そういえば,子どもどうしの激しい口論や,取っ組み合うほどのけんかを見ることは,どんどん少なくなってきているように感じます。
いかがでしょうか?
たまたま,私の周りには温厚な子が多いのかな…
自分が子どものころは,しょっちゅう,とまでは言わないまでも結構あった記憶があります。
最近の子どもたち。激しいけんかをしたことがあるという子は,どれくらいいるのでしょうか。
クラスで起きると,とても珍しいことのようで,周りの子たちも先生もびっくりしてしまいます。
こんなとき,担任の先生はどのように対処したらいいのでしょうか。
これは簡単ではないですね。
まず,けんかといっても,その原因ややり方,けんかしている子の性格なども様々だから。
だから,「けんかにはこうする!」と断定できるものはないように感じます。
しかし,どのけんかにも共通して言えることは,激しい口論や取っ組み合いで相手に向わなきゃならないほど,強い感情がお互いにあるということ。
そして,そこにはとても濃い人間関係があるということ。
その関係は,良くも悪くも,当事者にとっては大きな経験になり,大きな影響を与えるでしょう。
けんかをしたことのない子に比べて,大人になっても忘れられない思い出にもなるかもしれません。
そういうこともしっかりと考えながら,担任としてはまず,
担任が仲裁に入るべきかを判断する!
ということから入るべきでしょう。
けんかは危険ですし,勧められるものではありません。
しかし,前に述べたように,子どもにとっては意味のある経験であり,必要にかられて始めたけんかです。
全てのけんかを一刀両断するように,担任が打ち切り,仲裁に入るべきではないのかもしれません。
・暴力が始まっていないか
・口が行き過ぎていないか
・一方的でないか
・激しいけんかになるほどの原因があるのか
・周囲の子たちはどのように見ているか
・ひきょうなことをしようとしていないか
こういった様々なことをしっかりと観察して,そのけんかを担任が仲裁すべきかを判断します。
その中で,やめさせたほうがよいと判断できるものがあれば,すぐさま,強く,担任がやめさせます。
大人のパワフルな一刀両断です。
しかし,時には続けさせてもよいけんかだと判断できることもあるでしょう。
それなりの原因があり,かつ公平にやりあっているけんかです。
「けんかをしながら,苦しみながら,深く考えなさい。これからのことをしっかり悩みなさい。
先生の力でなく,自分たちの力でこのけんかを処理しなさい。それができれば,きみたちはまた大きく成長できるだろう。」
そういう気持ちです。
もちろん,それからのけんかを放っておくわけではありません。
担任は,レフリーのように,じっと見届けます。
だからときには,その二人を呼び出して「はい,先生の目の前でやりなさい。」なんてこともしたりします。
そして,少しでも危険があれば,すぐに止めます。
そうして,懐深く,そのけんかを見守ります。
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