小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

養護学校での研修… トイレに行く間がない!!

2014-11-09 17:38:27 | 教師力UPの攻略法
今年は経験年数による悉皆研修の年で、1年を通していろんなところでいろんな研修をさせてもらっています。
こないだは、他校種参観研修ということで、養護学校におじゃましてきました。
養護学校の小学部のあるクラスに入り、そこの担任の先生のもと、子どもたちと丸一日いっしょに過ごすという機会でした。
私はかわいらしい子どもたちが3人のあるクラスに入り、担任の先生の指示を受けて、特にその中の1人の子をみる役目をもらいました。
もちろん、その子も障害をもっていて、なかなかうまく生活が進まなかったり、学習に支障をきたしたりする場面がありましたが、その子なりのペースで明るく学校生活を送っていました。
私は学校では教務主任をしていて、こうしてたった一人の子をそばでずっと、じっと見ているという機会は普段ではあり得ないことで、それだけでもとても新鮮な感じがしました。
その子が困っているときに手助けをしたり、集中力がとぎれたときに声をかけたり、ふざけてしまうときには注意をしたり。
とてもかわいらしい子で、あっという間に私はその子に親しみを感じれるようになりました。
一日の活動が進むうち、小学校との違いにもいろいろと気づきながら、時間は刻々と過ぎていきました。
そして、お昼も近くなった頃だったでしょうか。
私は、ふと思いました。
(…これ、おれはいつトイレに行けるの?)
朝から一回もトイレに行っていないことに気付いたんです。
さすがに、行きたくなってきました。
が、
…行けません。
その子のそばを離れるわけにいかないのです。
(これは困ったぞ)
担任の先生に、
「トイレに行ってきていいですか」
と聞くのを躊躇しました。
養護学校では、先生たちはどうやって自分のトイレを済ませているのだろう?
目を話すと危険もある子たちがいっぱいいるなかで、ほんの数分でも離れるのは危ない状況だし…
きっと、担任の先生も我慢しているはず。
なのに私が、研修でがんばらないといけない立場の私が、トイレに行くなんて…
しかし、こればっかりは我慢の限界です。
情けないですが、尋ねました。
「…先生、トイレに行かせていただいてもよろしいでしょうか」
すると、担任の先生は笑いながら
「あら、先生、まだ行ってなかったんですね。ごめんごめん。どうぞどうぞ、私がこの子は見ておくから、行ってきてください。」
は~
助かりました。
さっと済ませて戻ると、先生が教えてくれました。
「トイレに行くひまがないでしょう」
「まったくですね。」
「小学校も忙しいでしょうけど、トイレぐらいはできるのかな」
「できます」
「私ね、養護学校に勤めるようになってすぐに、膀胱炎やっちゃったの」
「膀胱炎!?本当ですか!?…まさか、トイレに行けなくて?」
「そう。だってえ、本当に、全然トイレに行けなかったんだもん」
「うわ~」
「でもさすがに何とかしないとってことで、それからは周りの先生たちと連携をとりながら、お互いタイミングをずらして行くようにしたの」
「なるほど」
「何時にいくって決めてないと、本当に行きそびれるのよ。養護学校の先生は、きっとそうやってトイレに行っている先生がほとんどだと思うよ」
「大変だなあ…」
頭が下がる思いでした。
小学校にいても、忙しさのあまり、気がつけば一日トイレに行ってなかったことはあります。
でも、養護学校の場合、特別に忙しい場合の話ではなく、それが日常の話なのですね。
その先生が言うには、養護学校の子たちは、危険なことをしてしまうこともあって、実際それでけがをしてしまうこともある。
できるだけ防ぎたいけど、やはりその全てを防ぐことはできない。
でも、防げなかったとしても、そのけがをしてしまった状況を、先生がしっかり見ておくことが必要なんだと。
その子が、どこでどうやってけがをしたか。
それを把握しておくことが、次を防止するためのこれからの支援の在り方につながるし、その子の保護者へも説明できるようになる。
見てなければ、説明もできないわけです。
それで、見ていないという状況をつくらないように、トイレに行く場合だって、先生たちどうしで
「ちょっとお願いね」
と、声を掛け合っていく必要がでてくるんだと。

小学校の我々にも、学ぶべき点がたくさん含まれているような気がしました。