eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

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地絡過電圧継電器(OVG)の動作判定

2013年08月06日 | eつれづれ
先の一線地絡エクセルにOVG(地絡過電圧継電器)の設定動作値(完全地絡時に発生する零相電圧Voの任意%)セルを追加し継電器の動作、不動作判定がセルに表示なる様にした。
これによると配電線静電容量2μFで地絡抵抗50kΩの場合は、まだ2.56VでOVGは動作しない。実際は動作時間INST~0.2~5.0秒のタイムラグが入る。
セル動作判定の赤文字は不動作。

この時の実部、虚部のグラフ。(△マーク)

静電容量は同じで30kΩまで低下して地絡した場合、零相電圧Vоは4.74Vとなり2%の3.8Vより超過するので、継電器は動作する。青セルは任意に数値を可変(静電容量、地絡抵抗、OVG電圧%)して、この結果の計算数値を求める事が出来る。
事故が無い通常のEVTのオープンΔ出力電圧は(理論上)0Vで完全地絡事故時の線路対地電圧は3,810Vまで上昇(EVT出力電圧は190V)する。

ここまで来れば電力配電変電所にある地絡事故時の継電器動作イメージが容易に推察出来る。後は、自家用側の第1柱高圧気中負荷開閉器内等に有る零相電圧検出器(ZPD)の零相電圧Vо等の動作電圧だけだ。まだ、かかるが教科書にも無い??この2つのエクセル計算で地絡事故の全体像が判る事になる。PASなどの試験などで満足していては進歩無し、こんなもの誰でも出来る!!...針金電気ヤと同じ。

参考にした三菱電機の地絡過電圧継電器仕様でVoの最高感度は2%で100%=110V/190V。