちゃったよ、稲田朋美ダイジン…
教育勅語の「核の部分は取り戻すべきだ」と「是認」』
『●教育勅語「憲法や教育基本法に反しないような形で
教材として用いることまでは否定されない」と閣議決定!』
『●教育勅語復活問題…森戸辰男元文部相
「過去の文献として扱い、かりそめにも神格化することのないように」』
『●「教育再生」という名の教育破壊…「子どもから変えていこう
という動きは実に悪賢い」(小澤俊夫さん)』
「教科書検定や「ト」な歴史教科書の採択強要 ハタやウタの強制、
道徳の教科化(文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』)、
教育勅語の復活、古くは忠魂碑訴訟…現代の教育破壊は着実に
進む…。大変に憂慮すべき現状なニッポンの教育環境」
「《戦争屋》のアベ様らには、侵略戦争への反省も無く、壊憲して再び
「戦争のできる国」へ…、《自分たちの加害をはっきり残し
『もう絶対にやらない』と世界に約束している》ドイツと彼我の差。
そして今、「教育再生」という名の教育破壊が進む。札束で頬を
打つように、最高学府の研究・教育にまで侵食」
《二つの流れには共通する底流があるように思う。要は「安上がり」なのではないか》。
『●【NNNドキュメント カネのない宇宙人 信州 閉鎖危機に揺れる
天文台】…《「経済的利益」を重視する国の政策によって…資金》大幅減』
「2005年から運営費交付金を年1%削減し続ける文科省。人件費が
どんどんと削られ、研究者が減らされていく。文系どころか、理系に
対しても未来に投資しない国。一方、巨額の軍事研究費で研究者の
良心を釣る。おカネ儲けのことしか考えていない独裁者・アベ様ら。
この国ニッポンの科学の未来はトンデモなく暗い…。」
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/54130?rct=editorial】
社説
検証「安倍政治」 教育改革 競争疲れに目を向けて
2020年9月8日 07時43分
安倍晋三首相は、第一次、二次政権ともに「教育再生」を掲げる諮問機関をつくるなどして、官邸発の教育改革を推し進めてきた。
そこには二つの流れが存在した。一つの流れは復古的、保守的な方向に向かった。二〇〇六年には教育基本法を改正。教育の目標に「愛国心」を盛り込んだ。
いじめ対策などを理由に、それまで教科外の活動だった道徳も教科となった。戦前の軍国主義教育の反省から、戦後教育では国の基準に沿って作られた教科書に基づき、心を評価することになる教科化を避けてきた。第一次政権では見送られたが、二次政権下で実現に至った。
もう一つは競争によって質の向上を図ろうとする流れだ。全国学力テストを実施する方針は政権発足以前から固まっていたが、教育再生会議の提言であらためて学力向上策として位置付けられた。
民主党政権時代に抽出調査となったが、第二次安倍政権で再び全校調査となった。当初は都道府県別のみの成績公表だったが、今は自治体の判断で学校別の公表も可能となり、教育現場が感じる圧力は強まっている。
採点などで税金が流れ込む先は民間の教育産業だ。民間に委ねる構図は、英語民間試験を大学入学共通テストに導入する大学入試改革に行き着いた。
二つの流れには共通する底流があるように思う。要は「安上がり」なのではないか。本来は、教員を増やして、子どもに目が行き届くようにすることが、学力向上やいじめの早期発見などにもつながるはずだ。しかし、それには予算が必要となる。経済協力開発機構(OECD)の調査では、日本の政府総支出に占める教育支出の割合は減少傾向で加盟国平均を下回っている。
小中学校では、学力テスト対策に時間や教員の労力が費やされ、疲弊している。国立大学も、運営費交付金が削減されたり、競争して獲得する部分が徐々に増えたりしている。若い研究者の正規雇用がままならず、研究力の低下が懸念されている。
大学入試改革は昨年、高校校長や高校生たちの見直しを求める声もあり、英語民間試験導入が見送られた。現場の疲弊に目を向け仕切り直しをする時期が来ているのではないか。先行き不透明な時代だからこそ、未来への投資を惜しむべきではない。
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日刊ゲンダイのコラム【中村敦夫 怒りん坊の閻魔堂会議/生産性が殺人の動機?こうした考えの終着駅は戦争しかない】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/270827)。
《これはヒトラーの優生学の思想であり、ユダヤ人ばかりでなく、障害者の大量虐殺へとエスカレートした根拠になった。おぞましい考えじゃが、これが実際に思想として力を持ち、民を、軍を、政治家を動かし、世界を悲惨な状況に追い込んだ》。
『●「容疑者の“弱者を排除すべし”という主張は現在の
日本社会において決して特殊なものではない」』
『●阿部岳さん《私にも誰にも、きっと大小の刃が潜んでいる。
植松被告という鏡に映っているのは今の日本社会の姿ではないか》』
《人ごとでない記者の省察は、自らの内面にも及ぶ。長男に障がいが
なければ、と願ったのは差別の表れだったと告白する ▼事件自体も
特殊な例ではないと言う。植松被告自身、役に立つかどうかで人の
価値を判断する社会の病弊に縛られていた》
「…こういった「世界観」や「個人・民族間の平等,民主主義,議会主義,
人道主義,国際平和を否認」する深層心理はアベ様ら多くの自公議員や
癒着党の議員に共通するもの。沖縄イジメが典型で、
「本土」マスコミもそれに悪乗りする始末」
《…鏡に映っているのは今の日本社会の姿》。
横浜地裁で、死刑判決が出ました。被告は控訴せず、死刑判決が確定しました。[1]~[3]の三つの感想を持ちました。
[1] 死刑で何か解決しますか? 死刑にしてしまえば「お終い」でいいのでしょうか?
東京新聞の記事【相模原殺傷、植松被告に死刑判決 責任能力認定、横浜地裁】(https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020031601001352.html)によると、《相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で2016年7月、入所者19人が殺害され、職員を含む26人が重軽傷を負った事件の裁判員裁判で、横浜地裁(青沼潔裁判長)は16日、「19人もの人命が奪われ、ほかの事件と比較できないほど結果は甚大」として、殺人罪などに問われた元職員植松聖被告(30)に求刑通り死刑判決を言い渡した》。
『●なぜ〝素人〟裁判官に「死刑のスイッチ」を押させる
必要があるのか、さっぱり理解不能…国は一体何を意図?』
[2] コラムで述べられていない点ですが、なぜ〝素人〟裁判官に「死刑のスイッチ」を押させる必要があるのでしょうか?
《相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」…事件の裁判員裁判で、横浜地裁(青沼潔裁判長)は…求刑通り死刑判決を言い渡した》。
[3] 《容疑者の“弱者を排除すべし”という主張は現在の日本社会において決して特殊なものではない》…「鏡」に映る姿を見なくていいのでしょうか?
リテラの記事【相模原障害者殺傷事件で死刑判決──植松被告の思想と、安倍自民党の障害者切り捨て・差別排外主義との関係を改めて問う】(https://lite-ra.com/2020/03/post-5314.html)によると、《本日横浜地裁で、死刑判決が言い渡された。本サイトでは事件当時から度々指摘してきたように、この事件は障害者差別に基づいたヘイトクライムだ。裁判では、この事件の本質である植松被告の差別思想がいかにして生まれたかなど、十分解明されたとは言えない》
『●麻生太郎氏「ナチス発言」、やはり有耶無耶に』
『●「恥」の三重塗り: 高市早苗氏・稲田朋美氏の
「ネオナチ」写真問題・「在特会」機関紙執筆問題』
『●日本社会は歪んでる: ネオナチやヘイトスピーチ集団に
「信奉」される議員が取り巻くアベ様』
『●アベ様に白紙委任を勘違いさせてはいけない:
「A君が毎日、一人で掃除当番をする」という案が過半数に…』
『●差別主義者を東京「ト」知事にできる、
そんなニッポンの社会そのものが歪んでいる』
『●「あとの祭り」: 「自民党きっての極右議員」「極右思想」大臣
…こんな防衛相が誕生しちゃいました』
『●朝鮮人虐殺…黒澤明監督「何をかくそう、その変な記号
というのは、私が書いた落書きだったからである」』
『●3人がそろいもそろって「外交音痴も甚だしい」、
「3人の発言で日本外交の程度の低さが際立った」』
『●《極右のタニマチ》達の悍ましさ…アノ「安晋会」副会長・
アパホテル元谷外志雄代表とアベ様の深~い関係』
『●《安倍政権がやりたいのはただひとつ「差別」ではないのか》
…《政府が仕掛けた日韓問題は日本の文化に影響》…』
『●《トランプ大統領の移民への差別的な発言が白人至上主義者の
憎悪感情を助長させてはいないか》?』
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/270827】
中村敦夫 怒りん坊の閻魔堂会議
生産性が殺人の動機?こうした考えの終着駅は戦争しかない
2020/03/24 06:00
(津久井やまゆり園(C)日刊ゲンダイ)
障害という字は使いたくないのだが、代わりとなる簡潔な用語が見つからないので、失礼つかまつる。
重度障害者19人を殺した犯人に、死刑が宣告された。罪の報いと言って済めば簡単だが、問題は根深い。これで一件落着と思う人は少ないのではないか。何か割り切れないモヤモヤが残る。閻魔堂会議では、この殺人に関するさまざまなテーマが議論された。
その中のひとつは、殺人の動機である。
犯人の主張では、「生産性のない命には価値がない」そうじゃ。
これはヒトラーの優生学の思想であり、ユダヤ人ばかりでなく、障害者の大量虐殺へとエスカレートした根拠になった。おぞましい考えじゃが、これが実際に思想として力を持ち、民を、軍を、政治家を動かし、世界を悲惨な状況に追い込んだ。
こんな見方もある。経済成長を神と仰ぎ、経常利益だけに一喜一憂してる経営者たちの中には、腹の中じゃこう思ってる人も少なくないのじゃなかろうか。
「障害者なんか死んじまえ。会社が傾いたら、社員も労働者も切っちまえ!」
かつて都知事時代の石原慎太郎は、「この人たちに人格はあるのか」と言って物議をかもした。とすれば、これは必ずしも少数派の意見ではなく、この犯人やヒトラーの主張とどこかでつながっているのではなかろうか? こうした考え方の終着駅は、「戦争」に辿り着く。短期間で最大の生産性を生み出すからである。
チャプリンは、「殺人狂時代」という映画の中で、「1人殺せば殺人者だが、100万人殺せば英雄だ」と戦争を皮肉った。この表現は、戦争ビジネスで太り続けていたアメリカを怒らせ、国外追放となった。本当のことを言う表現者が弾圧されるのは、いつの世にも共通するようだの。
それはともかく、今回の機械的な死刑判決、司法の判断能力の貧しさを露呈しただけじゃった。その点では、結局わけが分からぬまま終局したオウム真理教裁判と同じである。
何としても、「生産性のない命には価値がない」という根拠を引き出し、その非人道性を裁くべきだった。そうではないと、この言葉が思想として生き続け、犯人を英雄化するバカが、続々と登場する危険性がある。
(筆者は2016年に出家得度)
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日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/英語民間試験の導入でついに現実となった優生学的教育制度】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/263918)。
《萩生田光一文部科学相の暴言…「身の丈に合わせて頑張ってもらえば」…。直ちに連想したのは、1990年代末の取材だ。私は拙著「機会不平等」に書く目的で、それまで教育課程審議会の会長だった作家の三浦朱門氏(故人)に会っていた…「…非才、無才には、せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいい」》
小田嶋隆さんの『人はなぜ学歴にこだわるのか。』を《直ちに連想》した。《学歴における機会均等なんてものは、もはや建前でさえない》。
2009年4月3日の日刊ゲンダイの記事のタイトルは【教育費出せない親の子供はまた貧乏という現実 「貧困の再生産」が始まった】(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2a1cb2eb9e660199cf4fcdc12a4a8d1f#comment-list)。「斎藤貴男さんが言うように、スタートライン (出生時) から差がある競争なんて、「やらせ」・「いかさま」である。”自由化”や”民営化” (つまり私企業化) の名の下で教育や福祉を産業化し、”小さな政府”と称して”構造改革”と称するものを進め、国民がそれに抗うどころか、それを支持するなんて…。まさに、『機械不平等』である。」
『●『機会不平等』読了』
「不平等社会の推進者と優生学、遺伝子差別。社会ダーウィニズム。
御用学者による小泉「機会不平等」促進社会の完成」
『●『人はなぜ学歴にこだわるのか。』読了』
「小田嶋隆著。」
《…旧弊な身分制度社会の桎梏から近代の人間を解放する
役割を果たしてきたはずの学歴システムが、いつの間にやら
階級固定の道具になっている現実…。…子供の学力は、
低年齢であればあるほど、親の教育水準および経済状態を
ストレートに反映…。…学歴における機会均等なんてものは、
もはや建前でさえない…》
「斎藤貴男さんの『機会不平等』…と同じ指摘」
「《学歴問題は、環境問題にも似ている》…。[学歴社会反対・
環境破壊反対に] 《誰もが賛成しているが、具体的な場面に
おいて人々が何をやっているのか…》」
『●どちらの国に生まれた子どもが幸せだろうか?』
まさに『機会不平等』の是認。ツイッター上では「#身の丈入試」とも。《彼らにとって下々の人生など、ただ己に奉仕させる道具以上でも以下でもないのである。…こんな手合いを放置していたら、権力に近くない家庭の子どもは、みんなあの連中の奴隷か私兵にされてしまう》。
前川喜平さんは、《真の理由は、萩生田氏自身のゆがんだ歴史観や嫌韓感情、憲法が保障する表現の自由への無理解にある。彼は、「表現の不自由展」を中止に追い込んだ勢力と同じ思想・感情を持っているのだ》…と指摘。また、《前川喜平・元文科事務次官…ツイートだ。〈やっぱり萩生田文部科学大臣か。ひどいことになるだろう。彼の議員会館の事務職には、教育勅語の大きな掛軸が掛けてあった。〉》…そうだ。
そんな方を、アベ様は文科相として任命。トンだ《人材の宝庫》。
『●《人材の宝庫》…《安倍政権史上、過去最高の“お友だち=
極右”内閣…背筋が凍るような極右議員が勢揃い》(リテラ)』
『●萩生田光一文科相《テロ予告や脅迫で「表現の不自由展」を
中止させた勢力に加担する行為…表現の自由を圧殺する暴挙》』
《パラノイアなディストピアで何を好き好んでアベ様の奴隷に成り下がりたい?…という人たちの気が知れない》。アベ様や文科相、最低の官房長官、ウルトラ差別主義者な副首相・財務相ら「宝庫な人材」に投票している方々の気が知れない。
『●『不屈のために』読了』
『●『分断される日本』読了(2/3)』
『●『安心のファシズム ―支配されたがる人びと―』読了』
「斎藤貴男著・・・・・・
第一章「イラク人質事件と銃後の思想」、
第二章「自動改札機と携帯電話」、
第三章「自由からの逃走」、
第四章「監視カメラの心理学」、
第五章「社会ダーウィニズムと服従の論理」、
第六章「安心のファシズム」」
『●『石原慎太郎よ、退場せよ!』読了(1/3)』
「『機会不平等』と社会ダーウィニズム」
『●「容疑者の“弱者を排除すべし”という主張は現在の
日本社会において決して特殊なものではない」』
『●パラノイアなディストピアで何を好き好んでアベ様の奴隷に
成り下がりたい?…という人たちの気が知れない』
《①衛星プチ帝国主義。…②階級社会の徹底。…③一億総動員体制。
…④メディアをフル活用したアベ絶対王朝の確立。…》
《②階級社会の徹底。明治礼賛キャンペーンが称揚するのは
大日本帝国のアジア侵略だけではない。アベが幾度も演説で
引いてきた福沢諭吉の実像は社会ダーウィニズム(優生思想の
源流)信奉者に他ならず、長州士族の世襲による藩閥支配を
当然視し、百姓町人をブタ呼ばわりさえしていた…》
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/263918】
斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。
二極化・格差社会の真相
英語民間試験の導入でついに現実となった優生学的教育制度
2019/10/30 06:00
(「身の丈」とはどういうことか(萩生田文科相)
/(C)日刊ゲンダイ)
萩生田光一文部科学相の暴言が話題になっている。来年度から始まる「大学入試共通テスト」で導入される英語の民間試験が、居住地や経済力に恵まれていない受験生を著しく不利にする問題について、「身の丈に合わせて頑張ってもらえば」とホザいたのだ。
24日に放送されたBSフジの番組。かりそめにも文科相の肩書を持つ者が、何という言い草か。とうとうここまで来てしまったかと、天を仰いだ。直ちに連想したのは、1990年代末の取材だ。私は拙著「機会不平等」に書く目的で、それまで教育課程審議会の会長だった作家の三浦朱門氏(故人)に会っていた。2002年度から小中学校の授業時間と内容が3割がた減る、平均学力の低下が懸念されますがと尋ねると、彼は、
「平均学力が下がらないようではどうにもならん。できん者はできんままで結構。戦後50年、落ちこぼれの底辺を上げることにばかり注いできた労力を、できる者を限りなく伸ばすことに振り向ける。非才、無才には、せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいい」
教育とは裕福で、教育熱心な家庭の子のためのみにある、と言い放たれたようなものだった。零細な鉄屑屋の倅で、落第スレスレの“ビリメン”都立高校生だった経験のある私は(居座ったが)、目の前の相手をぶちのめしたい衝動を必死で堪えつつ、こんな言葉も引き出した。
「欧米の(平均)点数は低いが、すごいリーダーも出てくる。日本もそういう先進国型になっていかなければ。それが“ゆとり教育”の本当の目的。エリート教育とは言いにくい時代だから、回りくどくいっただけの話だ」
三浦氏は文化庁長官だった80年代にも、スポーツ雑誌で〈女性を強姦する体力がないのは、男として恥ずべきこと〉だと、それこそ男として恥ずかしい異常な理屈を開陳し、国会で取り上げられた前科がある。教育関係の審議会をそんな人物に託した政府自体の異常性も問われるべきだった。
あれから20年。私が警鐘を乱打し続けてきた優生学的教育制度の不安は、完全な現実となった。“グローバル人材”の育成と愛国心の涵養を両輪とする教育改革の狙いは自明だ。彼らにとって下々の人生など、ただ己に奉仕させる道具以上でも以下でもないのである。
萩生田氏は謝罪したそうだが、その程度で済ませては絶対いけない。こんな手合いを放置していたら、権力に近くない家庭の子どもは、みんなあの連中の奴隷か私兵にされてしまう。
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東京新聞の社説【ゲノム編集の子 神の手を勝手に使うな】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019012302000166.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2019012302000154.html)。
《中国で遺伝子を改変した双子の女児が生まれた。使われたのは品種改良や病気の治療にも役立つと期待の技術。だが、技術があれば人間を改造しても良いのか。研究者任せにせず、よく考えたい》。
《中国広東省でゲノム編集によって遺伝子を改変した双子の女児が誕生したという▼世界で初といえども倫理、安全面で批判のあった研究である。研究者は功名心でやったと言うが、あまりにも軽々しく神の扉を開けてしまったのではないか》。
東京新聞の記事【ゲノム編集サルでクローン誕生 「世界初」中国5匹】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201901/CK2019012502000120.html)によると、《新薬開発の実験の効率が飛躍的に向上すると主張。今後もさまざまな脳の病気モデルのクローンサルをつくりたいとしている》。
「人殺し」のオモチャと同じ。持てば使いたくなるもの…でも、そこまでやっちゃぁ、イカンでしょぅに。
最早、当初の立派な「目的」を逸脱しているのではないか? 《研究者は功名心でやった》、《研究者は「名誉と利益のために」実施したという》…。何の《功名》?、何の《名誉》?、何の《利益》?
《だが生殖細胞をゲノム編集で改変できるとなれば、人はいずれ、ある欲求を抑えられなくなるだろう。…デザイナーベビー》。悍ましい…。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019012302000166.html】
【社説】
ゲノム編集の子 神の手を勝手に使うな
2019年1月23日
中国で遺伝子を改変した双子の女児が生まれた。使われたのは品種改良や病気の治療にも役立つと期待の技術。だが、技術があれば人間を改造しても良いのか。研究者任せにせず、よく考えたい。
昨年十一月、中国・南方科技大の研究者がクリスパー・キャス9(ナイン)と呼ばれる技術を使って受精卵の遺伝子を改変、エイズウイルスに感染しない双子の女児が生まれた、と発表した。当時は真偽がはっきりしなかったが、広東省の調査チームが事実と認定した。
遺伝子は四種類の文字からなる文のようなもので、字が一つ変わるだけで全く違うことが起きることもある。遺伝子を含むDNAは約三十二億文字の文章で、ゲノムと呼ばれる。クリスパーは狙った部分を探して、字を削除したり、付け加えたりすることができる。
これまでは突然変異に期待していた品種改良が、計画的にできるようになった。通常よりも大きなブタやマダイ、日持ちの良いトマトなどが開発された。
人間への応用はどうか。遺伝子に原因のある病気は多く、治療法としての期待が大きい。受精卵などの遺伝子を改変して知能指数の高い子や、容姿の良い子をつくることも可能だとされる。今回は治療ではなく、これに近い。一方、受精卵や精子、卵子に適用すると、改変は子孫に引き継がれる。
遺伝子の働きがすべて解明されたわけではない。現状では不利な遺伝子に見えても特殊な状況では有利な場合もある。改変のミスによる未知の危険性も心配される。
クリスパーの発明者の一人ジェニファー・ダウドナ米カリフォルニア大教授は著書の中で「ブタの顔を持つヒトラーが利用法を知りたいと語りかけてきた」という表現で、悪用の危険性を訴えている。社会との対話が必要と考え、会議も開催している。それでも中国人研究者は「名誉と利益のために」実施したという。
クリスパーは比較的安価で、高度な技術も必要ないという。遺伝子を改変された赤ちゃんが次にどこで生まれるのか分からない。
教授は「核兵器の轍(てつ)は踏まない」と書くが、歴史を振り返ると、使える技術を使わせないというのは難しい。米国防総省はすでに巨額の予算を注ぎ込んでいる。
将来世代に遺伝子改変が伝わらないように、新たな生物兵器が出現しないようにするルール作りが必要だろう。核兵器の失敗を繰り返さないためにも、である。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2019012302000154.html】
【コラム】
筆洗
2019年1月23日
米航空宇宙局(NASA)が二〇一一年におもしろい発表をしている。題名は「NASA研究者が選んだ科学的にもっともらしいSF映画ベスト・ワースト」▼ベスト部門一位は米映画の「ガタカ」(一九九七年)である。遺伝子の改良によって知能、体力、容姿を向上させた新人類が支配する未来を描いている。遺伝子操作を受けていない人間は「不適正者」として差別され、なりたい職業にもつけない▼現実的というNASAの見立てが的中するのか。中国広東省でゲノム編集によって遺伝子を改変した双子の女児が誕生したという▼世界で初といえども倫理、安全面で批判のあった研究である。研究者は功名心でやったと言うが、あまりにも軽々しく神の扉を開けてしまったのではないか▼ゲノム編集で難病を治療する。これは理解できるし、期待もある。だが生殖細胞をゲノム編集で改変できるとなれば、人はいずれ、ある欲求を抑えられなくなるだろう。ゲノム編集で生まれてくるわが子を頭脳優秀で運動能力も高く美しい子に。デザイナーベビーである▼誰もが自分の能力や姿に不満があろう。がまんしているのは神様が決めたことだからである。それを人が書き換える。その神の扉の先に待つのは優良な遺伝子だけが生存すべきだという優生学的思想と差別ではないか。科学的にもっともらしいあの映画の世界である。
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『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の編集部による記事【障がい者抹殺思想は相模原事件の容疑者だけじゃない! 石原慎太郎も「安楽死」発言、ネットでは「障がい者不要論」が跋扈】(http://lite-ra.com/2016/07/post-2449.html)。
痛ましい、凄惨な事件でした。亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈りいたします。
《容疑者の“弱者を排除すべし”という主張は現在の日本社会において決して特殊なものではない。…教育行政にかかわる人物が公然と「金のかかる障がい児は産むべきではない」という見解を開陳するなどおぞましいが、それを容認してしまう空気がいまの日本社会にはある。石原慎太郎は、都知事に就任したばかりの1999年9月に障がい者施設を訪れ、こんな発言をした。…絶望的な気持ちにさせられる事態》。
しかしながら、《容疑者の“弱者を排除すべし”という主張は現在の日本社会において決して特殊なものではない》、《…などおぞましいが、それを容認してしまう空気がいまの日本社会にはある》…社会そのものがオゾマシイ。醜悪。
『●『石原慎太郎よ、退場せよ!』読了(1/3)』
『●『石原慎太郎よ、退場せよ!』読了(2/3)』
『●『石原慎太郎よ、退場せよ!』読了(3/3)』
吊るせ!、吊るせ!、の合唱で、犯人を死刑にして御終いでしょう、きっと。マスコミは、ニッポンの社会的な背景を掘り起こす作業も無く、何の教訓も得ないです。「空疎な小皇帝」氏やネットに溢れる醜き言説…きっと同じことが繰り返される。
ネット上のデジタル辞典によると(https://kotobank.jp/word/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0-286531)、…
《社会ダーウィニズム 「ダーウィンの生物進化論を適用して社会現象を
説明しようとする立場。特にダーウィンの生存競争による最適者生存の
理論を誤解ないし拡大解釈して,社会進化における自然淘汰説を
導き出そうとする」》
また、同サイトでは、…
《【ヒトラー】より
…ヒトラーは,生物の〈自己保存衝動〉をもっとも根源的な欲求ととらえ,
この衝動にもとづく闘い,強者による弱者の支配・駆逐を〈自然〉の
摂理として肯定し,この論理を人間界の個人と人種の双方に適用した。
このような社会ダーウィニズムの世界観から,個人・民族間の平等,
民主主義,議会主義,人道主義,国際平和を否認し,
卓越した個人による独裁的統治,反ユダヤ主義を唱え,
また人種の〈自己保存衝動〉を充足する基盤として〈生存圏〉の
樹立を主張した》
こういった「世界観」や「個人・民族間の平等,民主主義,議会主義,人道主義,国際平和を否認」する深層心理はアベ様ら多くの自公議員や「癒(着)」党の議員に共通するもの。沖縄イジメが典型で、、「本土」マスコミもそれに悪乗りする始末。
CMLの記事(http://list.jca.apc.org/public/cml/2016-July/044449.html)によると、…《容疑者がtwitterで誰をフォローしてたか、貴重な資料です。http://ameblo.jp/usinawaretatoki/entry-12184564272.html
・安倍晋三
・テキサス親父
・中山成彬
・上念司
・百田尚樹
・高須克弥
・ケント・ギルバート
・西村幸祐
・在特会
・林雄介
・石井孝明
・渡邉哲也
・孫向文
・山際澄夫》
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【http://lite-ra.com/2016/07/post-2449.html】
障がい者抹殺思想は相模原事件の容疑者だけじゃない! 石原慎太郎も「安楽死」発言、ネットでは「障がい者不要論」が跋扈
石原慎太郎 編集部 障害 2016.07.27
(石原慎太郎公式サイト「戦線布告.net」より)
19人もの犠牲者を出し戦後最悪レベルの事態となった、相模原の障がい者施設での大量殺人事件。
植松聖容疑者は「障害者なんていなくなればいい」「障害者はすべてを不幸にする」「障害者には税金がかかる」などと、障がい者を排除するべきという主張を繰り返していたことがわかっている。
戦後最悪レベルのとんでもない凶悪な事件だけに、容疑者の異常性に注目が集まるが、残念ながら容疑者の“弱者を排除すべし”という主張は現在の日本社会において決して特殊なものではない。
たとえば、昨年11月に茨城県教育総合会議の席上で教育委員のひとりが「妊娠初期にもっと(障がいの有無が)わかるようにできないんでしょうか。4カ月以降になると堕ろせないですから」「(特別支援学級は)ものすごい人数の方が従事している。県としてもあれは大変な予算だろうと思った」「意識改革しないと。生まれてきてからでは本当に大変です」などと発言し、さらに橋本昌・茨城県知事までもが「産むかどうかを判断する機会を得られるのは悪いことではない」と擁護・同調するような発言をするという騒動があった。
教育行政にかかわる人物が公然と「金のかかる障がい児は産むべきではない」という見解を開陳するなどおぞましいが、それを容認してしまう空気がいまの日本社会にはある。
石原慎太郎は、都知事に就任したばかりの1999年9月に障がい者施設を訪れ、こんな発言をした。
「ああいう人ってのは人格があるのかね」
「絶対よくならない、自分がだれだか分からない、
人間として生まれてきたけれどああいう障害で、ああいう状況になって……」
「おそらく西洋人なんか切り捨てちゃうんじゃないかと思う」
「ああいう問題って安楽死なんかにつながるんじゃないかという気がする」
ほとんど植松容疑者の言っていることと大差ない。舛添のセコい問題などより、こういった石原の差別発言のほうがよほど都知事としての資質を疑いたくなる。しかし、当時この発言を問題視する報道は多少あったものの、そこまで重大視されることはなく、その後、4期13年にわたって都民は石原を都知事に選び続けた。
「障がい者は生きていても意味がない」
「障がい者は迷惑だ」
「障がい者は税金がかかる」
これらは基本的にナチスの重度障害者を本当に抹殺していったナチスドイツの政策のベースになった優生学的思想と同じものだ。
ところが、恐ろしいことに、こうした差別的発想を、あたかもひとつの正論、合理性のある考えであるかのように容認してしまう、さらに言えば勇気ある正直な意見と喝采すら浴びせてしまう“排除の空気”が、明らかにいまの日本社会にはある。
実際ネット上では、植松容疑者の主張に対しては「やったことは悪いけど、言ってることはわかる」「一理ある」「普段同じこと思ってる」「筋は通ってる」などという意見は決して少なくない。
絶望的な気持ちにさせられる事態だが、こうした弱者排除の空気に重要な視点を与えてくれる小説がある。それは、山崎ナオコーラ氏の『ネンレイズム/開かれた食器棚』(河出書房新社)所収の「開かれた食器棚」だ。
山崎は『人のセックスを笑うな』(同)で文藝賞を受賞し、同作や『ニキの屈辱』(同)、『手』(文藝春秋)、『美しい距離』(文藝春秋)で4回にわたって芥川賞候補に挙がったことのある実力派作家だが、同作は、障がい者の子どもをもつ親の苦悩や出生前診断に踏み込んだ作品だ。
舞台は、〈関東地方最果て〉の場所で営業する小さなカフェ。幼なじみだった園子と鮎美というふたりの女性が38歳のときに開店し、すでに15年が経つ。その店で、鮎美の娘・菫が働くことになるのだが、菫は、染色体が一本多いという〈個性を持って〉いた。小説は母親・鮎美の目線で娘・菫を取り巻くさまざまなことが語られていく。
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〈生まれてから生後六ヶ月までは、とにかく菫を生き続けさせることに必死だった。菫はおっぱいを吸う力が弱いらしく、鮎美は一日中、少しずつ何度も飲ませ続けた。家の中だけで過ごした。外出は怖かった。人目につくことを恐れた。友人にさえ娘を見せるのをためらった。今から思えばそれは、かわいそうに思われるのではないか、下に見られるのではないか、というくだらない恐怖だった。〉
〈他の子たちよりも菫は多めの税金を使ってもらいながら大きくなり、自分が死んだあとは他人にお世話になるだろうことを思うと、社会に対する申し訳なさでいっぱいになった。〉
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そうやって社会から閉じこもっていく母子に、風を通したのは、友人の園子だった。園子は菫を〈ちっとも下に見なかった〉。そればかりか、一緒にカフェをやらないか、と鮎美にもちかけた。そして、「菫のことに集中しなくちゃ……」と鮎美が言いかけると、園子は3歳の菫にこう話しかけた。
「ねえ、菫ちゃんだって、カフェで働いてみたいよねえ?
コーヒーっていう、大人専用のおいしい琥珀色の飲み物を提供するお店だよ。
菫ちゃん、コーヒーカップを、取ってきてくれる?」
何かを取ってくることなんて娘にはできない。鮎美はそう決め付けていたが、そのとき、菫は食器棚に向かって歩き出し、棚のなかのカップを指さす。菫は、理解していたのだ。園子は言う。「ゆっくり、ゆっくりやればいいのよ。成功や達成を求めるより、過程で幸せにならなくっちゃ」。
社会は、障がいがあるという一点だけで「その人生は不幸だ」と思い込む。母親はそれを背負い込み、かつての鮎美のように身体を丸めてうつむき、子どもの可能性を小さく捉えることもある。だが、生まれてくる命、育つ命が幸せか不幸かは、社会が決めることなどではけっしてない。そして、社会が開かれていれば、その人の幸福の可能性はぐんと広がる。──そんなことを、この小説は教えてくれる。
しかし、今の社会が進んでいる方向は逆だ。たとえば、出生前診断。出生前診断によって障がいがあることが判明すると、中絶を選択する人が圧倒的だという現実。こうした結果が突きつけている問題は、この小説が言及しているように、多くの人びとが「障がいをもった子を産んでも育てる自信がない」「障がいがある人生は不幸せなのでは」「育てるにはお金がかかる」「社会に迷惑をかけてしまう」などと考えてしまう社会にわたしたちは生きている、ということだ。
この現実を目の前にして、鮎美はこう考える。
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〈もし、自分も「菫に税金を使うべきではない」と考えるようになったら、それはやがて、「社会にとっては菫のような子はいない方が良い」という考えに繋がっていくのではないだろうか。菫だけではなく、他の菫のような子たちに対しても、自分がそう考えている、ということになってしまうのではないか。〉
〈「強い国になって周りを見下す」というようなことを目標にする社会が持続するとは思えない。「多様性を認めて弱い存在も生き易くする」という社会の方が長く続いていくのではないか。「国益のために軍事費に金を充てて、福祉をないがしろにした方がいい」なんて、鮎美には到底思えない。この国を「弱い子は産まなくて良い、強い子だけをどんどん産め」という社会にするわけにはいかない。〉
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しかし、現実には、前述したように、今回のような事件が起きても、容疑者と同じ「障がい者は生きていても意味がない」「障がい者は迷惑だ」「障がい者は税金がかかる」といった意見が平気で語られている。この国はすでに「弱い子は産まなくて良い、強い子だけをどんどん産め」という価値観に支配されているのかもしれない。
(編集部)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyoko_cloud.gif)
PJニュースから記事をコピペさせてもらいます。
都民の皆さんは恥ずかしくないんでしょうか? 私は傍から見てて、でも、同じ〝国〟民として、とても恥ずかしいけれど、どうしようもない、という非常に複雑な気分です。早く消えて無くなってほしい、世間に出てこないでほしい、水面下に行ってほしい、切に願っています。
東京都青少年健全育成条例改正案、つまり、前回ボツになった「非実在青少年」都条例の焼き直し・改悪で、しかも、今回は民主党が賛成に回るという愚挙・・・。思考停止。救いようのない議会です。全国に波及することが懸念されます。
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【http://www.pjnews.net/news/909/20101208_5】
繰り返される石原知事の同性愛者への暴言と東京都青少年健全育成条例改正問題
2010年12月09日 08:20 JST
【PJニュース 2010年12月9日】前回も石原慎太郎都知事の「同性愛者がTVに出ている状況は野放図」とも取れる差別的な発言について伝えたが12月7日、再び石原知事の同性愛者に対する問題発言が報じられることになった。その内容は・・・。
同性愛者について「どこかやっぱり足りない感じがする。遺伝とかのせいでしょう。マイノリティーで気の毒ですよ」と発言、「ゲイのパレードを見ましたけど、見てて本当に気の毒だと思った」と、過去の視察で見たパレードの様子についての感想も述べたというものだった。(毎日新聞「石原都知事:同性愛者「気の毒」」より)
日本の首都の首長が恐るべき発言をした。特定の性的指向者に対する、非常に危険なコメントである。
かつて、ナチス・ドイツなどでは、悪しき「優生学」的思想のもと、同性愛者が劣る者として迫害された歴史があるが、「遺伝」的な要素まで持ち出して同性愛者を評した石原氏の発言には、同性愛者に対する、悪しき「優生学」と同種の「見下し」、劣る者を見る印象を禁じ得ない。いや、「足りない感じ」とまで言ってしまっているのだから、単なる懸念では収まらないかも知れない。
しかも、この発言は12月3日の「野放図」発言の真意を、記者が問うという経緯でなされたものであり、「失言」ではなく、明らかに確信的な意図を持った発言であることが分かる。
この差別的な暴言に対し、インターネット上では記事発表直後から、前回同様、多くの反響を呼んでいる。何故、同性愛者が「足りない」などと断言できるのか、マイノリティーであることは「気の毒」なのか。考えるほどに、激しい批判が巻き起こるのも当然だと感じてしまうほどの言葉だった。
この発言が飛び出したのは、「人権週間」の最中であり、東京都が製作している「広報東京都」の「22年度啓発活動強調事項」の中にも、「性的指向を理由とする差別をなくそう」との項目が存在している。そんな中にあって、自治体や国の取り組みとは逆行するような形で繰り返された知事の問題発言。公人としての見識を問う声が上がるのも当然と言える。
また、前回も同様のことを書いたが、東京都青少年健全育成条例改正案という、同性愛描写等々を規制し得る「武器」が成立するかも知れないという状況がある以上、これは単なる暴言ではないと認識する必要がある。
少なくとも、近代以降、暴虐をふるった独裁者たちは、「合法的」に、人々を弾圧し、迫害していった。そのほとんどは、現代の私たちからすれば納得のできる罪状ではないが、その場所その時代であれば、みな「正当な法の行使」だった。つまり法は、差別者、迫害者たちの便利な手足にもなり得るのだ。
例えば、石原氏は、今年六月、条例案がいったん否決された段階で、規制対象となるような作品の漫画家を指し「連中が果たして芸術家かどうかは知らないけど、そんなことで描きたいものが描けなくなるなら作家じゃないよ、言わせれば。ある意味、彼らは卑しい仕事をしてるんだから(産経新聞「【石原知事会見詳報】参院選公約「菅君ずるい。ぱくられちゃった」」より)と、明確に職業差別の姿勢を露わにしている。そして、条例案が成立すれば、対象の漫画家たちは苦境に追い込まれるというわけだ。
この一事を見ても、今回の条例案が、いかに、マイノリティーや特定の職業を差別、迫害しようとする側を「満足」させるものかが分かるだろう。これほどの力があれば、対象が何であれ、どんな職業であれ、簡単に「叩く」ことができる。
つまり、この条例案に対する賛否は、単に表現の自由といった要素だけにとどまらず、性的少数者や特定の職業人に対する迫害のための「武器」、実行力が構築されることに対してどのようなスタンスを取るのかが問われていると言える。
しかも、提出までのプロセスも、前回と同じはずの条例がまるで別物になっていたにも関わらず、ぎりぎりまで公開されなかったなど、実に不明瞭で、きちんとしたプロセスが踏まれているとは言い難い現実もある。
漫画家への差別的思想を、あっという間に「満足」させてしまうだけの威力がある条例案、脅威にさらされるマイノリティーや職業人たちが求めているのは、政局を考慮した安易な「賛成」などではなく、改正案そのものの必要性から、抜本的に見直すことではないかと思う。また、そうした形での慎重な判断を行うことは、条例が差別や迫害に利用されることを防ぐ上で、大きなプラスになるはずだ。【了】
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『国家に隷従せず』、8月に読了。斎藤貴男著。ちくま文庫。2004年12月刊。解説は森達也さんで、そのタイトルは「解説 斎藤貴男と森達也は犬猿の仲である。」
江崎や三浦の優生学 [ユージェニクス] 的発想 (p.141、313)、社会ダーウィズム。監視社会の未来 = 「サラリーマン8315709619君の日常」(p.66)。「教育現場に持ち込まれた「EM」」(p.264)。
司法・教育・行政システムの破壊 (p.315)。
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6月に読了。斎藤貴男著。文春文庫。2004年2月刊。
階層社会と教育。派遣社員とセクハラ。労組、労働貴族塩路天皇 (p.233)。
シルバー「産業」と教育「産業」。いやな言葉! 福祉や教育を産業化していいんだろうか?
不平等社会の推進者と優生学、遺伝子差別。社会ダーウィニズム (p.293)。御用学者による小泉「機会不平等」促進社会の完成 (p.366)。
赤線だらけ、でも、まとめる暇なし。再読すべき一冊。