昨日は、杉並たてもの応援団の代表でいらっしゃる、石渡鵞遊さんの
個展に、お邪魔しました。
これまでも、とても貴重な建物や住居などで開催されてきましたが、今回は、
1974年、象設計集団創始者の一人、富田玲子さん設計による
ドーモ・アラべスカと呼ばれる個人宅を2日間お借りしての開催。
外観/玄関/玄関から望むリビング
お庭の大きな木が、すぐそこにずーんと伸びている様子が、大きな窓の外に迫り、
小窓や、淡いピンク色の漆喰?が塗られた丸みを帯びた壁、段々になった天井、
細部まで、見たこともない、わくわくするような遊び心が散りばめられていて。
大好きなフンデルト・ワッサーの建築にも繋がるような
ワッサー氏の建築
最初の画像は、2階へ続く階段と、踊り場にある棚に飾られた、丸い灯りの作品。
1つ1つに色々な書風の「光」の文字が。あたたかで幻想的な空間でした。
今回のテーマ「ななつぼし」の作品。
そして、アラベスク風に書かれた「あめつちほしそらやまかわ」(左)と、
千字文の一節が書かれた、灯り作品。
象設計集団のHPにこんなことばが。
あいまいもこ
あいまいもこは、限定されないで、どっちつかずで、はっきりしないことです。
建築か庭か街、内部空間か外部空間か、建物か衣服か、遊びか仕事か、
今か昔か未来か、完成か未完成か、株序があるのかないのか、部分か全体か、
本気か冗談か、生徒か先生か、誰がデザインしたのか‥‥‥
私たちはこのようなことがらについて、あいまいもこな世界に住み続けていきたいのです。
うんうん と、読んでいて、楽しくなってきました。
日本文化の多くは自然に教示されたもので、つまり、1+1=2といった明確な線引きではなく
たとえば人と人の、生身のいわゆる「あうんの呼吸」が存在していて。
つまり、常に完璧でもなく、完成もなく、その都度が唯一無二のご縁だったりするような
この「あいまいもこ」のお話は、日本人が日本人らしく生きられる故であるような
そして現代を生きる私たちにも、とても大事なメッセージであるように感じました。
そう感じたあとで、この空間と鵞遊さんの作品をもう一度拝見すると、
洋のような空間なのに和のような世界に、あいまいもこな悦びを感じ、
なんとも心地よい空間に、去り難しを感じました。
次回はどんな会場で開催されるのかしらん、と楽しみに致しております