小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

私、不審者になりました

2014-11-18 21:41:04 | 教師力UPの攻略法
毎年恒例の不審者対応の訓練。
今年は担当職員と地元の警察とで打ち合わせをする中で、
「子どもが心理的なショックを受けるといけないので」
という警察側の配慮から、
「今回は不審者役を警察ではなく、学校職員から」
ということになりました。
ここでいう不審者役とは、
1.ある学級に侵入する
2.その学級の子どもたちを脅かす
3.子どもたちが避難したあと、駆けつけた職員らに取り押さえられる
という役のことです。
さて、これをする学校職員とは…
担任でなくて…
男性で…
元気があって…
「じゃあ、先生、お願いします。」
…私がお願いされてしまいました。
「了解です」
引き受けはしたものの、もちろん初めての経験で、動揺は隠せませんでした。笑
(どんな風にやればいいんだ…)
担当の先生や先輩先生たちに相談してみると、
「正体が分からないようにやったほうがいいよ」
という人もあれば
「正体が分かってたほうがいいよ」
という人もあって、なおさら分からなくなりました。笑
思いきり暴れまわって、子どもたちが本当に怖がってしまってはいけないし、かといって軽く振る舞って、子どもたちが真剣に訓練に臨まなくなってしまってもいけないし。
相当悩みました。
今まで、悩んだことのないジャンルの悩みで、かなり頭がそれでいっぱいになりました。
そして本番。
準備した
帽子
サングラス
マスク
黒いジャンパー
を装着すると、それなりに悪い奴に見えるようになりました。
そんな怖い格好をしながらも、サングラスの奥では完全に目が泳いでいましたが。笑
(よしっ)
心を決めて、その教室へ。
事前に警察から指示された「不審な言動」をとりました。
そのクラスの子たちは不審者の登場に、訓練と知っているとはいえ、騒然としながら、担任の先生の指示通りに、不審者から遠ざかるように動きました。
私も必死だったので、はっきりとは覚えていませんが
「キャー」
なんて叫び声が上がっていたように思います。
私も、自分でも驚くほどに、結構ハマって不審者役を演じました。
そうこうしていると、子どもたちは教室から運動場へと全員避難してしまい、現場にはさすまたなどをもった男性職員がかけつけてきました。
担任の先生が押した非常ベルが職員室に届き、校内放送が流れたのです。
訓練は計画通り進みました。
そこで、不審者はまんまと駆けつけた男性職員に取り押さえられ、一件落着。
見守っていた警察の方の
「はいOKでーす」
の合図で終了。
私の初の不審者役は、こうして終わりました。
不審者として行動したのはほんの数分でしたが、すっかり疲れました。
もうその日はそれ以降ヘトヘトで何もできないほどでした。笑

その日以降、子どもたちに話しています。
「不審者になってみて、初めて不審者の気持ちが分かった」
「犯罪を犯すときの心の苦しさ、人が自分から逃げていくときのさびしさ、捕まったときの情けなさ」
なんて。
とても大変な経験でしたが、経験した者にしかできない話だと思い、これはこれでまたひとつキャリアを積ませてもらったということですね。

いや~
それにしても辛かった。
もうやらなくていいです。笑