今日オンエアされたプレバト!!で、名人10段東国原英夫さんが下記の作品で、永世名人への道をひとつ前進。
炊き出しや並べば遠き秋の雲
上五の切字「や」が、ファーストカットの絵力を発揮したと評価されました。以下、夏井先生のコメント。
平場の皆さんならだいたい上五の末尾を「や」ではなく「に」にしてしまうでしょう。「炊き出しに並べば遠き秋の雲」の方が意味が通じやすいかもしれないけれど、ずるずると1カットで絵が続いてしまいます。切れ字「や」にすることで、炊き出し風景のアップが様々に浮かんできます。切字でカットが切り替わった後に、広い光景に変わる編集効果が出てきます。作者は言葉で映像を描くことがちゃんと分かっている訳です。
また中七の「並べば」を「並んで」とやっても通じますが「並べば」の方が意味合いが広く、3つの解釈ができます。1つめは原因理由。2つめが偶然。3つめに「並ぶ時はいつも」つまり常にという意味。「常に」の解釈を選べば、読み手は主人公の背景や心情を考え始めます。するとこの句が描く炊き出しは、災害時ではなく生活困窮者への炊き出しだと読み取れるようになります。
たった17音の俳句だからこそ、2音でもより深い意味が出せる工夫をしないといけないんですね。
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