BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

ワナワナ

2009年07月22日 | 古本
 待った甲斐があるというもんだ。佐藤さんの著作を読みたいと
思っていたのだが、半額ではまだ手がでない。だが一番読みたか
ったタイトルが均一棚に落ちてきて輝いていた。してやったりだ。
 それで、佐藤さんは予想より遥かにしたたかなひとだと分かった。そして国策
捜査は全くその通りだろうが、佐藤さんあるいは佐藤さん的な人は特別に扱かわ
れるらしい。外務省の専門職にいて、外交上の国家機密を握っているのだ。たっ
ぷりと仕事三昧で、楽しくておいしいことが沢山あったと、うかがえる。

 逮捕されてすぐ弁護士が面会にきて、しかも3人ものチーム弁護士がついた。
30分の面会のために、半日の順番待ちをしてくれる。看守や担当世話囚人は、
随分優しく敬意を払った対応だ。そして取り調べ担当検事は、一般事件では全く
考えられない配慮をしめす。自分徳と自分に対するそんな特別対応を得々と自慢
するのだ。二の句は、自分が不利益なることについては国家機密で、2030年
になったら歴史が自己の正当性を証明するとイキまく。自己弁護権はだれにでも
あるのだから、言い分は聞くけどね。
 まぁ、国のチョットした外交方針の転換と、ムネオさんとの蜜月を嫉んだ内部
チクリで罪に貶められた。まさに外務省とは伏魔殿というべきか。
 全く気の毒な佐藤 優さんの〔ワナ〕話しではあるが、アタシはウマいメシを
喰った人と、イイおもいをしたヤツには、あんまり見方しないタチなのだ(笑)。

 「国家の罠」-外務省のラスプーチンと呼ばれてー  著者 佐藤 優
  ( 新潮社 定価1600円+税 2006年2月10日 15刷 )
   ※初版発行約1年で15刷は凄いな。