湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

改作 私が眠っている間に

2020-02-06 23:08:19 | オリジナル
12月にAが「私が眠る間に」として出した作品を書き直しました。
前回の合評会で俎上に上げる時間がなかったので、今月24日の合評では、こちらをご批評ください。

私が眠っている間に

蝶が翅をたたむ傍らで
ロゼットが湿っていく
ごく細かい年輪を刻んできた大木の夢が頂点に達し
その根が一本ずつゆっくりと
地面から外れていく
大気圏で流星が燃え尽き
運転手が女を摩天楼へ届け
放火犯が興奮して帰ると
豆苗がくねりながら水を吸っている

私は泣きながら眠り続けるが
君は疑問の余地もなく起き上がるだろう
窓を開けて消えていく夜を目で追い
湯を沸かし豆を挽く
専売所に白紙の朝刊が届く
数羽の鷺が枝で首をもたげる
海が碧くなる前に港を出た船が
空の底で眠る私に網をかぶせる
このまま目覚めずにいたいのだが
貝殻草の花びらのように喉が乾いている

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