小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

「くん付け」派?「呼び捨て」派?

2010-10-22 18:57:37 | 「教師-子ども」関係の攻略法

考えてみたいのは,ずばり「先生が子どもの名前を呼ぶときの呼び方」です。

田中さとるくんという名前の子がいるとします。

先生は,この子を呼ぶときになんと呼びましょうか?

「田中くん」

「田中さん」

「田中」

「さとるくん」

「さとるさん」

「さとる」

それとも「さとぼう」

先生だからというわけではなく,人の名前の呼び方とは様々な形があるものですね。

人と人はいつも自然に名前を呼び合っているように見えますが,そこにはその人間関係が表れているものです。

「先生と子ども」の場合も同じです。

先生がその子をどのように呼ぶかは,どのような人間関係にあるかにも影響を与えるので重要だと思います。

まずは,そこを先生はしっかりと認識することでしょう。

    1022

上の絵でも,同じ絵なのに,呼び方一つで二人の関係や印象がガラッと変わってきます。

先生が思っている以上に,その子は先生からの呼ばれ方を気にしているかもしれません。

私のこれまでの教え子との関係を振り返ってみると…

「くん付けで呼ぶ」「さん付けで呼ぶ」「下の名前を呼び捨てで呼ぶ」「ニックネームで呼ぶ」

いろいろとあったことに気付かされます。

それほど,やはり人間関係は固定的なものではなく,様々な形があったのだと思います。

呼ぶ私自身にも,内面的な変化があったのでしょう。

「私は子どもをこう呼ぶ。それは~だからだ。」

そう信念をもっている先生もいるかもしれません。

どういった呼び方が望ましいかは,深く考えてみる価値はあると思いますが,とりあえず,どんな呼び方にしろ共通して言えることは,

クラスの子たちで,名前の呼び方に差をつけない!

ということではないでしょうか。

要するに,「吉田さん」と呼ぶ子もいるのに,別の子には「橋本」と呼んでいる。

そんなことがあってはならないということです。

ふつうは,そういった「名字のさん付けや呼び捨て」に差があることは,ほぼありえないと思いますが,しかし慎重になってみることは必要です。

先生にも単純な思い込みのようなこともあるのです。

とてもおとなしくて勉強もできる女の子に「あゆみさん」と呼び,

クラス一活発でやんちゃな男の子に「さとし」と呼んでいる。

そんなこともありえます。

その子の人間性から自然にそう呼んでいるのかもしれませんが,そこには「先生と子ども」という関係に大きな違いが生じています。

ある子にとっては,それがひどく差別的に感じられたり,受け入れがたかったりすることも考えられます。

クラスの子たちにとって,担任の先生というのは,みんなに平等でいてくれる唯一の存在です。

そのことを認識して,名前の呼び方にも配慮し,そこにも平等であることを忘れてはいけないと思います。


4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
確かに!先生にニックネームや下の名前で呼ばれて... (ぱと)
2010-10-22 22:35:32
確かに!先生にニックネームや下の名前で呼ばれている子は、先生との距離が近く、「気に入られているのかな」とか、まさに、思っていました(^^ゞ

同じ呼び方で統一する方が、生徒の方も「先生は、こういう呼び方をする人なんだ」と、認識できますので、へんな勘ぐりをしなくて済むので、確かに、良い思います!!
返信する
技能としては,とても大切です。これが,必要な現... (阪神ファン)
2010-10-25 12:25:07
技能としては,とても大切です。これが,必要な現代教育や学校現場には残念な気もしますが・・・・。かくいう私は,呼び捨てほど,心情的には親密だと自覚しております。それはさておき,教室は社会の縮図。そこには,いろいろな呼称があっていいと思っています。呼び方が差別になるのなら,それは,もしかすると子どもたちと表面的なつながりなのかもしれません。もちろん,保護者や他の教員や,学校での理解が大切ですが。私は,ここまで考えた上で,自分の未熟さを振り返ったり,体制に従ったりする意味で,全員揃えて「さん」づけをする時期(学級)があります。少なくとも,子どもに愛情を注げる呼称って,子どもが愛情を感じてくれる呼称ってありますよね。学校種別や,アルバイト,職場などでも同様なところがありますが,子どもたちを,長い目でみて,甘やかされすぎないようにしたいものです。
返信する
 若いときは、呼び捨ての方が親密になれてよいと... (totoro)
2010-10-27 18:42:40
 若いときは、呼び捨ての方が親密になれてよいと思っていました。
 今は「~さん」で呼んでいます。さん付けでも、親密になれることが分かったからです。言葉だけでないのです。表情だったり、「~さん、昨日は苦しそうだったけれど、かぜは治ったの?」って一言添えて言ってあげたりすれば、親密なコミュニケーションをとることができるのです。

私たち、教師の発する言葉一つ一つは、子どもたちにとっては価値の規準を決める「サイン」となります。2人の子の片方を「○○ちゃ~ん。」と呼び、もう片方を「△△さん」と呼べば、わたしは△△さんより、○○さんが好きなんだというサインを公然と出していることになります。ひいきととられる場合もあります。

たとえしかっていたとしてもある子を「□□」と呼び捨てにしたとすると、それを聞いていた他の子たちに、□□さんは呼び捨てにしていい子(馬鹿にしてもいい子)なんだというサインを受け取ることになります。

時に、いじめられている子は、教師が「そんなことも分からないのか!」と、この子は馬鹿にしてもよい子だというサインをだしているので、他の子どもたちも安心して馬鹿にしている、そんなふうに見えるときもあります。

 おかしな話かもしれませんが、わたしは家内も、●●さんと、さん付けで呼んでいます。
返信する
 重ねて念を押しますが,「さん」づけは必要なと... (阪神ファン)
2010-10-28 14:31:54
 重ねて念を押しますが,「さん」づけは必要なときは必要です。自然にできることが大切です。しかし,「さん」づけにされることが,対人の距離を感じるのは,私だけではないでしょう。教師と子どもにある程度の「スタンス」が必要として,意識的な「さん」づけはあるでしょう。でも,最後の一距離を縮める手段が「あだ名」や「姓」「名前」だけで呼ぶことだと経験上間違いないと修得しています。また,運動系の部活動や,クラブなど短時間でものごとを指示するとき,知らせるときの使い分けが当然必要です。一般的な日常や学校の教室の一般状況意外でも,多様な場面で是非「呼称」についてご考察ください。「あやこさん,あなたとてもいいですね」と「あやこ,おまえめっちゃいい」。どっちが本心で伝わりますか?重ねて言います。学校現場も社会の縮図。全てをバランスよく適宜使い分ける教師の力量が求められます。「さん」づけするおとなしい教育だけが,価値ではありません。最後に3つ。1つ。「呼び捨て」という名付け方がマイナスイメージを作っていることは事実です。前述のように「姓だけ」「名だけ」「姓名だけ」で表現すると,本質が見えます。外国の呼称も是非参考にしてくださいね。2つ。思春期の女子に「下の名前だけ」で呼ぶことが,心情理解の効果を見られるという考え方もあります。3つ。家庭内で,子どもをどう呼んでいるのですか?「ちゃん」づけ,「さん」づけしかしていない家庭の子どもは,過保護,過干渉などの率が低くありません。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。