もしそれが曲解でなければ、一瞬の平和な光景だったと言うべきだろう。
いつも乗る地下鉄駅行きバス路線で、その行為の半分を目撃した。
その人はアタシよりあとのバス停で乗車し、短い区間で先に降りた。アタシが
先に降りたり、あるいは駅で同時に降りれば、目撃することは無かったろう。
降車時、お年寄りなどが、運転手に声をかけることはそう珍しい事ではない。
たいていは敬老パスで乗せて貰ったお礼を、短い言葉で伝えたりする。運転手が
それに表情で応えることもある。多分その方も声をかけたのだろうが、乗車口中
ドア付近に立っていたアタシには聞えなかった。何人かが降りて、何人かが乗り
ドアが閉まってバスは動いた。するといま降りた筈の方がバスに向かって腰を
折り、頭を下げていることに気付いた。ゆっくりと動いたバスの、その人が降り
立った位置に中ドアが過ぎたあたりで、穏やかに頭をあげ、短い白髪にグレーの
帽子を被せた。
しかしあれほどに、乗せてもらった恩義を動作にして表現するものだろうか。
そしてそれは、あの人にとって習慣的流儀なのだろうか。それともなにか特別な
意味や理由があったのだろうか。
ときに目撃した平和線の感心な〔姉と弟〕の光景は、以前にも書いた。必ずし
もアホな定刻発車命という場面ばかりではないのだし。(笑)
いつも乗る地下鉄駅行きバス路線で、その行為の半分を目撃した。
その人はアタシよりあとのバス停で乗車し、短い区間で先に降りた。アタシが
先に降りたり、あるいは駅で同時に降りれば、目撃することは無かったろう。
降車時、お年寄りなどが、運転手に声をかけることはそう珍しい事ではない。
たいていは敬老パスで乗せて貰ったお礼を、短い言葉で伝えたりする。運転手が
それに表情で応えることもある。多分その方も声をかけたのだろうが、乗車口中
ドア付近に立っていたアタシには聞えなかった。何人かが降りて、何人かが乗り
ドアが閉まってバスは動いた。するといま降りた筈の方がバスに向かって腰を
折り、頭を下げていることに気付いた。ゆっくりと動いたバスの、その人が降り
立った位置に中ドアが過ぎたあたりで、穏やかに頭をあげ、短い白髪にグレーの
帽子を被せた。
しかしあれほどに、乗せてもらった恩義を動作にして表現するものだろうか。
そしてそれは、あの人にとって習慣的流儀なのだろうか。それともなにか特別な
意味や理由があったのだろうか。
ときに目撃した平和線の感心な〔姉と弟〕の光景は、以前にも書いた。必ずし
もアホな定刻発車命という場面ばかりではないのだし。(笑)