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●《新聞を含むマスコミは…「客観中立で、常に事実と正論を語る」という自画像を描き、自ら縛られてきた》

2019年04月27日 00時00分47秒 | Weblog

[『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著、ちくまプリマ―新書257)↑]



沖縄タイムスの阿部岳さんのコラム【[大弦小弦]「さよならテレビ」、とテレビが言う。】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/408962)。

 《東海テレビが制作したドキュメンタリー番組のタイトルである…▼新聞を含むマスコミは逆に「客観中立で、常に事実と正論を語るという自画像を描き、自ら縛られてきた…▼澤村ディレクターは今、「番組はメディア再生の試みだと受け止めている」と話す。さよならマスコミ、さよなら予定調和、さよなら自主規制。こんにちは、自由で新しい表現。(阿部岳)》

   『●『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著)読了
                …《あなたの政治的ポジションを見つけて…》
    《だいたいみんな、このごろ、まちがえてんのよね。
     「偏らないことがいいことだ」「メディアは中立公正、不偏不党であるべきだ」
     「両論を併記しないのは不公平だ」。そういう寝言をいっているから、
     政治音痴になるのよ、みんな。》
    《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は
     「中立公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。
     それ、常識。》
    《党派性をもたずに政治参加は無理である。》

 「自主規制、政権を忖度、報道の萎縮」なテレビ業界で…。アベ様のNHK下足番新聞など、メディアがアベ独裁広報機関・広報紙・広報誌となって久しい。そんな中、東海テレビは注目に値する。
 以前の東京新聞の記事【地方TV局からスクリーンへ ドキュメンタリーの魅力発信】で、《東海テレビ・阿武野勝彦プロデューサー…「ヤクザと憲法」を作ったが、昔なら「ヤクザ」は放送できないと思ってしまっていた。知らないうちに思考停止になっていたが、何かを考えるようになった。停止している思考を回してみると、豊かな表現につながる映画化によってテレビにも豊かな世界を描く人がいると観客に気付いてもらえた》。

   『●『創 (12月号)』読了 (2/2)
    「森達也さん『極私的メデェア論』第38回「視点が違えば世界は違う」
     …《フジテレビで一本のドキュメンタリー番組が放送された。タイトルは
     「光と影~光市母子殺害事件弁護団の300日」。…プロデューサーの
     名前は阿武野勝彦。そしてディレクターは斎藤潤一。…テレビ業界で
     煩悩し格闘している人は決して少なくない。…「鬼畜弁護士を被写体に
     するお前が鬼畜だ」と罵倒されたという。…非当事者である僕たちが、
     本当の意味で共有など出来るはずがない》」

   『●ドキュメンタリー『死刑弁護人』: 
      バッシングされ続ける「死刑弁護人」安田好弘さん
   『●司法権力の〝執念〟: 映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』
   『●子供にもSLAPPする国: 三上智恵監督・
        映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』
   『●木下昌明さん、『死刑弁護人』映画評
   『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
                     ・・・・・・死刑囚の心の叫び」は届かず
   『●無残!……『朝日』は、素人に《人を裁くという経験を通じ、
               死刑と向き合い、是非を考え》させたいらしい

   『●「テレビ業界で煩悩し格闘している人は決して少なくない」
              …「隠された歴史を掘りおこす」地方テレビ局
    「優れたドキュメンタリーが、東海テレビ琉球朝日放送南海放送
     といった地方のテレビ局で生み出され、そして映画化される。
     『死刑弁護人』や『標的の村』、『放射線を浴びたX年後』といった作品
     である。
      東海テレビ阿武野勝彦プロデューサーは《映画にすることで、
     作品は命を永らえることができる》、森達也さんは《テレビ業界で煩悩し
     格闘している人は決して少なくない》、そして、木下昌明さん
     《隠された歴史を掘りおこす》と言う」。

   『●「自主規制、政権を忖度、報道の萎縮」なテレビ業界で、
              「『よく撮って、知らせてくれた』…お褒めの声」
    「『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(…)の編集部による
     インタビュー記事【東海テレビ・阿武野プロデューサーを直撃! 
     ヤクザの人権、犯罪弁護団、安保批判…萎縮状況の中で
     なぜ東海テレビだけが踏み込んだドキュメンタリーをつくれるのか】」
    「「圧力、自主規制、政権を忖度、報道の萎縮…テレビ業界」で
     「異彩を放つ刺激的なドキュメンタリー」を放ち続ける東海テレビ。
     阿武野勝彦氏は「ど真ん中の仕事…ドキュメンタリーの真ん中」であり、
     そんな仕事には「『よく撮って、知らせてくれた』…
     お褒めの声のほうが多い」そうだ」

   『●「自主規制、政権を忖度、報道の萎縮」なテレビ業界で…
             東海テレビ『ヤクザと憲法』の意味が、今、分かる
    《東海テレビが半年間、ヤクザに密着したドキュメンタリー映画
     「ヤクザと憲法」…▼暴排条例人ごとと思っていたが、別の法律が
     ブーメランのように自分の身に降りかかろうとしている… 
     ▼…金田勝年法相のあいまいな答弁の理由の一つが鮮明になった》

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/408962

[大弦小弦]「さよならテレビ」、とテレビが言う。
2019年4月15日 08:04

 「さよならテレビ」、とテレビが言う。東海テレビが制作したドキュメンタリー番組のタイトルである。東海エリアで昨年9月、1度放送されただけなのに、手から手へとDVDが渡り、口コミで議論が広がっている

▼土方(ひじかた)宏史(こうじ)ディレクターが社内にカメラを向ける。上司が勝手に取材対象にされてる「やめろ」と怒る。視聴率アップと残業代カットが同時に命じられる。舞台裏の矛盾と苦悩を生々しく描く

▼前代未聞の番組作りを、それでも「ぬるい」と言い放つのは被写体の一人である澤村慎太郎ディレクター。「現実を都合よく切り取って、テレビ的現実を生産してるだけじゃないか」。そのシーンもまた、番組に収める

▼人間が取材テーマや相手を選び、番組に仕上げる以上、純粋な客観報道はあり得ない。必ず作り手の意図が入る。そのことを徹底して、正直に、告白する

▼新聞を含むマスコミは逆に「客観中立で、常に事実と正論を語るという自画像を描き、自ら縛られてきた。インターネットの普及などでより多様な情報に触れた市民が不信を抱き、離れていったのは当然なのかもしれない

▼澤村ディレクターは今、「番組はメディア再生の試みだと受け止めている」と話す。さよならマスコミ、さよなら予定調和、さよなら自主規制。こんにちは、自由で新しい表現。(阿部岳
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●究極の「1択」をゴリ押ししてきた「本土」与党・癒党は辺野古破壊に「賛成」票を投じさせるのですね?

2019年01月29日 00時00分47秒 | Weblog

[※辺野古破壊の愚行を報じる朝日新聞2018年12月15日)↑]



リテラの記事【高須克弥橋下徹、ネトウヨ、安倍応援団がバカ丸出しのハンスト叩き! 元山氏、ウーマン村本が完全論破】(https://lite-ra.com/2019/01/post-4505.html)。

 《元山 氏のハンストは、まさに有権者の意思表示が行政に妨げられていることに対する抗議民主主義国家として当たり前の主張だ。というか、その当然の権利すら踏みにじられ、辺野古新基地建設が強行されようとしている状況で、27歳の若者がハンストという過酷な抗議手段に出ざるをえないことが異常というべきだろう》。

   『●「『辺野古』県民投票の会」代表がハンガーストライキ…
           《沖縄で非暴力抵抗運動の歴史が若い世代に…》
   『●ハンスト=非暴力抵抗運動で抗う沖縄の市民に対して、
            「その方に聞いてください」とはどういう了見か?
   『●「日本人の誇り」について熱弁をふるう宮崎政久衆院議員(自民)は、
                          堂々と「辺野古破壊に賛成」に一票を

 《ハンストは決して「無駄」でも「無意味」でもなかったのだ。…「何よりも投票権を奪うと、口を塞ぐというのが、この2019年の民主主義国家と言われている日本において、沖縄においても、あり得ていいのかなというのが、すごく疑問に思いますね」》。
 《県民投票への不参加を表明した5市》の首長は、県民投票を実施して、正々堂々と「辺野古破壊に賛成」の一票を入れれば良いだけなのに、何をゴネていたのだろう。

 厳しい意見。でも、大賛成でした。
 【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/県民投票/三択にすれば問題は解決するのか?より混乱するのではないか。】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/da5a4c439c7ba9dd1ee39de5520006e9)によると、《これまで2択で運動を進めてきた者たちが、ここにきて3択に方向転換した。「全県実施」のためにということだが、県の条例に反して市民の投票権を奪っている5市の首長の揺さぶりに動揺し、自分たちの運動を支持してきた県民のことを忘れてはいないか。2択だからということで署名した人もいるはずだ。…県の条例に従わずに市民の投票権を奪っているのはだれか。その背後には自民党、公明党、日本政府のどのような思惑、動きがあるのか。それを明確にして、県民投票を意図的に混乱させ、失敗させようとしている者たちを浮き彫りにすることが大事だ。仮に全県実施ができなければ、その責任はその者たちにある。そのことをはっきりさせていくべきだ》。

 「どちらでもない」案に落ち着いたようですが、2択で白票すれば良かっただけ。
 沖縄タイムス【沖縄県民投票、全県実施へ近づく 3択容認で複数の市が前向き】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/376475)によると、《県議会の県政与党の全3会派は23日、選択肢を賛否の2択から「どちらでもない」を加えた3択へ変更する条例改正を容認…》。
 琉球新報【県民投票全県実施へ 与野党、3択合意 5市長参加の意向 29日に条例改正】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-866055.html)にも、《「賛成」「反対」「どちらでもない」の3択への条例修正を与野党に提案》。
 3択になったとはいえ、これまで究極の「1択辺野古破壊が唯一の解決策)をゴリ押ししてきたわけですから、当然、「本土」与党・癒党は辺野古破壊に「賛成」票を投じるように、「日本人の誇り」をかけて、沖縄の支持者の皆さんを指導しますよね? 「本土」与党・癒党支持者の沖縄の市民の皆さん、「どちらでもない」ではなく、辺野古破壊に「反対」票を投じて下さると信じております。

   『●「普天間飛行場の辺野古移設問題」に非ず、
      息吐く様にウソをついてでもな「辺野古の新基地建設」問題
    「《投票したい人の権利を奪えるのか》? つぶやき上で、
     「○と×の二者択一批判」に対して、その首長らは、アベ様や最低の
     官房長官が繰り返す「辺野古が唯一の解決策」という究極の「一択」に
     対して批判したのか?、が指摘されていた」

 日刊ゲンダイの記事【辺野古設計変更 計画頓挫を“工期遅れ”と報じる大新聞の罪】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246109)によると、《辺野古新基地建設を巡り、安倍政権は今春にも、埋め立て予定地域に存在する軟弱地盤の改良工事に向けた設計変更に着手する。軟弱地盤はこれまで沖縄県や識者から何度も指摘されてきたが、政権側がやっと認めた形だ。玉城デニー知事は変更後の計画を承認しない構えだ…軟弱地盤による設計変更は客観的に見れば、建設がなくなることも含めた「頓挫」か「暗雲」だろう。“客観報道”を心掛けているはずの大新聞が、こぞって「遅れる」と報じるのは、沖縄の基地については、安倍政権目線に毒されているということだ》。
 「頓挫」したのに、辺野古破壊を継続。デタラメだ。辺野古は破壊「損」。破壊された辺野古の美ら海を元に復元しろ!

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https://lite-ra.com/2019/01/post-4505.html

高須克弥、橋下徹、ネトウヨ、安倍応援団がバカ丸出しのハンスト叩き! 元山氏、ウーマン村本が完全論破
2019.01.22

     (『報道1930』で元山氏に説教を始めた橋下徹・前大阪市長(番組HPより))

 辺野古新基地建設の是非を問う県民投票の全自治体での実施を訴え、ハンガーストライキを実行した「『辺野古』県民投票の会」代表の元山仁士郎氏に対し、安倍応援団やネトウヨからのバッシングが吹き荒れている。

 元山氏は署名集めや首長らと面会するなかで、15日から宜野湾市役所前で水と塩だけで食事をしないハンストを開始したが、19日に医師からストップがかかりハンスト継続を断念し、入院。ハンストは約105時間に及んだ。

 周知の通り、2月24日に行われる県民投票をめぐっては、宜野湾市、沖縄市、うるま市、石垣市、宮古島市の5市が不参加を表明している。19日、元山氏は記者団に対して「5市長がまだ参加を表明しない悔しさはすごくあるが、県議会で動きがあるのを期待して、自分のハンガーストライキという抗議は終えたいと思う」と語った。21日にはTwitterで退院と無事を報告し、〈まだ本調子ではないのですが、沖縄県民みんなでしっかりと県民投票ができるよう、引き続きできることをやっていこうと思います〉と表明。〈話そう、基地のこと決めよう、沖縄の未来〉と訴えた。

 元山氏のハンストは、まさに有権者の意思表示が行政に妨げられていることに対する抗議民主主義国家として当たり前の主張だ。というか、その当然の権利すら踏みにじられ、辺野古新基地建設が強行されようとしている状況で、27歳の若者がハンストという過酷な抗議手段に出ざるをえないことが異常というべきだろう。

 しかし、案の定、いまネトウヨを中心に元山氏への中傷が巻き起こっている。病院で点滴を受けたことに対して健康保険を使うな」「医療費の無駄使いというような攻撃が相次いでいるのだ。


〈勝手にハンストして体調悪くなったら社会保険に頼る。これこそまさに自己責任
〈健康チェックをして、安全なハンガーストライキなんて、パフォーマンス以外の意味を感じない〉
〈ハンストは自傷行為であり、国民の意思でやってるわけではないので国民の社会保険料を拠出するのはおかしい〉


 お話にならない。仮に自傷行為だとしても健康保険で治療されるのは当たり前だし、そもそもハンストは自傷行為ではない。だいたい、医療費の負担など国家による社会保障を受けられるのは、どのような人であれ、どのような理由であれ、現代福祉国家として必要最低限の話。政府には国民を守る義務があるからだ。どうかしているとしか言いようがないだろう。

 

 だが、ネットでのバッシングはこれだけではない。Twitterではハンストはテロなる耳を疑うようなバッシングまで飛び出している。17日に、あるアカウントが〈ハンストはテロ行為だと思ってます。これは私は繰り返し書いてきました〉と投稿(現在は削除)。恐怖に訴えかける示威行為とは真逆の“非暴力の抗議”をテロと攻撃する意味不明さには愕然とするしかないが、この投稿をしたT氏は沖縄選出の自民議員の公設秘書と思われる。T氏は批判を受けて〈すみませんでした、最近のハンストは「死を覚悟してやるものではない」ということなので、ハンストは自身の命を人質にしたテロリズムと同質、との私の主張は取り下げます。お騒がせを致しました〉と謝罪・撤回したとはいえ、「ハンストはテロ行為」とは……。

 さらに菅義偉官房長官も18日の定例会見で、東京新聞の望月衣塑子記者に「県民投票拒否について、若者がハンストで抗議の意を示さざるを得ない状況になっていることに政府の認識を」と質問され、半笑いでその方に訊いてくださいと言い放った。しかも、県民投票をめぐっては、不参加を表明した自治体首長に対して自民党の宮崎政久衆院議員から“指南”があったことが発覚したばかり。ようするに、安倍自民党が県民の意思を無理やり封じ込めて、辺野古に新基地をつくろうとしていることの証左だろう。



■橋下徹の「ハンストやめろ」説教に、元山氏は堂々と真っ当反論

 何度でも繰り返すが、県民に基地建設の是非を問うための住民投票の実施は、民主主義国家として至極当然のことだ。そして、その当たり前のことが妨害されている異常な現状に抗して、ハンガーストライキという手段で世の中に訴えるというのは、間違いなく民主主義に寄与する表現行為だ。

 実際、18日放送の『報道1930』(BS-TBS)では、スタジオの橋下徹・前大阪市長が中継でつながった元山氏に対し、「民主主義というものを大切にするんだったら、ハンガーストライキはやめるべきだ」などと、いつもの強引な説教を始めたのだが、元山氏は堂々とこう返していた


「私としては、民主主義というもの、あるいは投票権、私たちの権利を守るために体を張って訴えていることです」
「民主主義においては、議会で選ばれたり、あるいは住民投票があったりというのがあるべき姿だと思いますけど、そういうことが得られない現状があれば、いままでも努力で勝ち取ってきた沖縄県民としては、そういうのを示す必要があると考えています」
「やはり沖縄県民が納得のいく結果を得たい。そうするためには5市長がしっかり参加を表明して、みんなで投票をやるのが、望ましい姿だと思っています。だからそれを諦めたくない」


 実にまっとうだ。それと比べて、どうだ。住民投票ができないように働きかける自民と官邸、「ハンストはテロ行為などとほざく自民党議員秘書、そして「社会保険料から入院費を出すな」とまでがなりたてるネトウヨたち……。元山氏に対する攻撃をみていると、もはやこの国は、民主的なあり方を望んだだけでフクロ叩きにあうという、とんでもない状況になっているということがよくわかる。


■高須克弥が無知丸出しのハンスト叩きにウーマン村本大輔が

 だが、そういう連中がいまや「愛国者を自称して、我が物顔でがなり立てているのだ。典型的なのが高須クリニックの高須克弥院長だろう。

 15日に辺野古を視察した高須院長は、元山氏に話を聞くために沖縄入りしたウーマンラッシュアワーの村本大輔とTwitter上で応酬をしているのだが、そのなかでハンストに対する中傷をこれでもかと並べていた。


〈腹ペコでも楊枝を加えてやせ我慢するのがサムライです。死を怖れないのがサムライです。点滴しながら医者に見守られてダイエットする意気地無しはサムライの対極です〉
〈絶食しながら医者が点滴するのは消化器系の病気では普通の治療です。
 覚悟なんかいりません。
 たった4日のインチキハンスト。ただのダイエット。お笑いです。〉
〈(元山氏の入院は)保険診療の適応外です。あらかじめ医師にお願いして健康管理をするのは自己責任で行う美容治療と同じ自由診療です。保険診療で治療費を請求するのは明らかに違反です。みんなの保険料から支払いをしないでください〉


 ようするに、高須院長は「ハンストをするなら死ぬまでやれ、入院しても保険から払ってはいけない」と言っているのである。この人本当に医師なのかと呆れざるをえない。高須氏とTwitter上で論戦をしている村本のほうが、よほどことの本質を突いているだろう。


〈愛国者とは日本を愛してる人のこと。日本とは沖縄も含みます。沖縄は基地反対の玉城デニーさんが過去最多の約39万票を獲得し知事になり、県民は夢をみました。しかしその夢は一瞬で辺野古の土砂に埋もれました。彼らをスルーし辺野古の珊瑚を見学し涙を流すあなたは愛国者ではなくただの珊瑚愛好家です〉
〈あのね、高須さん。いま沖縄の敵は中国でもアメリカでもなく安倍政権なんですよ。だから基地反対の知事に過去最高の票数がデニーさんを支持して知事になってハンガーストライキする若者がいるのよ。彼らは自分達の土地を差し出したくないわけ。あなたは無意識に沖縄差別をしてる。気付きなさい。〉


 このほか、「ハンガーストライキなど無意味だ」という意見もネットで散見される。そうだろうか。見てきたように、元山氏のハンストは多くのメディアに報じられ、SNS上でも住民投票をめぐる議論を活性化させたが、それだけではない。元山氏のハンストがきっかけで、県民投票への参加を求める請願書への署名が続々と集まった。そして、こうした声が政治を動かしているのも事実だ


■元山氏のハンガーストライキによってメディアも政治家も動いた

 琉球新報の21 日社説によれば、元山氏のハンストがきっかけとなって〈公明党県本部には党支援者から全市町村実施を求める声が相次いだようだ〉といい、〈このため同党県本の幹部が新里議長に、与野党間の再調整に乗り出すよう要請した〉。実際、17日には公明党沖縄県本部の幹部が新里米吉県議会議長に接触。県民投票について、「賛成」「反対」の2択に「どちらでもない」を加えた3択案を示すなど、動きを見せている。

 このように、ハンストによって、投票不参加という民主主義に反した行為に批判が集まり、政治家を突き動かす力になったのは間違いない。この流れが大きくなれば、全県実施まで持っていくことも不可能ではないだろう。ハンストは決して「無駄」でも「無意味」でもなかったのだ

 何度でも言うが、5自治体が住民投票を実施しなければ、有権者の約3割にあたる36万7000人余りが投票できなくなる。村本大輔の取材に、元山氏はこう語っている。


「やっぱりこのいまの沖縄の現状があまりにも不条理じゃないか、おかしいんじゃないかっていうような思いですし、自分自身がこの県民投票だとか辺野古の基地建設、普天間基地をどうするかということについて、おそらく(将来)自分の子どもだとか孫から絶対聞かれると思うんです。お父さん、あのとき何してたのって。なんで辺野古の基地できてしまったの、あるいは、なんで辺野古の基地止められたの、普天間基地ってどうなったのって聞かれると思うんですよね。そのときに、ちゃんと自分の言葉で話したいなって」
何よりも投票権を奪うと、口を塞ぐというのが、この2019年の民主主義国家と言われている日本において、沖縄においても、あり得ていいのかなというのが、すごく疑問に思いますね


 自分たちのことは、自分たち全員で決めたい。その当たり前の思いが、行政によって封じ込められようとしている。そして、安倍応援団や自称・愛国者、ネトウヨたちは、抗議のために身を削ったハンストを叩いて悦に入り、その投票権を自ら手放すようなやり方を賛美している。自分で自分の首をしめているということがわからないのか。

 あらためて、2月24日の沖縄県民投票は、絶対にすべての自治体が参加しなければならない。辺野古移設の是非を県民に問うことはもちろん、沖縄だけの問題ではないからだ。政府が、行政が民主主義の根底を破壊することを、わたしたちはこのまま許していいのか。日本全体が問われているのである。

(編集部)
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●トップからして腐敗したメディア: 「きょうの安倍将軍」「安倍様のNHK」

2014年02月06日 00時00分32秒 | Weblog


Daily JCJの記事【「新聞報国」 の再現こそ 「国難」 権力との一体化の危険性 情報保全諮問会議座長に「渡辺恒雄氏」=高田昌幸】(http://jcj-daily.seesaa.net/article/386224736.html)。
東京新聞の記事【NHK、脱原発論に難色 「都知事選中はやめて」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014013090065631.html)、
gendai.netの記事【「原発問題に触れるな」と圧力 NHKは朝鮮中央テレビか】(http://gendai.net/articles/view/news/147645)。
もう一度、東京新聞の記事【諮問会議、秘密ばかり 秘密法 議事要旨公開】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014013002000154.html)。

 トップからして腐敗したメディアが二つ。ジャーナリズムの自殺行為じゃなかろうか。

   『●確信犯? ノー天気? 猛毒法に、
                座長・渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長は断言「・・・賛成だ」

 「有識者会議「情報保全諮問会議」(座長・渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長)の初会合の議事要旨を公開した。自由な議論を妨げる恐れがあるとの理由で、誰が発言したかは非公開。内容も政府の判断で大幅に少なくしたため、議論の詳しい中身は分からず、密室性の高さが際立っている」そうだ。座長がこんなお人では、当たり前。

   『●『創(2009年12月号)』読了(1/2)
   『●『官僚とメディア』読了(3/3)
   『●『ご臨終メディア ~質問しないマスコミと一人で考えない日本人~』読了 (1/3)

 一方、「安倍様のNHK」(©日刊ゲンダイ)も酷い事に。「「政府が『右』ということを『左』というわけにはいかない」と言い放ち、政府ベッタリの姿勢が鮮明になったNHKで、今度は「言論統制」だ」、「「経済学の視点からリスクをゼロにできるのは原発を止めること」などとコメントする予定だったことにNHK側が難色を示し、中北教授が出演を拒否したことが二十九日、分かった。NHK側は中北教授に「東京都知事選の最中は、原発問題はやめてほしい」と求めたという」。そこまで安倍自公政権、原子力ムラに尻尾を振るのだろうか。情けない。

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http://jcj-daily.seesaa.net/article/386224736.html

20140127
「新聞報国」 の再現こそ 「国難」 権力との一体化の危険性 情報保全諮問会議座長に「渡辺恒雄氏」=高田昌幸

 特定秘密保護法が成立した後の今年1月14日、安倍政権は「情報保全諮問会議」(7人)の座長に読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆の渡辺恒雄氏を選んだ。渡辺氏の個性や安倍氏との距離の近さもあって、このニュースに驚いたジャーナリストも多いと思う。
 それに加え、筆者は別の「怖さ」も感じた。読売新聞は現在、日本新聞協会の会長社でもある。渡辺氏は個人としての参画であろうが、権力側の選別を交えながら新聞界全体が名実とも権力と一体化していくエポックに思えてならないからだ
 今の日本の状況下で、仮に「国難」が喧伝されたらどうなるか。
 山中恒氏の労作「新聞は戦争を美化せよ!」は、戦前の新聞界がいかにして時の権力、すなわち軍部に協力していったかを豊富な資料を基に詳述している。それによると、太平洋戦争の開戦前、大阪朝日新聞の取締役業務局長は「新聞報国の秋」と題し、社内向けにこう檄を飛ばした。

   「こういう未曽有の大事変下においては(略)一億一心に民心を
    団結強化するためには真に国策を支持し、国民の向かうべき道を
    明示する良き新聞を普及することが、適切有効であることは
    今更論じるまでもありません」

 東京朝日の記者もこう書いている。

   「決戦下の新聞の行き方は、国家の意思、政策、要請など、平たく言えば
    国の考えていること、行わんとしていること、欲していること等を紙面に
    反映させ、打てば響くように国民の戦争生活の指針とすることが
    第一(略)各大臣の演説、偉い武官、文官の談話、法律や規則の報道、
    解説記事がその一端です」と。 

 「未曽有の大事変」を前に権力側に擦り寄った挙げ句、一体化してしまった報道の罪。「未曽有の大事変」の後に、「破滅と破壊が控えていることを探知できず、国民をそこへ連れて行った重い歴史。その過程では、権力に疑義を唱えた・唱えようとした名も無き記者があちこちの社内でパージされていったはずである。あるいは、パージされる前に自ら進んで迎合し、その時の自らの地位や待遇を守っただけか。
 一体、「未曽有の大事変」とは何か。その萌芽は当時、記者に見えなかったのか。戦争は自然現象ではない。隕石の地球衝突のような「不可避」はあり得ない。
 権力は嘘をつく。自らの地位や栄華を守るため、責任回避のためなら、何度でも、どこまでも、だ。
 筆者の狭い経験でも「北海道警察の裏金」「北海道庁の裏金」などの取材過程で、権力側は虚偽を重ねた。嘘の歴史は枚挙に暇が無い。かつての大本営発表も沖縄返還密約も意図的な嘘だった。
 秘密保護法成立後のいま、ジャーナリストに問われるのは、権力側の嘘を許さないことだ。それには取材しかない。権力者の言動に対する評価や論評は、評論家に任せておけばいい。言動の背後に隠れている事実、旺盛な意欲と鍛え抜かれた取材力によってのみ明るみにできる事実。秘密保護法があろうとなかろうと、それらを次々に世に送り出す。それがジャーナリストの仕事であり、あなたにしかできない仕事だ

*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2014年1月25日号3面
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014013090065631.html

NHK、脱原発論に難色 「都知事選中はやめて」
2014年1月30日 07時00分

 NHKラジオ第一放送で三十日朝に放送する番組で、中北徹東洋大教授(62)が「経済学の視点からリスクをゼロにできるのは原発を止めること」などとコメントする予定だったことにNHK側が難色を示し、中北教授が出演を拒否したことが二十九日、分かった。NHK側は中北教授に「東京都知事選の最中は、原発問題はやめてほしい」と求めたという。

 この番組は平日午前五時から八時までの「ラジオあさいちばん」で、中北教授は「ビジネス展望」のコーナーでコメントする予定だった。

 中北教授の予定原稿はNHK側に二十九日午後に提出。原稿では「安全確保の対策や保険の費用など、原発再稼働コストの世界的上昇や損害が巨額になること、事前に積み上げるべき廃炉費用が、電力会社の貸借対照表に計上されていないこと」を指摘。「廃炉費用が将来の国民が負担する、見えない大きな費用になる可能性がある」として、「即時脱原発か穏やかに原発依存を減らしていくのかとの費用の選択になると総括している。

 中北教授によると、NHKの担当ディレクターは「絶対にやめてほしい」と言い、中北教授は「趣旨を変えることはできない」などと拒否したという。

 中北教授は外務省を経て研究者となり、第一次安倍政権で「アジア・ゲートウェイ戦略会議」の座長代理を務めた。NHKでは「ビジネス展望」だけでなく、二〇一二年三月二十一日の「視点・論点」(総合テレビ)で「電力料金 引き上げの前に改革を」と論じたこともある。

 中北教授は「特定の立場に立っていない内容だ。NHKの対応が誠実でなく、問題意識が感じられない」として、約二十年間出演してきた「ビジネス展望」をこの日から降板することを明らかにした。


◆詳細は答え控える

<NHK広報局の話> 中北さんに番組に出演していただけなかったのは事実です。詳細は番組制作の過程に関わることなのでお答えを控えます。


【解説】公平公正 裏切る行為

 中北徹東洋大教授のNHK降板問題で、中北教授はNHK側に「都知事選期間中は原発の話はやめてほしい」と迫られたという。再稼働を進める安倍晋三政権の意向をくんで放送内容を変えようとした可能性は否定できない。

 選挙期間中であっても、報道の自由は保障されている。中北教授は予定原稿で「現状では原発稼働がゼロでもアベノミクスが成果を上げている。原発ゼロでも経済成長が実現できることを実証した」「経済学の観点から、巨大事故が起きた際の損害額のリスクをゼロにできるのは、原発を止めることだ」と指摘した。

 NHK側が問題視した中北教授の原稿は、都知事選で特定の候補者を支援する内容でもないし、特定の立場を擁護してもいない。

 NHKの籾井(もみい)勝人新会長は就任会見で「国際放送で日本政府の意向を伝える」としている。原発再稼働を強く打ち出している安倍政権の意向を忖度(そんたく)し、中北教授のコメントは不適切だと判断したとも推測できる。

 原発政策の是非にかかわらず受信料を払って、政府広報ではない公平公正な報道や番組を期待している国民・視聴者の信頼を裏切る行為と言えるのではないか。 (中村信也)

(東京新聞)
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http://gendai.net/articles/view/news/147645

原発問題に触れるなと圧力 NHKは朝鮮中央テレビか
2014年1月31日 掲載

 これじゃあ「朝鮮中央テレビ」の報道と変わらない。籾井勝人会長が就任会見で「政府が『右』ということを『左』というわけにはいかない」と言い放ち、政府ベッタリの姿勢が鮮明になったNHKで、今度は「言論統制」だ。

 30日のNHKラジオ第1に出演予定だった東洋大の中北徹教授(62)=国際経済学=が、番組内で「原発再稼働のコストと事故リスク」をテーマに「原発事故のリスクをゼロにできるのは原発を止めること」などと発言する意向をNHKに事前に伝えたところ、担当ディレクターが都知事選を理由に挙げてテーマの変更を求めたというのである。

 中北教授は経済学者の見地から原発のコストを解説しようとしたに過ぎず、「こんなことを言われたのは初めて」とカンカン。約20年間のレギュラーに終止符を打ち、今後は出演しない方針だ。


■まるで政府の広報機関

 NHKは「意見が対立する問題を扱う場合、双方の意見を伝えるなど公平性を確保するよう努めている。今回は対応を取ることが困難だったためテーマの変更を求めた」(広報部)と釈明するが、どうみても、原発推進派の安倍政権に配慮したとしか思えない。

   「都知事選の争点になっている『脱原発』については、英国出身のキャスター、
    ピーター・バラカン氏も告示前だったのに、2つの放送局から
    『放送で原発に触れるな』と“口止め”されたことを公表して大騒ぎになった。
    スポンサーに弱い民放ならまだしも、公共放送のNHKも同じ体質とは
    情けなくなります」(放送ジャーナリスト)

 元NHK記者で評論家の川崎泰資氏もこう呆れる。

   「政権の利益と国益が必ずしも同じとは限らない。公共放送は常に国益のために
    報道する義務があるのです。英国BBC放送が、フォークランド紛争の際に
    英政府を支持せず客観報道に努めたのが例です。しかし、今のNHKは
    そうではない。政府、自民党の圧力に屈し、『にらまれたら困る』と
    “自主規制”している。これでは公共放送ではなく、政府の広報機関
    北朝鮮と何ら変わりません」

 このままだと、NHKで「きょうの安倍将軍」なんてコーナーができるかもしれない。考えただけでもゾッとする。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014013002000154.html

諮問会議、秘密ばかり 秘密法 議事要旨公開
2014年1月30日 朝刊

 政府は内閣官房のホームページで、特定秘密保護法に関する有識者会議「情報保全諮問会議」(座長・渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長)の初会合の議事要旨を公開した。自由な議論を妨げる恐れがあるとの理由で、誰が発言したかは非公開内容も政府の判断で大幅に少なくしたため、議論の詳しい中身は分からず、密室性の高さが際立っている。 (横山大輔)

 議事要旨はA4判で五ページ分。十七日の初会合は一時間近くに及んだが、掲載されたメンバーの発言は十五件だけで、一ページ半しかない。半面、法律の必要性を説明する安倍晋三首相や森雅子内閣府特命担当相の発言は一ページ半近くもある。国会答弁などで説明している内容だ。

 メンバーの発言内容は「法律は国民の安全を守るため必要」「秘密解除の規定が法律で初めて設けられた意義は大きい」など、法律に肯定的な意見が大半。「会議が密室で行われていると批判されないよう議事運営してほしい」との注文もあったが、この会議で機密性を理由に議事録全文の非公開が決まった。議事要旨の分量をどうするかは政府任せになった。

 事務局を務める内閣官房特定秘密保護法施行準備室は「重要な意見を選んで要旨を作成した」と説明。十五件以外の発言内容については「会議は非公開なので答えられない」と話した。

 諮問会議は、各省庁など行政機関の長が指定する特定秘密の指定や解除の統一基準を議論し、政府が策定する基準に反映させるよう求めるが、最終的には政府が判断する。
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コメント
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●書籍紹介『20人の識者がみた 「小沢事件」 の真実 捜査権力とメディアの共犯関係を問う』

2013年08月30日 00時00分51秒 | Weblog


長々と全文引用させてもらっており、すいません。原文は、NPJ(http://www.news-pj.net/index.html)に出ていた記事【「小沢事件」 の真実権力の暴走とメディアの加担による民主主義の破壊】(http://www.news-pj.net/npj/kimura/20130814-ozawajiken.html)ですので、是非そちらをご覧ください。

 このような本が出版されていること、全く気づきませんでした。最近は、書店に足を運べる機会が激減し、読書量もそれに引きづられ激減してしまいました。
 何度も書いてきましたが、ブログ主は小沢一郎氏が好きではありません。でも、それとこの「小沢問題」は別です。おそらく、もはや小沢氏の復権は無いでしょう。とはいっても、ブログ主は自民党の復権は無いと思っていましたので、小沢氏の復権の可能性についても大した根拠があるわけではありませんし、確度も高くはないでしょう。

   『●小沢裁判控訴審: すべての証拠採用が却下され、即日結審
   『●小沢裁判、控訴棄却
   『●小沢裁判、控訴棄却のまともな記事が少なすぎる
   『●小沢氏元秘書裁判の暗黒
   『●政治的なトドメかな・・・・・・マスコミや裁判所によるこんなことが許されていいの?
   『●期ズレと証拠捏造、どちらが重要な犯罪なのか?

 この「小沢問題」で気に入らないのは、結局のところたかが「期ズレ」で、あれだけのバカ騒ぎをしたマスコミや自民党・民主党の議員、検察や(イカサマ)検察審査会メンバー・・・・・・が、小沢氏を政治的に〝抹殺〟しておきながら、「知らんぷり」を決め込んでいることです。その〝抹殺〟に、あるいは、その〝抹殺〟により生じた政治的な結果に、意識的かあるいは無意識にかは知りませんが、彼らは無自覚であることです。彼らは、小沢氏の政治生命を抹殺するという一点のみに浮かれて、バカ騒ぎを行いました。その無茶苦茶ぶりに、小沢一郎氏嫌いのブログ主も無性に腹が立つ訳です。
 下記の記事で紹介されている本書にはその辺の全てのことがおそらく網羅されていると思うのですが、本書をマスコミが取り上げてくれることはおそらくないでしょうから、ますます絶望的な気分になります。

   『●魚住昭さんが記者生命をかけて断言 ~小沢一郎氏関連裁判~
   『●小沢裁判、終わりの始まり?
   『●小沢裁判、検察の問題であると同時に、癒着したマスコミの問題

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http://www.news-pj.net/npj/kimura/20130814-ozawajiken.html

2013.8.14
「時代の奔流を見据えて──危機の時代の平和学」
木村 朗 (きむら あきら、鹿児島大学教員、平和学専攻)

NPJ特別寄稿
「小沢事件」 の真実 権力の暴走とメディアの加担による民主主義の破壊

  この8月に鳥越俊太郎氏と私との共編著 20人の識者がみた 「小沢事件」 の真実 捜査権力とメディアの共犯関係を問う が、日本文芸社から出版されることとなりました。本書の目的は、この日本中を4年近くずっと揺るがせた、いや今もゆるがせ続けている小沢問題(「小沢事件」)の本質と全体像を現時点であらためて多様な角度から考察することにあります。本書を一読していただければ、いまの日本の司法・政治がどれほど深刻な危機に陥っているか、あるいは日本はすでに法治国家・民主国家ではなく暗黒社会・全体主義国家(ファシズム)に移行しつつあるのではないかという問題提起の意味が分かっていただけると思います。

  執筆陣は、共編者である鳥越俊太郎氏をはじめ、三井環仙波敏郎、鈴木宗男、佐藤栄佐久石川知裕植草一秀郷原信郎、川内博史、有田芳生、小川敏夫、八木啓代、青木理、高野 猛、二木啓孝山口一臣神保哲生浅野健一、マーティン・ファクラー各氏などこの問題に精通した蒼々たる方々に加わっていただいています。

  本書には小沢一郎衆議院議員(生活の党代表)から貴重な序言を寄せていただいています。また、孫崎 享先生(元外務省国際情報局長)からも 「政治的謀略としての小沢問題をここまで多角的に検証した本は初めてだ」という力のこもった帯の言葉をいただきました。

  本書が、小沢問題(「小沢事件」)の解明にどこまで成功しているか、そしていままさに危機に瀕している民主主義の再生に寄与できるかどうかは、読者の皆さんにお任せするしかありません。しかし、前回のNPJ特別寄稿 「日本は真の独立国家なのか 『終わらない〈占領〉』 を問う」 でご紹介させていただいた孫崎享氏と私の共同編著 『終わらない〈占領〉: 対米自立と日米安保見直しを提言する!』(法律文化社 書評はこちら )と同じく、現在の政治状況に一席を投じるだけでなく、日本の戦後史にとっての貴重な歴史的文書・資料としての価値をもっていると確信しています。

  この8月に来日されたアメリカのオリバー・ストーン監督がピーター・カズニック先生(アメリカン大学)と共同で作られた 「もうひとつのアメリカ史」は、アメリカ現代史の暗部を明らかにした作品(映画と本)であり、アメリカしに限らず、世界の現代史に対する大きな貢献だと思います。またそれは、日本の戦後史の<影の部分>に挑戦した孫崎享氏の 『戦後史の正体』(創元社)と 『アメリカに潰された政治家たち』(小学館)、あるいは鳩山由紀夫氏、孫崎 享氏、植草一秀氏の3者による共著 『「対米従属」という宿痾(しゅくあ)』(飛鳥新社)とともに、これまでタブー視されてきたテーマ・問題を解明しようとしている点で共通点があり、大きな歴史的意義があると思います。日米両国において期せずして同じ時期にこのようなこれまで語られなかった(教えられなかった)歴史の真実が明らかにされようとしていることは決して偶然ではないと思います。

  いまの日本内外の状況は、1930年代の戦争とファシズムの時代状況にかなり近づきつつあるといっても過言ではありません。こうした閉塞状況を克服・打破していくためにも、わたしたち一人ひとりが思考停止状態から脱してまずは知ることからはじめる必要があるのではないでしょうか。


☆鳥越俊太郎・木村 朗共編 『20人の識者がみた「小沢事件」 の真実 捜査権力とメディアの共犯関係を問う』(日本文芸社)の目次・構成目次は以下の通り。

序言 小沢一郎
序章 鳥越俊太郎

第1章 被害者たちが証言する 「国策捜査」 の実態
  三井環 検察がつぶれる 「最大の弱み」 を告発
  仙波敏郎 「暴力組織」 に成り下がった検察、「既得権益」 にしがみつくメディア
  鈴木宗男 権力とメディアの暴走を許さない
  佐藤栄佐久 原子力帝国・全体主義国家に変貌する日本
  石川知裕 日本の民主主義のため最後まで闘う
  植草一秀 小沢裁判事件の評価と主権者がとるべき行動

第2章 民主主義の危機、「検察」の暴走を検証する
  郷原信郎 陸山会事件における検察とメディアの暴走
  川内博史 法務・検察官僚に組織としての正義派あるか?
  有田芳生 政治的冤罪事件「小沢ケース」の奇々怪々
  小川敏夫 検察の暴走と「指揮権発動」の真相
  八木啓代 検察の暴走・司法の崩壊に、市民に何ができるか
  青木 理 暴走検察の背後にある刑事司法の巨大な歪み

第3章 なぜ、大メディアは「検察」の暴走に加担したのか
  高野 孟 革命的改革を阻止した官僚と、それに手を貸したマスコミ
  二木啓孝 「アンチ小沢という空気」の正体
  山口一臣 「週刊朝日」と大手メディアの違いはどこから生じたのか
  神保哲生 民主統制なき刑事司法に、メディアが最後の砦になれないことの悲劇
  浅野健一 小沢事件をメディアはどう報じてきたか
  マーティン・ファクラー 官僚機構の一部と化したメディアの罪

終章
  木村 朗 検察の暴走とメディアの加担―小沢問題の意味を問う

小沢関連問題の参考文献



     序 言         小沢 一郎

  昨年(2012年)11月12日に東京高裁・控訴審で無罪判決が出され、その後に検察官役の三人の指定弁護士が上告を断念した結果、陸山会事件に関する私の無罪判決が確定しました。私にとっては、この三年七か月余りに及ぶ、検察の捜査と裁判の日々は本当に忍耐の毎日であり、大変厳しい試練の月日でした。国民の皆さんの支援や励ましがなければ、到底この重圧に耐えることはできなかったと思います。これまで私を信じ、励ましてくれた多くの国民の皆さんに、この場をお借りして心から感謝したいと思います。
  しかし、陸山会事件での私の元秘書3人(石川知裕氏、大久保隆規氏、池田光智氏)に対する不当な有罪判決が今年に入って出されました。また、検察審査会への捜査報告書を捏造した検事が不起訴処分となっています。私や秘書たちに対するいわれなき誹謗中傷や理不尽な人物攻撃などもいまもかたちをかえて続いています。その意味で、この陸山会事件はまだ終わったなどとは到底いえるような状態ではありません。

  本書には、いわゆる 「小沢問題(捜査・事件・裁判)」 ともいわれる私・小沢一郎と私の3人の秘書に向けられた 「政治とカネ」 をめぐる問題の背景・経緯と本質・核心がそれぞれの論者によって詳細かつ明確に分析・叙述されています。多くの論者は、小沢問題は単なる刑事(えん罪)事件ではなく、その背景には何らかの政治的意思を持ったある特定の個人・集団が検察と司法を暴走させ、それにメディアが加担した結果として作られたものであると結論付けておられます。
  こうした見方にはじめて接せられる多くの読者の方は、きっと驚かれるかもしれません。ただ、本書を一読していただけるならば、これまで取り沙汰された私に対する疑惑のほとんどが何ら根拠のないものか、まったくの誤解に基づくものであることに同意していただけるのはないかと思います。

  私自身も今回の一連の事件や裁判の本質や背景については思うところはございますが、ここではそれは申し上げません。何らかの特定の思惑を持って行動した人たちや、不公正な言動をした人たちに対しては、いずれ国民が判断を下すものと考えています。そういうことで、国民の裁き、天の裁きにお任せしたいと思います。この検察審査会を通じて強制起訴にいたった経過も、すでに国民の皆さんがよくよく自分の目で見て、耳で聞いて分かっていることと存じます。

  ここで申し上げたいことは、いまの日本は独立した主権国家でも、真の民主主義国家でもないということです。特に、捜査当局による公権力の濫用とメディアの加担という状況は、日本の民主主義と法治主義にとって最大の脅威となっていると言わねばなりません。私が本当に心配しているのは、日本の民主主義そのものの危機であります。まさにいつか来た道と同じ状況にさしかかっています。いままさに滅亡への道を歩んでしまっている現状をただこのまま黙って見過ごすことはできません。これはいま現在、すべての日本人が本当に真剣に考えなければならないことです。
  私は本当の議会制民主主義を定着させることにこれまで自分の政治生命をかけてきました。日本を真の意味での独立国家にすることも私の長年の夢です。他国の意向を忖度するだけの主体性なき外交・政治や思考停止状態のメディアと国民も変わらなくてはなりません。
  私にはまだまだやらなければいけないことがたくさん残っています。微力ではありますが、これから日本に民主主義と自主独立を実現するために全力投球で頑張ることを国民の皆さまにお約束します。

  最後に、本書を世に出すことに尽力されたすべての関係者の皆さま方に深く感謝いたします。本書がより多くの人々に読まれて、こうした日本が直面する深刻な現状と課題について共通の問題意識を一人でも多くの国民がもつようになることを心から願っています。



     まえがき       共同編者 鳥越 俊太郎、 木村 朗

  今年(2013年)3月7日夜、東京・池袋にある豊島公会堂において 「小沢一郎議員を支援する会(日本に真の民主主義を実現する会、代表世話人 伊東章弁護士)」が主催する 「小沢一郎議員の無罪判決確定報告と石川知裕、大久保隆規、池田光智元秘書の無罪を勝ちとる国民大集会」 が開催されました。この国民大集会は、昨年11月12日の東京高裁での小沢一郎氏への陸山会事件での無罪判決とその確定(検察官役の指定弁護士による上告断念)を受けて開かれる予定でしたが、急激に変動する政局の中での突然の解散・総選挙によって延期されていたものでした。

  満場の参加者から大きな拍手を受けながら登壇した小沢一郎氏は、「日本の民主主義を守るために私を本当に熱い思いで支援し、激励してくださった皆さんのおかげで、小沢一郎を抹殺しようとした法務・検察官僚の思惑を打破することができました。私がこの会に出席させていただいたのは今日が初めてです。本当に皆さんが日本の将来を心配し、今日も会場いっぱいの皆さんが来てくださいました。私自身は終わったが、秘書裁判がまだ続いております。これからも皆様のお力添えをいただきたい」と述べて深々と頭を下げました。

  この間に小沢一郎氏とその秘書たちの身に起こった出来事は、いったい何であったのでしょうか。またそれは、日本の政治と社会のあり方にどのような影響を与えたのでしょうか。

  本書の目的は、この日本中を4年近くずっと揺るがせた、いや今もゆるがせ続けている 「小沢問題」 の本質と全体像を現時点であらためて多様な角度から考察することにあります。

  小沢問題(あるいは小沢事件・捜査・裁判)ともいわれる、小沢一郎氏をめぐる 「政治とカネの問題」 は、西松建設事件(2009年3月3日の小沢一郎議員公設第一秘書の大久保隆規氏逮捕)にはじまり、陸山会事件(2010年1月15日の石川知裕議員、大久保隆規氏、池田智光氏ら3人の秘書逮捕)へと続き、小沢裁判(2010年9月14日の東京第五検察審査会での2度目の 「起訴相当」 議決による強制起訴)へと展開しました。

  結局、西松建設事件は裁判途中の不可解な 「訴因変更」 によって事実上立ち消えとなり、陸山会事件では、小沢一郎氏の無罪判決は2012年11月19日に確定したものの、検察審査会をめぐる捜査報告書の捏造をはじめとする様々な謎はいまだに解明されずに残されたままです。また、3人の秘書裁判では2013年3月13日に控訴審でも再び有罪判決が出されて、石川知裕氏(5月21日に議員辞職願を衆議院が許可)が単独で上告しており、まだ最終的な決着はついていません。

  カレル・ヴァン・ウォルフレン氏(オランダ人研究者・ジャーナリストで、日本の政治・官僚制度の専門家)は、「小沢氏という政治家への “人物破壊” の一連の動きには、ある密約が存在している事実が見えてくる」とし、その 「密約を取り交わしたのは日本とアメリカであり、その恩恵を受けるのは両国の政治エリートたちである」、「省庁の高級官僚と、ビジネス界やメディア界の幹部からなる日本の政治エリートは、決して純粋な意味での日本の独立を求めようとはしない。それどころか、彼らは、アメリカ政府が日本の超法規的で非公式な権力システムの存続を支援してくれる見返りに、日本を引き続きアメリカに隷属させようとしているのである」と小沢問題の核心をずばり突いています(ウォルフレン著 『人物破壊 誰が小沢一郎を殺すのか?』 角川書店、を参照)。

  また、元参議院議員で小沢氏の盟友でもある平野貞夫氏は、その著書 『小沢一郎 完全無罪-「特高検察」 が犯した7つの大罪』(講談社)の中で、「小泉政権は、経済の構造改革をする一方で、日本の社会に格差と停滞をもたらしたと厳しい批判がある。それもさることながら、公訴権による国策捜査により、国家統治の基本を狂わせたと私は論じたい」、「“検察の裏金” を封印するため、取材当日に三井環元大阪高検をでっち上げ逮捕し、マスコミを操って極悪検事の虚像を作り上げ、三井氏を無実の罪に落としいれた。本来、正義をなすべき司法が、世間の批判を怖れ、時の権力者 “自民党” の番犬となった。三井環氏のいうところの “けもの道” に落ちた訳だ」 など、当事者しか知り得ない内情を率直に語っています。検察の裏金問題を実名で告発しようとした三井環氏を “口封じ” 逮捕したことが、その後の村上正邦氏、鈴木宗男氏(・佐藤優氏)、村岡兼造氏、緒方重威氏、佐藤栄作久氏、村木厚子(・石井 一)氏、小沢一郎氏(あるいは植草一秀氏や堀江貴文氏)などへの “国策捜査” につながる検察の暴走のきっかけとなったという重要な指摘です。小沢氏の政治資金団体の元資金管理責任者であっただけに、その言葉には非常に説得力があります。

  とりわけ注目されるのは、平野氏がその著書の文庫版 「まえがき」 で次のように述べていることです。

≪「小沢問題」 を通じて私に見えてきたものとは、いま日本に 「新しいファシズム」 が展開しはじめたということである。「ファシズム」 の教科書的定義は、「資本主義が危機的状況になると、権力が暴力装置を活用して議会制民主主義による政治の機能を失わせ、独裁的政治を展開する」ということだ。(中略)21世紀ではファシズムの定義も再考が必要である。繰り返しになるが、「小沢問題」 での大手マスコミの報道は、検察の根拠なきリークだけでなく、捏造された「事実」 が次から次へと報道され、その異常さは 「社会心理的な暴力」 といえるものだった。≫

  まさに 「小沢問題」 の本質は、権力(特に検察と司法)の暴走とメディアの加担による 「ある種の政治的謀略」、「静かな政治的クーデター」 であり、その背後に「新しいファシズム」 が胎動し始めているということではないでしょうか。

  今の日本における最大の問題は、権力犯罪の発生、すなわち公権力が恣意的に濫用されたときにそれを裁くシステムが存在していないこと、そして権力の暴走を監視・批判するはずのメディアがその役割を放棄していま起きている出来事の本質・真相を伝えないことです。そして、いまの日本は、本当に民主主義国家なのか、また真の独立国家といえるのかがまさに問われているのです。

  本書には、「冤罪」 「国策捜査」 の当事者自身からの証言だけでなく、司法とメディアに精通した選りすぐりの論者による数多くのすぐれた深い分析・洞察が収められています。まさに本書自体がそのまま貴重な歴史的文書・資料となっていると言っても過言ではありません。本書を一読すれば、多くの読者は、テレビや新聞を通じて報じられてきたものとはまったく別の見方があることを知って、それまでの自分の考えを見直すきっかけになるかもしれません。もちろん、本書の最終的評価は読者の手の中に委ねられていることは言うまでもありませんが…。

  いずれにしても、一人でも多くの市民がメディアの発する情報を主体的かつ批判的に読み解く能力(「メディア・リテラシー」)を身につけることで現在の思考停止状態から脱して、いまの日本が陥っている(議会制)民主主義の危機と検察ファシズムの到来から目を背けずに直視するようになることを切に願っています。

  最後に、本書を発行するにあたって、いまだに事件の渦中にありながら貴重な歴史的証言となる序言をお寄せいただいた小沢一郎衆議院議員(生活の党代表)にも心から御礼を申し上げます。

2013年6月30日 参議院選挙を目前に控えて


『検察の暴走とメディアの加担―小沢問題とは何か―』
木村 朗(鹿児島大学教員、平和学専攻)

1. 小沢一郎問題とは何か-小沢問題をめぐって二つに割れ続ける世論
  ①西松建設事件、②陸山会事件(水谷建設)、③小沢裁判(検察審査会による強制起訴)
A 金権政治家の不正献金疑惑追及→「政治とカネをめぐる問題」 (「違法な犯罪行為」)
  ※ 「検察の正義」(東京地検特捜部=「史上最強の捜査機関」)を前提とした 「小沢VS検察」 という問題
B “えん罪(でっち上げ)” “報道被害”→「国策捜査」 による不当な逮捕・捜査・裁判
  ※ 「検察ファッショ」 と 「メディア・ファシズム」 が結合した 「静かな政治クーデター」:
  「民主党VS全官僚機構」 あるいは 「鳩山連立政権VS官僚機構・自民党・マスコミ(・米国)」 という権力闘争・政治闘争
  ※ 「国策捜査」 か? (森法務大臣の指揮権発動、漆間巌官房副長官のオフレコ発言、石川知裕議員を取り調べた検事の脅し的文句、検察審査会への捜査報告書の捏造)
  検察の暴走とメディアの加担=権力とメディアが一体化した情報操作・世論誘導
  → 検察権力と司法記者メディアの癒着構造(民主主義の危機=ファシズムの到来)

<関連事件・裁判>
A 三井環事件(検察の裏金問題の告発)→「獣(けもの)道」(官邸の犬となった検察)
  ※ 検察が犯した三つの犯罪
B 佐藤栄佐久前福島県知事の 「汚職」 事件→国策(原発)反対の首長を特捜が政治弾圧
  ※ 佐久間達哉現東京地検特捜部長、大鶴基成東京地検次席検事、前田主任検事らが関与!
C 郵政不正事件(村木厚子氏、石井一民主党副代表、前田主任検事によるFD改ざん事件)
  ※ 鳩山由紀夫氏の政治献金(「故人献金」 の謎)事件の影響
  ※ 鈴木宗男(・佐藤優)事件との関連(ロッキード事件やリクルート事件、日歯連事件、朝鮮総連ビル詐欺事件、ライブドア事件、防衛省汚職事件なども)

2. 政権交代とは何であったのか-日本で最初の本格的な政権交代(一種の 「市民革命」)
<挫折した脱官僚政治と対米自立>
A 脱官僚政治(官僚主導から政治主導へ)…事務次官会議の廃止、特別会計の見直し、「歳入庁」 構想、天下りの廃止、機密費の廃止、日米密約の調査・公表
B 対米自立…「より対等な日米関係」の構築、海上自衛隊の撤退、年次改革要望書の廃止、日米地位協定・思いやり予算見直しの失敗、普天間問題での「国外移転、せめて県外移転」の模索と挫折

<幻となった検察改革とメディア改革>
  ※ 検察権力と記者クラブ・メディアの共犯関係(検察とマスコミのリーク情報を通じたもたれ合いの関係):「検察官僚と司法記者クラブが横暴を奮う恐怖国家」(上杉隆)、「検察庁という組織の、骨の髄まで腐った不誠実さと恐ろしさ」(鳥越俊太郎)、「検察リークを受けて報道がつくられているというより、むしろメディア自らが進んで検察の提灯持ちに走っている」(青木理)、「特捜検察の捜査能力の劣化とモラルハザード」(魚住昭)、「検察権力の恣意的乱用とそれに追随するマスコミの権力監視機能の放棄、そして、「検察の正義」を微塵も疑わずにマスコミ報道を鵜呑みにして翻弄される我々一般国民の思考停止こそが目下の最大問題、すなわち日本の民主主義の危機をもたらす根源的問題である」(木村朗)
  ※ 「彼らは政治家の汚職を摘発し正義を貫く事が正しいと思い込んでいるが、実際は民主党政権による司法制度改革で検察の権益が縮小することを恐れているはずだ」(堀江貴文)
A 検察(司法)改革…検察・警察・裁判所を含む司法制度改革! 「検察の犯罪を糺す機関は存在しない」という点が最大の問題:起訴独占主義と起訴便宜(裁量)主義の弊害
  ① 取り調べの可視化法案、② 民間陣からの検事総長の登用(検事総長人事を国会承認案件に)、③ 裏金の解消、④ 裁判員制度の見直し、 ⑤ 死刑制度の見直し、⑥ 証拠の全面開示のための法改正の断行
B メディア改革…真の意味でのメディアの再生を! (神保哲生氏の指摘)
  ① 「記者会見のオープン化」(政府の記者会見をすべてのメディアに開放し、既存のマスメディアの記者クラブ権益を剥奪する。)
  ② 「クロスオーナーシップの規制・禁止」(クロスメディア:新聞社とテレビ局の系列化のあり方を見直す。)
  ③ 日本版FCC(米連邦通信委員会のように行政から独立した通信・放送委員会)を設立し、放送免許の付与権限を総務省から切り離す。
  ④ NHKの放送波の削減を検討する
  ⑤ 新聞再販制度・押し紙制度の見直し・廃止
  ⑥ 電波オ-クション制度の導入・・・等々

3. 日本は民主主義国家・独立国家なのか-「米国の影と圧力」 について
  ※ 「この政治家は二つの注目すべき持論を隠し持っている。一つは米国との距離を測り直すこと、他のひとつは象徴天皇制を隠れみのにした官僚支配への問題意識だ」(斎藤学)
  ※ 孫崎享さんの日本の 「特捜検察」 と米国との特殊な関係という重要な問題提起:
    「(小沢捜査の-木村)スタートは、外為法か何かで外国から出発していますよね」 「検察の動きを見ていると、アメリカの意思が分かる」
  ※ 「日本国内の、国民に選ばれた正当な政治権力に対しても特捜部は歯向かう。その背後には、そもそも出発点からアメリカの存在があった。ということは、東京地検が日本が対米隷属から離れて、独立独歩の道を歩もうとする政治家をねらい打ちにしてきたのは、ある意味で当たり前なんですね」(岩上安身)

A 官僚独裁国家:カレル・ヴァン・ウオルフレン氏の指摘
  「いま日本はきわめて重要な時期にある。真の民主主義をこの国で実現できるかどうかは、これからの数年にかかっている。 …国際社会で、真に独立した国家たらんとする民主党の理念を打ち砕こうとするのは、国内勢力ばかりではない。アメリカ政府もまたしかりである。 …民主党政権発足後の日本で起こりつつある変化には、実は大半の日本人が考えている以上に大きな意味がある、と筆者は感じている。 …あらゆる国々は表向きの、理論的なシステムとは別個に、現実の中で機能する実質的な権力システムというべきものを有している。 …日本のシステム内部には、普通は許容されても、過剰となるや、たちまち作用する免疫システムが備わっており、この免疫システムの一角を担うのが、メディアと二人三脚で動く日本の検察である。…検察とメディアにとって、改革を志す政治家たちは格好の標的である。 彼らは険しく目を光らせながら、問題になりそうなごく些細な犯罪行為を探し、場合によっては架空の事件を作り出す。 …日本の検察が、法に違反したとして小沢を執拗に追及する一方、アメリカは2006年に自民党に承諾させたことを実行せよと迫り続けている。 …いま我々が日本で目撃しつつあり、今後も続くであろうこととは、まさに権力闘争である。これは真の改革を望む政治家たちと、旧態依然とした体制こそ神聖なものであると信じるキャリア官僚たちとの戦いである。 …日本の新政権が牽制しようとしている非公式の政治システムには、さまざまな脅しの機能が埋め込まれている。何か事が起きれば、ほぼ自動的に作動するその機能とは超法規的権力の行使である。このような歴史的な経緯があったからこそ、有権者によって選ばれた政治家たちは簡単に脅しに屈してきた。」
  ※ メディアの劣化と言論統制の拡大
B 米国の 「属国」 から 「属領」 へ…終わらない 「占領」(間接統治)から 「再占領」(直接統治)へ、「トモダチ作戦」と日本の 「アメリカ化」(日本本土の 「沖縄化」)

4. 検察審査査会の闇と最高裁事務局のスキャンダル
  ※ 検察審査会は、裁判員制度の先駆的形態:市民から無作為に選ばれた11人の審査員が、検察の起訴・不起訴の処理に対して不服の申し立てがあった場合にこれを審査して、(1) 不起訴相当 (2) 不起訴不当 (3)起訴相当のいずれかの判断を下す。司法制度改革の一環として、裁判員制度導入にともなう法改正で2009年5月からは、審査会が同じ件で2度「起訴相当」 と決議すると、検察ではなく裁判所が指定した指定弁護士により強制的に容疑者が起訴されることになった。小沢裁判ではこの制度改正が完全に悪用された!
  ※ 「新政権は検察審査会法を再改正すべきかどうかを検討課題とすべきだろう」(高野猛)
  ※ 当初から批判が多い情報開示の少なさや〝密室性〟黒く塗りつぶされた公開文書。容疑者がまったく意見を言えないことも大きな問題。
  ① 小沢一郎民主党元代表を 「起訴相当」 と議決した審査員十一人の平均年齢が不自然な形で一転二転したこと(小沢元代表審査員 生年月も黒塗り)は不可解
  ② 検察審査会の不正、検察の虚偽報告書に対する裁判所の判断に納得出来ない。
  ※ 強制起訴制度で初の判決公判も 「検証へ情報開示を」、指定弁護士による控訴は不当!?
  ③ 森ゆう子議員が明らかにしたくじ引きソフトの不正
  ④ 小川敏夫法務大臣による指揮権発動の封じ込め
  ※ 「健全な法治国家のために声を上げる市民の会」 が、最高検察庁に新たな告発状を提出した。被告発人である佐久間達哉(法務総合研究所国連研修協力部部長)、木村匡良(東京地方検察庁公判部副部長検事)、大鶴基成(元最高検察庁公判部部長検事)、斉藤隆博(東京地方検察庁特捜部副部長検事)、吉田正喜(元東京地方検察庁特捜部副部長検事)、検察審査会の第五検察審査会の事務局長、担当課長らを証人申請が採用されるかが焦点。
  ※ 最高裁事務局のスキャンダル:最高裁判所発注のコンピューターシステム関連の一般競争入札で 「一社応札」が続出し、 100%を含む高い落札率が大半を占めていた疑惑!
    改めるチャンスが何度もありながら、一向に変わらなかった最高裁の手法。

5. 現在の閉塞状況を打開するためには何が必要か
  【検察とマスコミが一体化した情報操作による小沢氏の狙い撃ちと民主党叩きの世論誘導が米国の圧力をうける形で行われた可能性、すなわち検察権力のリーク情報を無批判的にマスコミが裏づけを取らないまま小沢氏を犯罪人扱いするような過剰な印象操作・偏向報道を一方的に垂れ流し、その結果、検察の正義を疑わない一般国民がそれを鵜呑みにして小沢批判を強めて民主党離れを加速させるというある意味で分かりやすい構図】
  ※ 旧勢力(小泉流に言えば 「守旧派」 「抵抗勢力」)による既存秩序の維持と既得権益の保持を目的とした改革潰しの動き!
  ※ マスコミが検察の監視役ではなく、「検察の正義」(あるいは 「正義の検察」)という前提を無批判に受け入れて、検察の「最大の味方」 となってその露払いや煽り役を果たしてしまうことが最大の問題である!
  ※ 「小沢不起訴になってから検察の危機が言われていますが、それ以上に、今回はマスコミの危機を露呈させたと言えますね」(魚住昭)
A 検察による恣意的な強制捜査と違法な取調べによる直接的な人権侵害
B 検察のリーク情報に依存したマスコミの過剰な偏向報道と、その影響をまともに受けた世間の人々のバッシングという深刻な報道被害
  ① 市民の覚醒と官邸デモ-政府不信とメディア不信の高まり
  ② ソーシャル・メディアとメディア・リテラシー
  【海外メディアの 「報道の5原則」】 原則1 「推定無罪の原則」(最初から有罪であるよう印象づける報道はしないこと)、原則2 「公正な報道」(検察の発表だけをたれ流すのでなく巻き込まれた人や弁護人の考えを平等に報道すること)、原則3「人権を配慮した報道」(他の先進国並みに捜査権の乱用を防ぐため、検察・警察の逮捕権、家宅捜索権の行使には、正当な理由があるかを取材、報道すること)、原則4 「真実の報道」(自主取材は自主取材として、検察・警察の情報は、あくまでも検察・警察の情報である旨を明記すること)、原則5「客観報道」(問題の歴史的経緯・背景、問題の全体構図、相関関係、別の視点などをきちんと報道すること)

【小沢問題関連重要文献】
・小沢一郎を支援する会 (編集) 『私たちはなぜ小沢一郎を支援するのか』 (諏訪書房) [新書] ノラ・コミュニケーションズ (2011/5/15)
・森 ゆうこ 『検察の罠』 日本文芸社 (2012/5/26)
・平野 貞夫 『小沢一郎 完全無罪 -「特高検察」が犯した7つの大罪』 (講談社プラスアルファ文庫 ( 2011/7/21)
・郷原 信郎 『検察崩壊 失われた正義』 毎日新聞社 (2012/9/1)
・カレル・ヴァン・ウォルフレン 『人物破壊 誰が小沢一郎を殺すのか?』 角川文庫(2012/3/24)
・マーティン・ファクラー 『「本当のこと」を伝えない日本の新聞 』 双葉新書 (2012/7/4)
・山崎行太郎 『それでも私は小沢一郎を断固支持する』 総和社 (2012/6/23)
・三井 環 『ある検事の告発』 (双葉新書) (2010/12/22)
・村木厚子編 『あきらめない 働くあなたに贈る真実のメッセージ』 日経BP社 (2011/11/28)
・石川知裕 『悪党―小沢一郎に仕えて』 朝日新聞出版 (2011/7/7)
・鈴木 宗男 『汚名-検察に人生を奪われた男の告白 』
・佐藤 栄佐久 『知事抹殺 つくられた福島県汚職事件』 平凡社 (2009/9/10)
・大坪 弘道 『勾留百二十日  特捜部長はなぜ逮捕されたか』 文藝春秋 (2011/12/16)
青木理 『国策捜査―暴走する特捜検察と餌食にされた人たち』 金曜日 (2008/05)
・副島隆彦、植草一秀、 高橋博彦 『国家は 「有罪(えんざい)」をこうして創る』 祥伝社 (2012/6/30)
・粟野仁雄 『検察に、殺される』 (ベスト新書) ベストセラーズ (2010/11/16)
・岐 武彦、山崎行太郎氏 『最高裁の罠』 (志ケイアンドケイプレス 、2012/12)
・佐藤 優/魚住 昭 『誰が日本を支配するのか!?検察と正義の巻』 マガジンハウス (2010/8/12)
・石川 知裕/佐藤 優 『小沢一郎はなぜ裁かれたか―日本を蝕む司法と政治の暴走』 徳間書店 (2012/3/26)
・今西憲之/週刊朝日取材班 『私は無実です 検察と闘った厚労省官僚村木厚子の445日』 (著) 朝日新聞出版 (2010/9/7)
・孫崎 享 (著) 『戦後史の正体』 創元社; 初版 (2012/7/24)
・孫崎 享 (著) 『アメリカに潰された政治家たち』小学館 (2012/9/24)
・孫崎 享 (著) 『日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土』 (ちくま新書)
・孫崎 享 (著) 『日米同盟の正体~迷走する安全保障』 (講談社現代新書)
・郷原 信郎(著) 『検察の正義 』 (ちくま新書) ( 2009/9)
・郷原 信郎(著) 『特捜神話の終焉』 飛鳥新社(2010/7/22)
・『郷原 信郎(著)検察が危ない』 (ベスト新書) ( 2010/4/9)
・三井 環 (著) 『検察の大罪 裏金隠しが生んだ政権との黒い癒着』講談社 (2010/7/29)
・三井 環 (著) 『「権力」 に操られる検察 』(双葉新書) 双葉社 (2010/7/21)
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●『官僚とメディア』読了(2/3)

2010年04月04日 07時07分14秒 | Weblog

魚住昭著、官僚とメディア

 耐震強度偽装事件(p.56)。小嶋進や篠塚明らに「ぬれぎぬを着せていることになる」(p.58)。姉歯氏の設計について、「今回の事件は、勉強不足のあほな建築士がきちんと検討されている合理的な設計の結果を真似しただけです。何故そうなるのかの技術的な裏付けをせずに形だけ真似をした(所謂偽造ですが)だけのことです。・・・。構造的なセンスが悪すぎます。・・・鉄筋が多ければいいという訳ではないのです」(p.80)。「ヒューザーと木村建設のマンションづくりが回を重ねるにつれ「経済設計のできる有能な構造設計者」として姉歯の評価を高めていった。実際には彼は荷重や地震力の入力値を減らして「熟練」を装ったにすぎなかったのだが、誰もそのからくりに気付かなかったらしい。ブラックボックス化した計算プログラムと、形骸化した建築確認システムが偽装を覆い隠してしまったからである」(pp.83-84)。
 「構造の専門家たちからの不信の声が上がった。・・・国交省に対する厳しい批判が相次いだ。・・・「国交省が『震度五で倒壊のおそれ』と発表したが、なぜそんなことが言えるのか? もし間違っていたら、国交省がやったことは計算書偽造よりもはるかに大きな犯罪になる」/「・・・まったく根拠がない。・・・耐震補強で対応できるものがたくさんあるはずだ」」(p.87)。オーバー、センセーショナルに走り過ぎ。マスコミバカ騒ぎ思考停止。「・・・自ら煽った偽装パニックの沈静化を図ろうということだろう。これではまるでマッチポンプである」(p.94)。
 「国策捜査」。「・・・なぜ、姉歯だけでなく、小嶋や木村建設の幹部たち、それにイーホームズ社長の藤田らが逮捕されなければならなかったのか・・・。/そう、彼らは事件の被害者であって、姉歯の犯行にはまったく荷担していない。あれほど大胆な耐震データ偽装が行われているとは夢にも知らなかったのである。もちろん・・・社会的あるいは道義的責任がある。だが、それは刑事責任とは別の位相のものだ。/・・・当初の見込みが大幅に外れ、大上段に振りかぶった太刀の降ろしどころが分からなくなった捜査員達・・・。ある意味では彼らもマスコミ報道の被害者だったのである。・・・/つまり事件関係者の身柄を拘束して、見せしめにするためのあからさまな別件逮捕である。言い方を換えれば、彼らが事件に関係して世間を騒がせたこと、あるいはマスコミ世論の指弾を受けたこと自体をけしからんとする「ケシカラン罪逮捕」である」(pp.97-100、101)。
 誤り、ウソ、ヌレギヌ、イメージによる当局の罪人作り(p.106)。「生贄として差し出されたのが小嶋であり、木村、篠塚であり、藤田たちだったというわけだ」(p.107)が、では「誰がトクをしたのか」。国交省の官僚たちの情報操作。「・・・流された情報の大半は国交省を発信源としている。国交省の担当記者たちはそれと気づかぬまま、(たぶんいまだにそうだろう)官僚たちの生き残り戦略に加担させられたのである」(p.108)。

 先日時効を迎えた國松孝次警察庁長官狙撃事件オウム元幹部が関与という〝特ダネ〟を放ったのは産経新聞(p.110)。警視庁公安部の捜査、東京地検の処分保留による釈放、「つまりこの事件の捜査は惨憺たる失敗に終わった・・・」(p.113)。「反省の弁はひと言もなし。過去にこれほど惨めな敗北」を「勝利」と言いくるめることができたのは戦時中の軍部だけだろう。もっとひどかったのは東京地検次席検事・・・被疑者の人権を尊重しなければならないという意識のかけらもないオウム信者は人間じゃないんだから煮て食おうが焼いて食おうが当局の勝手なんだと言わんばかりである。/警察検察にもまして惨めだったのは、公安当局のリークに踊らされた新聞テレビだった。素人でもデタラメだと分かる「・・・実行犯・・・・指揮官」説をさも真実であるかのように実名で報じてしまったのだから」(p.113)。大谷昭宏さんは「・・・なんて珍妙な捜査があるか」(p.114)。
 「客観報道主義は無責任主義の別名・・・。・・・河野義行さんのケース・・・」(p.118)。「地下鉄サリン事件和歌山カレー事件など重大事件が起きるたびにメディア・スクラム集団過熱取材)が繰り返される・・・」(p.119)。「・・・記者クラブ制度・・・。/・・・記者たちはいつのまにか権力との距離感を見失い、最も大事な批判精神をなくしてしまう」(p.120)。
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