サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

当事者の想い

2017年01月08日 22時37分56秒 | 介護日記
認知症の当事者の方の話しを初めて聞いてきました。

愛知県大府市にある、国立長寿医療センター教育研修棟で「認知症とともにある幸せを考える」という講演に行ってきました。そこで初めて認知症当事者の生の声を聞いてきました。

 今までは、認知症の人の想いはサキさんの事を通じて十分に分かっているつもりでした。逆に自分の想いを伝えることのできる状態である当事者の方にをうらやみ、嫉妬に近い感情を抱くことさえありました。
 サキさんは、まるで坂道を転げ落ちるように進行していったのに、この人たちだけ何でこんなに良い状態をキープできるんだろうか。そんな風に思っていました。

 しかし、実際に当事者の方の想いを聞いてみて、「サキさんの想いを私はどれだけ分かってあげていたのだろう?何も分かっていなかったのではないか」そんな気さえしてきました。
時間はかかるかも知れないけれど、私達からできることを奪わないでください
丹野さんのこの言葉が強烈に心に引っ掛かりました。そして山田さんも
できることはやらせてほしい

 きっと、サキさんも同じ気持ちだったんだろうな。時間の縛りさえなければ、もっとゆったりと、じっくりと時間をかけサキさんに手伝ってもらえたんだろうけど・・、時間に追われる毎日の中ではサキさんを追い立てることしかできなかった。せかして、あせらして、出来ることさえ代わりにやってしまっていた。ゴメンな、サキさん。

 そして、認知症の当事者同士の交流の大切さ、重要さを話されていたお二人。サキさんも診断を受けてすぐに当事者同士の交流の場があれば、もっと違っていたかもしれない。悲しみ、苦しみを共有できる同士がいればどんなに心強かっただろう。

 丹野さんは診断されて3年、山田さんも5年。まだまだ十分に生活を楽しめる時期です。サキさんも診断されてから数年は、私と一緒にいろんなところに出掛けて、いっぱい楽しい思い出を作ることが出来ました。丹野さん、山田さん、そして、日本中の当事者の皆さんが、一日でも長く、楽しく自分らしい日々を過ごすことが出来ますように願っています。

今日は本当にありがとうございました。

その後、一緒に出掛けた3人で、楽しいひと時も過ごすことが出来ました。特にMさんは今日がお誕生日。Mさんも酉年、年男。これからもよろしくお願いしますね。アルトのKさんも、これからも頼りにしています。

そんなこんなで、今日はサキさんの面会に行けませんでした。サキさん、ごめんなさい。明日も仕事で行けません。また、水曜日の食事介助まで、
待っとってね、サキさん