湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

熱の詩パート2

2018-07-15 21:27:21 | オリジナル
共通テーマ「熱」でTが書いた詩を投稿します。

逝く時までそばにいたよ

ドラムを叩きながら
メンバーと一緒に熱唱していた
「スタンド・バイ・ミー」
ライブ終了後
「よかったよ、おじさんバンド」
あなたの肩に手をやって
その薄さに はじめて
あなたが持っている時間の少なさを知った

一か月後 ホスピスに入院
週末はあなたのお姉さんと二人
普通の日常を届けに行った
あなたの食事を
目の前で替わりに二人で食べ
きのうまでのできごとを三人で話した

「二人展をやりなよ」
あなたの提案で
二人の絵の展示する場所をすぐに探した
あなたが見た唯一の未来

手首に付けたモルヒネを
自分で調節するようになると
時々 あなたは夢の境を漂い
「Xデーはいつかな」
心待ちにしているみたいに
私達に笑いかけた

熱唱から三ヶ月後
二人展開催十日前に
あなたは逝ってしまった

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