小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

体育を見学しなくちゃいけない子に,絶妙な一言

2010-09-21 20:54:56 | 授業中の攻略法

運動会練習が続いています。

まっだまだ暑いですね。

8時15分からの朝一の業間体育をするときから,もうたまらない暑さです。

みんな,よくがんばっています。

この運動会練習をする中でもよくいるのが,「見学」の子です。

体調不良のため,今日の体育は見学。

日陰の涼しいところから,一時間体育をしているお友だちを眺めることになります。

体育館でマット運動をするときも,プールで水泳をするときも,見学児童がいることはあります。

「見学」というだけで,その子も先生も,「残念だね」という印象になってしまいますが,仕方ないときだってあります。

そこで,見学だってしっかり体育の学習ができるように,先生なりに言葉をかけます。

「よし,じゃあ今日は見てお勉強ね。お友だちの動きをよく見ておくんだよ。」

「はい。」と返事をした見学の子。

でも,本当に一時間真剣に,体育をするお友だちを眺めて,いろいろ考えて勉強できる子なんて,少ないでしょうね…

先生は体育をする子たちにほぼ付きっきりになるわけで,ぽつんと取り残された見学の子は,そこから自分なりの長い時間を過ごすことになります。

放っておくと

ぼーっと見ているだけの子… 地面に落書きをする子…

出てくるでしょうね。

そこで,見学の一時間を無駄にしないために,その子にもきちんと体育に参加できるようにするために,よく掛ける言葉があります。

見学の子には「今日の一番を見つけてね。授業の最後に発表してもらうよ。」

これで,見学をする子の目の色が変わります。

今日の一番とするのは,

「一番がんばっていた子」

「一番元気があったグループ」

「一番お友だちを励ましていた子」

「一番準備や片付けをがんばっていた子」

「一番パスが上手だった子」

「Aグループの,一番よかった点」

など,いろいろと考えられます。

その状況に応じて,「どんな一番を見つけるか」を具体的に指示するといいですね。

授業の始めに,これを見学の子に伝えておくと,体育を参加できないはずだったその子に,大きな役割が回ってきます。

コツは「授業の最後に発表してもらうよ。」です。

まるで,授業の最後に講評をする先生のような役目で,緊張感もあるし,楽しみでもあります。

見学だからといって,ぼーっと過ごすわけにはいかなくなります。

同時に,体育をみる視点を先生がつくってくれたから,本当に体育の勉強になります。

「Bグループは,いつも励まし合っているよさがあるな…」

「さとしくんは,ボールから遠い所で待っているな…」

いろんなよさ「一番」を見つけようと必死になるわけです。

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そして,授業の最後,発表の場面になったら,見学のその子だけでなく,発表してもらうクラスみんなも,どんな講評がくるのか,息をのみます。

先生からの一言よりも,リアルで,斬新で,興味があったりするものです。

ときに的を得ていて,クラス全体の学習が深まるきっかけにもなります。


小さなことでも,自信を持たせる工夫を

2010-09-19 07:45:26 | 授業中の攻略法

授業中の課題に対し,答えや自分の考えをノートに書かせました。

次はそれを発表させます。

ノートの書いたことで,「発表してみようかな」という自信をもちだした表情も見えます。

積極的な子であれば,このあとには「はい!」と,元気よく手を挙げるでしょう。

しかし,まだそうなれない子もいます。

ノートには書けたけど,もう一歩発表するために踏み出せない。

みんなの前で,自分の考えが記されているノートを読み上げる。

これは結構度胸のいることと感じる子も多いでしょう。

しかし,答えは書けている。

発表したいな…という気持ちも芽生えだしている。

こんな子たちを無視して,毎度元気よく手を挙げるおなじみの子たちばかりを発表させるのは,やはり考え直した方がいいですよね。

どうにかして,もう一歩自信がもてない子たちに,自ら発表できるようになってほしい。

そのためには,より発表しやすい環境をつくっていってあげることです。

それも,小さなステップを踏ませることで,自信をつけさせましょう。

書けた子は,まずとなりの子に向けて発表させる!

これを経験させてあげましょう。

いきなりクラスメイト全員の前では大変だと感じるなら,となりの一人のお友だちに発表させてあげるのです。

発表の,スモールステップです。

こうすれば,いつもとなりにいるお友だちに対してだけになるから,気軽に発表できるでしょう。

しかも,クラスが30人いれば,一回に15人もの子が発表できるわけです。

「はい,じゃあ次は交代」

とすれば,クラス30人全員が発表することができます。

聴かせる相手は少ないですが,これも見事な「発表」です。

このスモールステップを経験することで,子どもたちは全体に向けて発表するための「リハーサル」のようなことをすることができます。

もし,このリハーサルで,相手が「いいね,その意見」とほめてくれたりすれば,より自信がつきます。

だから,わざとらしいけど言っておきます。

「お隣さんが発表できたら,聴いてあげた人は,一言ほめてあげられると優しいですね。よく書けたね,なるほど,とかね。」

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こんなリアクションがあると,

「やった。もっと多くの人に発表してみたいな」

とやる気が出てくることでしょう。

賢いおとなりさんが「今の意見で,ここは~としたほうがいいかもね。」なんてアドバイスしてくれたら,なお助かることになります。

結果,クラス全体が発表の機会を経験すると同時に,発表に対する気持ちも,発表しようとする内容も,より高まっていくことが期待できます。


ラジオ体操も,船頭多くして…

2010-09-18 11:58:42 | 教師の仕事術の攻略法

運動会練習が続いています。

こないだはおもしろい光景に出会いました。

開会式の全校練習をしているときです。

子どもたちも,長い気をつけの姿勢と,突き刺す日差しの暑さで,へロヘロになってきたころに,「ラジオ体操」がやってきました。

ラジオ体操指導担当の先生が朝礼台にあがり,ポイントととなる動きをいくつか紹介しました。

みんなよく聴いています。

そして,「さあ,それでは音楽に合わせて,体操をしてみましょう!」

♪チャン チャ~チャラッチャッチャッチャ♪

♪腕を前から上げて,伸び伸びと背伸びの運動から~♪

で,

体操が始まった瞬間に,

「サッと上げる~!!」 「まだ上げなーい!!」

「手はグー!!」 「指先の伸ばすー!!」

「かかとは上げるー!!」 「かかとは上げなーい!!」

一斉にいろんな先生たちの,いろんな大声が混じり合って,子どもたちに投げかけられました。

先生たちもたくさんいます。

その先生たちが,それぞれにご自分の「ラジオ体操指導」をスタートし,聴いている方は,分けが分かりません。

やっかいなのは,言っていることが真逆だったりするものがあること。

「かかとは上げるの??上げないの??」

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子どもたちも困ってしまい,そのうち先生たちもザワつき出しました。

うーん,やっぱり

全校指導する前には,事前の共通理解が欠かせない!

ということですね。

ラジオ体操一つにしても,それぞれの先生が持ってる知識や経験に頼ろうとすると,こんなに違いがあります。

もちろんラジオ体操に限ったことではないですよね。

学校で行われる様々な全校指導において言えると思います。

だから,責任者となる先生は,入念な事前の準備と,周知を図る努力をしないといけませんね。

事前の職員会議での提案で,しっかりと伝えることがまず第一。

加えて,それだけでは足りないこともあります。

そんなときは別紙を配布して「必ず事前にお読みください」と促したり,職員室黒板に必要事項を記入しておいたりします。

そんな必要性を随所に感じるのが「運動会」ですね。

朝礼台に立った先生が,マイクで「1・2・『3』のときに手を上げます!」と堂々と言ったのに,隣から別の先生が「先生,違うよ。『2』のときに上げるんだよ。」なんてなってしまうと,一気に全校指導がトーンダウンしてしまいます。

子どもたちのヘロヘロ感もさらにアップです。(笑)


子どもは,ほぼ例外なくこれを嫌う

2010-09-15 22:13:44 | 学級生活の攻略法

運動会シーズンです。

体育部から出される特別時間割に沿って,各学年の運動会練習が進められています。

運動場でのかけっこの練習。

体育館でのダンスの練習。

学校は一日中にぎやかです。

厳しい暑さが続く中に,珍しく今日は昼間から雨が降りました。

3時間目,予定していた運動場での練習ができなさそうだったので,他の先生方と話し合った結果,

「3時間目と4時間目を入れ替えて,天気が上がれば4時間に体育を」

ということになりました。

すぐにそのことを子どもたちに伝えると…

 え~

あまり大きな声ではないのですが,心のこもった「え~」が聞こえました。

それだけでなく,急きょ4時間目の準備をする子どもたちの表情も暗く…

そうです。

思い返してみれば,子どもたちって,そうでした。

子どもは,時間割の変更を嫌う!

これは,ほぼ例外なくそうですね。

今回のように「雨だから」なんてやむを得ない理由があって,腑に落ちないのが子どもです。

「5時間目の方がパソコン室が空いていたから」

「国語より先に算数のテストを済ませた方が,楽になるから」

「今,きれいにメダカの卵が観察できるから」

なんて,先生がよかれと思ってした時間割の変更も,子どもたちは好みません。

とにかく,時間割の変更が嫌いです。

これは,子どもたちなりに,今日一日のスケジュールを朝から頭に思い描いていたからでしょうね。

そして,心と,道具の準備をして,それなりのやる気を注入しているのです。

子どもの頭ですので,それを柔軟に入れ替えたりすることは難しい。

時間割の変更を嫌うのは,理屈でなく感情からくるのでしょう。

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もう一つ。

時間割の変更がやたらと多い先生がいます。

その日になってコロコロと時間割をしょっちゅう変えていては,なんとなく頼りなく感じるのでしょうね。

そんな中で受ける授業に,あまり期待がもてないのかもしれません。

そんな子どもたちの純粋な気持ちを受け止めて,時間割の変更をしない先生になりたいものです。


よく触れる先生,ちっとも触れない先生

2010-09-14 19:59:41 | 「教師-子ども」関係の攻略法

先生と子どもの関係づくりのためにできることはいろいろとあります。

一番は会話でしょう。

それに,学校という場であれば授業。

会話や授業の中で,先生と子どもの関係が築き上げられていく,そういう実感は多くあります。

そして,それだけはないのです。

先生と子どもも,人間と人間。

人間と人間の関係を築くものは,もっといろいろとあるのです。

その「いろいろ」の中でも,今回考えてみたいのは,「先生が,どれくらい子どもに触れているか」ということです。

人が人に触れる。

ボディタッチ。

どのような形であれ,これは大きなコミュニケーションの一つです。

だから,まずは先生たるもの

子どもにどれくらい触れているかを普段から意識する!

ということを心掛けてみましょう。

自分の子どもとの日常を振り返ってみると…

・ものすごく子どもに触っている。頭をなでたり,手をにぎったり,肩を組んだり

ということに気付くかもしれませんし,逆に

・最近いつ子どもに触ったかな… 記憶にない

ということに気付くかもしれません。

子どもにとっては,先生が触れてくれる(先生に触れられる),先生は全く触れてくれない(先生に触れられない)ということは,意識はしていないかもしれませんが,それでその先生の見方や印象,好感度が変わっているはずです。

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子どもにもよるでしょうね。

触れられて喜ぶ子と,触れられるのを嫌がる子。

そこら辺も様子を注意深く見ながら,間違えないように接していきたいですね。

先生として一番よくないのは

・あの子にはよく触れているけど,あの子には全く触れていない

という状況があることでしょう。

無意識のうちに,どこかで差別しているのかもしれません。

「触れる」ということは,人のコミュニケーションの中でも,密なものに入りますから,やはり重要です。

まずは,今日一日の中でどれほど子どもに触れたか,思い返してみましょう。

※ちなみに今は,ものすごく暑い毎日が続いています。

あまりに触ってくる先生に,子どもは「もうっ,暑苦しい」って思っていることでしょうね(笑)