BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

シベリア

2009年07月16日 | 古本
 ついにこの週刊文春連載“新宿赤マント”シリーズ、
表紙カバー色が上下二色になった。(と言っても今回手に
入れたには5年前刊なのだが)今迄は単色の表紙だったが、
どうやら上下に色分けするという手があったようだ。表紙としての色が尽きたら
どうするのだろうと思っていたが、それは危惧に終わった。
 こうなったらしかし半永久的に色デザインには困らないだろう。上下二色が尽
きたら左右二色にするとか、それもほぼ出揃ったら次は三色にするとか。
 ただいくらなんでもシーナさんだって、100才までは連載が続かないだろう
から、結局表紙デザインやタイトルには困らないのだ。

 思いがけず同時に手にできたのは「シベリア追跡」だ。
これは井上 靖さんや吉村 昭さんが書いた〔大黒屋 光太夫〕の、200年以上
前、伊勢湾駿河沖から嵐で遭難漂流、アリューシャン列島に流れ着き、シベリア
大陸を彷徨った10年の過酷な旅を今に追跡したものだ。マイナス5、60度に
なる気象条件や、ロシアという国のシステムも、シーナさんの筆に負うと思わず
爆笑してしまう。ロシア国内の飛行機において〔立ち乗り〕(座席なし!)と
いう方式があったと書いているが、これはいまも在るのだろうか。シーナさんの
シベリア追跡旅は1985年で、いまから24年前。この本の刊行は1987年、
ひょっとすると今でも〔立ち乗り〕があったら、それはそれで楽しい?(笑)。

 「ただのナマズと思うなよ」著者 椎名 誠 文藝春秋 定価1238円+税
  ( 2004年9月15日 第1刷 )
 「シベリア追跡」 著者 椎名 誠  小学館  定価1200円
  ( 昭和62年12月20日 初版第1刷発行 )