湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

プレバト初の女性名人

2019-02-07 21:14:02 | 文学
今日オンエアのプレバト俳句では、中田喜子さんが下記の句で、特待生1級から名人初段に昇格!
梅東風や受話器の底に母国あり
 兼題は「梅と公衆電話」
夏井先生の評価のポイントは「母国あり」の語順の是非。「ある母国」とした方が王道の型を踏むことができて句としての座りはよくなるけれど、読み手の受けるイメージが変わってしまうのだそう。
梅東風や受話器の底にある母国では、母国になかなか帰れないような暗いイメージになります。
敢えて「母国あり」にすることで「受話器の向こうには私の誇る母国がある。その母国から吹いてくる東風がこの日本で眼の前の梅の花を咲かせているのだ!」という、中国からの留学生を主人公にしてその未来をも感じさせる初春の明るいイメージにできたのです。
なるほど。鑑賞の勉強にもなりました。
中田さんおめでとうございます 
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去年のベストリーダー

2019-02-05 16:21:56 | 文学
開館10分前
逗子市立図書館報「マーメイド通信」126号に、2018年逗子市立図書館ベストリーダーが発表されていました。
小説ベスト10のうち半分が以下の東野圭吾作品です。
4位  危険なビーナス
7位  恋のゴンドラ
8位  人魚の眠る家
9位  ラプラスの魔女
10位 マスカレード・ナイト
ちなみに小説部門1位は、宮下奈都 羊と鋼の森でした。
小説部門とノンフィクション部門の両方にランクインしたのが小川糸。
小説3位 ツバキ文具店
ノンフィクション10位 これだけで、幸せ―小川糸の少なく暮らす29カ条―
ライトで読みやすいミステリーがベストリーダーだとすれば、詩集はワーストリーダーかもね。
ちなみに「マーメイド通信」のネーミングは、ハイランド在住の絵本作家せなけいこさん描く図書館カードの絵柄が本を読む人魚なのに由来しています。
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詩「朱色の実」

2019-02-04 15:23:43 | オリジナル
Aが自由題で書いた詩を投稿します。

朱色の実
           
陰に囲まれたアスファルト
靴先が小石に引っかかる
いつも歩を止め眺めている
孵化したばかりの発光体は
門の中に消えた

散文ではないのだ
因果は説かない 
無駄な時間を過ごしたものだ
浅い水底では絶え間なく
狭い水面では繰り返し
何故 何故 何故 何故 何故と
回答はないのによく訊ねたものだ

無数の朱色の重い実が
人にも鳥にも喰われずに
枝をたわませ揺れている
薄明がいつまでも続くほうが拷問
朱に染まる地平線に載せた頭が
墜ちるのを待っている
早くその腕を振り降ろせ

道の向こうから誰か来る 
顔見知りのような知らない誰かとすれ違う
私の扉の向こうで誰か逃げる 
かつてよく知っていた知らない誰かが
何の香りも残さずに

君は君を私に使うことを辞めたが
自分自身をちゃんと使い果たせているか
条理のない文明とか世間とか人生の中で
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エッセイ講座アンケート

2019-02-02 17:01:36 | 文学

1月17・31日に小坪コミュニティセンターで開催された「あなたもエッセイスト」講座受講者アンケートの集計が出ました。
10人定員のところに14人の申し込みがあり最終的に9人が参加したのですが、5人の方が100点を付けてくれました。「期待以上」が8人! 好評でほっとしました。
もっと長いシリーズ化や毎月定例化を望む自由記述も。社会教育課的には急にそれは無理なので、とりあえずAが講師役で参加者有志で、何らかの形で続けましょう。区切りよく4月から定例活動をしたいと思います。でもスタート時点で新作エッセイが提出できてないといけないんだからね!
詳細は2月15日(金)14:00~市民交流センター1階で開く湘南文芸合評会見学の後で、話し合いたいと思います。よろしくお願いします。
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プレバト駄洒落俳句

2019-02-01 11:17:41 | 文学
1月30日に投稿した野毛山公園の中村汀女句碑の傍らには、建立の経緯を説明する石碑もありました。

ちょっと読みにくくなってしまっている後半の内容は、下記の通りです。
昭和五年より西戸部税関官舎に住まわれ良き時代の横浜をこよなく愛され幾多の名句を詠まれた。ここにゆかりの句を戴き風花湘南支部一同これを句碑として此処に残す。 昭和四十八年五月三十日
さて、昨日オンエアのプレバト!!では、凡人3位駄洒落発想の若槻千夏作品が夏井先生に褒められるという、前代未聞の事態が勃発。その句がこちら。彼氏無しおでんがたのしみ辛子無し(「からし」を閉じて添削済) 
三段切れだし、抽象的な喜怒哀楽を使っているし、中八になってしまっています
でも、コンビニおでんだということがちゃんと伝わってくるし、助詞「が」を使っているところが強がりとも本音とも読め、それで終わるかと思いきや辛子がないとオチがついていて、独身女性の悲哀が成立しているとプラス評価。おでんという季語が活きているから、欠点を補えているんですね。
蛇足ですが「面白すぎ」と却下されたAの冬の句がこちら。
葱の根や年内最終収集日 年の瀬の日常の悲哀は…伝わらないか
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