ふくろう日記・別室

日々の備忘録です。

生き急ぐ スターリン獄の日本人  内村剛介

2018-07-11 16:25:19 | Book



この本を読んだのは2回目です。内村剛介さんが大好きなので……。
2度目でも夢中になって読んでしまいました。

内村剛介は、1920年栃木県生まれ。評論家、ロシア文学者。
1934年渡満。1943年満洲国立大学哈爾浜学院卒業。同年関東軍に徴用され、敗戦とともにソ連に抑留される。以後11年間ソ連の監獄、ラーゲリで過ごし、1956年、最後の帰還船にて帰国。

この著書は、辛く苦しい体験を記すということに留まらず、ソ連の文学や歴史を背景として、冷静にソ連のあの(スターリンの)時代を分析されています。そこが凄い。

以下引用。
『当局の審問は判決があったのちもつづく。それは拘禁の全期間にわたる。その審問は精神の糧をも奪い、かくしてついにみずから進んで隷従するところの「奴隷の心性」をつちかうことを目的としている。だから囚人はみずからの精神の糧を守り養い、これを当局に向けざるをえない。この精神の糧をめぐるたたかいはことばにはじまり、ことばに終わる。』

なんと!凄い精神力!

(昭和42年9月20日 三省堂新書3 初版発行)

21世紀の戦争論 昭和史から考える

2018-07-01 14:19:59 | Book

半藤一利×佐藤優 対談

このような本を読むのには、実は私なりの確認が欲しいからです。
父は大学卒業後、満州に渡り、その後母は父のもとへ嫁いだ。それから三人姉妹の誕生となり、三女の私だけ、満州の生活とそこからの引揚者としての記憶がないからです。
我が子誕生の折に、母(祖母になった。)に頼んで、手記を書いて頂きました。
(もちろん、父も書いていますが、今回はここの確認にとどめます。)

「母の手記」

このような分野の本を何冊かを読むうちに、父母の手記と繋がることができます。
そのようにして、父母のささやかな手記が、歴史のなかで呼吸していることを感じるために、弱いおつむが働いています。

以下、引用します。書き写すのが大変なので、コピーでごめんなさい。





(2016年5月20日 第一刷発行 文春新書)