斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

本日の午後

2012年05月24日 23時34分36秒 | 長岡技術科学大学の広報
今日は、午後から3年生の研究室まわりの第1班がわが研究室に見学に来ました。
何を見せたかは、他の班のたのしみを奪うことになるのでここでは公開しませんが、写真は本研究室がほこる高い比表面積を有するアモルファス炭素による物質の吸着実演を行っているところです。


これからじっくりと材料開発工学課程の研究室を見学し、その中から自分の進みたい研究室を選ぶことになります。一生懸命見学してください。

わが研究室関連のレポート課題です。
①活性炭について たとえばさまざまな植物由来の活性炭があるが、そのうちの1-2について調べる。原料、処理方法、比表面積、利用方法など。
②CVDあるいは蛍光体をキーワードにして、原理や種類あるいは特徴について調べる。
上記、①か②のどちらかを選択してください。

本日NHKの生中継を本学から発信する予定でしたが、魚沼でおきた災害に中継者が出動したため、生中継は中止となりました。
放映日については、改めてお知らせします。

ある会社の社長の言葉

2012年05月23日 21時34分46秒 | その他
本日、実務訓練シンポジウムが始まる直前まで、ある会社の社長とお話をしていました。6月末で任期満了で社長をおやめになるとのこと、社長業を通じて得たことをいろいろと教えてもらいました。その中で、社長として心がけていることに感銘を受けましたので、ここに掲載したいと思います。

1.社員を大切にする
2.お客様を大切にする
3.明るく元気な会社にする
4.目標・目的・方針を明確にする
5.現場主義に徹する
6.自らやって見せる
7.意識して褒める、叱る
8.結果の責任は全て己に帰す

明るく元気な会社にする、というところは特にすばらしいと思いました。

実務訓練シンポジウム

2012年05月23日 21時28分20秒 | 長岡技術科学大学の広報
実務訓練とは、本学の4年生のうち、大学院進学が内定した学生が、企業等に約半年間出向き、インターンしてくる制度です。企業、公団、官庁の現場で活動する人々と交わり、現場指導者の監督のもとに自らもその活動に参加することによって、「技術に対する社会の要請を知り、学問の意義を認識するとともに、自己の創造性発揮の場を模索すること」と「実践的・技術感覚を養うこと」を目的としています。 国内企業等のほか、海外企業や学術交流協定を締結している海外の大学等にも学生を派遣しており、平成23年度は、海外27機関に52名を派遣しました。

明田川教授が実務訓練委員会委員長としてとりまとめを行い、三宅教授がシンポジウム内容のコーディネートを行いました。

新原学長の挨拶の様子です。挨拶がいつもより、少し短かったようです!?


中出教務担当副学長が海外実務訓練の状況を説明しているところです。多くの国にも実務訓練で学生を派遣しています。


基調講演は、ものづくりイノベーションにおける情報技術の役割と求められる人材として、東京都立産業技術研究センター 片岡正俊 理事長から講演をいただきました。ものづくりの現場にも情報を組み入れられつつあり、東京都立産業技術研究センターの最先端の加工機器にも情報を活用したものがたくさんあるとのことでした。それを地域の企業が活用しているそうです。


パネリストには、本学のOBにお願いしました。
日本工営株式会社 中村茂氏
シャープ株式会社 福島隆司氏
株式会社NTT東日本ー神奈川 上野晋一郎氏

日頃、ICTなどにうとい私が聴いていても、なるほど、と思う内容が多く、楽しい時間でした。

ちょっとうれしかったこと

2012年05月23日 00時14分56秒 | その他
先月、お昼休みの時間に桜並木を楽しみながら昼食を外でとっていた女性職員の皆さんの集合写真を撮影して、学内メールでお送りしました。
http://blog.goo.ne.jp/3110hidetoshi/e/f2e659c66e6752ccd93a099c1f4f80c3
昨日、その写真のお礼をある職員の方から言葉でいただきました。ちょっとうれしかったですね。

毎朝、7時50分からゼミをやっています。昨日のゼミの週報で、とても面白い発見を聞かされました。コロンブスの卵的発見で、好奇心が刺激されました。これもうれしかったこと。

今日の学部の講義

2012年05月22日 23時48分34秒 | 講義記録
今日は、単元素金属の結晶構造について話をしました。
金属の結晶構造は3つあって、それぞれを理解し記憶したと思います。

fccは面心立方構造です。APFは原子充填率です。fccのAPFはすでに答えを出していると思います。
単元素金属がアモルファスをとった場合、もっとも詰まったアモルファスでAPF=0.68しか詰まりません。つまり、0.68とfccのAPFの間には、作ることのできない構造があるということになります。結晶とアモルファスの間に明確なAPFギャップがあることになります。このギャップがあるからこそ、結晶とアモルファスは別の物質なのです。

アモルファスといっても、それを構成する原子やイオンの価数によっておおよその構造が存在します。そしてその構造には種類があります。ひとつの構造ともうひとつの構造との間にも明確なAPFギャップがあります。だからアモルファスの構造同士も区別がつけられることになります。

とにかく、APFとIPFをしっかりと計算できるようになってください。APFがかわれば密度が変わります。密度は材料物性の基本中の基本の値です。密度が変われば物性が大きく変わります。

横道の話の補足です。
活性炭には0.6 nmから2 nmまでの孔が多数形成されていて、それ以上も孔もあります。気体を吸着するのは、0.6 nmから2 nmまでの孔で、この孔の大きさをどれかひとつ選ぶとある特定の分子を大量に吸着することができます。特に水素の吸着はエネルギー貯蔵には必要な技術となりますし、私の研究室ではその技術が得意です。今日の横道の話では、0.6 nmから1.5 nmまでの大きさの孔のうち、ある特定の大きさの孔を大量に空けることに成功した技術に関するものです。しかもその技術を使うと、重量あたりの表面積(比表面積)が2100 m2/gから大きくジャンプアップします。比表面積があがれば、吸着性能もあがります。

来週の小テストですが、CsCl構造とNaCl構造がそらんじて描けるようにしておいてください。関連問題を出します。