湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

高橋睦郎と三島由紀夫

2015-01-26 01:46:54 | 文学
三島由紀夫は今年生誕90年・没後45年だそうです。一昨日、Eテレで「日本人は何をめざしてきたのか 知の巨人たち 第7回 昭和の虚無を駆けぬける~三島由紀夫~」を見ていたら三島を「大虚無です」と語る詩人の高橋睦郎が出てきました。
 再放送は1月31日0:00~
逗子の自宅書斎で取材を受けていますね。
 広報ずし2005年11月号  自宅で撮影した写真が表紙になっています
当ブログで1月20日にご紹介した「詩を書こうと思ったら…」という文章は、この特集記事から抜粋したものです。インタビューの中で、1964年に発表した第2詩集を送った人々の中で直接電話をくれたのが三島だったことから親交が始まったと語っています。
「二つの岸辺」という彼の詩も掲載されています。

夜歩く人は早足で波打ちぎわを
砂浜の東の端から西の端まで歩いて
折り返し 東の端まで戻って来る
彼の歩みと直角に 重い夜の海が
白い歯を見せて 音もなく寄せている
とおい とおい 向こう側の岸辺から
二週間前 その岸辺に立っていたのだ
その時 吹きつける風の中で感じていた
見えない向こう側は ここだったのだ
今の夜歩く人は 昼に立つ人だった
波だけが同じにしらしらと寄せていた
見はるかす固い干潟の先の先
絶えず位置を変える波打ちぎわまで


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