斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

赤十字水上安全法救助員養成講習会を開催します

2016年04月06日 20時05分56秒 | 水難・ういてまて
■ 水上安全法
安全で確実な泳ぎの基本を身に付け、事故防止や溺者を救助し、応急手当をして、医師や救急隊員の手に渡すまでの正しい知識、技術を学びます。

救助員養成講習会I(プールコース)
※救急法基礎講習会との連続開催
対象 満15歳以上
一定の泳力を有するもの
 クロール・平泳ぎ(100m以上) クロール・平泳ぎどちらか(500m以上) 横泳ぎ(25m以上)・立ち泳ぎ(1分以上) 潜行(15m以上)・飛び込み(1m以上)

内容
 救急法について(手当の基本)
 心肺蘇生法(胸骨圧迫、人工呼吸、AEDなど
 水と生活
 水の事故防止(集団水泳の安全管理など)
 泳ぎの基本と自己保全
 救助(溺者発見時の心得、救助の方法)
 応急手当(水辺でのけがなど)
※プールでの実技を含みます

費用 2,200円(教材費等)
(基礎講習:1,500円)
(養成講習:700円)
+82円切手を貼った返信用封筒

期日(4日間すべて出席する必要があります)
 平成28年5月21日(土)、22日(日)、6月4日(土)、5日(日) 4日間
9:30~17:30(初日は9:15から受付)
場所
 長岡技術科学大学

申し込み
日本赤十字社新潟県支部
事業推進課 普及係
TEL:025-231-3121 あるいは http://niigata.jrc.or.jp/cgi/lectureguide.cgi?lecture=1
5月9日(月) まで


昨年の様子はこちら
一日目
二日目
三日目
四日目

救命胴衣の着用義務について

2016年04月06日 00時11分45秒 | 斎藤秀俊の着眼
水難死の防止のために救命胴衣の着用は効果的です。
ただ、それががんじがらめに法律で拘束されていないのはなぜか。

水辺の活動に関しては、業務とレジャーがあります。業務に関しては、労働災害を低減するという社会的使命があり、比較的規制しやすい。つまり、罰則規定を設けやすい。しかしながら、レジャーについてはどうでしょうか。遊びに来ているのに、救命胴衣を着けていないから、「署までご同行を」というのも、そこまで市民を監視し、犯罪者に仕立てるのか、と反発は必至です。

実際、小型船舶に乗船の際には、
①航行中の特殊小型船舶(水上オートバイ等)に乗船している者
②航行中の小型船舶に乗船している小児(12歳未満)
③航行中の小型漁船に一人で乗船して漁ろうに従事している者
は着用義務があります。

①は投げ出され、しかも船舶につかまれなくなる可能性があり、②は保護者としての義務、③は業務と捉えれば、この着用義務はなるほどと思うところがあるわけです。そして、それ以外の者については、「着用につとめる」と法律で定められているのですが、これが努力義務と言われているものです。

琵琶湖では滋賀県の条例により、より厳しい義務が課せられています。
○プレジャーボートの操船者
・操船者、乗船者とも着用しなければならない。
・着用しない者を水上スキー等でけん引してはならない。
※ 罰則:警察官の指示に対する違反 20万円以下の罰金

○専らレジャー活動に使用されるろかい船等の操船者
・ 操船者、乗船者ともに着用するよう努める。

○遊興船舶等を設けて人に利用させる者(貸船業者等)
プレジャーボートに乗船しようとする者に救命胴衣を着用するよう指導する
こと。
※ 罰則:公安委員会等の指示に対する違反 30万円以下の罰金

○業として遊興に使用される船舶を保管する者(マリーナ業者等)
プレジャーボートに乗船しようとする者に救命胴衣の着用を指導するよう努める。


さて、せっかくレジャーで楽しんでいるのに救命胴衣を着用していないから、逮捕されるなどという将来を危惧するのであれば、草の根的に、「自分の命を守るために救命胴衣を着用するという雰囲気をみんなで作ろう」という運動が広がってしかるべきで、実際にそうなってきています。もちろん、逮捕がいやだということではなくて、自分の命を守るためです。

でも水難の場合は、いつも救命胴衣を着けられる状況にあるわけではなく、だからこそ「ういてまて」の訓練をして最後の命を守る砦を作るわけなのです。