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ふくろう日記・別室

日々の備忘録です。

映画『あん』

2015-06-14 00:43:13 | Movie

映画『あん』予告編


 
監督&脚本:河瀬直美
原作:ドリアン助川

キャスト
徳江:樹木季林
千太郎:永瀬正敏
ワカナ:内田伽羅(樹木季林のお孫さんらしい。)
佳子:市原悦子

舞台は東村山市、国立療養所多摩全生園に住む「徳江」と、
「どら春」というどら焼きしか売っていない小さなお店の「千太郎」が出会う。
桜満開の季節に。

「徳江」の作った「あん」のおいしさに店は一時的に繁盛するのだが、
驚いたことは、今だ「ハンセン病」への偏見と誤解が人々に残っているということだった。
店には客が来なくなる。


今までの日々のなかで、すでに充分に悲しみ、傷つきながら生きてきた人たちが、
出会い、尚も幸せになることが難しい人々の悲しみや苦しみを、
女性監督が丁寧にやさしく、細やかに映像化していた。


《追記》
ここに原作者のドリアン助川さんのお話があります。




パプーシャの黒い瞳

2015-05-19 12:24:27 | Movie
ジプシー出身の詩人ブロニスワヴァ・ヴァイスを描いたドラマ!映画『パプーシャの黒い瞳』予告編
 

Papusza - muzyka z filmu o polskich Cyganach


パプーシャとは「人形」という意味です。
実在したポーランドのジプシーの女性詩人「ブロニスワヴァ・ヴァイス・1910(1908?)~1987」がモデルです。
そのパプーシャの詩を最初に見出したのは「イェジ・フィツォフスキ」であり、「ユリアン・トゥヴィム」であった。

第二次大戦中、ジプシーはナチスによって虐殺されました。ユダヤ人よりもはるかに多くの人たちが。
戦後になってユダヤ人のように訴える事をしなかったがために、知られていないだけだ。
ジプシーたちが経験した悲劇は2つあった。
1つがナチスによる虐殺。もう1つは定住化政策と子供の教育の義務でした。

「記憶」と「記録」……ジプシーはどちらの生き方を選ぶのか?

パプーシャは文字を持たないジプシーの娘として生まれ、それでも文字への関心を抑えることができず、
文字を覚え、書くことを知り、それが「詩」となった。
ジプシー社会の外において注目を集めたものの、ジプシー社会のなかでは、
彼女はより深い孤独を生きることになる。

この映画は岩波ホールにて上映されました。
月曜日の昼間という状況もありますでしょうが、空席が目立ちました。
「詩の寂しさ」はすでにそこから始まっていました。

アナと雪の女王

2014-07-04 16:42:57 | Movie
アナと雪の女王 TV初特別映像



強く薦めて下さる方の、その強さに動かされてやっと観てきました。
どうもありがとうございました。

子供用に作られた「吹き替え版」を観てきましたので、日本の声優さんの歌声でした。
しかし、こうした「吹き替え版」はなつかしいものですね。
子供が幼くて、字幕が読めない時期には、これで母親は大助かりしたものでした。


さて、ストーリー自体は、ウォルト・ディズ二ー特有のものでした。
「愛が人々の氷のような心を融かしてゆける。」という根本的なテーマだったと思います。
しかし、なんと言っても、その画像の美しさとなめらかな動きに圧倒されました。

「これぞ、ウォルト・ディズ二ー!」

建物、町、雪、氷、登場する人々の個性や表情、などなど見事なアニメーションでした。

「大統領の執事の涙」と「マンデラ 自由への長い道」

2014-06-14 21:40:29 | Movie

まずは、最近観た「マンデラ 自由への長い道」がどうつくられ、どこの国が関わったか?

監督 ジャスティン・チャドウィック
脚本 ウィリアム・ニコルソン(英語版)
原作 ネルソン・マンデラ『自由への長い道 ネルソン・マンデラ自伝(英語版)』
音楽 アレックス・ヘッフェス(英語版)

配給  イギリス「パテ」
    日本「ウォルト・ディズニー スタジオズジャパン」

公開 カナダ 2013年9月7日
    南アフリカ共和国 2013年11月28日
    イギリス 2014年1月3日
    日本 2014年5月24日

製作国 イギリス 南アフリカ共和国
言語 英語

ネルソン・マンデラ役を演じたのは「イドリス・エルバ」、とても大きな俳優さんで素敵!




2月に観た「大統領の執事の涙」について。

監督 リー・ダニエルズ
脚本 ダニー・ストロング(英語版)
原作 ウィル・ハイグッド「A Butler Well Served by This Election」

配給 アメリカ合衆国 「ワインスタイン・カンパニー」
    日本 「アスミック・エース」

公開 アメリカ合衆国 2013年8月16日
    日本 2014年2月15日

製作国 アメリカ合衆国
言語 英語

執事のセシル・ゲインズを演じたのは「フォレスト・ウィテカー」この俳優さんも同じく素敵!




さて。2月に「大統領の執事の涙」を観て、6月に「マンデラ 自由への長い道」を観た。
偶然に黒人を主人公にした映画だったが、どちらも心に残る。しかしうまく言葉が出ない。
そして、やっと今頃になって、2本の映画について私なりに書いてみようと思った。
黒人に対する人種差別の歴史は永い。そしてこの2人は実在した人物であったこと。
生涯を通して人種差別の時代を生きたこと。

ネルソン・マンデラは弁護士をしながら「黒人差別」に対して激しく戦い、刑務所に永く投獄されながら、
「闘うこと」と同時に、静かに非暴力で生き抜くこと通して、長い人種差別の終わりを導いた。
そして、南アフリカ共和国第8代大統領(任期 1994年5月10日 ? 1999年6月14日)に就任した。
彼が暮らした場所は「南アフリカ」だった。

「大統領の執事の涙」の主人公「執事のセシル・ゲインズ」は、アメリカ南部の奴隷の子供だった。
親は雇い主に殺された。そして、そこを離れてなんとかホテルマンになった。
その彼の寡黙で真面目な働き方を認められて、ホワイトハウスにおいて、大統領の執事になった。
仕えた大統領は「アイゼンハワー」「ケネディー」「ジョンソン」「ニクソン」「フォード」「カーター」「レーガン」と7人になった。
キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争……アメリカが大きく揺れ動いていた時代だった。
執事の働いた期間は34年に渡る。しかし雇用待遇そのものは白人と差別されていた。


最後に2人の家族について。

ネルソン・マンデラとその妻は同士として夫婦になった。しかしマンデラの永い刑務所生活の間に
2人の考え方にズレが生まれた。娘も母親と同じ生き方を選ぶ。孤独なマンデラだった。

セシル・ゲインズは仕事に忠実なばかりに、妻に寂しい思いをさせる。
2人の息子は「ベトナム戦争に志願した者」「公民権運動に走った者」に分かれてゆく。
孤独なセシルであった。