小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

家庭訪問数日目 ある家庭での出来事

2011-05-21 18:04:28 | 保護者への攻略法

今週で,2週間に及ぶ家庭訪問が終わりました。

ふぅ~ って感じです。

今回の家庭訪問で,これまでと違ったことが一つあります。

出していただくお菓子がぐんと減りました。

これは,先生の人気がぐんと落ちたことを表す… のではなくて(笑)

事前にあった学級PTAで次のように話しました。

「家庭訪問では,お茶菓子等のお心遣いは結構ですので」

これだけなら,多くの先生が言っています。

そのあとに,こうも付け加えました。

「…と言われても,出さないわけにはいかないわよねぇ って,今思ってらっしゃるでしょう。」

ここでお母さんたちは大きくうなずきながら笑っていました。

「それも,本当になくて結構です。ね,このクラスではそうしましょう。」

社交辞令ではないことが伝わったようで,今年は出されるお菓子がぐんと減りました。

準備していただく立場で,大変失礼なことを言っているのかもしれませんが,実際の話ですので,言わせていただきました。

さて,

今回の家庭訪問で,さっそく喜ばれたことがあります。

ある家庭での話。

「宿題の字が雑で…!」

と,なげいてらっしゃったお母さん。

その横で子どももうなだれるように座っていました。

お母さんも熱心な方で,いろんな声かけをしてみたり,字の訂正をしてあげたりしてくださっていたようです。

でも,なかなかお母さんの思いは届かず,一度は頭にきて,宿題の字をすべて消しゴムで消されたこともあったようです。

その話には,お母さんも子どもも笑いながら振り返ることができていましたが,お母さんにとっては,いよいよ先生頼みな感じです。

私は,この場合に関しては,「これからコツコツとやっていくことでしょうね。学校でも声かけをしていきます…」

なんてあいまいなことを言うのはよくないと思いました。

そういう返事がいい場面もあると思いますが,この親子には早急な何かが必要だろうと。

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今回に関しては,子どもというよりお母さんを安心させてあげたい。

それには,この子が少しでも変わったという,その姿を見せることしかありません。

そこで,子どもにこう伝えました。

「よし,太郎くん。宿題の漢字10行のうち,何行ならがんばって丁寧に書けますか?」

「うーん…半分くらいかな…」

「じゃあ5行。最初の5行だけでいい。丁寧に書くことを,やってみましょうか。」

「…はい。」

「よく言った!」

その場にいた三人の中で小さな約束が生まれました。

次の日の宿題,その子は約束通り5行を丁寧に書けていました。

その宿題の片隅には,お母さんのコメントがあって「とてもいい字で書いています。ありがとうございます。」と。

もちろん私もその子をたくさんほめました。

「これからも5行。続けようね!」「はい。」

正直に言うと,これでこの子の字がもう大丈夫なんてことは言えません。

これから先にも,また雑になってしまう危険もあるのは,長年子どもと付き合っていれば誰でも分かります。

でも,とりあえず,今日は変わりました。

すぐに変わりました。

そして,今後ずっといい字を書けるようになるかもしれない,そのきっかけができました。

スモールステップがよかったのでしょうね。

一気に全部の字を丁寧に書けと言ってしまったら,この子はできなかったでしょう。

5行だからできたんです。

もちろん,次の目標は6行です。

まだずいぶん先になるかもしれませんけどね。

保護者の要望に,小さな形でもすぐにこたえる!

「小さな形」なら,すぐにこたえることができるものも多いです。

大事なことは確実なリアクションを見せること。

それも後回しにするのではなく,できるだけ早く。

そこに誠意を感じてくださるのではないかと思います。


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