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ふくろう日記・別室

日々の備忘録です。

最高の人生の見つけ方

2013-04-10 21:08:28 | Movie
最高の人生の見つけ方 予告編 -The Bucket List-




最高の人生の見つけ方/オフィシャルサイト


監督:ロブ・ライナー
脚本:ジャスティン・ザッカム

《キャスト》
エドワード・コール:ジャック・ニコルソン
カーター・チェンバーズ:モーガン・フリーマン(←この俳優さん、大好き♪)


エドワード・コールとカーター・チェンバーズは共に60代半ばであり、
ともに癌病棟で初めて同室になった者同士であった。
共に、余命半年と宣告された者同士でもある。

カーター・チェンバーズは、大学時代に恋人が身籠ったために、教師希望の人生をあきらめ、
自動車修理工として妻と子のために懸命に働き、幸福な3代にわたる家族を築いた男であった。
故に「クイズ狂」であり、博学な男であった。

反面、エドワード・コールは一代で大企業の経営者となり、離婚を繰り返し、
娘と孫娘に会うこともできない独り身の男であった。
故に、贅沢を知り尽した男であった。

この中産階級の男と、大金持の男が残された人生を2人で楽しもうと旅に出る。
そして、メモしたことをすべてやり終えて、人生を閉じるという痛快で悲哀に満ちた映画であった。
ありえないようなシチュエーションでありながら、異和感がないのが不思議であった。
つまりそれは、前期高齢者のメルヘンかもしれない。

いやはや、楽しかったぜ♪

ひまわりと子犬の7日間

2013-03-25 22:06:37 | Movie
『ひまわりと子犬の7日間』予告編


ひまわりと子犬の7日間オフィシャルサイト

《キャスト》

堺雅人 (神崎彰司・元動物園飼育員・現在保健所職員)
檀れい (神崎千夏・彰司の妻・動物園飼育員・すでに他界)
近藤里沙 (神崎里美・彰司の長女)
藤本哉汰 (神崎冬樹・彰司の長男)
吉行和子 (神崎琴江・彰司の母・同居して母親代りを務めている。)

夏八木勲 (長友孝雄・愛犬ひまわりの元飼い主)
草村礼子 (長友光子・孝雄の妻)

中谷美紀 (五十嵐美久・神崎彰司の幼馴染・獣医)
でんでん (安岡・保健所職員)
若林正恭 (佐々木一也・保健所職員)
小林稔侍 (桜井・保健所職員・神崎彰司の上司)

左時枝 (松永議員)


またまた「犬」の映画ですみませぬ。

のっけから関係ないようなお話ですが、
今、とても素敵な老人役ができる役者は「夏八木勲」と「菅原文太」だと思う。
その「夏八木勲」老人が可愛がっていた犬と、老妻の死亡、そしてご自身が老人ホームに入所のために
自らの意志とは関係なく別離の時を迎える。

深く人間に愛された記憶、老夫婦の畑仕事を手伝い、食事も共にした心やさしい日々があった。
老人が息子に託した愛犬は、老人を追って行方不明に……。

野良となり、「野犬」として保健所に捕獲された時には子犬3頭の母犬になっていました。
飼い主に深く愛された記憶と、
野良時代に子犬の父犬(この言葉あったかしらん?)と出会い、ひとときの幸せな時間もあったのだろうと
想像するのは、保健所職員の「神崎彰司」だった。
犬の狂暴性は子犬を守るためではないか?とも。

狂暴な野犬として殺処分されるまでの7日間、「神崎彰司」の必死の努力が始まる。
それは父親が引き取り手のない犬を、期間が過ぎれば殺処分するという事実を知った我が子たちへの、
父としてのぎりぎりの戦いであった。
その犬に娘は「ひまわり」という名前をつけた。

ぎりぎりの7日目、「ひまわり」は人間に愛された記憶を取りもどすのだった。
その後の「ひまわり」とその子供たちはすべて「神崎家」の家族になる。
人間よりも犬の方が多い(すでに2頭いる。)家族が出来上がる。

めでたしめでたしとはとても言えない。
犬は記憶する生き物だということを知っておこう。

レ・ミゼラブル

2013-02-12 21:59:41 | Movie
映画『レ・ミゼラブル』日本版予告編



監督:トム・フーパー
脚本:ウィリアム・ニコルソン アラン・ブーブリル クロード・ミシェル・シェーンベルク ハーバート・クレッツマー
原作:小説= ヴィクトル・ユゴー
  :ミュージカル=アラン・ブーブリル クロード・ミシェル・シェーンベルク
音楽:クロード・ミシェル・シェーンベルク


《キャスト》
ジャン・バルジャン:ヒュー・ジャックマン
司教:コルム・ウィルキンソン
ジャベール:ラッセル・クロウ
ファンティーヌ:アン・ハサウェイ
コゼット:アマンダ・サイフリッド(幼少期:イザベル・アレン)
マリウス・ポンメルシー:エディ・レッドメイン


1980年代にロンドンで上演され、以後、ブロードウェイを含む世界各地でロングランされていた同名のミュージカル作品の映画化である。
上映時間3時間と聞いて、ちょっと戸惑いがありましたが、時間を長く感じない面白さでした。
すでにストーリーはわかっているのに、最後まで目が離せない状況でもありました。
これは恐らく音楽のせいではないか?
さらに演技とは別に歌を録音するのではなく、俳優が演じたときの生の歌声をそのまま映画で聴かせるという手法がよかったのかもしれない。


観た後で知ったニュースにびっくり!
英国映画「レ・ミゼラブル」の興行収入が国内で約42億円に上り、ミュージカル映画として歴代最高とのこと。
これまでは2005年公開の「オペラ座の怪人」の約41億円が最高だったそうです。
映画のサウンドトラックCDの売り上げも、4万枚を超えてヒットしているとのこと。

1月29日に観ましたのに、メモを書くのが遅れました。(大事なお仕事してました。)

任侠ヘルパー

2012-12-20 22:11:25 | Movie
任侠ヘルパー予告


任侠ヘルパー・オフィシャルサイト

いやはや……やくざ映画は苦手です。血みどろの争いがあるし、大体理不尽すぎる暴力だし。
某友人の強いお薦めに背中を押されて、ウォーキングがてら徒歩35分の映画館(Movix)に足を運びました。

やくざがいる町。そしてさびれた観光の町のホテルや旅館を介護施設に変えようとする議員&弁護士がいる町。
その町へ主人公のやくざの若者が訪れる。

この映画は日本の老人問題を含めて、善良でありながら社会的に弱小で貧しい人間たちが、
いかに悪い人間たちの餌食になりうるか、ということをはっきりと主張しています。

それに立ち向かう、やくざの若者が正しき任侠を貫くんだね。傷だらけになって。
(任侠とは弱きを助け、強きをくじくことです。念のため。)
この映画の最後は、明るい結果までは見えてはこない。ただ彼の決意が表明されるところで終わる。
テレビドラマもあったようですが、それはどういう最後だったのかはわからない。

しかし、いつまでも政府が後回しにして、どんどん厳しくなる老人福祉問題に、切り込んだ映画であることは確かなこと。
そこに「やくざ」がからみ、非情と任侠が向き合うことになるのだが、皮肉なおはなしと言える。

そして、この映画のなかで、生きる希望を失った老人たちが助け合いながら自力で立ち上がる力を得るというシーンは感動的だった。
老人たちよ。生きることは悪くないぜ!

北のカナリアたち

2012-11-14 22:21:46 | Movie
『北のカナリアたち』予告編


「北のカナリアたち」オフィシャルサイト

監督:阪本順治
撮影:木村大作
原案:湊かなえ「二十年後の宿題」より(『往復書簡』所収・幻冬舎刊)
脚本:那須真知子
音楽:川井郁子


《キャスト》
川島はる:吉永小百合
鈴木信人:森山未來 (小学生時代:小笠原弘晃)
戸田(旧姓・酒井)真奈美:満島ひかり (小学生時代:渡辺真帆)
生島直樹:勝地涼 (小学生時代:相良飛鷹)
安藤結花:宮あおい (小学生時代:飯田汐音)
藤本七重:小池栄子 (小学生時代:佐藤純美音)
松田勇:松田龍平(小学生時代:菊池銀河)
川島行夫(はるの夫):柴田恭兵
阿部英輔:仲村トオル
堀田久(はるの父):里見浩太朗


原案、脚本ともに女性である。
非常に丁寧なきめ細やかな物語が展開されています。
観終わって不思議に静かな気持になりました。
北海道の離島にある生徒数6人の小学校に赴任した「川島はる」とその夫「行夫=彼は脳腫瘍のため、約半年の寿命と診断されている。」
と生徒との短い交流の末に別れ、
その空白を丁寧に埋めてゆきながら、会わなかった時間を現在に繋いだ川島はると6人の生徒との物語でした。

人間は弱い。愛なしでは生きてゆけない。

映画『あなたへ』

2012-09-12 17:00:09 | Movie
映画『あなたへ』


「あなたへ・オフィシャルサイト」

監督:降旗康男
脚本:青島武
原作:森沢明夫
企画:市古聖智 林淳一郎
製作:市川南
プロデューサー:佐藤善宏

《キャスト》
高倉健 (倉島英二)
田中裕子 (倉島洋子)
佐藤浩市
草薙剛
余貴美子(この女優さんのファンです♪)
綾瀬はるか
三浦貴大
大滝秀治
長塚京三
原田美枝子
浅野忠信
北野武


映画のなかで、倉島と出会うきっかけとなった刑務所の慰問で歌う、洋子の宮沢賢治の「星めぐりの歌」は、非常に心に残るものだった。
この歌のように物語はめぐる。そして静かな海のようにたゆたっている。

北陸の刑務所に木工の指導技官として勤務する倉島英二は、亡くなった妻の洋子が生前にしたためた1通の絵手紙を弁護士から受け取る。
そこには「故郷の海に散骨してほしい」と書かれてあった。英二は洋子が生前には語らなかったその真意を知るため、
かつて2人で夢見た、自作のキャンピングカーを完成させて、それに乗り彼女の故郷である長崎県の平戸市へと向かう。
その道中で出会うさまざまな人々との出会い、そしてさまざまな運命の糸で繋がってゆく。
これは主人公が旅先から「辞職願い」を出すほどの糸でもあった。


数々の名作でコンビを組んできた降旗康男監督と20作目となる。
妻の遺骨を散骨するため、そして妻の生前の真意を知るために北陸から九州まで車で旅をする男の1200キロのロードムービーかもしれない。
散骨のために船を出して下さる老漁師役の大滝修治の演技は主人公すら圧倒しただろう。
「油代だけ……」と言った大滝の演技は、もう夜なのに静かな光を帯びていました。


*     *     *

80歳を越えた俳優「高倉健」のおそらく初のドキュメンタリーをNHKテレビの「プロフェッショナル・仕事の流儀」で2回に渡って放映されました。
ほとんどがこの映画の場面であり、さらに200本を超える主演映画(彼には脇役がない!)について語られた。
偶然、食べるために入った映画の世界で、彼は常に孤高であり続け、映画俳優としての本質を見極めてきたようだ。
その放映の翌日に映画を観に行ってしまいました。

『おおかみこどもの雨と雪』

2012-09-08 21:20:36 | Movie
細田守監督『おおかみこどもの雨と雪』


監督:細田守

《声の出演》
花:宮崎あおい
彼(おおかみおとこ):大沢たかお
韮埼のおじいさん:菅原文太(←この方の声はいいなぁ。)


『おおかみこどもの雨と雪』オフィシャルサイト



観ようか?どうしようか?と迷っていましたが、友人の「お勧め!」ということで、
6日午後に観てきました。(犬ではなくて狼です、というフリもありましたが。笑。)
宮崎駿監督のアニメに慣れている眼には、似ているような、しかし微妙に違う絵であり、
物語でもありました。

人間が異質のものを受け入れない社会というものは、永い歴史があります。
日本では絶滅種と云われている「おおかみ」が実はいたのでした。
なんの不思議がありませうか?

「おおかみおとこ」は事故で溺死。「おおかみ」の姿でしたので「生ゴミ」のように処分されます。

そして花と2人の子供は都会で生きにくく、僻地の山村で暮らすことにしました。
なぜか?都会では「出産」でも病院には行けず、予防注射もしない。
現代の病と云われる「幼児虐待」とお役所の目がひかっていたからです。
村人たちに助けられながら、しかし「おおかみ」をかくしながら……。

花の娘「雪」は人間として生きてゆきます。
そして「雪」の弟の「雨」は山の狼として生きる道を選びます。
その山には「雨」が「せんせい」と呼ぶ、1匹の「おおかみ」がいたのでした。

異文化を受け入れない人間社会への静かな声だったのでは?

赤毛のアン

2012-08-23 15:54:22 | Movie
Anne and Gilbert-First Time



My Favorite Scenes From Anne 3



今週は、毎日午後1時から観ていた「赤毛のアン」&「アンの青春」…多分明日が最終回かも。
しあわせな1週間だった。(明日まで…。)

《追記》8/27

最終回は今日でした。
「赤毛のアン」「アンの青春」「アンの結婚」それぞれが全編後編となっていて、全6回の放映でした。
孤児として引き取られ、幸福に育ち、手探りの青春の果てに、幼なじみのギルバートと結ばれる。

そして戦争を経て、終戦を迎え、運命に翻弄されながらも必死で生きたアン。
戦争孤児の男の子を、夫とともに息子として育てることに。
幸福な輪廻。

《さらに追記》8/28

まだ続いていました。どこまで映画は続くのかな?アンが自らの生涯とルーツを求めることに。


「アン・シリーズ」

瀬戸内少年野球団

2012-08-20 16:13:55 | Movie
瀬戸内少年野球団(IN THE MOOD) クリスタルキング


監督 篠田正浩
脚本 田村孟
原作 阿久悠
企画 海老名俊則 黒井和男
製作 原正人
プロデューサー 飯泉征吉 山下健一郎
撮影 宮川一夫
美術 西岡善信
音楽 池辺晋一郎
録音 西崎英雄
照明 佐野武治
編集 山地早智子
助監督 永井正夫
スチール 遠藤正


《キャスト》
夏目雅子 中井駒子
渡辺謙 中井鉄夫(中井家の次男で駒子が後添えに勧められている相手)
郷ひろみ 中井正夫(新婚早々戦死したと思われていた駒子の夫 傷痍軍人)
岩下志麻 穴吹トメ(床屋“猫屋”をバーに改装する女将 戦争未亡人)
島田紳助 正木二郎(“バラケツ”の兄)
辰巳努 吉沢孝行(ダン吉)
山内圭哉 足柄竜太(淡路島江坂町国民学校初等科・級長 江坂タイガースのメンバー)
大森嘉之 正木三郎(バラケツ)
佐倉しおり 波多野武女(転校生で江坂タイガースに入る少女。波多野提督の娘)
大滝秀治 足柄忠勇(竜太の祖父で巡査)
加藤治子 足柄はる(竜太の祖母)
ちあきなおみ 美代(バー“猫屋”の女給で最後は鉄夫と島を去る)
内藤武敏 中井銀蔵
浜村純 (老船大工)
沢竜二 池田新太郎
伊丹十三 波多野提督
不破万作 (青年団長)
清水のぼる スポーツ振興係
堀真一 ボーイ
河原崎次郎 中井宗次
谷川みゆき 節子(バー“猫屋”の女給)
上月左知子 中井豊乃
桑山正一 校長(江坂町国民学校の校長)
宿利千春 正木葉子(“バラケツ”の姉)
ビル・ジェンセン アンダーソン中尉
ハワード・モヘッド GI
津村隆 通訳
服部昭博 中井照夫(デブ国)
山崎修 新田仁(ニンジン)
森宗勝 折原金介(ボラ)
丸谷剛士 神田春雄(ガンチャ)
戸田都康 高瀬守(アノネ)
三上博史 波多野啓介(武女の兄)
有安多佳子 チトセ(戦争未亡人)
小野朝美 とも子(戦争未亡人)


何度観てもすばらしい映画である。
キャストをすべてここに書いたことには、わたくしなりの理由があります。
この映画はすべての登場人物が主人公だからです。
そして戦争によって運命を狂わされた人々(大人も子供も。)の物語です。

昭和20年9月の淡路島。江坂町国民学校の初等科5年男子だけの学校が男女共学になった。
そのころ、波多野提督とその娘波多野武女が島にやってきた。
戦後教育が必ず通貨儀礼としてあったのは、教科書の不適切な部分の塗りつぶしだった。
これによって、少年少女たちの、今までの夢も希望も砕かれた。

担任の中井駒子は、少年に野球をやらせることで新しい生き方を求めようとした。
そこに唯一女の子の波多野武女が参加。チームのなかで一番背が高い。
しかし彼女の父親「波多野提督」は軍法会議の末に、アメリカで絞首刑となる。
この重い事実を受け止める思春期前期の少女の痛みと苦しみと恐怖ははかりしれない。

そして女性たちのたくましい、そして哀しい生き方。

傷痍軍人の中井正夫が立ち直り、島の未来を冷静に考える。
漁業ばかりに頼れば、魚はいなくなる。そのためには島の農業も必要となる。
その指導とともに、野球の指導もする。

船大工はバットを作り、足柄竜太の祖母はボールやグローブを布で手作り。
そして少年たちは「働く」ことを覚え、そのわずかな賃金で野球道具を充実させる。
その熱意が村人を動かし、ユニホーム、ボール、バットなどなど野球に必要なものがだんだん揃ってくる。

米兵も島の人々も、敵でありながら同じ人間だと思うには、波多野武女には辛いことだった。
そして瀬戸内少年野球団は米兵チームとの試合に臨む。それが米兵の島からの撤退であった。

戦争がいかに愚かなものか?それでも人々は立ちあがる。しかし戦争の傷跡は消えない。