新学年がスタートして,今はどのクラスも「クラスのかたちづくり」を進めているころと思います。
授業での手の挙げ方 から,そうじのときの雑巾がけのしかた まで,クラスでは整えたいシステムがたくさんあります。
これらのシステムが早いうちに浸透しだし,クラス全体に統一感が出てくると,クラスはとても居心地がよくなるし,毎日の生活がスムーズに動き出します。
このシステムをつくりだすのは,もちろん担任の先生の役目で,学期スタートに一番試されるセンスの一つですね。
そういった「クラスのかたちづくり」の一つに,担任の先生と子どもとの関係づくりがあります。
これはかなり大事です。
担任とは,子どもたちに対して絶対的な存在です。
公平で,一貫性があり,そして子どもたちが「ついていきたい」と思える担任になりたいものです。
その担任として姿勢を,新学年の早い段階に示す責任があります。
そこで,担任の先生が「叱る」ということについて。
自分の経験からすると,教師駆け出しのころはよく子どもを叱っていました。
声を張り上げて,教師としての熱意と愛情を込めて・・・
そして,経験を重ねるごとに,叱る回数は減ってきたように思います。
やはり,子どもを叱ることはつらいことだし,もちろん叱られる方が一番つらいですから,叱らずに越したことはないですよね。
この「子どもの叱り方」にも,やはり教師としての腕というか,センスが見えます。
単にキレているだけの叱り方
一貫性や公平性に欠ける叱り方
愛情のない叱り方
こんな叱り方を続けていては,子どもたちの心も離れてしまいます。
必要なときは「叱る役目」をしっかり果たさなくてはならない教師です。
感情に任せて我流で叱るのではなく,子どものためになる叱り方をしなくてはいけません。
そこで,新学年のスタート時に,
先生はどんなときに本気で叱るかを,子どもたちに示しておく!
です。
これを,学級全体に向けて示します。
「きみたちの担任の先生は,今から言うことがあった場合は,本気で叱ります。」と,所信表明をするのです。
例えば,
●いじめをしたとき ●親を悲しませることをしたとき
●学ぶことをあきらめたとき ●クラスの和を乱すようなことをしたとき
●命を危険にさらしたとき ●「 」年生らしくない行動をしたとき
など,先生なりに考えてみましょう。
「これだけは許せない」というものが,いくつか浮かぶでしょう。
それを明確にして,子どもたちと約束事として共有しておくことです。
この約束を決めるときは,もちろん先生の意思一つで決めます。子どもたちと話し合ったりする必要はありません。
そしてこれを示したら,年間を通して絶対に一貫性をもつことです。
そうすることで,もしクラスで本当にそんな場面が起きてしまい,先生が本気で子どもを叱ったとしても,子どもたちは納得してくれます。
また,こうすることで,先生が自分としても子どもを指導する際の目安が一つできます。
「こんな子どもに育てたい」という目標に関して,一つの柱になると思います。
すると,教師としての姿勢がブレにくくなります。それは子どもたちからの信頼へとつながります。
ちなみに,今回,私も受け持つ5年生の子たちに伝えました。
「次の3つのことがあった場合,先生は本気で叱ります」と。
私の場合
としています。
これが私の中の「本気で子どもを叱る基準」です。
子どもたちも,この話を真剣に聴き入れ,納得してくれたような表情が見られました。